[2006.12.3] -[門真民報]
4月1日施行された介護保険法の「改正」によって、要介護1、要支援1・2と認定された「軽度者」については介護保険制度での福祉用具(車いす、ベッドなど)の貸与の対象としない(保険給付対象外)こととしました。従来利用者への経過措置も9月末で切れることから、車いすやベッドを引き上げるか高額の出費で購入や保険外のレンタルの選択が迫られていました。しかし、厚生労働省は一律に軽度者を保険給付の対象外とするのではなく、告示による基本動作ができないことなど、福祉用具貸与が必要であると認められる場合においては、例外的に対象とすることとしていました。こうしたなかで、保険給付の対象とすべきにもかかわらず、対象とならない事例が少なくないことや判断方法を検討すべきとの要望が自治体から出されていることから、厚生労働省は「軽度者に係る福祉用具貸与の取扱い及び利用事例の調査について」で、各自治体の実態調査を行っています。くすのき広域連合もこの調査依頼に対して回答していますが、詳細は明らかにされていません。
しかし、門真市だけでも要介護1が一〇九二人、要支援1が二二〇人、要支援2が三五四人(10月末現在)となっています。今回の制度の「改正」によって、自費レンタルへの移行、通信販売で普通のベッドを購入せざるを得なくなり、そのことによって足腰の痛みを訴える例や事業所に怒鳴り込んだりする例もあります。また、地域包括支援センターへの相談、苦情も寄せられています。福祉用具貸与の保険給付対象外になった場合の対応については9月議会で吉松議員が市独自の助成を行うよう求めています。くすのき広域連合での助成を行うことはもちろん、市独自の助成も検討することが求められています。そのためには、くすのき広域連合が主導し、地域包括支援センターと各事業所が連携し、実態を把握することが欠かせません。党議員団は引き続き制度改悪による「ベッドはがし」等がおこらないように、国への制度改善と、くすのき広域連合や門真市に対し独自の助成を行うことを強く求めていきます。
11月17日、大阪府市議会議長会主催の議員研修会が開かれ、「これから地方自治」と題して、東京大学名誉教授、大森彌(わたる)氏が講演をおこないました。日本共産党から吉松正憲・中西みよ子議員が参加しました。大森氏は、現在の地方制度を改革しなければ、制度そのものが機能しなくなっているとし、何よりも議会が議案提出権の行使をはじめ、首長側と同等以上の権限を発揮することの必要性を強く指摘しました。さらに、憲法の規定を引き、地方自治の大前提に地方議会があり、地方議会は住民自治のさいごの砦であること。 最も重要なこととして、現在は、議案提出権を首長が持っているが、首長が、自分で企画立案して、自ら執行しているのはおかしな話であること。議会が自ら企画立案できるようにならなければ、真の地方分権にならないことを強調しました。そして、地方自治法の主な改正内容について、議長に臨時会の召集権が付与されることになったこと、常任委員会に議案提出権を与えられることになったことなどについて説明をおこないました。
「今回の自治法の改正は、積極的な内容ですが、第28次地方制度調査会そのものについては、『道州制の導入をすべき』との答申も出しており、重大な問題点を含んでいることも、しっかりおさえておかなければならない」というのが、参加しての感想です。
11月23日、京橋共同法律事務所友の会主催の「秋の懇親会」が大阪市内で開かれ、門真、守口、大東の共産党議員団も参加しました。第一部では、合唱団「昴」が7曲を熱唱。会場は大きな拍手に包まれました。つづいて木藤なおゆきさんの憲法漫談「地球のすみずみに憲法の花を」で笑うと同時に憲法の大切さを確認しました。第二部では、食事をしながら歓談。門真、守口、大東の各議員団から、来年の一斉地方選挙にあたっての決意が語られました。
11月26日、南部・門真団地後援会は、南部市民センターで「後期高齢者医療制度」の学習会を開催し亀井あつし議員が講師をつとめました。08年4月1日から実施される制度について、75歳以上の高齢者を国民健康保険と別立ての保険にして、医療費が増加すると保険料が値上げされる問題などについて詳しく説明しました。そして、後期高齢者医療制度をはじめ連続する医療改悪は、事業主負担の軽減を財界が再三にわたり政府に要求した結果と説明しました。亀井議員が、「地方自治体で保障されている制度の活用などをおこない、後期高齢者医療制度の改善に向けて運動を取り組んでいくことが大切」と訴え、参加者から共感の声が寄せられていました。