[2015.6.19] -[議会活動]
1.「戦争する国づくり」をすすめる安倍政権が強行しようとしている「戦争法案」に対する認識と「非核平和自治体宣言」都市としての取り組みについて
(1)衆議院憲法審査会の参考人質疑で3人の参考人全員が「憲法違反」と意見を述べた安全保障関連法案に対する認識について
与党自民党と公明党との合意のもとで行われた昨年7月の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定に基づき、今国会に提案され衆議院で審議入りしている「国際平和支援法」、「平和安全法制整備法」は、自衛隊の海外派兵を恒久化し、「周辺事態」の枠を取り払い地球の裏側まで派遣を可能とし、「後方支援」とは名ばかりで、武器の輸送など軍事の要となる「兵站」支援を行い、「集団的自衛権」の名のもとに、これまで一度たりとも反対したことのないアメリカの起こす戦争にどこまでも協力していこうというもので、「平和」「安全」とは程遠い憲法9条違反で立憲主義を踏みにじる、まさに「戦争する国づくり」をすすめるものにほかなりません。
そしてこの法案をアメリカに約束した通り、国会を延長し、この夏に強行しようとしています。
この法案提出に対し、日本弁護士連合会は5月29日に「安全保障法制等の法案に反対し、平和と人権及び立憲主義を守るための宣言」を発表し、「日本国憲法前文及び第9条が規定する恒久平和主義に反し、戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるものであり、立法により事実上の改憲を行おうとするものであるから、立憲主義にも反している。」と断言しています。
国会審議では審議すればするほど憲法違反の実態が明らかとなり、6月4日に開かれた衆議院憲法審査会では、与党推薦の参考人はじめ3人の憲法学者全員が明確に「憲法違反」との意見を述べたことに止まらず、200名近くの憲法学者・大学教授が反対声明をだしています。
また、10日には自民党の村上誠一郎衆議院議員は日弁連が主催した安保法制に反対する集会に出席し、「学者がそろって違憲だと言っているのに、自民党がそれを無視することは、あまりにも傲慢ではないか」と、強い口調で自らの所属する自民党を批判しました。
さらに、10日の全国市長会総会で中川ともこ宝塚市長が「慎重審議を求める申し入れ」提案を行ったことをはじめとして、少なくない首長が政府に慎重な対応と国民への丁寧な説明を求めています。
本市は、1983年(昭和58年)に「世界のすべての国々が非核三原則を国是とし、戦争のない平和な社会を築くことを念願」し、「非核平和都市」を宣言しています。
今こそ「非核平和都市宣言」都市にふさわしく、平和憲法の草案作成に貢献した第44代内閣総理大臣、幣原喜重郎生誕の地門真から政府のこのような姿勢に対し、少なくとも「今国会での強行ではなく、慎重な対応と国民への丁寧な説明」を求めるべきと考えますが、安全保障関連法案に対する認識と合わせて答弁を求めます。
(2)「非核平和都市宣言」都市としての取り組み状況と今後の取り組みについて
「非核平和都市宣言」都市としての本市の取り組みについては、第5次総合計画の基本目標4「いきいきと人が輝く文化薫るまち」の「非核平和都市の実現」に位置付けられ、「『非核平和都市宣言』の周知をはじめ、世界の恒久平和を願い、平和を愛する国内外の諸都市と連携して、核兵器の廃絶など世界から武力による戦争をなくすことを市民とともに訴えていきます。」とし、非核平和講演会の開催、非核平和行進等への支援を行っていますが、講演会への参加数など必ずしも十分な取り組みとなっていないと考えます。
現在、「非核平和都市宣言」をどのように周知しているのか、国内外の諸都市との連携をどのように図っているのか、学校教育や社会教育などを通じて「平和を愛する意識」の高揚をどのように図っているのか、取り組みの現状の評価と今後の取り組みについて答弁を求めます。
【答弁】
「戦争する国づくり」を進める安倍政権が強行しようとしている「戦争法案」に対する認識と「非核平和都市宣言」都市としての取り組みについてのうち、衆議院憲法審査会の参考人質疑で3人の参考人全員が「憲法違反」と意見を述べた安全保障関連法案に対する認識についてであります。
現在、国会において、日本の平和と安全、国際社会の平和と安全に関する複数の法案について提案され、多くの議論が交わされておるところであり、今後においても様々な議論を踏まえ、慎重かつ十分な審議が尽くされるべきものであると考えております。
本市といたしましても、非核平和都市宣言の趣旨や、市民の安全・財産を守る立場を認識しつつ、今後の審議の動向を注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
「非核平和都市宣言」都市としての取り組みの現状と今後の取り組みについてであります。
はじめに、「非核平和都市宣言」の周知につきましては、宣言文を掲載した啓発チラシを作成し、啓発事業開催時に市民の皆様に配布するとともに、人権女性政策課前の啓発コーナーにも配架し、周知に努めているところであります。
次に、国内外の諸都市との連携についてであります。
本市におきましては、世界の都市が緊密な連携を築き、世界恒久平和の実現に寄与することを目的に設立された平和首長会議へ平成22年7月に加盟し、国内外の平和事業の情報収集に努めるとともに、同会議に加盟する北河内7市で設置する人権啓発推進協議会において、平和事業への相互協力を行うなど、近隣市での連携に努めております。
また、本年1月には日本非核宣言自治体協議会の「平和事業担当者研修会」に参加し、世界情勢と自治体連携等の事例などの情報収集にも取り組んでおります。
次に、学校教育や社会教育などを通じた「平和を愛する意識」の高揚についてであります。
市内全小中学校においては、社会科の授業や特別活動、道徳の時間、総合的な学習の時間等において、平和教育に取り組んでおります。また、社会教育といたしましては、人権全般に係る各種啓発事業を共催事業として開催するなど、平和を愛する意識の高揚を図っております。
取り組みの現状評価と今後につきましては、非核平和推進事業は昨年度から、多くの市民の皆様に平和の尊さを考えていただく機会となるよう、事業の企画内容を変更し、26年度においては200名以上の方にご参加いただき、好評を得たところであります。
本年は、戦後70周年を迎える節目の年でありますことから、例年より多くの市民の皆様に戦争の歴史を振り返り、改めて平和を希求する機会としていただくため、戦争に関する映画の上映会や関連するパネル展示などの事業を企画しております。
今後におきましても、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を願い、引き続き市民の皆様への周知、啓発に取り組んでまいります。
2.開発会社主導や税金のムダ遣いでなく、住民合意ですすめる幸福町・中町のまちづくりについて
(1)中町地区の旧ダイエー跡地に関わって、都市再生機構が法に基づく業務を殆ど行わず、多額の利益を得たのではないかという問題について
この問題は、先の第1回定例会総務建設常任委員会で初めて取り上げた問題ですが、5年余り前に開発会社が旧ダイエーの土地・建物を約15億円(内土地は11億5500万円)で取得、その直後に約13,000㎡の土地のうち、約7,000㎡を譲り受けた都市再生機構が、都市再生機構法に基づく業務を殆ど行わず昨年10月に減歩後の約6300㎡を民間に何と17億円余りで売り抜け多額の利益を得たのではないかという問題です。
委員会の議論では都市再生機構が法に基づく業務を行っていたとの認識を示しながら、中町地区における事業で都市再生機構が1円の負担もしていないことが明らかとなりました。
当時開発会社がダイエーから取得した約13,000㎡のうち都市再生機構は約7000㎡を譲り受けたわけですが、その際に開発会社がダイエーから取得した土地の価格11億5500万円をまるまる支払ったとしても、4年半保有をしていただけで5億円余りの利益を得たこととなります。また、按分して7000㎡分の約6億2000万円を支払ったとしたら、10億円以上の利益を得たこととなります。
この事実認識について誤った点があれば具体的に答弁を求めると同時に、こんなことが果たして許されるのかどうか認識について合わせて答弁を求めます。
私はこの問題で、先日都市再生機構に対し、法人文書開示請求を行いました。
そして、2010年(平成22年)3月26日に策定された個別プロジェクト基本方針「門真市中町地区」、2012年5月改定の同方針、さらに2013年3月改定の同方針と、開発会社から土地を譲り受けた際の土地売買契約書、民間に売払った際の土地譲渡契約書の写しを入手しましたが、用地取得額をはじめ経営計画やリスク対策、執行管理調書などは殆どマスキングされ、真っ黒でした。
開発会社が会長を務める門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会と門真市、都市再生機構の三社が結んだ「覚書」に基づき中町地区のまちづくりがすすめられているにも関わらず、このように必要な情報が全く明らかにされないことが、この問題の不透明さを端的に表しています。
個別プロジェクト基本方針では、「都市再生機構の役割」として「地元と協働(役割分担)した土地取得と長期保有」の他に①防災拠点への歩行者ネットワークの早期整備や空地の確保により、防災性の高い住環境の整備②防災機能を持つ公園整備等大規模市有地(中学校跡地)を活用した密集市街地整備の支援③整備敷地においてまちづくり基本計画に即した適切な民間誘導の実施④コーディネーターとして、密集市街地整備による防災性の向上と商店街活性化の支援が挙げられています。
都市再生機構はこの4点について、これまでどのような事業を行ってきたのか、今後どのような事業を行うことになっているのか具体的な答弁を求めます。
また、個別プロジェクト基本方針が策定されたのは3月26日であり、その内容は詳細なもので、策定にあたっては当然本市との協議を重ねたものと考えますが、いつから協議を始めたのか基本方針策定までの経過についてもあわせて答弁を求めます。
(2)幸福町・垣内町地区の事業の進捗等について
幸福町・垣内町地区の事業については、来年度中ごろに土地区画整理組合が設立され、仮換地指定後に道路や交流広場などの公共施設の整備、図書館等生涯学習複合施設の建設を実施し、2019年度(平成31年度)末のまち開きを目指しているとの考えが示されています。
また、交流広場と一体となった低層部に商業、サービス機能、高層部に居住機能等を複合的に配置するなど、民間活力の導入による高品質な都市機能の誘致を目指すとの考えが合わせて示されていますが、その具体的な内容について答弁を求めるとともに、当該地域の関係者に対し、このような考えが一体どのように説明されているのか、幸福本通り商店街など、一部建物の除却が進んでいますが、当該権利者や借家人の方に丁寧な説明が行われ、合意の下ですすめられているのか、事業の進捗と合わせて答弁を求めます。
(3)古川橋駅北側における「再開発」計画について
この問題についても、先の第1回定例会総務建設常任委員会で質しましたが、本市が策定し当初予算で国の補助金5000万円が計上された「都市再生整備計画事業」のなかで古川橋駅北側の「再開発」計画が盛り込まれ、その詳細の公表は国の承認後との答弁でした。
そして新年度間もなく公表されるものと思っていましたが、一般質問準備のために私が問い合わせるまで全く報告はなく、問い合わせであわてて6月12日付で議会に対しその内容が明らかにされたものです。
その内容は、2015年度(平成27年度)から2019年度(平成31年度)までの計画期間で、古川橋駅周辺地区において、生涯学習施設や市立図書館整備、交流広場整備など、これまでに示されていたものもありますが、先の委員会では全く答弁の無かった地下駐車場整備約4億円、やペデストリアンデッキ整備事業約12億6千万円など、これまで全く議会にも示されてこなかったものが計上されています。
ペデストリアンデッキとは、高架になっている歩行者用の通路、歩道橋の一種で、恐らく古川橋駅の改札部分から、車道を横断することなく、第一中学校跡地へと渡る施設だと考えられますが、その具体の内容について答弁を求めるとともに、このような計画がいったいどのような場での議論を経て策定されたのか、議会に対し全く説明が無かったのはなぜか、京阪電鉄との協議は行われているのか、市民意向など把握したのか具体的に答弁を求めます。
【答弁】
始めに、中町地区の旧ダイエー跡地に関って、都市再生機構が法に基づく業務を殆ど行わず、多額の利益を得たのではないかという問題についてであります。
事実認識につきましては、議員ご指摘の開発会社が、ダイエーから取得した土地の金額、面積、また、都市再生機構が開発会社から譲り受けた土地の面積及び民間に売却した土地の金額、面積につきましては、裁判資料や都市再生機構の情報等から確認でき、おおよそ正しいものと認識しております。
しかし、議員ご指摘の利益額については、先述の金額を単純に足し算、引き算しただけで判断できるものでないと考えております。
また、これら土地取引が許されるのかにつきましては、民民の取引であることから、問題ないと認識しております。
次に、都市再生機構はこの4点について、これまでどのような事業を行ってきたのかについてであります。
1点目の防災拠点への歩行者ネットワークの早期整備や空地の確保により、防災性の高い住環境の整備につきましては、都市再生機構が区画整理事業へ参画し、それに伴う減歩負担により、防災拠点への歩行者ネットワークの整備が可能となったこと。また、譲渡土地での耐火建築物の整備による不燃化や空地の確保に伴う防災性の高い住環境の整備が実現できるものと考えております。
2点目の防災機能を持つ公園整備等大規模市有地を活用した密集市街地整備の支援につきましては、都市再生機構が本来、事業参画しなくとも独自で事業展開できたところ、区画整理事業へ参画し、それに伴う減歩負担により、中町地区全体における密集市街地整備の支援をしていただいているものと考えております。
3点目の整備敷地において、まちづくり基本計画に即した適切な民間誘導の実施につきましては、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」に基づき、高品質な居住機能の導入を図ること等を条件とした、民間事業者の公募により、まちづくり基本計画に即した適切な民間誘導が実現されたものと考えております。
4点目のコーディネーターとして、密集市街地整備による防災性の向上と商店街活性化の支援につきましては、まちづくり基本計画に即し、防災性も考慮した高品質な居住機能の導入が実現されることにより、定住人口の増加等による商店街活性化等も見込まれるものと考えております。
今後、どのような事業を行うことになっているのかにつきましては、今後の中町地区における都市再生機構の事業は、譲渡土地での住宅の完成をもって、一定、完了するものと考えております。
次に、基本方針策定までの経過についてでありますが、議員が開示請求された個別プロジェクト基本方針は、都市再生機構が社内における経営判断資料として、独自で作成されたものであり、策定までの経過については、市は関知する必要がないと認識していることから、確認はしておりません。
また、協議開始時期については、協議録等が存在しないため、確認できませんが、本市がまちづくりに対する要請を行うにあたり、協議は行われているものと認識しております。
次に、幸福町・垣内町地区の事業の進捗等についてであります。
幸福町・垣内町地区のまちづくりにおける民間活力用地につきましては、具体的な方針は決まっておりませんが、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」では、1階から2階において、商店街と賑わい広場に向って商業サービス施設等を配置し、広場と商店街に向けた賑わいの演出を図り、3階以上においては、高層の集合住宅により利便性の高いまちなか居住を図るなどの計画が示されており、民間活力の導入による高品質な都市機能の誘導を目指してまいります。
当該地域の関係者に対しての説明につきましては、「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会」において、協議会委員である商店会役員、自治会長等に周知されているものと認識しております。
また、地区内の権利者におきましては、事業組合と共に、役割分担を明確にし、個々の権利者に理解を得るべく、事業の概要説明を行っており、借家人に対しましても、スケジュール等の説明会の開催も行い、合意の下、事業を推進しております。
今後につきましても、引き続き権利者等に対し、合意形成が図れるよう十分な説明を行い、早期の土地区画整理組合の設立を目指してまいります。
次に、古川橋駅北側における「再開発」計画についてであります。
古川橋駅周辺地区の都市再生整備計画につきましては、密集市街地の問題、公共施設の老朽化、機能の低下による賑わいが失われつつある商店街等の諸問題を解決するため、「地域コミュニティを育む文化・芸術・学習の交流拠点の形成」をまちづくりの目標に掲げ、交流広場の整備と併せ、歩行者の移動上の利便性及び安全性の向上を図るため、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」に基づき、考えうる駐車場の整備やペデストリアンデッキの整備方針を掲げたものであります。
なお、ペデストリアンデッキにつきましては、古川橋駅からの接続する計画ではなく、広場を囲むように、建物の2階レベルにペデストリアンデッキを配置し、地区内の回遊性を高めると「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」で示されております。
整備計画の内容につきましては、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」に基づいた計画として、現段階で国の補助金制度を最大限活用できるよう策定したものであり、詳細な庁内議論及び京阪電鉄等との協議まで至っていない状況でございます。
議会に対しての説明につきましては、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」の策定時に、一定の説明が行われていることから、ご承知のことと認識しております。
また、市民意向につきましても、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」の策定にあたり、地元地権者へのアンケート調査等を踏まえ策定されたものであることから、市民意向の把握は出来ていると考えております。
今後につきましては、整備計画の目標を達成するため、関係機関等との協議及び調整を図り、事業内容を精査した上で、議会等に対し説明してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
【再質問】
まず、戦争法案に対する認識については、直接示されませんでしたが、「慎重かつ十分な審議が尽くされるべき」との考えが示されました。
しかし安倍政権は、どのような議論になろうとも強行の姿勢を崩していません。市としてこのような姿勢が明確になれば、「強行するな」の声をあげていくことを強く求めます。
幸福町・中町のまちづくりについては、旧ダイエー跡地をめぐって、住民訴訟で係争中の開発会社への29億円の過大な建物除却補償費問題に続き、市が3億6,700万円を支出し区画街路などを整備した1画地を都市再生機構が1円の負担もすることなく、また法に基づく業務を殆ど行うことなく、民間に17億円余りで売り抜け多額の利益を得たのではないかという問題であるにも関わらず、答弁からは、市民の血税を垂れ流しているという認識はかけらも感じられませんでした。このことを厳しく指摘するとともに以下3点について再質問します。
① 都市再生機構をめぐる土地取引の問題については、事実関係について「おおよそ正しい」としながら、「民民の取引であることから問題ない」との認識がしめされました。
しかし、本市と当時開発会社の社長が会長を務めていた「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会」、都市再生機構の3者間で、2010年(平成22年)3月26日に「門真市幸福町・垣内町・中町におけるまちづくりの推進に関する覚書」が締結されており、土地取引をめぐる諸問題も当然門真市との協議も踏まえて行われていたと考えるのが自然であり、単に「民民の取引」でないことは明らかで大問題と言わざるを得ません。
この点も踏まえて本当に「問題ない」のか再度答弁を求めます。
② 私が都市再生機構から開示請求により入手した中町地区に関する「個別プロジェクト基本方針」について「都市再生機構が社内における経営判断資料として独自に作成されたもの」であり「市は関知する必要がない」とのあきれた認識が示されました。
そしてこの基本方針を私が示すまで全く見たことが無かったということについては、驚ろくべき事実だと言わざるを得ません。
この基本方針には、事業期間を7年とし、住市総事業計画変更や事業着手、主要生活道路や公園整備など、本市と協議することなく作成することができない事業スケジュールが盛り込まれています。
また、この基本方針が策定された3月26日は、先ほども述べたまちづくりに関する覚書が3者間で締結された日であり、こうした経過を見ても「関知する必要がない」とは到底言えません。
この点を踏まえても本当に「関知する必要がない」と考えているのか、「都市再生機構との協議開始時期、協議記録が存在しない」とのことでしたが、一連の経過について都市再生機構に確認する必要があると考えますが答弁を求めます。
③ 古川橋駅北側の「再開発」におけるペデストリアンデッキ等については「幸福町・中町まちづくり基本計画」にもとづいた計画なので、議会への説明も市民の意向把握もその当時に済んだとの認識が示されましたが、2011年(平成23年)7月に示された「門真市財政健全化計画・中期財政見通し」における「公共公益施設構想図」には全くなかったものです。
その時々にそれぞれの計画を都合のいいように使い分けるやり方は、議会と市民を愚弄するものにほかなりません。
この点を踏まえ、「幸福町・中町まちづくり基本計画」と「公共公益施設構想図」はどのように整合性が図られているのか、明確な答弁を求めるとともに、今後も幸福町・中町のまちづくりについては、徹底調査のうえ質していくことを述べて再質問とします。
【再質問に対する答弁】
まず、「民民の取引であるから問題ない」との認識であるが、本当に「問題ない」のかにつきましては、「門真市幸福町・垣内町・中町におけるまちづくりの推進に関する覚書」は、3者が相互に協力し、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」に定められたまちづくりの目標等の実現に向け、密集市街地を改善し、魅力ある快適で安全な中心市街地の再生を円滑に推進することが目的とされております。
したがって、民間の不動産取引など、民民の取引に市は、関知する立場にはないものと認識しており、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、問題ないものと考えております。
次に、個別プロジェクト基本方針策定までの経過について、本当に「関知する必要がない」と考えているのかにつきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、都市再生機構が社内における経営判断資料として、独自で作成されたものであり、策定までの経過については、市は関知する必要がないと認識しております。
また、一連の経過につきましては、都市再生機構にも確認いたしましたが、本市との協議の議事録等が存在しないため、確認できないとのことであります。
次に、「幸福町・中町まちづくり基本計画」と「公共公益施設構想図」との整合性についてであります。
平成23年7月に策定した「門真市財政健全化計画・中期財政見通し」は、「第5次総合計画」をはじめ、「幸福町・中町まちづくり基本計画」等の様々な計画を踏まえつつ、平成28年度までに見込まれた新体育館及び生涯学習複合施設建設費用及び住宅市街地総合整備事業費などを含めた、中長期的な財政見通しをお示ししたものであり、当然のことながら、当該計画期間外における事業費については、計上しなかったものでございます。
また、同計画とあわせてお示しした「幸福町・垣内町・中町地区公共公益施設構想図」につきましても、平成28年度見込みの本庁舎及び古川橋駅周辺における公共公益施設の状況を、市民の皆様にわかりやすくお伝えするため、公表したものであり、何ら都合のいい使い方をしているものではございません。