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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2014年12月議会 豊北ゆう子議員の一般質問・答弁

    [2014.12.16] -[議会活動]

     子ども・子育て支援新制度について、はじめに、新制度で待機児童が解消できるのかについてです。

     安倍政権が来年4月に実施を強行しようとしている「子ども子育て支援新制度」は、これまでの市町村の責任によって保育を提供する現物給付の制度を改め、利用者と事業者の直接契約を起点にする現金給付のしくみに変更されるなど、これまでの国と自治体が保育に責任をもってきた公的保育制度を崩し、基準が様々な保育サービスの導入、さらなる営利企業の参入の拡大、公立保育所の廃止や幼稚園との統合など、保育に対する国や自治体の責任を後退させることになり問題だと言わざるをえません。

     いま、来年4月からの認可保育所などの申し込み、入所決定待ちの時期を迎えて、「認可保育所に入れなかったらどうしよう」「本当に希望する施設や保育が受けられるのか」「保育の質はどうなるのか」保護者の間では、不安と、入所を願う必死の思いがひろがっています。

     待機児童は、今年の4月の政府が発表した数字では21371人、実態はさらに2倍以上といわれ、ひきつづき深刻な状況です。

    門真市においては、本年101日現在で、104名だと言うことが、決算の際に明らかになりましたが、121日現在では、さらに増加し149人となっています。

     年齢別に見ますと、0歳児83人、1歳児34人、2歳児16人、3歳児134歳児3人となっており、0歳から2歳児までの乳児が占めるの割合は、89%です。早く待機児童を解消し保育の充実を図ることが、本市でも求められています。

     新制度では、認定こども園や地域型保育など多様な施設、事業所でこの待機児童の解消を図ろうとしています。

     地域型保育は、定員が6名から19名以内の小規模保育、定員5人以下の家庭的保育、居宅訪問型など4事業となっています。小規模保育事業には3通りあり、職員が全員資格者のA型、半分のB型、ゼロのC型となっています。家庭的保育に従事する方は、何時間かの講習を受けただけでいいとしています。

     乳児の事故や死亡率は、厚労省の調査では資格者が少ない認可外保育施設が認可保育よりも45倍、家庭的保育では230倍になっていることに現れているように、子どもの発達の保障と安全性の保障に非常に問題があることを指摘せざるをえません。

     これでは、ただ施設にさえ入りさえすれば、待機児童がゼロになればいいという施策に感じられます。 

     我が党は、本市の9月議会で、「門真市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」について審議された際、本市の保育士の条件については、基準では、「保育士または保育士と同等以上の知識及び経験を有すると委員会が認める者」としているところを「保育資格を有する者」に限定する様、付則として「5年の経過措置をとる」という修正案を亀井議員が提出し反対しましたが、A型は全員資格者、B型は資格者が半分、C型は全員資格者でなくていいといった国で示された通りの基準に決められましたが、本当に大丈夫なのか危惧するものです。

     また、国の新制度では、幼保連携型や幼稚園型の認定こども園が、定員割れをしている幼稚園を活用し待機児童対策として進められようとしていますが、幼稚園関係者からは3歳未満児の保育は新たな取り組みで躊躇される向きもあり、政府は幼稚園から移行する場合は3歳未満児の定員は設けなくていいともされています。

     私は、待機児童の解消が早期に図られることを望むものですが、これでは、待機児童の解消が図れるのか疑問です。こう言った問題点がある新制度で待機児の解消が図れるのか、本市のお考えをお聞かせください。

     (仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画についてです。

     新制度では、各自治体に「子ども子育て支援事業計画」を策定するように義務付けられています。門真市でも子ども子育て会議で今議論されているところですが、事業計画は、市民のニーズ調査に基づいて2015年度から2020年度までの目標と確保策が示されていますが、まず、計画の概要についてお答えください。

    (仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画(素案)には、策定するにあたってのニーズ調査の結果が記載されています。その中では、乳幼児のいる保護者へのニーズ調査では、非常に認可保育所の要望が高くなっていることが伺えました。

     例えば、「利用したい事業」では、「認可保育所」が40.1%と最も高くなっています。「妊娠について」の項目では、「充実してほしいと考えるサービス」は、「保育所()を増やすなどの保育サービスの充実」が、他の要望より1番高くなっています。 

    (仮称)「門真市子ども・子育て支援事業計画」素案の中の確保方策では、「既存施設の活用を基本とし、各年度の利用実績と確保状況を踏まえつつ、必要に応じて新規施設を含めた確保方策を図る。」とされ、新制度実施後3年経って新規施設を含めた確保方策を図るとしていますが、現時点で149人もの待機児童が発生していますが、それで間に合うと考えているのか答弁を求めます。

      認定こども園についてです。

     幼保連携型や幼稚園型の認定こども園は、定員割れをしている幼稚園を活用した待機児童対策として打ち出されていますが、本市も認定こども園の促進を考えていると聞いています。

     認定こども園は、幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型とされていますが、主に幼保連携型には、多くの保育研究者から基本的な問題があると指摘されています。

     問題の一つは、保育時間が異なる子どもが一緒に保育を受けるために、長時間の子どもは一日に最低3回も保育室を移動することになること。同時に保育者も変わるため保育士と子どもの信頼関係や子ども同士の関係性が形成しにくいなどです。

     二つ目に、3歳以上の保育では、「短時間」と「長時間」により保育内容が区別され、保育の一貫性が保障できないこと。

    三つ目は、夏休みなどの長期休暇では、短時間児は夏休みをとり、長時間児は保育を受けることになり、長期休暇後の保育の目標や内容をどのように設定するのか、難しい問題であり、夏休み中の保育をどうするのか複雑な問題を抱えることになること。

     また、幼保連携型認定こども園は、学校としての教育が強調されることから、幼児保育が学校教育の準備教育に矮小化される一方で、保育が教育を除く養護に限定されることになるなど、幼児期の子どもにとって、もっとも大切な生活や遊びが軽視されることになると危惧されています。

     本市では、仮称「門真市子ども・子育て支援事業計画」素案に、「保護者の就労状況に関わらず、すべての子どもに幼児期の教育・保育が提供され、保護者の新たな選択肢の一つとなる認定こども園の普及を促進します。」と書かれていますが、市として今述べた問題点をどのように認識しているのか、また今述べました問題点についてもしっかり議論することが求められると思いますが市のお考えをお聞かせください。

     児童福祉法第24条第1項に基づく保育所の増設についてです。

     新制度では、児童福祉法241項の保育に対する市の実施責任を明確に示した保育所と、2項の市の責任があいまいな認定こども園や小規模保育などのその他の保育所とに分けられ来年度から始められようとしています。

     2項の施設、とりわけ小規模保育事業所については、問題点を指摘しましたが、今後において、B型、C型の事業所であっても、施設の拡充、充実が図れるよう市として支援していくことについての市の考えと、本来、保育所を必要とする子どもは、全員、市の実施責任を明確にした現行の児童福祉法第24条第1項に基づく「保育所」に入所できるようにしていくべきだと考えますが、市の考えをお聞かせください。

     最後に、保育を必要とするすべての子どもに公的責任で保育を保障し、どのような形態であっても保育に格差をつくらず、手厚い支援を行い、将来を見据えて、誰もが子育てしながら安心して働き続けられる社会条件の整備を求め質問を終わります。

     

     

    【こども未来部長の答弁】

     子ども・子育て支援新制度についてであります。

     新制度で待機児童の解消ができるのかについてであります。

     新制度におきましては、今後不足が見込まれる保育定員を確保するため、保育所、認定こども園、地域型保育事業による定員拡充を図ることとしております。この中で、地域型保育事業は、特に不足が見込まれる3号認定こどもを対象としており、待機児童の解消に有効な事業であると考えております。

     事業の認可では、条例に定める客観的な基準に基づき、現在運営されている認可外保育施設からの移行を予定しており、保育の質や安全性の確保につきましては、いずれの小規模保育事業の類型におきましても、認可及び認可後の指導監査等を通じて、認可基準等の適切な運用を行い、その確保を図ってまいりたいと考えております。

      また、認定こども園への移行につきましても、保育所及び幼稚園において希望されている園もあり、これらの方策が、待機児童の解消に大きく寄与するものと考えております。

      次に、(仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画についてであります。

     現在策定中の「(仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画」におきまして、今後の保育の量の見込みと不足する定員の確保方策を示してまいります。計画期間である5年間での確保の考え方といたしましては、新制度開始当初の3年間では、認可保育所をはじめとした既存施設での定員拡充を図り、その後、定員の拡充が必要な場合には、新たな認可施設の開設に要する2年間の期間を確保した上で、設置を検討することとしており、計画の進行管理を通じて、量の確保を図ってまいりたいと考えております。

      次に、認定こども園についてであります。

     幼保連携型認定こども園につきましては、就学前における教育・保育を一体的に提供できる施設として、新制度において普及が図られているところであります。

     議員御指摘の、園児の在園時間の違い等により、保育時間が異なる場合におきましても、一人一人の児童に合わせた保育内容やカリキュラムの工夫など、園児の状況に配慮した運営により、支障は生じないものと考えております。また、認定こども園は、子どもの育ちにとっての基礎となる就学前の教育・保育の充実に寄与するとともに、就労の有無によらず利用できる施設として、保護者にとっての新たな選択肢となり、子育て支援策の充実につながるものと考えておりますことから、本市といたしても普及を促進しているところでございます。現在、他市での取り組みも調査・研究に努めているところであり、引き続き計画の推進過程においても、門真市子ども・子育て会議等の議論も踏まえつつ、教育・保育の質の向上を図ってまいります。

      次に、児童福祉法第24条第1項に基づく保育所の増設についてであります。

     新制度におきましては、児童福祉法第24条第1項の規定により、市町村が保育所における保育の実施義務を担うとともに、同条第2項により、保育所以外の保育についても必要な保育を確保するための措置を講じることとなっております。さらに、当分の間は、全ての保育に係る利用調整を、市町村が行うとともに、市町村の支援を受けても保育の利用が著しく困難な場合には、保育の措置を行うこととなっているなど、新制度におきましても、利用する施設等に関わらず、市の保育の実施責任の後退につながるものとは考えておりません。

      現時点において、直ちに基準の拡充及び充実、また新たな認可施設の増設の考えはなく、今後の保育定員の拡充に際しましては、既存施設の活用を基本とした多様な施設及び事業により、量の確保を行ってまいりたいと考えております。