[2007.8.26] -[門真民報]
文部科学省の学校基本調査速報で、不登校(年間30日以上欠席)の小中学生が06年度は前年度に比べいずれも増加し、3.7%増の計12万6764人になることが分かりました。不登校の問題が依然として深刻であることを示しました。
昨年末に「いじめ」が原因とみられる小中学生の自殺が相ついだため、今回から不登校の理由の選択肢に「いじめ」の項目が加えられました。
不登校の数が増えたのは小中学生とも5年ぶり。中学生では、2.86%で35人に1となり、現行方式で調査をはじめた91年以来最多となりました。また高学年ほど増える傾向にあるとなっています。 児童生徒数が減少する中で、不登校の子供達は97年度に10万人を突破してからは12万~13万を推移しています。
門真市では06年の中学生をみると、不登校は137人で不登校の割合は4.1%、24人に1となっており、全国平均より大幅に不登校が多くなっています。過去5年間の小中学生の不登校の推移はほぼ横ばいで減少しておらず対策が急がれます。(表参照)
同調査速報によると学校内外で専門的な指導などを受けた小中学生は、不登校児童生徒の65.5%で、学校のスクールカウンセラーや養護教諭などによる相談が多かったとなっています。
このような指導の結果、登校するようになった小中学生は30.4%となっており、門真市は、今以上に人的措置を投入するなどをして、抜本的な不登校対策によりいっそう力を入れるべきです。
日本政府は、国連子どもの権利委員会から二度にわたって「高度に競争的な教育制度」の改善を勧告されています。不登校の子供達が5年ぶりに増えた背景に、国連の改善勧告に背を向けた安倍政権の「教育再生」路線があることは明らかです。
今回の調査速報によりますと、不登校のきっかけとして、「いじめ」や学業不振など「学校生活に起因する」と見られる小中学生(35.5%)は、「家庭生活に起因する」とみられる小中学生(18.5%)の2倍近くにのぼるという調査結果が示されており不登校の原因の一因に学校教育が左右している事は言うまでもありません。
安倍政権は「教育再生」の名の下で、学校に徹底した競争と差別・選別の原理を持ち込み、子供たちをいっそう過酷な競争に駆り立てる教育を推し進めてきました。
今、子供達に必要なことは、他人と比べて自信を失わせたり、人間関係をばらばらにして人を攻撃的にする競争原理ではありません。人と人との間で生きる喜びこそが、子供達を生き生きとさせます。
今回の調査結果は、子供達を競争に駆り立て、ふるいわけをすすめる教育のゆがみを正すことが、不登校問題の解決にと重要であると考えられます。
門真市の不登校の推移
02年度 | 03年度 | 04年度 | 05年度 | 06年度 | |
小学校 | 22 | 19 | 23 | 16 | 20 |
中学校 | 134 | 133 | 133 | 136 | 137 |
計 | 156 | 152 | 156 | 152 | 157 |
門真市のいじめ認知件数
02年度 | 03年度 | 04年度 | 05年度 | 06年度 | |
小学校 | 1 | 2 | 7 | 3 | 8 |
中学校 | 6 | 3 | 10 | 5 | 18 |
計 | 7 | 5 | 17 | 8 | 26 |