[2007.10.7] -[門真民報]
9月18日から開かれていた9月議会が28日閉会しました。
9月議会は、市の行革計画に基く粗大ごみの有料化をはじめ市民への負担増を求める議案が次々と出された議会でした。
各議案の採決に当たって党議員団を代表し、亀井あつし議員が討論を行いました。
討論ではまず、「市民不在の行革ではなく、市民への説明責任を果たし、市民合意の行財政改革を進めていくべき」と党議員団の考え方を示した上で、印鑑登録証発行を有料化する手数料条例の一部改正、公民館をはじめ4施設の利用料引き上げ、幼稚園保育料の引き上げ、粗大ゴミの有料化、武力攻撃事態法に基づく職員派遣手当ての関係条例それぞれについて反対の立場からの討論を行いました。
各施設使用料の引き上げについては、20年間引き上げられていないものの、物価指数は10%程度の上昇、社会保障制度の後退に伴う負担増など考慮すべきとし、粗大ゴミ有料化については市民説明会も全く開かず、持込みゴミの倍以上への引き上げについても問題点を厳しく指摘しました。
続いて、市政に関する一般質問を井上まり子、吉松正憲、福田英彦議員が行い、市の姿勢を質しました。(詳細別掲)
意見書では「道路整備の推進およびその財源確保に関する意見書」「割賦販売法の抜本改正に関する意見書」が全会一致で可決。「安全・安心のまちづくり推進法の早期制定を求める意見書」については、福田議員が「監視社会化をすすめ、警察が市民生活に入り込むという危惧がある」と指摘し、反対しました。
05年「発達障害者支援法」施行。それに伴って今年度より「障害児教育」が、「特別支援教育」となります。
文科省の報告で、特別な支援を要する子ども(学習障害LD、注意欠陥多動性障害ADHD等)は6.5%、一クラス2~3人と少なくない割合です。未診断の子どもを含め支援体制の強化が必要で、市の発達障害児への支援体制の整備・充実について質しました。
発達障害児は、聴覚、視覚、推論するなどの調整能力が容易でなく対人関係の不得手・パニック症状などがあり、その原因に早く気づき子どものニーズに応じた適切な指導が「特別支援教育」の課題となっています。
井上議員はこの課題の解決の一つとして通級指導教室の設置が求められ、すでに北河内は守口、寝屋川、枚方、交野で設置され、大東、四条畷も設置予定となっており、通級指導教室の設置と人的措置について質しました。
文科省は(1)専門家チームの設置と巡回相談の実施、(2)「校内委員会」の設置とコーディネーターの指名、(3)「個別の指導」・「個別の教育支援」の計画作成を指示しました。これらを実施する上での財源・人的措置について、また「対処方法」に関する書籍等の設置や研修体制について質しました。
答弁、府に養護学校の増設を要望、コーディネーターの指名、校内委員会・医師等を含めた専門家チーム・巡回相談の設置、通級指導教室の設置は検討、人的措置は十分ではないと認識、研修体制等は充実させる。
09年度末の予定で、南部地域に巨大な第二京阪道路が開通します。開通後は1日12万台の交通量となり、第二京阪道路が公害垂れ流しでは沿道住民の健康被害が危惧されることから、03年、公害調停が、事業者を相手に申請され審議が継続されています。現在、本格的工事も進み橋脚も一部立ち上がり原風景が様変わりしつつあります。井上議員は、本市における工事の進捗状況と今後の予定などについて、工事に伴う振動・騒音などの環境対策や歩行者・学童などの安全対策について、さらに市民生活の影響に対する対応や取り組みについて質しました。
これまで、党議員団は沿線住民の要望を踏まえ議会や政府交渉で現況調査を求めてきところです。昨年3月、一部の市民が大気・騒音の現況調査を求める調停を大阪府と門真市に申し立てられ、府が大気、市が騒音の現況調査を実施することで調停が終了しています。井上議員は、これらの現況調査の内容、測定結果の公表の考え方、市の今後の環境行政について質しました。
答弁、市民の安全第一に考える、交通誘導員の配置、現場パトロールを実施、大気・騒音の測定結果は関係者に通知、広報にも掲載、今後苦情対応窓口の充実を図る。
総務水道常任委員会は25日開かれ、日本共産党から吉松正憲議員が出席し、9議案の審議をおこないました。
【公共下水道千石東管渠築造工事請負契約の締結についての専決処分】では、専決処分はどうしてもやむを得ないものに限るべきだとの立場から、専決処分の理由をただすとともに、門真市内に支店、支所、営業所を置けば、準市内業者として入札において利点がある点で、支店を置くにあたっての要件を質しました。
これに対し、当初予定では6月議会での議決を前提に工程を組んでいたが、ピーエス三菱の契約辞退を受け、今後の対応を事業課と協議した結果、1ヶ月程度の工期の遅れならば、年度内の竣工が可能である」こと、「続いて予定している千石東管渠築造工事(2)が、本工事の入札差金の確定を待って、実施するかどうか判断しなければならないなど緊急を要すると判断した。」とのことでした。
【一般職の職員の特殊勤務手当てに関する条例改正】については、これまで9種あった特殊勤務手当てを5種に縮小しようとするものですが、同議員が、「職員の賃金・労働条件に係る問題については、労使合意が前提になければならない、労使合意をどう考えているのか」質したのに対し、「従来より、職員の賃金労働条件に係る事項については、労使合意、職員の理解と納得を得ることにより実施していくという、基本姿勢をとってきている。」「今回、最終的な合意に至らなかったものの、交渉協議を重ね、一定の理解を得たものと認識している。職員の賃金労働条件にかかる事柄については、職員の理解と納得を得ることは、必要である。」と答弁、同議員は、「今後、労使合意を大前提として、誠意を持って対応するよう」重ねて強く求めました。
【「政治倫理の確立のための門真市長の資産等の公開に関する条例の一部改正】は、郵政民営化法による文言の整理だけの内容である点について、対象においても内容においても、市長だけの限られたものでなく、包括的な政治倫理条例を制定すべきであること、清掃工場建設をめぐる談合汚職事件で、枚方市の中司宏市長が官製談合にかかわったとして逮捕されたという今日的な状況のもとでも、条例を制定すべきと求めました。
これに対し、「政治倫理に関する庁内の研究会で、現段階では、現条例を維持したい。」「市政は市民の厳粛な信託に基づくものであり、これにかかる政治倫理の重要性については十分認識している。政治倫理を確立するための手段は、資産公開に尽きるものではないとも考えており、今後とも研究はして参りたい。」との答弁がありました。
【災害派遣手当て等の支給に関する条例】についてでは、「災害被災地域への復旧支援は当然の措置であるが、これ以外に、アメリカがおこなう戦争に日本が加担することをも意味する武力攻撃事態法に基づく職員の派遣(自衛隊の出動を含む)が含まれており、災害派遣とは性格を異にするものであり、賛成できない」と討論をおこない反対しました。
同議員は、門真市が8月末明らかにした、緊急財政改善計画を含む新たな財政健全化計画(案)(以下「計画案」と述べます)について、「財政難を理由に市民負担増が始るのでは」との市民の懸念の声をあげ、以下の点について門真市の見解を質しました。
国は、地方財政健全化法で企業会計などを含む連結決算を導入するとしているが、例えば本市が抱える最大の困難な課題の一つである国民健康保険事業で60億円近くの累積赤字を抱えるに至っているが、「会社の健康保険がない人は、全部受け入れて門真市が責任を持ちなさい」と言いながら、国は、国保に対する国庫補助金を大幅に削減し、そのツケを国保加入者と門真市に押し付けたではないか。
国は、今秋にも財政健全化法に基づく指標を決めようとしているが、門真市は国に対してどのような働きかけをおこなうのか質しました。
次に、「計画案」では、平成20年6億円、平成21年12億円、平成22年~26年まで毎年18億円、合計108億円もの額を削減(マイナスシーリング)しようとしている。しかし、これを実施すれば、市民サービスに重大な影響を及ぼし、新たな市民負担増が憂慮されるではないか、どんな基準で歳出削減をおこなうつもりなのか、答弁を求めました。
さらに、歳入の確保策について、松下電器をはじめとした法人市民税が大幅に落ち込んだことが門真市財政に重大な影響を与えたことは明白だと指摘。外国税額控除の見直しへの働きかけとともに、日本有数の大企業である松下電器に対して、門真市が置かれている状況を十分に説明し、市財政への貢献をおこなってもらうような働きかけをおこなうよう求めました。
この他、門真市が保有する公有財産、低未利用地の有効活用について、使用料及び手数料の見直しに関する指針について質しました。
次に、地球温暖化対策についてでは、昨年第2回定例会以降の地球温暖化対策と取り組みについて、また、太陽光発電の普及を促進するための太陽光発電システム設置補助事業の実施について、門真市の姿勢を質しました。
大幅な歳出削減についての答弁では、「市民サービスの維持・行政需要にも応えるべく、各部に対して一定の『財源移譲』を行い、財源配分の自由度を確保した予算編成を行うとともに、事務事業の見直しを行うことにより、目標を達成しようとするもの」との見解を明らかにしました。
また、使用料手数料の見直し指針に関って、一般家庭の持込ごみごみ手数料を指針を逸脱する2倍以上にしていることの不当性を再質問できびしく指弾しました。