[2014.10.17] -[門真民報]
不況による厳しい状況明らかに
市民サービスの充実求める
決算特別委員会 福田英彦議員
決算特別委員会が8日開かれ、党議員団を代表し、福田英彦議員が質問に立ちました。
今回は、総務・民生関係について審査しました。
【総務所管】
市税収入 10年間で最低、来年の消費税増税は市民の暮らし、市財政に大打撃!
まず、13年度の市税収入がこの 10年間で最低であることを指摘したうえで、その要因と市民一人当りの所得状況、法人税減税の影響について質しました。
答弁では、地価の下落が止まらないことによる固定資産税及び都市計画税の減収、個人市民税については、リーマンショック以降の不況による所得減の影響による減収が続いている。納税義務者一人あたりの所得は 10年前の310万7千円から278万円と32万7千円減少していることが明らかとなりました。また、法人市民税では、法人税率が 30%から 25・5%に引き下げられ、連動して影響があるとしました。
福田議員は、市民の収入は上がらず負担増の一方で法人税減税、来年 10月の消費税増税は市民の暮らしと市財政に影響を及ぼすもので、実施すべきでないことを厳しく指摘しました。
また、市税滞納者への差押えの問題点についても質しました。
旧中央小学校解体、旧ダイエー建物補償問題で、情報公開請求「不存在」急増!
情報公開の状況において、「不存在」の件数が、12年度の4件から 18件と急増していることについて、要因について質しました。
答弁では、旧中央小学校の撤去工事や幸福町・垣内町・中町地区のまちづくりに関連して特定の市民から複数回の情報公開の請求等があり、その中に複数の不存在の文書も存在していたことから増えたものと考えているとしました。
福田議員は、情報公開における不開示情報と議会審査の関係、9月議会の一般質問において、住民訴訟で市側が書面で明らかにしている開発会社の旧ダイエー建物の取得価格について「答弁は差し控える」としたことについて考えを質しました。
答弁では、「従来より議会での審議を行う上で、重要かつ必要な情報については、可能な限りお答えするというのが基本的な考え方」であるとしましたが、「係争中の案件については、今後の裁判に影響を及ぼす恐れがあることも想定されることから、担当課の判断によりお答えできないものもある」との考えを示しました。
福田議員は、市側の書面によって積極的に明らかにしている情報を「係争中」として答弁できないとすることについて問題点を厳しく指摘しました。
少人数行政、人事評価制度で市民サービス後退の危惧
門真市がすすめている少人数行政について、職員数(正規、非正規)、人件費と物件費の推移、超過勤務の状況と人事評価制度について質しました。
答弁では、この5年間で職員数は正規で 71名減の 890名、非正規は 13名増の 202名。人件費は 80億6700万円から 67億1700万円と 13億5000万円の減、物件費は横ばいで約 50億円、超過勤務は約年間7万時間であり、サービス残業については「あってはならないこと」と状況把握に努めているとのことでした。
また、人事評価制度については、党議員団としてこれまで問題点を指摘してきましたが、「昇給への反映について、生涯賃金への影響が大きくなることから、努力が報われる制度となるよう見直しを行った」としました。
少人数行政と人事評価制度の推進は、市民サービスを後退することが危惧されることから、今後も注視していきます。
この他、幸福度指標の概要と総合計画への反映問題、地域会議と地域協働センターについて質問しました。
【民生所管】
還付金詐欺、インターネット架空詐欺などご用心!
消費生活相談事業について、総数の増、60歳以上の増、通信販売・電話勧誘販売の急増に対する要因と対策について質しました。
答弁では、市役所を名乗る保険料や医療費還付金詐欺、販売目的を隠した貴金属の買取りなどの相談によるもの、啓発による簡易な問い合わせによって増加。高齢者の財産をターゲットによる悪質商法の増加。携帯電話やパソコン、スマートフォンによるワンクリック詐欺や架空請求、健康食品の送り付け、光ファイバーの勧誘などの相談によるものとしました。
対策では、相談員により市民に寄り添った対応を実施、未然に防ぐための講座、様々な場面を利用しトラブルに巻き込まれないよう努めるとしました。
国民健康保険料滞納者への差押え禁止財産に相当する預金の差押えは問題!
国民健康保険料滞納者への差押え問題では、預金口座に振り込まれた児童手当の差し押さえが「違法」とされた昨年 11月 27日の広島高裁松江支部の判決について触れ、その後の対応、滞納者の生活状況の把握の状況などについて質しました。
答弁では、預金口座に振り込まれた児童手当の差押えは執行していないとしたものの、給与等の差押えが直ちに違法との認識はしていないとの考えを示しました。滞納者に対しては、過去の納付相談、財産調査の結果、家族構成、訪問等により生活状況を勘案したうえで財産の差し押えを執行しているとしました。
また、福田議員は、学資保険が差押えられている問題点を厳しく指摘しました。
障がいを持つ方の65歳問題ーサービスの支給漏れがないよう、一部負担助成を!
障がいを持つ方が 65歳に到達し、介護保険サービスに移行する際、必要な障がい福祉サービスが漏れることがないのか、介護保険サービスに移行することによって、これまで無料だった方の負担軽減について質しました。
答弁では、必要に応じて障がい福祉サービスについて説明し、申請する場合は本人やケアマネージャーより聞き取りをしており、当該サービスの支給が漏れることはないとしました。利用料の負担軽減については、くすのき広域連合において軽減措置があるとしたものの、範囲が狭く、福田議員は寝屋川市の例も示し拡充を求めましたが、「調査研究し、くすのき広域連合に求める」と答弁しました。
イルミネーション事業、消耗品の取り扱いは?検証作業は市が実施すべき
古川橋南側の街路樹にイルミネーションやガラスケの電飾を設置する「市制 50周年イルミネーション事業」については、補正予算の審査において、効果について問題となりましたが、消耗品の取り扱い、アンケートについて質しました。
答弁では、電球やガラスケの電飾などの消耗品はイベントなどに使用、アンケートでは、満足が 73%、昨年より良くなったが 66%としましたが、イベント参加者中心に事業実施者が行ったもので、効果検証は市が実施すべきであったと厳しく問題点を指摘しました。
この他、非核平和推進事業、地域通貨発行事業の問題点、乳幼児健康診査、小児慢性特別疾患児日常生活用具給付事業の周知、清掃施設等の委託のチェック問題、生活保護専用ダイヤルの問題点、生活困窮者の把握について質しました。
分かりやすく実効性ある環境基本計画に
第3回 門真市環境審議会
7日、第3回門真市環境審議会が開かれ、豊北ゆう子議員が傍聴しました。
門真市環境審議会は、昨年10月に施行された門真市環境基本条例に基づき設置され、「環境の保全及び創造に関する総合的かつ計画的な推進を図るため」の環境基本計画を策定するために開かれています。 第1回は1月に、今年度は5月、9月と2回開かれています。
環境審議会委員は、学識経験者3名、関係行政機関の職員2名、市長が必要と認める者7名(うち公募市民2名)の12名で構成されており、今回の審議事項は、第2回審議会での意見についての報告と門真市環境基本計画(案)についてでした。
まず、担当者から計画案についての説明があり、その後、次々と委員から意見が出されました。
事業活動から排出されるゴミについては、処理や再資源化の責任は排出者である事業者だが、市で出来ることがあればそれを盛り込むことは可能か。
一般廃棄物処理の効率化については、「効率化」だけを求めるのはどうか、さわやか収集など高齢者等に喜ばれている施策もあるので、誤解をまねかないような文言に
放射性物質の取り扱いや放射性物質等を原因とする事故等の予防策についての、市の対応があいまいな文言に、委員から「市は何に努めるのか分からない」と意見が出されました。
その他、開発するのであれば少しでも緑を増やすとか環境に配慮した文言を入れる、子どもたちがボールを蹴って遊べる場所が必要等も出されました。
また、「スマートシティ」など「環境基本計画(案)」の中で使用されている文言が分かりにくい点についても指摘がありました。
次回の環境審議会は11月初旬に開かれ、今回出された意見をふまえた計画案が提示され審議されます。
いずれにしても、市民に分かりやすい、また門真市の環境をよくするための実効性ある計画が求められます。
大阪で都市農業の存続と再生に向けて
「大阪都市農業研究会」 亀井あつし議員も出席
9月20日、大阪市内で「大阪都市農業研究会」の発足総会が開かれ、亀井あつし議員も出席しました。
総会後、後藤光蔵武蔵野大学教授が、「都市農業・農地保全の意義とその方法」と題して記念講演を行いました。 農水省都市農業の振興に関する検討会座長も務める後藤氏は、自らの実践も踏まえ、3つの角度から講演しました。
①都市農業・農地の位置づけの転換に向けての動きでは
日本社会が低成長や人口減少となっていく中、2050年には1億人を切り、都市部の空き家や空き地が増大する。安全で、環境に優しく、人々の快適な暮らしを支える機能の強化など質の向上を伴った、コンパクトな都市が今後のキーワドになる事を紹介。
②都市農業・農地の特徴とその役割では
農業者による農地利用が同時に快適な都市住民のくらしを支える農地利用となるためには、どのように利用していく計画か、例えば市民農園や直売所など地域の課題として取り組むことが大切。
③都市農業の振興と保全については
東京都の「農の風景育成地区制度」や世田谷区の「農地保全重点地区」制度、自民党も議員立法提出を検討している「都市農業振興基本法(仮称)」を紹介。 今後、農水省、国交省、財務省を都市農業振興の方向に動かすようにする。
そのために、農業者、住民、自治体は都市農業・都市農地の保全に強い意識と取り組みが必要と訴えました。