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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2014年9月議会 井上まり子議員の一般質問・答弁

    [2014.9.25] -[議会活動]

     

     高齢者が安心して暮らせる施策について質問します。

     まず介護保険制度改悪による現行のサービス低下をさせない施策についてです。

     現在介護予防事業である「要支援1・2」の訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置き換える。利用料が一定の所得者は、1割負担から2割に引き上げる。特別養護老人ホーム入所を要介護3以上に限定する。低収入で介護施設に入所する方への「食費・居住費負担を軽減する補足給付」を縮小する。などが盛り込まれました。このように「医療・介護総合法」が自民党・公明党の賛成多数で成立しました。この法律の基本的方針には、「地域で生活を継続し、地域で人生の最期を迎える」と明記され、社会保障の削減ありきの冷たい姿勢となっています。

     その中でも特に大きな問題は、160万人の介護予防事業の要支援者が利用する訪問・通所介護を保険給付から外すし、ボランティアなどにサービスの担い手となるよう求めたことです。そもそも要支援1・2は高齢者が要介護状態にならぬよう、早い段階でリハビリを行うために心身機能別に類型したものです。そのことを目的に創設されています。しかし新制度は、既存の訪問介護事業による身体介護・生活援助の訪問介護に加えて①NPO,民間事業者等による掃除洗濯等の生活支援サービス。②住民ボランティアによるゴミ出し等の生活支援サービスの二つです。通所介護は既存の通所介護事業による機能訓練等に加えて①NPO,民間事業者等によるミニデイサービス②コミュニティサロン、住民主体の運動・交流の場③リハビリ、栄養、口腔ケア等の専門職等が関与する教室、です。共通しているのはサービスの担い手がNPO,民間事業者、住民であることです。これらは本当に機能するのでしょうか。全国160万人存在する要支援の人たちをそれぞれの事情を抱える市町村が地域支援事業によって支えることが出来るのでしょうか。地域の事情と国の政策は深く乖離しています。地域住民の参加によって誰が住民の参加を促すのでしょうか。誰が住民を組織するのでしょうか。参入した組織が提供されるサービスの質はどのように保障されるのか。住民が勝手に取り組んでくれる訳ではないのです。自治会活動ですらままなりません。民生委員は忙しすぎてなり手もいないと嘆いています。住民も組織体も分断的に孤立しています。それが地域の現状なのです。日本の地域の姿とも言えるでしょう。

     以上の状況の下、門真市も構成市であります「くすのき広域連合」では3市それぞれ高齢者の生活状況・介護制度の利用状況・ボランティアの実態や体制も異なり、新制度において市が積極的に専門職とボランテァやNPOとの連携を図っていくことが危惧されます。また国は人員や運営に係る基準は市町村の対応とし広域連合は全く視野に入れていません。

     こういった新制度に対して、介護予防創設の目的に鑑みて、地域の福祉力を向上させ専門職との連携を図ることが非常に困難と考えられ、サービスの後退に繋がるものと言わざるを得ません。そこで現行のサービスの低下をさせない施策について質問いたします。

     1点目に、くすのき広域連合では門真市の介護ボランティア・NPOの資源力についての把握や醸成について困難ではないかと考えられますがどうでしょうか

     2点目に、新事業の掃除洗濯等やゴミ出し等の生活支援サービスについて、市は、ボランテァやNPOの選定や醸成をどう図っていくのか、答弁を求めます。

     3点目に、新事業のコミュニティサロン、住民主体の運動・交流の場等について実施しとなると、介護予防の観点からケアマネジャーや機能訓練等の専門職との連携をどう図っていくのか

     以上3点についてお伺いいたします。

     次に認知症の早期発見に向けた施策の拡充についてです。

     毎日新聞によると、警視庁は2013年度1322人が認知症による行方不明者受理数と公表したとなっています。私自身も門真市内で認知症により、帰宅が困難になった高齢者に出会い警察に通報した経験もあります。このように認知症は身近な社会問題となっています。

     認知症は初期段階での対応や治療により進行が抑えられ、「治せる認知症」、「進行を抑えることが出来る認知症」があることは明らかになっています。しかし認知症の初期は家族でも認識して病院に行くことを進めるのが難しいと感じています。どこの病院で相談したらいいのかも含め啓発が大切と感じています。

     厚生労働省は「これまでのケアは危険が発生してから事後的な対応だったが、今後の目指すべきケアは危険の発生を防ぐ早期・事前的な対応に基本を置く」とし一歩前進する対策を講じようとしています。その流れの中で、介護保険法の地域支援事業に位置付け認知症初期集中支援チームの設置や認知症地区推進員の設置を検討しています。認知症の方への早期からの家庭訪問を行い、アセスメントや家族の支援などを行うチームを2014年度全国モデル事業として実施し、2015年度以降制度化を検討するものとしています。

     認知症の方の危険を事前に防ぐために、安心して相談できる窓口等の充実が喫緊の課題で、地域支援事業に位置付けられる認知症初期集中支援チーム等の設置は大変重要な施策と考えられますが設置についての考え、合わせて行方不明者情報を自治体、警察、交通事業者との共有システムづくりが求められますが見解を、またくすのき広域連合では地域住民の方々との迅速な対応が危惧されますが見解を伺います。

     認知症が増加し続ける状況のもと、市民のみなさんが認知症をより理解する環境づくりを目的として、現在門真市社会福祉協議会が小地域ネットワーク活動推進事業の一つとして認知症サーポート養成講座を実施していますが、認知症は介護保険制度における地域支援事業の一般高齢者対策の一環として取り組まれるもので、認知症が増え続ける状況において、独立した一事業としてさらに拡充を図る必要があると考えますが答弁を求めます。また実施状況について答弁を求めます。

     次に東京都では、認知症の早期発見・診断・対応を進めるため、認知症の研究・治療拠点である地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの知見を活用して、「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を作成しました。今後、本チェックリストを掲載したパンフレット「知って安心 認知症 認知症の人にやさしいまち 東京を目指して」を都内の区市町村等に配布し、地域における認知症の方に対する理解への普及啓発の取組みに広く活用していくとのことです。「治せる認知症」、「進行を抑えることが出来る認知症」対策として、本市でも簡易に認知症の疑いが確認できるチェックシートによる早期発見の手立てを取り入れてはどうでしょうか市の考えをお伺います。また市民健診の活用も考えられますが見解を伺います。

     次に「買い物弱者』支援についてです。

    農林水産省のHPには「高齢化や単身世帯の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退等により、過疎地域のみならず都市部においても、高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方(いわゆる『買い物難民』、『買い物弱者』、『買い物困難者』)が増えてきており、『食糧品アクセス問題』として社会的な課題になっています」と書かれています。

    門真市も高齢者の独り暮らしが多いまちです。重たい荷物を持ったり、歩行が困難で買い物に行けない高齢の方は近所方の支援をお願いしたり、知り合いのお店に電話で頼んだりしている方が少なからずおられます。しかし高齢者が高齢者を支援するという大変な状況になっています。お金を出せば運んでくれる大型スーパーも一部ありますが、経済的に大変な状況の下、多くの高齢者は無理をして頑張っています。買い物弱者の現状実態についてどう捉えているか答弁を求めます。あわせて門真市の高齢化率、独居世帯率について伺います。

    農林水産省のHP全国の自治体の支援策一覧によると、寝屋川市では買い物等支援対策者に支援を実施する自治会やNPO法人に買い物支援に使う車両を貸与する「買い物等促進事業」、東大阪市では商店街の存在価値を目的に「買い物支援マップ」や「買い物代行配達サービス」の提供など「高齢者に優しい商店街づくり事業」、池田市は「高齢者日常支援生活援助事業」として65歳以上の高齢者を対象に1日当たり2時間以内の軽微な買い物などのサービスを提供しています。堺市では「買い物弱者支援事業補助金」があげられています。市として今後の「買い物弱者支援対策」への取り組みについてと、また厚生労働省では買い物弱者対策として、地域支援事業と安心生活基盤構築事業について予算計上されておりますが、国の予算を活用することについて伺います。

    さらに農林水産省のHPによると、枚方市は「商店街等地域活性化促進事業」の中で「少子化、高齢化への対応」といった地域課題克服に向けた取り組みについて補助金もあり、広い意味での買い物弱者へ支援が出来るものとなっています。茨木市でも商工業振興事業の事業メニューに「地域生活支援事業」などがあります。岸和田市でも「商業活性化地域交流促進事業」のなかで「買い物弱者」支援補助が可能な事業となっています。「買い物難民」をなくし、安心して住み続けられるまちづくりを進めことは、商店街や小売店の活性化に繋がるものと考えますが、国の予算も視野に入れた拡充と市独自の商店街振興対策予算の拡充について答弁を求めます。

     

    【健康福祉部長の答弁】

     高齢者が安心して暮らせる施策についてであります。

     介護保険制度改悪による現行のサービス低下をさせない対策についてであります。

     

     まず、くすのき広域連合では、本市の資源力の把握や醸成は困難ではないかということにつきましては、構成市の地域特性や社会資源は其々異なりますことから、くすのき広域連合と3市における情報共有や調整を図ることなどにより、社会資源の把握と醸成を行ってまいりたいと考えております。

     次に、生活支援サービスについて、市は、ボランティアやNPOの選定及び醸成をどのように図っていくのかにつきましては、先の民生常任委員会において武田委員のご質問に答弁申し上げましたとおり、担い手の確保や育成は困難な課題ではありますが、強い危機意識をもって、今後検討してまいりたいと考えております。

     次に、新事業について、介護予防の観点から専門職との連携をどう図っていくのかにつきましては、法に基づく地域ケア会議の設置により、様々な関係職種の協働によるケアマネジメント支援を行うなど、専門職等との連携を深めてまいりたいと考えております。

     次に、認知症の早期発見に向けた施策の拡充についてであります。

     認知症初期集中支援チームについて、設置についての考え、広域連合では迅速な対応が危惧されることについてであります。

     認知症初期集中支援チームにつきましては、当該高齢者や家族が認知症の理解を深め、今後の生活への備えができることなどから、支援チームの早期設置が期待されているものと認識しております。

     設置にあたりましては、医療関係者との連携を図るため、医師会等との事前協議なども必要であることから、認知症初期の支援において、迅速で柔軟な対応ができる体制づくりに向け、くすのき広域連合と調整してまいります。

     次に、行方不明者情報の自治体、警察などとの共有システムづくりについてであります。

     現行では、徘徊による行方不明者が発生した場合、警察はもとより、家族や相談機関と連携しながら、状況によっては府のネットワークも活用した広域的な連携も行っております。

     関係機関等への情報配信や、情報共有のシステムづくりにつきましては、個人情報保護の観点からの課題整理等はありますが、徘徊ネットワークの構築に向け、調査研究してまいります。

     次に、認知症サポーター養成講座の実施状況と今後の拡充についてであります。

     現在、認知症サポーター養成講座につきましては、市が社会福祉協議会に委託し実施しており、小学生を対象とした講座も含め平成25年度は17回開催し、認知症サポーターは、新たに351人が加わり、合計1,627人となっております。

     また、認知症サポーター養成は、介護保険制度における地域支援事業の任意事業に位置付けた取組みも可能でありますことから、今後、認知症施策全般の検討において、くすのき広域連合、構成3市とも調整してまいりたいと考えております。

     次に、認知症を早期発見するためのチェックシートにつきましては、認知症の気付きとして有効と考えられることから、今後、くすのき広域連合がパンフレットを作成する際に、その内容を取り入れていただくよう要望してまいりたいと考えております。

     また、市民健診の活用につきましては、市民も多く利用されますことから、その活用方法等について研究してまいりたいと考えております。

     次に、買い物弱者支援についてであります。

      本年9月1日現在の本市の高齢化率は約26.6%であり、市民4人に1人以上が65歳以上となっており、単身高齢者世帯の割合につきましては、2210月1日現在の数字ではありますが、全世帯の約12.2%となっております。

     このような状況の中で、加齢による機能低下などにより、買い物に困られている高齢者がおられることは承知しているところでございます。

     次に、市としての「買い物弱者支援対策」への取組みについて及び国の予算活用についてであります。

     「買い物弱者支援対策」につきましては、今年度より、シルバー人材センターの企画提案方式による事業として、「お買い物代行支援事業」を始めたところでございますが、介護保険の地域支援事業としての位置付けも考えられますことから、くすのき広域連合、構成3市とともに、今後の取組みの方策について、調査研究してまいりたいと考えております。

     

    【市民生活部長の答弁】

    商業活性化につながる買い物弱者支援につきまして、私より御答弁申し上げます。

    国をはじめ、買い物弱者への支援事業を実施している自治体があることは、認識しております。

     市民の身近にある商店街が存続し、活性化することが、遠くへ出かけられない買い物弱者支援にもつながるものと考えており、本市の「商業振興対策事業補助金」の交付をはじめ、国の補正予算に伴う商店街活性化事業への申請支援を実施し、商店街の活性化に努めてきたところであります。 

    また、これまでにも商店街からの要望により当該補助金を、買い物弱者支援につながる商業の活性化事業についても、交付できないか検討を進めてきたところであります。

    今後も引き続き、国の予算や他市の事例も参考にしながら検討してまいりたいと考えております

     

    【再質問】

     介護保険制度改悪による現行のサービス低下をさせない対策について再質問いたします。

     生活支援サービスの担い手の確保や育成が「困難な課題ではありますが、強い危機意識をもって、今後検討」との答弁ですが、強い危機意識を持つとの市の答弁は当然と考えます。現時点で本市の高齢化率は約26.6%であり、市民4人に1人以上が65歳以上となっています。今後超高齢社会を迎える2025年問題が深刻な状況となり、生活支援サービスの担い手をボランティアに求めることは、地域の実情と国の政策は深く乖離しています。 地域支援サービスは、3年間の猶予期間を設けて20174月までに条例創設となっており、拙速に条例化せず、このような実態を国に説明し制度設計を見直すよう要望すべきですが、答弁を求めます。

     

     

    【再質問に対する答弁】

    今後の介護保険サービスの担い手の確保等の考え方についてでありますが、本市におきましては、くすのき広域連合において介護保険事業を行っていることから、当然、広域連合及び構成3市での調整は必要となりますが、その中においても、本市の考え方や方向性を踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。

    なお、国への要望につきましては、くすのき広域連合において、必要に応じ対応されるものと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。