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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    意見書案「議員提出議案第6号 地域包括ケアシステム構築のため地域の実情に応じた支援を求める意見書」に対する井上まり子議員の討論

    [2014.6.20] -[議会活動]

     まず、意見書案に取り上げている支援策そのものが、消費税を増税して、「社会保障・税一体改革」を推進することを求めているからであります。社会保障のためといって消費税を増税したのに法人税減税の財源を社会保障削減で賄おうとしています。すなわち、国民に負担を押し付けて、医療も介護も福祉も後退の方向であり認められません。

     さらに厚労省は新たな医療・介護の公費抑制システムとして機能させ、高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、高齢者のニーズに応じて、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供すると「地域包括ケアシステム」について説明しています。

     しかし、その狙いは、相次ぐ社会保障制度の後退、貧困や社会的孤立の広がりによって、地域の自立・自助の機能そのものが国と行政によって弱体化、崩壊させられている中、自己責任と市場化の理念を土台に据え、入院から在宅へ、医療から介護へ、介護から市場化・ボランティアへの3つのシフトによって、新たな医療・介護の公費抑制システムとして機能させることです。

     次に意見書案の中で「介護基盤整備」について、「推進を図るための支援強化」を求めていますが、18日の参院本会議で自民党・公明党の賛成で強行に成立させた「医療・介護総合法」とは、相反するものであるからであります。

     医療・介護総合法は、特別養護老人ホームの入所者を「要介護3以上」に限定するものです。特養ホームの待機者52万人のうち17万8千人は、「要介護1・2」の人です。行き場のない高齢者が、劣悪な環境の「お泊まりデイ」などに押し出されることが危惧されます。このことについて政府は、「サービス付き高齢者住宅」などを受け皿にすると言いますが、月15万~25万円もの負担が必要です。特養ホーム申請者の多数は貧困・低年金であり、受け皿にはなりえません。

     また、「同」法では、利用料について、所得160万円以上(単身者)は、これまで1割負担だった介護保険サービスが2割負担に倍加することになります。「入院難民」「看取り難民」が社会問題になっているのに、病床の大幅削減を進めようとしています。さらに、都道府県に「病床再編計画」をつくらせ、従わない場合はペナルティーまで科して在宅に押し戻す計画であり重大です。65日参院厚生労働委員会で、日本共産党が1割から2割への論拠について、過少な消費水準のデータを使用したごまかしがあることを追及したところ、厚生労働大臣は負担増の対象者は年60万円の余裕がある”という核心的部分を「撤回する」と表明しました。利用料1割から2割への論拠が完全に崩壊したものです。社会保障審議会や国会で繰り返し説明してきた2割負担の論拠が完全に崩れ去れる重大事態のまま同法が成立されたことは大問題です。

     また16日同法案の参院公聴会が行われ、要支援者への訪問介護と通所介護を市町村の事業に移してボランティア委ねることなどに反対意見が続出。医療機関の関係者から「要支援者の日常生活が出来なくなり介護度が上がる」「認知症の人の感情が不安定になる」などの危険性が危惧されると述べられ、市町村事業への移行は大問題であることが指摘されました。

     次に反対する理由は「患者7人に看護師1人体制」を取る病床を、9万床削減する診療報酬改定を行い、病院から患者追い出しを加速させ、「入院から在宅」を強引にすすめながら、「在宅」の基盤を悪くする診療報酬改定をさらにすすめることは、矛盾であります。

     意見書()指摘の通り、今年四月から訪問診療の報酬引き下げが行われました。これは、月二回以上定期的に訪問診療をおこなった場合、老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、マンションなど「同じ建物」に住む複数の患者を、「同じ日」に診察すると診療報酬を約4分の1に大幅に削減するとし、既に医療現場に苦難と混乱をもたらしています。

     自民党・公明党が強行に成立した「医療・介護総合法」は医療の質の低下や抑制を招き、要支援者及び要介護者が必要な介護サービスが受けられなくなる大改悪です。同法の下、新たな医療・介護の公費抑制システムとして機能を進める「地域包括ケアシステム構築」については断じて認められないことを述べ反対討論とします。