[2014.6.20] -[議会活動]
1.子ども・子育て支援新制度について
はじめに子ども・子育て支援新制度についてです。先日の文教常任委員会の亀井あつし議員の質疑を踏まえ質問をさせていただきます。
国の2012年8月の法改正による「子ども子育て支援新制度」が、一部の自治体や関係者の間で、拙速にすすめるべきでないと言う声が出されている中、2015年4月からスタートさせようとしています。
本市では、この国の方針に従い、昨年9月から「門真市子ども・子育て会議」を開き、これまで5回開かれてきました。第5回の会議では、施設の認定基準などが話し合われ、今後、保育の必要性の認定基準や施設の確保策が審議され、9月議会では、新制度における基準を示した条例案が出されることが示されています。
これまでの制度と違う「新制度」が作られる中において、子ども・子育て会議が開かれて、わずか1年足らずで保護者にもまだ、新制度そのものも知らせず、今年の10月から来年度の新制度における入所申込みが行われると言う、あまりにも拙速な進め方に憤りを禁じ得ないものです。
今日は、子ども・子育て会議で、議論されてきたこと、また今後決めていかなければならない基準について、何点かお伺いさせていただきます。
①まず、新制度では、これまでの保育制度や幼稚園とどこが変わるのか、変わらないところはどこなのか詳しくお聞かせください。
②また、昨年度大阪府では、府内の民間保育園に幼保連携型認定こども園への意向調査をおこなったようですが、本市の私立保育園や私立幼稚園については、今後どうしていくのか、どんな移行希望を持っておられるのか把握されているのですか、お聞かせください。
③民間保育園や私立保育園が、そのままの形で残る場合と、認定こども園など、どのような形態を選択するのかによっても、子どもたちに影響があるのではないですか。新制度に移行されれば、これまで利用していた保育園・幼稚園を変わらなければならない子どもが生じないのでしょうか。この点についてもお答えください。
④次に、そもそも0歳から2歳児までの待機児童を解消するために、出てきた新制度だと思いますが、新制度で本市の待機児童は解消されるのでしょうか。
⑤次に、今後の子育て会議の中で、確保方策や計画策定が審議されると伺っていますが、その内容についてお聞かせ下さい。
⑤新制度では、保育所以外に小規模保育や家庭的保育など様々な事業所が設置されようとしていますが、概要についてもお聞かせください。
⑦改正児童福祉法第24条第1項では、「市町村は、保護者の労働又は疾病、その他の事由により、その監護すべき乳児、幼児その他の児童について、保育を必要とする場合において・・・、当該児童を保育所において保育しなければならない」と、これまでの市町村の実施責任を規定していますが、これは、現行の保育所のみです。
ところが、同条第2項では、「市町村は、前項に規定する児童に対し、認定こども園または家庭的保育事業等により、必要な保育を確保するための措置を講じなければならない」となっており、「保育しなければならない」となっておらず、市は直接的な責任を負わなくなると受け取れます。この第2項にあたる事業が、小規模保育事業や地域型保育になると聞いております。
質問ですが、第1項と第2項の子どもには、どのような違いがあるのでしょうか。第1項の保育所に入りたい子どもは、全員第1項の保育所に入れるのでしょうか。
今後、保育所以外で市が基準をつくっていかなければならない事業についてですが、門真市の保育所を利用する子どもも、それ以外の施設を利用する子どもも、同じように保育を受ける権利が保障され、安心安全な環境で過ごすことができる基準が求められますが、本市としてどのようにお考えですか。答弁を求めます。
【子ども未来部長の答弁】
子ども・子育て支援新制度についてのうち、門真市子ども・子育て会議についてであります。
まず、子ども・子育て支援新制度の開始に伴う保育制度や幼稚園の変更点についてであります。
保育所及び幼稚園に共通する、主な変更点といたしましては、保護者が保育の必要性に係る認定を受け、共通の給付制度に基づいた給付を受ける点となっております。
また、保育制度では、新たな選択肢である地域型保育事業の創設、保育の必要性の認定事由の拡大等の変更があり、市が保育の実施責任を有し、保護者の選択に基づき、市が利用調整を行う点については変更がございません。
一方で、幼稚園につきましては、新制度に移行する場合は、施設型給付の対象となりますが、
私学助成を受ける幼稚園として継続する場合は変更がございません。
次に、現在の民間保育園及び私立幼稚園が、どの施設に移行する希望を持っているかにつきましては、現在調査を行っているところでございます。
次に、この新制度への移行により、これまで利用している園を、変わる子どもが生じないかという点につきましては、新制度の下で、新たな施設形態へ移行する可能性はございますが、このことにより、現在利用されている園児の退園や転園等は発生しないものと考えております。
次に、新制度により、待機児童が解消されるのかという点につきましては、「(仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、新制度施行に当たっては、計画期間内に必要となる、今後の利用希望も含めた教育・保育に係る見込み量に対する提供体制等の確保を計画的に進めていくことから、待機児童の解消につながるものと考えております。
なお、計画策定後におきましても、計画期間中に見込み量との乖離が生じた場合につきましては、必要に応じて計画の見直しを行うなど、実情に即した対応を図ってまいります。
次に、門真市子ども・子育て会議における今後の審議予定内容といたしましては、幼児期の学校教育・保育、地域子ども・子育て支援事業に係る確保策についての検討を行うとともに、子ども・子育て支援に係る一体的な計画である「(仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画」の検討を行っていただきたいと考えております。
また、確保策の検討にあたりましては、各事業等に係る具体の実施内容、実施体制及び実施時期等についても審議いただくことを予定しております。
次に、新制度における教育・保育に係る施設及び事業といたしましては、施設型給付の対象となる認定こども園、幼稚園、保育所及び地域型保育給付の対象となる小規模保育事業等でございます。
地域型保育給付に係る、各事業の概要といたしましては、家庭的な雰囲気の下で、少人数保育を行う家庭的保育事業、定員6人から19人までの比較的小規模で、きめ細かな保育を行う小規模保育事業、子どもの居宅を訪問し、住み慣れた場所において、原則1対1の保育を行う居宅訪問型保育事業、企業において、従業員の子どもに加え、地域の子どもも対象とした事業所内保育事業となっております。
次に、今後の基準づくりについてであります。
改正児童福祉法第24条第1項及び第2項に係る対象者につきましては、ともに保育を必要とする児童となっております。
次に、同条第1項の保育所に入りたい子どもは、全員入れるのかというご質問につきましては、様々な方策による保育の実施体制の確保により、多様な保育ニーズへの対応に努めてまいりたいと考えております。
次に、今後策定する基準に対する市の考えについてであります。
認定こども園及び保育所につきましては、府が認可権限を有しておりますが、地域型保育事業につきましては、市町村が認可権限を有することから、改正児童福祉法第34条の16において国の示す基準に基づき、市が基準を定めることとなっております。
今後、基準案の策定につきましては、各事業における保育の質を確保できるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
2.子ども医療費助成の拡充について
次に子ども医療費助成制度の拡充について伺います。
子ども医療費助成制度は、経済的に苦しい家庭でも安心して子どもたちが医療にかかれる助成制度です。
本市では、2012年7月に就学前から小学校3年生まで入通院が拡充され、2013年には入院のみ小学校卒業まで拡充されました。2年連続で子ども医療費が拡充されたことは大変評価できるものであります。
厚生労働省の資料によりますと、全国の子ども医療費助成は、2013年4月段階で、全国1742自治体のうち、「完全無料」が984自治体(56.4%)、「通院が中学校卒業まで」が831自治体47.7%)、高校卒業までが155自治体(8.9%)に拡充されているという結果がでています。
大阪府下では、大阪社会保障推進協議会の資料ですが、2014年4月1日現在、中学校卒業までが12自治体で東大阪市は15年1月から拡充されます。小学校卒業までは、今年中に拡充される自治体も合わせて8自治体に広がっています。北河内では、寝屋川市は小学校卒業まで、大東市は今年3月から、これまでの小学校3年生から中学校卒業まで拡充されています。定住率を引き上げるために、大東市は実施に踏み込んだようですが、若い世代は、どれだけ子育て支援施策があるのかが住居を移す時の大きな要因とも言われています。
そこで、本市の子どもたちの家庭がおかれている状況ですが、昨日、井上議員も述べましたが、大変深刻な状態です。学校の費用負担が困難な困窮家庭に、支給される就学援助制度の援助率でみますと、文科省の今年度2月の調査では、全国平均15.64%と上昇傾向と言われているんですが、大阪ではそれより上回って26.65%と全国で最も高く、本市では、大阪府の平均を上回る35,94%となっていて、大阪府の1.3倍、全国の2.3倍です。
これは、門真市の子どもたちの約4割が困難な生活状況に置かれている状況だと言えます。お金のあるなしに関わらず、どの子も健やかに育ち学べるよう、さらに本市のこども医療費助成の拡充が求められていると思います。
そこで伺いますが、本市で中学校卒業までの入通院の拡充を実施すれば、どのくらいの予算が必要でしょうか。また、仮に小学校卒業までの拡充の場合ではどうなんでしょうか。併せてお答えください。そして、本市での子ども医療費助成を中学校卒業まで拡充することについての市の考えをお聞かせください。
今年の2月の大阪府議会の定例会では、松井知事も、日本共産党のくち原亮議員の質問に対し、「市町村の支援を平成27年度から拡充したいと考えている。26年の早い時期に結論を出せるよう検討を進める」と答えていることから、来年度から、府の助成額の増額も期待されます。
また、本市の 0歳から18歳までの子どもの人口の推移を見てみますと、10年前の2004年6月1日の24604人から、2014年6月1日では20647人となっており、約4000人が減少しています。子育て支援施策と無関係とは言えないのではないでしょうか。
以上のことから、安心して子供を産み育てられ、園部市長がおっしゃっている「ずっと住み続けたいまち」にしていくために、子ども医療費助成の拡充を中学校卒業まで拡充をしていただくよう求めるものです。
【子ども未来部長の答弁】
次に、こども医療費助成の拡充について、現状と今後についてであります。
こども医療費助成制度につきましては、子育て支援策としまして、本市における全ての子育て世帯に対する経済的負担の軽減等を図る観点から、所得制限を設けず、これまで段階的に拡充を図ってきたところであります。
近年の見直しでは、24年7月に入院及び通院ともに、就学前より小学校3年生までに、また、25年10月からは、入院のみを小学校6年生までに対象年齢の拡大を図ってまいりました。
議員ご質問の、入院及び通院ともに中学校卒業までに対象年齢を拡大した場合の所要額としましては、25年度実績より推計しまして、約1億2千万円と試算しており、また、通院分を小学校卒業までに拡大した場合の所要額としましては、約6千万円と試算しております。
今後における対象年齢の拡大につきましては、府の動向に注視をするとともに、府内各市町村の動向と、本市の財政状況等を勘案する中で、引き続き、検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
3.府道八尾枚方線と市道の交差部の歩道の安全整備について
次に、府道八尾枚方線と市道の交差部の歩道の安全対策について伺います。
本市の北巣本町の第2京阪道路交差部から、江端南まで通っている府道八尾枚方線道路は、道路幅は狭いのに交通量は非常に激しく、歩行者、自転車の安全を確保することが求められています。
先日、地域の人たちと歩道の安全性や市道と交わる部分について、安全性が確保されているのか調査した際、一部の交差点で信号待ちの溜まりの部分が危険と思われた場所がありました。この場所は、門真団地入り口交差点です。そもそもこの交差点に交わる南側の市道には、片側にしか歩道が確保されていません。交差点の溜まりの部分は少なく、その中に街灯の柱も立っており自転車、歩行者がお互い行き来をさえぎるようになっていてとても危険なじょうきょうでした。
また、近くには東小学校や第4中学校もあり、スーパーや市場も集まっている地域ですので、子どもたち、買い物客がよく通る交差点です。
これら八尾枚方線の歩道の管理主体は大阪府ですが、今回の調査の結果、・ガードレールが殆どついていない・側溝の蓋の鉄板がさびついている・鉄板の配置が不安定な状況になっている・段差が大きいなど、とても安全とは言えない場所が多々存在していました。
質問ですが、府がどのように確認しているのか、そもそも整備計画を持っているのか、もっているのであれば、どのような対策を考えているのか、市として現状を把握しているのか答弁を求め、一日も早い対策が取られるよう求めるものです。
【まちづくり部長の答弁】
府道八尾枚方線と市道の交差部の安全対策についてであります。
門真市域の府道を維持管理しております大阪府枚方土木事務所に問い合わせたところ、府道のパトロールは定期的に実施し、必要な箇所は優先順位をつけて順次修繕しているとのことであります。
また、府道の歩道整備計画でありますが、歩道が無いところが整備の最優先箇所であり、八尾枚方線は、現状で歩道が存在し、地元自治会などからの声は届いていないことから、歩道整備の計画は無いとのことであります。
本市といたしましては、府道上での危険箇所が無いか目視による確認はしておりますものの、日常点検やパトロールをするということが無く、府道と市道の交差点でも道路法により府が管理しておりますので、点検等で指摘するような詳細までは把握いたしておりません。
しかしながら、府道の維持管理や交通安全対策等に関する市民からの苦情や要望、相談等があった場合には、市職員としても速やかに現場の状況を把握し、大阪府枚方土木事務所に申し送りを行うとともに、改善の要望を市としても行っております。
議員ご指摘の箇所につきましても同様に府に要望してまいりたいと考えております。
また、緊急を要する場合、府市連携のもと対応するなど、市としても働きかけを行っておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
【再質問】
まず、1点目に新制度の下で、これまでの保育園や幼稚園を変わらなければならない子どもが生じないのかの質問では、「発生しないと考えている」ということでしたが、答弁でも言われましたように、民間保育園が新たな施設形態へ移行する可能性はあるんですよね。児童福祉法第1項の市が実施責任をもつ保育所から第2項の直接的な責任を負わない認定こども園になる園も出てくるんです。内容も変わるのですから、園を変わらなければならない子どもが出てくるのではないですか。もう一度答弁をお願いします。
2点目に、新制度で待機児は、解消されるのかとお聞きしましたが、「(仮称)門真市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、計画期間内に必要となる今後の利用希望も含めた教育・保育に係る見込み量に対して提供体制の確保を計画的にすすめていくので、解消されていくというようなことでした。
新制度になれば、保育に欠ける子どもだけでなく、色んなニーズを持った保護者を受け入れていくことになるのですから、今でも、待機児童が発生している状況で、短期間の中で本当に見込み量に見合う整備がなされるのか疑問に思いますが、大丈夫なんですか。もう一度答弁を求めます。
【再質問に対する答弁】
まず、新制度により、園を変わらなければならない子が出てくるのかにつきましては、保育所が、認定こども園に移行した場合につきましても、移行後の認定こども園が、保育の必要性のある子どもを、引き続き、保育してまいりますので、通常園を変わらなければならない子どもは出てこないものと考えております。
次に、計画の見込み量に見合う整備が実際なされるのかどうかにつきましては、今後、見込み量に対し、計画的な確保策を検討し、事業計画に位置づけた上で、計画に基づき、保育定員の拡充を含め、その実施に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。