[2005.12.11] -[門真民報]
5日、議会運営委員会が開かれ12月議会に提案される議案の説明が行われました。
第2京阪国道に埋設する公共下水道工事を道路施工主の近畿地方整備局と、2億4463万3200円で随意契約を行うものです。
指定管理者制度導入の基本条例と個別条例8件出される
03年、「官から民へ」の小泉構造改革の一環として、地方自治法が改正され、公の施設の管理を民間事業者も含めた団体に委ねることができる指定管理者制度が導入されました。その中で、来年9月までに、市の施設は市直営か指定管理者制度のどちらかにすることが義務付けられ、今回、指定管理者制度導入のための「門真市公の施設に係る指定管理者の指定の手続き等に関する条例」が提案されています。そして、指定管理者にする施設、市民文化会館(ルミエールホール)・市民交流会館(中塚荘)・村岡自然ふる里村・青少年運動広場・運動広場(北島)・テニスコートの各条例の全部改正、保健福祉センター内の老人デイサービスセンター及び障害者福祉センターの管理を指定管理者にするための一部改正・同様に有料自転車駐車場の一部改正条例が提案されています。
65歳以上の市民税非課税措置の段階的廃止
国は、地方税法を改正し、65歳以上で前年の所得金額が125万円以下(年金収入266万以下)の方に実施していた市・府民税の非課税措置を05年度から廃止しました。これにより、これまで、所得で125万を超える場合しか市・府民税はかからなかったのに、来年度から所得で35万(年金収入155万)以上になると市・府民税がかかることになります。国は、経過措置として、06年度は、税額の3分の2、07年度は3分の1を減額するとしていますが、わずか月13万円の年金の高齢者からも税金を徴収するとは、あまりにも冷たいやり方です。国が決めたことだからでは、済みません。
学校給食調理業務など民間委託を推進
今回、肢体不自由児通園施設くすのき園・知的障害児通園施設さつき園の通園バス(50人乗り)がノックス規制により来年4月に廃車になることから、新たに、25人乗りのバス2台をリースし、運転業務を委託する議案、現在、中学校給食は、7校中6校までもが民間委託されていますが、今回、残りの第1中学校の民間委託する議案、そして、放課後児童クラブも民間委託する議案が出されています。
公共施設に使用されているアスベスト除却費用を補正予算で計上
今回、市の施設でアスベストの使用が明らかとなっている施設のアスベストを除却のための補正予算を計上しています。
鉄筋の数を少なくしたり、柱の太さを細くするなどマンションの耐震強度の偽造問題が発覚し多くの国民に衝撃を与えています。この問題の背景には、小泉構造改革の「官から民へ」の流れの中、98年にこれまで自治体(特定行政庁)の仕事だった建築確認業務や完了検査を、国が指定した民間の業者(指定確認検査機関)も参入できるように法改正が行われたことにあります。この法改正が、国会で審議された時、日本共産党は「民間まかせでは検査の構成・中立性の確保が難しいし、手抜きされる恐れがある」と問題点を指摘しましたが、その通りの結果となっています。この法改正後、門真市においても、スピード審査を売りにする民間検査機関(府下では国指定27ヶ所、府指定2ヶ所)の確認申請が増え、今では92%にものぼっています。民間の検査機関が行った建築確認は、自治体に報告するようになっていますが、4ページぐらいの建築計画概要書のみとなっており、これでは行政として耐震強度のチエックはできず、民間検査機関からの報告を丸のみするだけとなっています。門真市では、問題になっている姉歯建築設計事務所の設計した建物はなく、また、不正を見ぬけなかった民間の検査機関イーホームズの物件は、5件あったもののいずれも1戸建で、調査したところ問題はなかったとのことでした。そして、これまで門真市で民間の検査機関が行ったものについては、市での独自調査は困難なため、指定を行った国や都道府県知事の調査状況を入手するとしています。国は、早急に民間任せの検査体制の見直し・居住者の安全確保など責任ある対策をとるべきです。また、問合せは、門真市役所「建築指導課」で対応しています。
確認処理機関
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2001年
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2002年
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2003年
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2004年
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門真市
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596件(94%)
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317件(50%)
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152件(26%)
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44件(8%)
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民間機関
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36件(6%)
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311件(50%)
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439件(74%)
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483件(92%)
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合計
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632件
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628件
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591件
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527件
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1位 | 建築検査機構 100件 |
2位 | (有)阪神確認検査サポート 86件 |
3位 | 防災センター 77件 |
4位 | 確認検査機構アネックス61件 |
11月28日・29日総務水道常任委員会は、愛知県豊田市、岡崎市を訪ね、トータル人事システム、行政評価システム等について調査をおこない、日本共産党の吉松正憲議員が参加しました。岡崎市では、「事業を実施した結果、事業の目的を果たし市民が満足するものであったかどうかを分析・評価し、次の計画に反映させる。」市民との関係では「評価結果は市民のみなさんに公表し、市民のみなさんが市役所の仕事について理解を深めていただき、市役所の説明責任を果たす。」という行政評価システムについて調査をおこないました。行政評価に取り組む目的として、「これまでの行政改革は、事業費や職員の削減が中心になって事業の改善がすすめられてきたが、事業費や職員の削減が永遠に出来るわけではない。これからの行政改革は”削減ありき”ではなく、事業の必要性や有効性をしっかり見極め、事業を実施する中で必要性や経済性などの視点を常にもって事業の改善をおこなう、必要な事業と求めたものには、積極的に資源を投入し市民サービスの向上を図っていくことが求められている。」との説明がありました。ただ、肝心の市民への公表は、事務事業評価シートを閲覧に供するだけで、「市民からも事業評価への意見はほとんどない」「市民の施策への評価と行政の評価で大きな差が生じる懸念はないとは言えない」とのコメントもありました。市民の目線にどう立脚して行政評価をおこなうのかが問われるのではないかと感じました。
12月1~2日 、寝屋川北部下水道組合は、岡山県新見市の下水道管理に光ファイバーを活用したシステムと児島湖の水質保全の取り組みについて行政視察をおこない亀井あつし議員も参加しました。新見市は、下水道施設を有効利用し、過疎化が進み少子高齢化も進んでいる中で、子供からお年寄りまでがITに触れる環境を構築することを目的に事業を03年から開始しました。同市では、下水道管渠内に敷設した光ファイバーと各戸(現在215件)の情報端末機を結び、下水道使用料金の算定の元となる水道メーターの自動検針をしています。担当職員の、「民間資本が過疎地では採算に合わず(光ファイバーに)手を出してくれないから自治体がやる事になった」という説明に、「民間活力」の本質を垣間見ました。児島湖流域下水道浄化センターは、89年に供用開始した施設で岡山市、倉敷市、玉野市などが対象区域になっています。同施設は、児島湖の水質保全を図るために窒素、リンの削減を含めた高度処理方式を採用しています。