[2008.3.9] -[門真民報]
門真市議会第1回定例会が4日開かれ、園部市長の新年度予算案と市政運営の考え方を明らかにする施政方針説明がおこなわれました。これに続いて、新年度一般会計予算案、条例案、契約議案などの提案説明が行われました。市長の施政方針に対する各党代表質問は、13日、14日に行われ、日本共産党からは、福田英彦議員が13日に質問します。
冒頭、市長は、日本社会が「地域間格差や所得格差など軋轢や痛みを伴いながらも構造改革路線が否応なくすすめられていること」を肯定的に評価した上で、「地方自治体でも同様だ」とし、「担税力の弱い門真市においては、どこよりも構造改革をすすめ、財政破綻を回避しなければならない」と強調しました。
合わせて、「どのような厳しい財政状況にあろうとも、門真市都市ビジョンに示される、新たな投資を行ってこそ、望ましい成果が得られる」と、市民サービスを次々と切り捨てながら、開発への並々ならぬ決意を明らかにしました。
新たに誕生した橋下知事の動向について、「市町村行政への影響も少なからず懸念される」と控え目ながら、警戒感を示しました。
財政問題では、門真市としても財政再建に取り組んできたが、国による「三位一体改革の影響や保健、福祉、医療等の度重なる制度改正(実際は改悪)が原因となり大幅な収支悪化を来した」と国の地方財政運営を批判しました。
しかし、「国保財政の累積赤字など財政悪化を放置するならば、国の財政指標である連結実質赤字比率をクリアできず、早期健全化団体への転落は必至であり、先に決定した『門真市財政健全化計画(案)』に国民健康保険収支改善計画を加え」、さらなる公的サービスから民間委託及び市民サービスの切り捨てを含む「『第2次門真市行財政改革推進計画』を強力に推進する」ことを明らかにしました。
実際、新年度予算には、子ども広報の発行休止、男女共同参画講演会開催事業の縮小、非核平和学校事業の縮小、緊急援護資金貸付事業を昨年実績の半分以下の320万円に削減、乳がん検診事業(集団)の4割削減、福祉農園補助事業の全廃など、新年度予算編成の中で、廃止・休止・縮小された事業で、市民サービスの切り捨てとなるものが無数に含まれています。
市内で唯一残された門真市の原風景ともいうべき北島地区の市街化調整区域について、「第2京阪道路の機能を最大限活用し、商業・業務施設や住宅等が集積した高度な土地利用の実現を図る」としています。緑地や田園風景の保全にはまったく触れられていません。
市政への市民参加・参画について、「自助自立の精神を基本理念とする、行政、市民、民間事業者の協働によるまちづくりが不可欠であり、NPOやボランティア活動の重要性」を強調しました。
しかし、この間の、市内各種団体への補助金の大幅削減に続き、リサイクルプラザの各種事業のNPOへの委託事業を1500万円から500万円に1000万円も削減するなど、市長が掲げる理念と実際の対応が大きくかい離しているのが実態であり、市民の理解を得られるものではありません。
学校教育については、「学力向上策が喫緊の課題だ」としながら、少人数学級の推進が触れられていません。
また、3万3千筆の請願署名が寄せられた「公立保育所民営化をするな」との保護者の声に聞く耳を持たず、あらためて、保育所4園一括民営化を強行する姿勢を示しました。