[2008.3.23] -[議会活動]
貧困と格差拡大は今年も大きな社会問題となっています。大企業は昨年度バブル期の1.7倍に当たる33兆円の利益をあげ、今年度も大幅に利益を伸ばしています。しかし、その業績が一向に家計に及んでいません。それは自公政府が強行してきた「構造改革路線」で、「大企業の競争力を強くすれば日本経済も強くなる」として大幅な減税や雇用法制の規制緩和など、財界・大企業を応援する一方で、国民には容赦ない増税や社会保障の負担増と給付削減を押し付けているからにほかなりません。その結果日本経済は、国民の所得と消費が伸びず内需が低迷し続け、輸出頼み、外需依存に大きく傾斜するきわめて脆弱なものになっています。そのうえ、投機資金による原油高・穀物高による生活必需品の値上がりやコスト高が、国民の生活と中小企業、農業などの経営をさらに圧迫しています。このような貧困と格差の拡大等に対し「住民の福祉の増進を図る」ことを基本とする地方自治体は、国の悪政の防波堤となって、市民の暮らしを応援する立場に立ち、その施策を推進することが大変重要となっています。しかし、残念ながら園部市長の施政方針説明は、こうした立場に立っているのかどうか、極めて疑わしい内容でした。それは、経済分野をはじめとするグロバール化の急激な拡がり、国際的な大競争時代とそれに日本が打ち勝つためにと称して強行されてきた政治、経済などをはじめとする「構造改革」を是認し、地方自治体においても都市間競争の生き残りをかけて「他市にも増して構造改革を進め行財政基盤を強固にしていくことが最も重要なことと考えております」と、小泉首相以降進められ、貧困格差を拡げてきた「構造改革」を本市においてもより一層すすめていくことを表明し、貧困格差の是正の必要性についての認識が全く見当たらないからであります。構造改革の考え方の基礎となっているのは「新自由主義」です。市場原理主義で民営化の推進、税制・雇用法制などの大幅な規制緩和で「儲けの自由」を保証せよというものです。そして金融市場でのマネーゲームでサブプライムローン問題、原油高・穀物高を生み出している元凶であり、各国で否定され、破綻しつつあるものです。市長は当選後初の議会の所信表明に対するわが党の中西みよ子前議員の質問に対し、このような「新自由主義」について「すべて肯定するものではない」と答弁されましたが、現在においてもその考えは変わらないのか、であるとしたら「新自由主義」の肯定できないものというのは何か、答弁を求めます。あわせて、地方自治体として貧困格差を是正する立場に立つのかどうか、立つとすれば構造改革と矛盾しないのかどうか明確な答弁を求めます。
自・公が衆議院で3分の2以上を占める国会では、この間悪法がどんどん成立し強行されています。高齢者に対する年金課税の強化、介護保険制度の改悪、障害者自立支援法での応益負担の押し付け、そして今回の後期高齢者医療制度導入をはじめとした医療制度改悪です。労働者には雇用法制の相次ぐ規制緩和で非正規雇用の拡大、ワーキングプア、ネットカフェ難民をつくりだしています。その一方で、大企業は史上空前の大儲けを上げているにもかかわらず、法人税減税の大判振る舞い。さらに無駄な公共事業や巨額の軍事費を温存し税金が足らないとなると基礎年金国庫負担の引き上げを口実に「消費税の本格論議を」と、消費税の引き上げを強行しようとしています。このような国の悪政の強行は、セーフティーネットをずたずたにし、地方に、そして庶民にしわ寄せを押し付けるもので、とりわけ門真市が最もその悪影響を被る結果となっています。市長はこのような国の悪政に対し、どのような認識を持っているのか、社会保障制度の相次ぐ改悪、大企業への減税や雇用法制の規制緩和、無駄な公共事業や巨額の軍事費の温存、そして消費税増税についてそれぞれ答弁を求めます。
2期8年の太田府政に代わって橋下知事が誕生しました。無駄な大型公共事業を進める一方で社会保障をはじめとする府民サービスの相次ぐ切り捨て、門真では保健所の廃止や門真南高校の廃校など大きな影響を受けましたが、このような大阪府政をなんとか変えてほしいという府民の願いが「変革」を前面に押し出した知事を誕生させました。しかしながら、この新府政が府民の願いに沿ったものであるのかどうか危惧されるところです。2月29日から大阪府議会が開会されましたが、新年度予算は7月末までの暫定予算としており、以降の予算化が不透明で府下の市町村への大きな影響が危惧され、不安の声、抗議の声が首長から出されているところです。また、駅のエレベーター設置事業や、密集事業などは不計上で、門真でもさらに大きな影響が危惧されるところです。さらに、所信表明で橋下知事は大阪府を「投資会社化」すると表明し、公的責任の放棄、府民サービスの大幅な後退が危惧され、市長も施政方針で市政への影響を懸念しています。こうした中で、本市の今年度の当初予算案は府の補助金についても通常通りで計上していますが、現時点において府の暫定予算によってどのような影響があるのか、予想される影響について府への具体的な要望等を行っているのか、その内容についても答弁を求めます。また、このような新たな大阪府政、橋下知事について市長としてどのような期待、危惧を持っているのか答弁を求めます。
昨年5月、日本国憲法の改正手続きに関する法律「国民投票法」が自民・公明によって強行・公布され、一部を除き公布から3年後の2010年5月に施行されることとなっています。この国民投票法の目的は憲法9条を変えることにあり、自民党の改正案でも明らかなように、自衛隊を自衛軍とし国際貢献の名のもとにアメリカの起こす戦争にどこまでも協力していこうというものです。泥沼化したアフガニスタンやイラクでも明らかなように、戦争でテロを根絶することはできず、平和的な粘り強い外交努力こそがその確かな道であり、平和憲法、9条を持つ日本がそのメッセージを世界へ発信していくことこそが、求められていると考えます。本市のホームページでは、門真ゆかりの人々として幣原喜重郎を「終戦を迎えた昭和20年、第44代内閣総理大臣に就任し、現在の平和憲法の草案作成に貢献しました。」と紹介しています。今こそ幣原喜重郎生誕の地門真の市長として、非核平和都市宣言を行っている門真市として憲法9条擁護の立場に立ち、その精神を全国に、世界に発信していくことが大切だと考えます。そこで、この間繰り返し憲法9条についての考え方について質してきましたが、改めて伺います。市長は憲法9条について擁護する立場に立つのか、また変える立場に立つのか明確な答弁を求めます。
市長は施政方針で、厳しい財政状況を述べたうえで、「このような財政状況にありましても門真市都市ビジョンに示す明日の門真への足取りは一歩ずつ着実に進めていかなければなりません。新たなまちづくりへの投資をおこなってこそ、望ましい成果を得ることができるものと確信いたしております」と述べています。この「新たなまちづくりへの投資」とはどのようなことでしょうか。産業振興では「企業誘致」を大きな柱にしていますが、企業誘致のための基盤整備や税の優遇措置のことでしょうか。また、新たな開発への投資でしょうか。「財政が厳しい」と市民に対しては「市民サービス見直しなど、苦渋の選択」を迫る一方で、市民に十分な相談なしに新たな開発や投資を行うとしたら、将来に大きな禍根を残すことになります。明確な答弁を求めます。
昨年6月に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が制定され、これまで普通会計のみで財政の健全化を判断していたものを国民健康保険事業特別会計をはじめとする特別会計等も含めた連結決算により判断することとなり、2008年度の決算から国の定める基準によって「早期健全化団体」および「財政再生団体」に指定し、国がその関与を強めようとするものです。国の定める基準については標準財政規模に対する比率等となっており、地域の個別性が反映されず、これによって指定団体とされることについては多くの問題点があると考えますが、市として財政健全化法の問題点についてどの様に認識しているのか答弁を求めます。次に、本市のこの間の財政悪化の要因についてです。施政方針説明では「国における三位一体改革の影響や保健、福祉、医療等の度重なる制度改正などにより、収支予測において乖離が生じ、大幅な収支の悪化が見込まれることとなりました」と述べています。国の悪政のしわ寄せが地方に押し付けられたということを市長自身も痛感されていることと思います。そこで、どのような収支悪化となったのか三位一体改革、保健・福祉・医療等の度重なる制度改正それぞれについて答弁を求めます。
第2次行財政改革推進計画は、このまま推移すれば国の財政健全化法の早期健全化団体に指定されるとし策定したものですが、より一層の民間委託の推進と、公共施設の廃止等の検討など、公的責任の後退が危惧されるものとなっています。「公共施設の管理運営の効率化」では公の施設すべてについて指定管理者制度の導入を推進・検討するとし、公民館二島分館、青少年センター、市立運動広場、ロッジかどまについては廃止を含め検討するとしています。これは昨年市長が施政方針説明で述べた「積みすぎた荷物を捨てる」ことの具体化です。また、市民への負担増も目白押しとなっています。このような市民サービスの後退や負担増について「苦渋の選択を迫られることもあろう」と市長は施政方針で述べていますが、少なくともこの選択は、市民に説明責任を果たし、市民合意で進めていくことが必要だと考えますが、見解を求めます。また、市民に説明責任を果たすうえでも、指定管理者制度については問題点等の検証と公表、新年度予算編成から反映されている事業評価の公表を早期に行うべきと考えますが、答弁を求めます。
2月29日に総務省が発表した労働力調査によると、派遣・契約社員、パート・アルバイトなど非正規雇用の占める割合が2007年の平均33.5%と、前年比0.5ポイント上昇し、過去最高を記録しました。3人に一人を上回るものです。2002年と比べると非正規雇用者数が281万人増加したのに対し、正規雇用者数は48万人減少しました。派遣労働を原則解禁するなどの雇用法制の改悪で、労働者の派遣労働者などへの代替が進められてきたところです。国会ではキャノンの100%子会社が製造ライン丸ごと派遣労働者である実態が告発され、政府も具体的な対応が求められる状況となっています。そしてこの質問がきっかけとなり、キャノンをはじめ正規雇用を行う大企業も現れています。格差の拡大、ネットカフェ難民、ワーキングプアなど、大きな社会問題となっていますが、こうした雇用法制の改悪、脱法行為がその要因となっていることは明らかです。こうしたなかで、本市はアルバイトなどの臨時職員の増加、民間委託、派遣労働者の活用を急速に進めています。しかし、このような雇用法制の改悪に乗じて「安上がりの労働力」として臨時職員や派遣労働者の活用を図ることが行政として許されるのでしょうか。公的責任の後退は勿論、不安定雇用、貧困・格差を行政として拡大していくことになっていないのか見解を求めます。また、派遣労働者については政府が派遣労働の規制緩和を進める際にも常用雇用の代替にしてはならないと繰返し明言してきましたが、本市の派遣労働について常用雇用の代替となっているものがないのかどうか答弁を求めます。さて、本市において「民間委託」としていたものが実は「派遣」で結果として「偽装請負」の状態となっていたことが焼却施設の運転業務で明らかとなりました。この問題については担当部署の問題ではありますが、なんでも民間委託という行革計画の流れの中で、こうした問題が起こったと考えます。全庁的に調査を行い、その結果について報告を求めていましたが、調査結果について具体的に答弁を求めます。
国民健康保険事業特別会計については累積赤字が58.5億円に上り、市財政を圧迫している状況となっています。これまで、一般会計からの繰入について制度分しか行わず、市独自の減免については繰り入れを行わなかったこともこれだけ赤字を膨らませた原因の一つだと考えます。しかし、根本的には低い収納率も要因の一つですが、低い収納率の要因が府下3番目に高い国保料にあります。そして収納率によって調整交付金がペナルティーとして減額されるという悪循環となっています。そのペナルティーの総額はこの10年で17億3千万円と国保財政に大きな影響を与えています。国保制度は、一定の措置はありますが、低所得者層が多いほど財政が苦しくなるという構造的問題があると考えますが、この構造的問題についてどの様に認識しているのか、国への改善要望をどのように行っているのか答弁を求めます。合わせて今年度の決算見込み、現状分析について、国保健全化計画の概要について答弁を求めます。
厳しい財政状況の下で、新たな財源確保は、市民への負担増やサービスの後退を行わず、市政運営を行うことは大変重要な課題です。本市の第2次行財政改革推進計画には自主財源の充実・確保で17項目が挙げられていますが、残念ながら、市民への負担増がその中心となっています。市民への負担増を伴わない新たな財源確保が求められています。この点で平成20年度21年度にかけて検討・実施として行革項目にも挙げられている新規課税の導入等にについて具体的な検討事項があるのかどうか伺います。新規課税については法定外目的税・普通税について少なくない自治体で検討・実施されています。具体的事例として法定外目的税では東京都豊島区では「放置自転車対策推進税」があります。放置自転車のうち鉄道利用者が少なくないことから鉄道事業者に対し、一定の割合で税を課すもので、その後鉄道事業者との協議の中で一定の放置自転車対策が図られ一昨年廃止されたという経過がありますが、本市において検討すべきものではないでしょうか。また、同じく豊島区では法定外普通税として住戸の占有面積が一定面積以下の集合住宅に一戸につき50万円を課する「狭小住戸集合住宅税」が2004年に施行されています。問題点もありますが、このような法定外普通税についても検討すべきと考えますが、見解を求めます。
粗大ごみの有料化については4月から実施され、その申し込みについてもこの3月から開始されているところです。実施に先立ち各自治会等で説明会が開かれ、不法投棄への対応をはじめとしてさまざまな意見が出されています。この説明会について開催回数、参加者数、どのような意見が出されたのか、また出された意見に対し、具体的に対応すべき点、新年度に向けた改善点等があると考えますが、答弁を求めます。次に家庭系普通ごみの有料化についてです。これまでの行革計画では新年度実施となっていましたが、第2次行財政改革推進計画では、今後7年間「検討」とされました。この点については行財政改革推進特別委員会でも議論となりました。私どもは、粗大ごみはもちろん家庭系普通ごみについても有料化はすべきでないと考えます。新年度審議会での議論も行われることと思いますが、そもそも家庭系普通ごみ有料化に対する現時点での基本的な考え方について答弁を求めます。
4月から「後期高齢者医療制度」が実施されようとしています。本市においても関係条例、予算案が提案されたところですが、この制度は全ての75歳以上の高齢者と一定の障害を持っている65歳以上の高齢者を加入させるもので、保険料は年金から天引き、これまで被扶養者で保険料を払わなくてよかった方も一定の凍結措置はありますが、保険料を払わなくてはならなくなります。さらに医療については別建ての診療報酬となり、入院、通院、終末医療に至るまで差別的な医療で医療費を抑制するもので、高齢者の長生きが喜べない制度への大改悪の内容となっています。日本共産党はこの最悪の制度の後期高齢者医療制度の中止・撤回を求め、国会では廃止法案を野党4党共同で提出しているところです。また、地方自治体においても中止・撤回、見直しを求める決議は500を超え、全自治体の3割に迫っています。このような後期高齢者医療制度の導入によって、高齢者にどのような影響があると考えているのか、市として独自の支援策が求められると考えますが、答弁を求めます。あわせてこのような最悪の医療制度の導入については、市として中止・撤回、制度の大幅な改正等を求めていくことが必要と考えますが、答弁を求めます。
新年度、国民健康保険制度は大きな制度変更を余儀なくされています。後期高齢者医療制度の導入で75歳以上の方と65歳以上の一定の障害を持つ方が国保制度から後期高齢者医療制度へと移り、これまで行われていた市民健診が「特定健診」として国保加入者について実施することとなります。さらには65歳以上の方の保険料は年金から天引きするなどの制度改定が行われます。このような制度改定が国保財政に与える影響についてどのように考えているのかまず伺います。次に滞納者への差押、資格証明書の発行についてです。この問題についてはこれまで繰り返し求めてきましたが、資格証明書の発行で、受診が抑制され、手遅れになった例も少なくなく、命綱を断ち切るもので発行すべきでないと考えます。差し押さえについても極めて慎重に行うべきと考えますが、実施状況と見解を求めます。合わせて国保法第44条に定められている一部負担金助成制度の創設に向けた検討状況についても答弁を求めます。
新年度から、特定健診・保健指導が始まり、実施に向け「特定健康診査等実施計画案」が示されています。特定健診は生活習慣病の内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)に特化した健診で、問題点についてはメタボを経て糖尿病になる患者は一部で見落とされれば、治療の遅れにつながりかねないことなど、昨年の第4回定例会で井上議員が指摘したところです。また、これまで基本健診等で実施されていたものが、特定健診の必須検査に盛り込まれていない検査項目があることから、市独自に保健サービスとして行うことが求められていると考えますが、答弁を求めます。さらにこの特定健診では、受診率等の目標数値の達成度によって、後期高齢者医療制度における国保会計から支出する支援金に差をつける、低ければ支援金を増額するという「ペナルティー」が課せられます。このような問題点を持つ特定健診・保健指導について国に対し制度改善を強く求めるべきと考えますが、問題点をどのように認識しているのか、国に要望等行っているのであればその要望事項についても答弁を求めます。
障害者自立支援法が一昨年4月に施行されてから間もなく2年が経過しようとしています。応益負担の導入は、障害者に過酷な負担を強い、現在の生活と将来にについて深刻な不安を与えています。厚生労働省の調査によっても、施設利用を中止せざるを得なくなった人は全国で1,625名にのぼるという実態も明らかとなっています。また、報酬単価の引き下げと日払い方式への変更は、事業所を脅かし、職員の労働条件を引き下げ、人手不足の深刻化など、障害者支援体制を維持することすら困難に追い込んでいます。「門真市第2次障害者計画(案)」においても、このような問題点を踏まえ「障害のある人にとって、真の自立に向けた支援策となることが求められています。」と指摘しています。このような国の悪政によるしわ寄せが障害者に押し付けられている下で、市としての支援策を積極的に推進すべきですが、施政方針では障害者施策について全く触れられませんでした。新年度市として新たな計画の下どのような施策を推進していくのか、具体的な答弁を求めます。
介護保険制度が一昨年4月に大幅に改悪されたもとで、新年度は事業計画の最終年、3年目となります。要介護から要支援に認定されたことで、十分な介護サービスが受けられない、介護報酬の削減でヘルパーが不足するなどの問題が起こっています。こうした問題について市としてどのように対応しているのか、施政方針では「相談支援体制の強化」とありますが、具体的な内容について、地域包括支援センターとの連携も大変重要だと考えますが、実施状況について答弁を求めます。また、一昨年4月に44%も引きあがった介護保険料は、高齢者にとって大きな負担であり、我慢も限界です。大阪府下でも8割の自治体が導入している保険料の減免制度の創設が強く求められています。市長としてくすのき広域連合においてリーダーシップを発揮し、減免制度を創設することを提言するべきと考えますが、答弁を求めます。
市政方針説明ではじめて「市民協働」としての施策について述べられ、「自分たちのまちは自分たちで創り、守るという自助自立の精神」を基本理念とすることが示されました。「市民協働」とは市民と協働するまちづくりのことで、市民と行政が情報を共有し、理解しあい、協力しあってまちづくりをすすめていくことだと考えます。しかし、「市民協働」を行革の道具として市民と行政の役割分担を行政が勝手に決め、本来行政が行うべきものについても市民に肩代わりさせ、「スリムな行政」を実現していく、その過程についても市民への説明責任を果たさないで強行していくとが危惧されます。市民協働の推進は地道なものであり、市民の理解をひとつひとつ得ながら進めていくことが重要だと考えます。その点で、これまでの「ふる里門真まつり」から小学校区ごとの「校区版門真まつり」への移行、「リサイクル活動機構かどま」への委託業務の大幅な縮小については首をかしげたくなります。「ふるさと門真まつり」は35回の歴史を持ち、市ホームページでは「市民・行政・企業が一体となった『協働』のネットワークによる参画、運営を理想としています。次代を担う子どもたちに大きな夢や希望を与え、地域社会を明るくし、市民主体のまちづくりに向けて、このまつりを実施しています。」と紹介しています。今回の「校区版門真まつり」への移行は、以上の理想や目的が達成されたと考えてのものなのか、「市民全体の象徴的イベント」はもういらない、ということなのか。「地域住民間におけるコミュニケーションの充実やより一層の地域活性化」がどのように「校区版門真まつり」で図られると考えているのか具体的な答弁を求めます。「リサイクル活動機構かどま」への委託業務の縮小は、リサイクルプラザ事業運営業務委託料が前年の1498万円から490万円と1,000万円の減となっています。講演会事業や工房事業については、市の事業としては行わず、「リサイクル活動機構かどま」で独自にやってくださいという内容になっています。リサイクル工房事業については11の多彩なもので、体験を通じてまさに「もったいない」の精神が醸成されるもので、多くの市民に親しまれ、先進的な内容となっています。このような市の姿勢の変更について十分に説明責任が果たされ、合意のもとで進められているのか、十分な合意もなく、見切り発車で強行されたものではないのか、それぞれの経過について具体的な答弁を求めます。以上のような市政運営は「市民協働」といいながら、これまで培われてきたものや市民協働の土壌さえも掘り崩していく結果となるのではないでしょうか。市長のいう「市民協働」とは、いったいどのようなものなのか、「自分たちのまちは自分たちで創り、守るという自助自立の精神」を基本理念としてどのように市民との協働を広げていこうとしているのか、答弁を求めます。
地域通貨については「地域のNPOやボランティア活動が醸成されやすい土壌づくりに努める」としており、先の問題と矛盾するようにも思いますが、どのようにその土壌づくりを進めていこうとしているのか、地域通貨の導入に向けたこれまでの経過及び新年度の支援の具体的内容について答弁を求めます。
市長は商工行政について施政方針では「企業誘致」に力を入れることを大きな柱としています。しかし、門真市は多くの卸や小売事業所、製造業などがあり、その多くが中小の事業所となっています。商工行政の中心を現在門真市内にある事業所、とりわけ中小企業への支援に力を注ぐべきであり、結果として市財政の基盤強化につながるものと考えます。「門真市産業振興ビジョン」を新年度策定するとしていますが、現在市内で頑張る事業者のみなさんをどう支援していくのか、基本的な考えについて答弁を求めます。また、市の責務を明確にし、中小商工業の振興を支援していく「中小商工業振興基本条例」の制定が重要だと考えますが、進捗について答弁を求めます。国は新年度の予算の中で、中小企業対策として「農商工連携」の促進や「頑張る小規模企業応援プラン」の推進などを打ち出しています。市として活用できるものがあれば積極的に活用すべきと考えますが、答弁を求めます。
この制度は、建設工事競争入札参加資格名簿に登録されていない市内の小規模事業者の受注機会を拡大することにより、市内経済の活性化を図ることを目的とするもので、全国で330を超える自治体で実施されています。多くの建設関係の小規模事業所がある本市での導入は、市内経済の活性化に大きく寄与する者と考えます。問題点の整理、事業効果の見極め等行っていくこと昨年答弁されましたが、本格実施に向け検討すべきと考えます。実施に向けた考え方について答弁を求めます。
門真市都市ビジョンの具体化として「幸福・中町まちづくり基本構想」が今年度策定され、それに基づく基本計画の策定が行われようとしています。基本構想素案では1中、6中の統合校を2012年度開校するという目標が明確にされ、その具体的な手法としてPFIについての検討についても予算化されているところです。PFIの導入については自治体の財政負担の縮減と財政資金の効率的利用の可能性等のメリットがあるとして文科省も推進しているところですが、公的責任の後退やリスク分担等について問題点が指摘されているところです。全国初のPFI事業による「高知医療センター」では事業を有利に進めたいという事業者と前院長との贈収賄事件が起こり、高知県・市議会が「契約解除も視野に入れた強い態度で」と決議が行われています。また、ごみ処理工場の余熱を利用してプールやフィットネス施設を建設、運営する「タラソ福岡」では事業が2002年に始まったものの、わずか2年半で破たん、事業者は土地の無償提供やサービスの対価として福岡市から2億円を受け取りながら、破綻後も何の責任も負わず、金融機関は回収可能な範囲でしか融資しておらず、結局リスクを負ったのは福岡市と市民という事例もあります。PFI導入検討調査委託が行われますが、このような問題点につても慎重に調査・検討が行われるのかどうか、その内容について答弁を求めます。
2009年度末供用開始予定で工事が進められていますが、う回路の問題をはじめとした安全対策や市民の生活環境に対する問題については事業者に対する要望・調整等努力が行われています。しかし、十分な環境保全対策については周辺住民の方をはじめとしてその不安が解消されていない状況となっています。供用開始に向け事業者に対しどのような申し入れを行おうとしているのか、答弁を求めます。
現在、小路中第一地区、本町地区、石原東・大倉西地区で実施されていますが、まちづくりについては周辺住民への説明も含め、実施主体である市が事業組合任せにせず、進めていくことが重要だと考えます。現在3地区において住民への説明がどのように行われていのか、答弁を求めます。 また、この事業については大阪府の新年度予算案では「不計上」となっています。今後の見通し等についても合せて答弁を求めます。
わが党はこれまでから北島調整区域は府下的にも貴重な水郷風景を残す地域であり、第二京阪道路が縦断したとしても、自然豊かな環境が残る地域であり、この地域を「水と緑の文化スポーツゾーン」にという提案を行ってきました。 施政方針で市長は「第二京阪道路の機能を最大限活用すべく、商業・業務施設や住宅等が集積した高度な土地利用の実現を図る」と述べましたが、現風景の保全については全く触れられませんでした。今、門真の将来を考えたとき、この北島地域の現風景が、門真の歴史的景観を残す貴重な地域として保存することを改めて提案するもので、その景観の中心をなすものが河内レンコンやクワイを栽培する地域としての景観であると考えます。市長の目指す「活力あるまちなか創出都市門真」にも「ふるさと意識や愛着が持て、文化的な香りがただよう定住のまち」とあり、その立場からも、商業・業務施設・住宅などが集積しただけではあまりにもギャップが大きいのではないでしょうか。門真の貴重な歴史的景観としてのレンコン栽培を中心とする北島調整区域の水郷風景を残すことについて市長はどのように考えておられるのか、答弁を求めます。
門真市移動の円滑化基本構想に基づき、今年度古川橋駅にエレベーターが設置され、新年度大和田駅、2009年度には西三荘駅へのエレベーター設置に向け関係機関と協議・調整を行っていくことが市政方針で述べられました。着実に駅舎へのエレベーター設置が進められていることについて、高齢者や障害者、小さな子どもさんを持つお母さんなどから、「要望署名を添えて市や京阪電鉄に要望したことが良かったね」と喜びの声が寄せられています。事業の着実な推進を求めるとともに、駅周辺のバリアフリー化についても重要な課題だと考えますが、進捗状況と今後の整備計画等について答弁を求めます。
保育所民営化については、運営法人選定方法等検討委員会によって決定された応募条件等により公募され、先月末で締め切られ、すでに選定委員会も開かれているところです。しかし、運営法人選定方法検討委員会の応募条件等の決定過程は、職員配置や合同保育期間など採決で決められた事項もあり、保護者の要望に沿ったものではないと考えます。この委員会で募集条件が保護者要望に沿って改善された点、保護者要望があったが、採決によって取り入れられなかった点について具体的に答弁を求めます。次に施設整備の問題です。新年度予算では民営化に伴う施設整備に5千万円余りが計上されています。衛生面、安全面を考慮した整備だとの説明ですが、市立保育園として残る3園については全く予算化されていません。保護者との懇談の中では、施設改善について民営化対象園との差別なく実施すると約束がされたのではなかったのか、今後の施設整備計画があるのかどうか具体的な答弁を求めます。市長は保育所民営化を「保護者の理解を得ながら、また、子どもたちへの影響に配慮しながら円滑に民営化を推進」するとしていますが、このような状況がはたして円滑と言えると考えているのかどうか、本市の民営化計画は現在のところ保育所だけです。市長自ら保護者と会い意見聴取するとともに、自らの言葉で民営化について保護者に説明する場を設けるべきだと考えますが、答弁を求めます。
乳幼児医療助成制度については2006年10月に拡充されていますが、就学前までの拡充に踏み出す自治体が17市町村と増えてきています。本市もせめて就学前までの拡充に踏み切ることを求めます。合わせて新年度ようやく3回までに拡充される妊産婦健診ですが、厚労省は昨年公費負担について14回程度が望ましく、厳しい財政状況でも5回程度は実施を原則とする通知を行っています。さらなる拡充についての考え方についても合わせて答弁を求めます。
本市の放課後児童対策については、これまでの学童保育とふれあい事業から放課後児童クラブへと移行し、新年度5校が移行し、2009年度には4校が移行することですべての小学校で放課後児童クラブが開設されることとなります。現在定員については100名となっていますが、2010年度から厚生労働省は定員を70人以下とする方向を示しました。このことから、複数学級化が必要となり、新年度実施に向けての検討がされることと思いますが、新年度どのように検討していくのか答弁を求めます。今年度導入された放課後こども教室は現在門真小学校と青少年センターで実施されていますが、放課後児童クラブとの関係についてどの様に考えているのか答弁を求めます。また、主に障害児の放課後児童対策の日中一時支援事業の実施状況等について答弁を求めます。
市政方針では「学力向上は喫緊の課題」とし、「特区」での国語力と英語のコミュニケーションの推進、「わがまち『豊かな学び』ステップアッププラン」を策定し、小中一貫教育を教育理念の柱として推進するとしています。しかし、このような努力方向も一クラスの人数が40人近くなるとその効果が十分に現れないのではないかと考えます。少人数学級は、その教育効果がさまざまな分野で認められています。現在35人学級が、小学校1、2年で実施されていますが、その効果についてどのように認識しているのか、大阪府に対しその対象の拡大を強く求めるべきと考えますが、答弁を求めます。また、環境も学ぶ内容も大きく変わる中学一年での少人数学級の実施は切実に求められています。市独自にも中学校一年での少人数学級の実施、少なくともボーダー学級で実施すべきと考えますが、答弁を求めます。
小中一貫教育の推進が表明されましたが、導入されているところでは習熟度別教育と併せて実施し、能力教育、競争教育につながることが危惧されています。本市の実施しようとしている小中一貫教育はこのような内容が含まれているのか、その具体的な内容について答弁を求めます。また、小中の連携については重要だと考えますが、拙速ではないかと考えます。この間どのような調査・研究がおこなわれ、どのような教育課題に有効だと考えて決定されたのか、学校現場の教職員の声はどのように反映されているのかについても合せて答弁を求めます。
新年度も文科省は、全国学力テストを実施し、門真市も参加するとしています。しかし、昨年43年ぶりに実施されたこの全国学力テストは、競争をあおり学校現場で様々な問題が起こりました。国連子どもの権利委員会は98年の第1回勧告で「日本の高度に競争主義的な教育制度が子どもたちの発達を歪めている」と指摘し、2004年の第2回勧告でも「教育の高い質を維持しつつ、学校教育制度の競争主義的な性格を抑制するため、生徒や親の意見を考慮に入れながら、カリキュラムを見直すこと」と指摘していますが、文科省はこの勧告に背を向け、競争主義をより強化しようとしています。市長はこの全国学力調査が、学力向上につながると考えているのか、過度の競争教育をあおり、子どもたちの成長発達を阻害することになると考えますが、認識について伺います。そして、このようなテストには犬山市のように参加すべきでないと考えますが、答弁を求めます。
今年度から、特別支援教育が実施されています。施政方針では触れられませんでしたが、その着実な推進は、学力向上にもつながるもので、大変重要です。その対象となる「発達障害」は自閉症、アスペルガー症候群その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥他動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。また、地方自治体の責務についても「発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが重要であることから、発達障害の早期発見のため必要な措置を講じること。また、その者の状況に応じて適切に、就学前の発達支援、学校における発達支援その他の発達支援」などを行うことが規定されています。本市においても体制整備も含めた充実が必要だと考えます。通級指導教室の設置、教職員への研修、コーディネーターの状況、支援員制度の活用、幼稚園、保育所など就学前児童への対策について実施状況や新年度の取り組みについて答弁を求めます。