[2014.3.8] -[議会活動]
日本共産党門真市議会議員団 豊北ゆう子
1.市長の政治姿勢について
(1)2期8年の市政運営について
市長は、施政方針説明で「市長就任以来、『誠実』かつ『愚直』にという政治姿勢を信念とし、『市政の改革』を旗印に、我が身は清廉に、あくまで公のため、市民の皆様の暮らしの向上のため、将来のまちの発展のためにと全身全霊を傾け、行政に携わってきた」と述べられました。それは一瞬耳を疑うものでした。園部市政の2期8年余りを振り返りますと、市長就任直後の2005年9月議会に行った所信表明では、8割以上が当時の太田大阪府知事の府政運営方針説明を無断で引用したものであることが、我が党議員団の指摘をきっかけに明らかとなりました。その後、本会議で陳謝、全世帯に「お詫び」の文書を配布、「市長として自らの言葉で語れないのか」と、市民の失望の中でスタートしました。また、一昨年8月14日のゲリラ豪雨は、市全域に床上・床下浸水などの深刻な被害をもたらし、職員の昼夜分かたぬ対応、市民は途方に暮れているまさにその時、市長は1日からの夏休み中で、その後何と18日まで門真に戻らず、役所に登庁したのは20日という市のトップとしては信じられない対応でした。そのことについて問われたその年の9月議会の亀井議員の一般質問に対し、自らの問題を問われたにも関わらず、総務部長に答弁させ続けるなど、極めて不誠実な態度に終始しました。さらに、市長自らが代表者を務める「自民党大阪府門真第一支部」に、門真市議会議員が2010年までの6年間に総額3700万円を寄付する一方で、その全額がこの自民党支部から市議会議員の資金管理団体に「寄付」として還流され、年間60万円から80万円の所得税控除を受け、税金の還付を受けていた、「迂回寄付」問題が昨年4月に明らかとなりましたが、市政をチェックする立場の市議会議員との異常な関係に、市民からの厳しい批判の声が寄せられました。このような一連の出来事を振り返った時、とても「誠実」かつ「愚直」にという政治姿勢を信念に、「我が身は清廉に、あくまでも公のため」に市政に携わってきたと言えないと考えますが、答弁を求めます。
また、開発会社への旧ダイエーの建物補償29億円問題、当時の担当部長の開発会社への天下り、担当職員の接待旅行問題では、この開発会社と市長との関係についても報道されています。市立養護老人ホーム廃止後、市の保有する土地の無償貸与によって民設民営で運営されている養護老人ホームの経営状況が全く報告されていなかった問題についても、実質社会福祉法人運営責任者の市議会議長経験の元市議と市長との関係が新聞報道で取りざたされているにも関わらず、公式の場で一度も自らの考えを述べていません。この機会に、これらの問題に対する市長の考えについて答弁を求めます。
市長は、施政方針で、2期8年の市政運営で、「門真の奇跡」とまで言われる現象が生じているとし、国保、四宮土地区画整理事業、財政、職員問題を挙げています。国保では、累積赤字を59億円から32億円へと大幅減少、収納率は70%台半ばから88%を超え府下平均を上回るまでになったということですが、その背景には高い保険料の支払いが困難な市民への過酷な収納対策があります。2011年度では、延差押え件数372件で大阪市と堺市に次いで3番目、延差押え金額は244,583,727円で、大阪市や堺市も上回り府下で1番目という驚くべき状況となっています。また、他市では殆んど例がない学資保険の差押も行っています。国保におけるこのような状況をどう考えているのか、「門真の奇跡」を起こしたと胸を張れると考えているのか、答弁を求めます。
また、財政、職員問題においても約150項目に及ぶ行財政改革の断行で、約300億円の効果を生み出し、経常収支比率が12年ぶりに100を下回るまでに改善されたとしていますが、その5割を超える部分が職員の大幅削減と給与削減にあります。「民間でできることは民間」と職員を削減する一方で業務委託を次々と行い、その結果、偽装請負を行っていたことが我が党議員団の指摘で明らかとなり、その後全庁的に調査を実施し是正させるという経過をたどっています。包括委託や指定管理者制度においては、法令順守やずさんな維持管理について十分にチェックができていない現状も明らかとなりました。この間職員の長時間労働、疾患による休暇が増加傾向であることは重大で、行政を停滞させる要因ともなっているのではないかと考えます。これが、はたして「門真の奇跡」と言えるでしょうか、答弁を求めます。
まず、一連の出来事を振り返った時、「誠実」かつ「愚直」にという政治姿勢を信念に、「我が身は清廉に、あくまでも公のため」に市政に携わってきたとは、言えないのではないか、についてであります。施政方針で述べました「誠実かつ愚直に」「我が身は清廉に、公のために」という思いは、私の信念であり、私は、そのように市政運営を行ってきたと考えております。ご指摘のあった件は、人それぞれ、感じ方があると思いますので、一つのご意見として拝聴いたしておきます。
さて、就任直後の所信表明では、演説引用をめぐり、マスメディアでも取り上げられるなど、確かに、厳しい就任の船出とはなりましたが、所信表明の考えは、決して揺らぐものではなく、貫徹していると思っております。
ゲリラ豪雨での対応では、副市長以下職員と十分に連絡を取り合い、迅速な対応で、近隣市と比べても、きめ細かな対策を講じ、災害時の見舞金制度も充実しており、誠実さに欠けたものとは考えておりません。
迂回寄付問題につきましては、法・制度に則った政治活動であり、法的には問題なく、また、市議会議員との関係は、共に志を一つに、門真市のために奔走してきた同志であり、異常な関係とは考えておりません。
改めて、2期8年を振り返りますと、就任当初の「第1の目標」であった「市財政の再建」による「市政の再生」におきましては、行財政改革を断行し、今日では、危機的な財政状況から脱し、教育、福祉、保健をはじめとして、あらゆる分野で施策を拡充し、新規施策を数々展開するとともに、将来のまちづくりへの投資を実施できるまでに「再生」してまいりました。また、「第2の目標」である「生きがいのもてる優しいまち」におきましては、「自立した地域が主役」となる地方自治、公民協働の発展を展望してまいりましたが、自治基本条例の制定、地域会議の創設の動きへと結実し、いよいよ、公民協働理念の普及段階から地域で市民の皆様が実践できる具体的な予算確立の段階に移行し、優しいまちづくりは、「幸福度指標」の策定を見据えるまでに具現化してまいりました。船出は厳しく、その航海も行革の断行など順風満帆ではありませんでしたが、しかし、有言実行を果たし、確実に荒波を乗り越え、平穏に幸せな暮らしが広がるまちに近づいていると確信いたしております。
この間の政治姿勢でありますが、私の市長就任期間の退職金廃止、給与の削減をはじめ、市のトップとして、自ら律すべきものを律し、一切の私的な利益誘導を排除し、清廉に徹するとともに、政治家としての人気誘導施策を継続するのではなく、「バラマキ」とも指摘されてきた補助金や給付を見直し、真に市民の福祉の増進となる施策へと転換してまいりました。この際、改めて申し上げますが、これら行政改革は、職員はもとより、市民の皆様にも痛みを伴うものであり、誰しも、できれば避けたいと考えるものであります。
しかしながら、私は、行政のトップであり、公人であります。縮小社会、成熟社会に突入し、少子高齢化が著しい昨今の情勢を分析した時、本市の危機的であった財政状況を鑑みた時、これから必要となるであろう市民の暮らしを向上させるサービスを実施できる財源を考えた時、例え痛みを伴っても、既得権益を崩しても、一部から批判を浴びても、改革しなければならないというのが、私の政治家としての信念であります。それは、あくまで、公のため、市民の皆様のため、将来のまちの発展のためであります。
また、旧ダイエーの建物補償では、国の制度等に基づき対応してきたもので、適切であると考えております。元部長の開発会社への就任は、私をはじめ、市が把握していない状況で起こったものであり、違法性はないものと認識しており、担当職員の出張に関する職務専念義務の違反の有無につきましては、当時の状況を確認し、必要な処分を行ったところであります。
民設民営による養護老人ホームにつきましては、個室対応など入所者の生活を向上させ、行革ともなる手法をとったもので、一定期間の土地の無償貸与は、施策を実現する上で必要な選択であり、事業者の選定方法も公平・公正に行っており、議事録の概要版しかない点は、反省材料でありますが、選定そのものにおいて何ら問題はないものであります。経営状況の報告は、事務的に漏れておりましたが、これも直ちに是正いたしました。
なお、様々な場面で、私と当該関係者が旧知の仲であることが、取りざたされておりますが、文字通り、市長になる前からの古くからの知り合いであります。私と知り合いの方は、市内に五万といらっしゃいます。皆様、立派に各々の分野で活動されております。行政は、公平・公正を原則といたしております。知り合いであろうがなかろうが、私や知人の利益誘導を目的とした判断や施策は、一切ないことを、私の人生の誇りにかけて、この機会に表明いたします。
次に、「門真の奇跡」についてであります。まず、国保についての認識でありますが、国保が制度として疲弊していることは、承知いたしております。だからこそ、国に対し、補助金の増額を要求し、市町村が保険者ではなく、広域主体の運営であるべきと主張いたしております。しかし、現制度で、市が保険者である以上、制度として機能させていく必要があります。そのためには、全国、府内と比べても著しく低い状況にある70%台という収納率を高めることは、当然のことであります。加入者の圧倒的多数の方に、苦しい家計のやりくりの中で支払っていただいております。公平・公正の観点からも、納付相談に来ていただけない方等に対する差押えなど収納対策は、やむを得ない措置であり、避けて通れないものと考えております。その一方で、近隣市と比べても手厚い独自の減免制度を実施しており、累積赤字の解消へむけ、一般会計からの繰り入れも大幅に行っております。また、医療費の縮減のために、府内に先駆けて、ジェネリック医薬品の活用もお願いいたしております。このような、総合的な対応によって、制度として機能しはじめており、収納率が低迷し、累積赤字が増大する一方の、かつての状態からすれば、まさに、奇跡的なものであると考えております。
次に、職員数の削減や給与削減、民間委託等についてでありますが、確かに、行革におきましては、極力、市民の皆様への負担を回避するため、徹底した「内なる改革」を重視し、職員に負担をかけてきたと考えております。団塊の世代の大量退職という時代背景がある一方で、地方分権による権限移譲や施策の拡大により業務量は飛躍的に増大し、煩雑化、高度化する中で、職員は職務に精励してくれていると認識いたしております。行政と民間の役割分担の明確化並びに職員にかかる業務量の改善のため、民間委託、指定管理、民営化、施設統合も、拡大し続けております。私の標榜する少数精鋭によるスリムで効率的な行政が確立してきております。まさに、かつての職場の状態から見ると、奇跡的な頑張りであると誇れるものであります。ご指摘のあった偽装請負や管理監督での不十分さ、また、長時間労働の改善や法令遵守の徹底は、引き続き、取り組まなければなりませんが、明確に言えることは、このような職員の努力、奮闘の結果として、市民の皆様への、今日的な課題や要望に応えられるサービスや事業が展開できる、将来の希望を持てるまちづくりが推進できるということであります。
(2)国・地方政治をめぐる問題について
施政方針では、政治経済の動向について、アベノミクスによって景気の本格的な回復への期待が高まりつつある一方で、中小企業や地域には十分浸透しておらず、賃金上昇も実感しづらく、円安による物価の値上がり、消費増税など、依然として厳しい状況が懸念されると述べています。その対策は、「『国の経済政策パッケージ』による予算活用を可能な限り前倒しで行い、地域経済の活性化に寄与できる取り組みを推進」することしか触れられていません。昨年12月支給分から年金は引き下げられ、4月から70歳となる高齢者の医療費の自己負担が2割に引き上げられるなど深刻です。このような状況の下で、市民の暮らしを守る施策を独自に進めることが重要と考えますが、答弁を求めます。
現在国会が開かれ、国政の様々な問題について議論されています。8%への消費税増税は、国民に8兆円もの負担増を押し付ける一方で大型公共事業や企業減税のばらまき、年金の給付削減と70歳からの医療費窓口負担の2割化などの高齢者いじめ、原発事故の教訓を生かさず世論を踏みにじる原発再稼働問題、100害あって一利なしのTPPへの協議参加、教育委員会を首長の下請け機関とし、戦前のように教育への権力的介入をすすめようとする教育委員会「改革」など、安倍政権の暴走は地方自治体にも深刻な影響を及ぼすと考えます。それぞれの問題についての認識、対応について答弁を求めます。
地方自治をめぐる問題についてです。施政方針では、閣議決定された「事務・権限の委譲に関する見直し方針について」、第2フェーズに入った「大阪発“地方分権改革ビジョン”」などを挙げ、「積極的な権限移譲を受け入れるべく、広域連携の拡充へ向け調査研究を推進」すると前のめりになっています。とりわけ「大阪発“地方分権改革ビジョン”」は、橋下知事の下で関西州の実現に向け、2009年3月に策定されたもので、補助金の交付金化は、大阪府の財政削減の手段として使われ、その交付金も「学校安全対策交付金」の廃止で、小学校の警備員配置の廃止を余儀なくされるなど、市民生活に大きな影響を及ぼしました。第2フェーズでは、大阪府でなくては担えない事務を除く全ての事務を市町村に移譲するとして、約4000条項の事務移譲をめざすとしていますが、財源を伴わない権限移譲は、府民施策の縮小・廃止を招くだけで、市民サービスの大幅後退が危惧されます。こうした点についてどのように考えているのか、答弁を求めます。
あわせて、府市による「大阪都構想」についても触れ、「その動向に注視し、本市への影響等を分析していく必要がある」としていますが、鮮明なのは「一人のリーダー」によって「二重行政解消」と言いながら、「カジノ」や「関空リニア」などに巨額の税金を投入しようということだけで、「グレーター大阪構想」で門真も巻き込まれるとしたら、市民サービス低下は絶対に避けられず、「参加しない」との表明が求められます。昨年は、「現段階での参加・不参加の意思決定は市政を預かるものとして、無責任な対応」との答弁でしたが、市政を預かる首長として明確な答弁を求めます。
国政に対する認識と市民の暮らしを守る姿勢についてでありますが、市民の暮らしを守る独自施策を進めることにつきましては、景気の下振れリスクを回避しつつ、景気回復の足取りを確かなものとするため、国の経済対策を最大限活用し、その効果が様々な場面で市民の皆様の暮らしの向上につながるよう、地域経済の活性化に努めているところであります。また、消費税の増税で行政経費も増加いたしますが、一部を除き、使用料などに直ちに転嫁していないなど、努力いたしております。
次に、消費税増税及び高齢者に係る年金給付削減や医療費負担増についての認識につきましては、市民の皆様の暮らしを守り、将来にわたり持続的に、住民福祉の増進を図る地方自治の責務が果たせる制度となるよう、あらゆる機会を利用し、国に働きかけてまいりたいと考えております。
次に、原発再稼働につきましては、脱原発依存への確かな方向性などその動きを見定め、必要に応じ、国に対して要望等を行ってまいります。
また、TPPへの協議参加につきましては、国民にとりまして、安全・安心な社会の構築、日本にとりましてより良き方向となりますよう、国において判断されるべきものと認識しており、必要に応じ、要望等も行ってまいりたいと考えております。
次に、教育委員会制度改革につきましては、中央教育審議会の答申を受け、現在、国政において新たな教育委員会制度への検討が進められており、その議論を注視してまいりたいと考えておりますが、本市は子ども施策を教育委員会へ一元化するなど、重きを置いております。
次に、地方自治をめぐる問題についてであります。まず、権限移譲につきましては、市民サービスの向上につながるとともに、自主的かつ迅速な行政運営が可能となるものについては、移譲に伴う財政措置や必要な支援について要望を行いながら、本市の自立性、自主性を一層高めてまいりたいと考えております。
次に、大阪都構想につきましては、府市による「大阪都構想」の議論も混沌としてきておりますが、今後、本市を含めた議論が行われる場合には、財政調整機能の問題をどのようにするのか等、メリットや問題点などを分析し、徹底した情報公開のもと、市民の皆様の意向を十分に踏まえ、必要な段階におきまして、判断してまいりたいと考えております。
2.市民のくらしを守る施策について
(1)税・国保の滞納者に対する差押えについて
今、国保や市税においては滞納者が増えており、滞納者に対しての差し押さえも強行されています。本市の国保においては、加入世帯が25332世帯中、11252世帯と半数近い世帯が滞納しており、2012年度決算では、国保の滞納についての差し押さえは442件、市税においては633件に上っています。施政方針では、国保の収納率が上がったことを、「門真の奇跡」とまで言われておりますが、「もう食べていかれへん」「店をたたまなあかん」「生活やっていかれない」と、市の強行な取り立てで市民生活は大変深刻な状況だというのが実態です。また、本市の滞納に対する差し押さえについては、府下でもほとんど実施していない学資保険にまで及んでいることは問題と言わざるを得ません。私たち議員団は、これまで給料や年金などが預金口座に振り込まれた直後に差し押さえられ、「生活ができない」「暮らしていけない」と市民から相談を受けています。口座預金の差し押さえについては、昨年11月27日の広島高裁では、「預金口座に振り込まれたものであっても、差し押さえ禁止財産が原資となっている場合は、差押禁止の趣旨に反し違法である」という画期的な判決が出ました。今後は、最低生活を脅かすような給料や年金等の違法な差し押さえは、今回の判決に沿ってやめるべきと考えますが答弁を求めます。
本市では、再三の催告に応じず納付頂けない場合に悪質滞納者と判断し、調査により財産が判明した場合には、差押えを執行しております。議員ご指摘の判決につきましては認識しておりますが、本市においては同様の差押えを執行しておらず、また、この判決により現在行っている給与等の振込口座の差押えが直ちに違法であるとは認識しておりません。しかしながら、差押を執行した後に納付相談に来庁された場合には、生活状況等を考慮し、差押の解除や換価の猶予など一定の配慮を行っており、引続き、期限内に納付されている方との公平・公正性を確保するため、法令に基づき、適正に滞納処分を執行してまいりたいと考えております。
(2)国保の広域化問題について
今、国では国保の「広域化」が進められています。国が目指す広域化は、保険料を統一せず、各自治体に「分賦金」を科す方向が示されており、保険料抑制策を講じることが困難となり、市の実施する保健・健康診断・検診事業が大きく後退し、結果的に医療費の増大を招き、保険料は際限なく高騰し、自治体の収納体制はさらに強化されることは必至です。この点についてどう考えているのか、これでもまだ広域化には反対するものでないと考えているのか答弁を求めます。2012年の国保法改正で、2006年から始まった保険財政共同安定化事業の対象医療費を30万円から1円に引き下げ、2015年から全医療費に拡大することが決まり、実質「給付の広域化」が図られます。本市では、毎年、保険財政共同安定化事業の共同事業拠出金が府の共同事業交付金を上回っており、2012年度までの赤字の総額は5億7,659万円にも上ることが明らかになっています。このことから、本市を含む拠出超過額の多い5市で、大阪府に対し要望書を提出し、算定方法に「所得割」が加わったことで改善が図られていますが、新年度予算においても3612万1千円もの拠出金の超過が見込まれています。保険財政共同安定化事業の対象が現行の30万円以上が1円からになると、保険給付は今の4.5倍にもなり、拠出金の超過額の規模は今よりもっと大きくなります。1円化は本市としては、デメリットでしかないのではないですか。拠出金に対して府からどのような説明を受けているのか、市として、府とどのような協議を行い対処していこうとしているのか答弁を求めます。
国民健康保険の大阪府の広域化に対する市の考えについてでありますが、国保の広域化にあたり、国民会議等の議論の中で、事業運営に要する経費を「分賦金」で市町村に割り当てるという意見があるのは認識しておりますが、昨年12月に施行された「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」の中では財政運営は都道府県が担うことを基本としつつ保険料の賦課及び徴収等については市町村が行うことが示されているだけで、保険料の算定方法等の具体的な内容は今後の国会等で論議されることとなっていることから、具体的な影響につきましても現段階では不明であります。国保の広域化は、本市のような多額の累積赤字を抱え、医療費は増加し続ける中、低所得者層の加入割合及び年齢構成が高い保険者にとっては、広域化によるスケールメリットにより保険財政基盤の安定が望めることから広域化については反対するものではありません。引き続き、国等の動向を注視しつつ、本市国保財政及び被保険者に対しまして、多大な影響があると考えられる場合は、必要に応じて国、府に要望を行ってまいります。
また、保険財政共同安定化事業の対象医療費が全医療費に拡大することについてでありますが、保険財政共同安定化事業の対象医療費を全医療費に拡大した場合、拠出金額が増加することは認識しておりますが、具体的な算定方法等については現在、大阪府の国民健康保険広域化等支援方針策定のワーキンググループにおいて検討中であります。大阪府より国保担当課長会議、北河内国保事務研究協議会等におきまして、制度概要についての説明等を受けておりますが、国保財政に対する影響等についての具体的な説明は今のところ受けておりません。今後におきましては、27年度の制度実施にあたり、拠出金の平準化が行われるよう、市長会等を通じて、府に要望を行ってまいります。
(3)高齢者施策について
安倍内閣が2月12日に国会に提出した「医療介護総合推進法案」では、介護と医療の大幅な負担増、給付減が盛り込まれており、介護の分野では、要支援1、2の訪問介護と通所サービスを介護給付からはずす、特別養護老人ホームへの入所は「要介護3」以上に限る、所得によって介護保険料の利用料を2割に引き上げる、低所得者でも預貯金があれば施設の居住費・食費を補助しないなどが見直しの柱になっています。特に本市にとって大きな影響があるのは、要支援者が多く利用している訪問サービスやデイサービスを介護保険からはずし、市町村の新しい総合事業として2015年(平成27年)から2017年(平成29年)4月までに移行することとも示されていることです。介護保険からはずされた要支援者のデイサービスや訪問事業は、ボランティアやNPOなど、地域の自助・互助に移されることで、サービスの低下は必至となり、「日常生活ができなくなり、介護度が上がる」「コミュニケーションの機会が減る」「状態・病態が悪化する恐れがある」「家族の介護負担がふえる」など、様々な影響があることが、危惧されますが、これについてどう考えますか、答弁を求めます。本市ではこのような国が検討している「新しい総合事業」による、要支援者の訪問介護・通所介護の予防給付廃止について、市として反対することを求めますが答弁を求めます。
介護保険制度の改正案についての市の認識についてであります。重度な要介護状態になっても住み慣れた地域のなかで、安全かつ安心に、また健やかに暮らし続けていくために、医療や介護、予防、住まい、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築に向けた取組みの一層の推進と、介護保険制度の持続可能性を勘案した費用負担の公平化が打出されたものと認識いたしております。
次に、総合事業について市として反対の立場をとることについてであります。総合事業につきましては、要支援者に対する介護予防給付のうち、訪問介護、通所介護について、市町村が地域の実情に応じてサービスの種類や内容、運営基準などを規定し、地域支援事業と併せ実施するとされております。今後は、住民主体の取組なども積極的に活用し、柔軟かつ弾力的、効率的に独自の裁量でサービスを提供できうるものと聞き及んでおり、国、府、他市の動向に注視してまいりたいと考えております。また、サービスの移行については、ご利用者やそのご家族、また介護事業者が、様々な不安を抱かれているものと認識いたしております。移行期間は、29年度までの第6期計画期間中とされており、制度変更による混乱や要支援者のサービスの低下を来たすことないよう、また、生活に密着したきめ細かな支援サービスが適正に提供できるよう、くすのき広域連合と協議してまいります。
(4)障がい者(児)施策について
門真市立こども発達支援センター」について伺います。改正児童福祉法の施行により市町村を設置主体とした「児童発達支援センター」が配置されることとなり、4月から本市は門真市民プラザに「門真市立こども発達支援センター」を開設し、障がい児の総合支援センター機能として早期発見・早期療育に重点を置き、「さつき園・くすのき園」が移行される通園施設の運営事業、「発達障がい児療育事業」、「保育所等訪問支援事業」、「発達障がい児相談支援事業」の4事業の実施をします。同センターの実施に伴って施設改善がされましたが、利用者の療育に沿った安全・安心な施設運営が求められます。質問ですが、まず現在の「さつき園・くすのき園」が移行される通園施設運営事業では、人員体制・支援体制についてどうなるのか、また通園児に加えて、地域の障がい児へのきめ細やかな支援体制・人員体制について具体的にどうするのか答弁を求めます。
次に「発達障がい児療育事業」では、概ね3歳から10歳が対象ですが、現状・課題として、小学校高学年以降の専門的な直接療育の場の確保が必要と考えますが、今後に向けての見解を求めます。また、4事業の安全・安心な療育・保育の把握、さらに地域関係機関や保護者等との連携による療育環境向上のための情報発信・啓発などの支援体制について答弁を求めます。
次に、障がい者就労支援についてお伺いします。家族が高齢化する中で、障がいを持った方々への支援の充実は市の緊急の課題です。2012年6月「障害者優先調達推進法」が成立され、2013年度から従業員50人以上の民間企業への障害者法定雇用率が現行1.8%から2.0%に引き上げられるとともに、障害者就労支援施設から物品を優先的に調達することを国や地方自治体が推進するよう、必要な措置を講じることになっています。また、地方自治体にも、障がい者就労施設等の受注機会の増大を図るため措置を講ずるよう努めなければならないとされています。推進法の施行にあたり、今後の取り組みについて以下の点についてお尋ねします。現在、障がいのある方の雇用促進や就労支援をどのように支援されているのか、また「障害者優先調達推進法」について、どのような計画策定を行おうとしているのか、また新年度予算では、安心して生活ができる環境の整備に取り組むということで(仮称)「門真市障がい者基幹相談支援センター」の設置がありますが、同センターは就労に向け相談支援することについて具体的にどうしていくのか答弁を求めます。
こども発達支援センターにおきましては、障がい児支援拠点として、通園事業、地域支援を実施することとしております。通園事業におきましては、保育室を増設したことにより、子どもの障がい特性に合わせたクラス編成及び適切な人員配置を行う予定としております。また、地域支援に係る人員・支援体制につきましては、臨床心理士、作業療法士等の専門職の配置を予定しており、様々な支援を提供できる体制整備を行ってまいります。さらに、全事業を通じて、新施設においては、職員の連携・協力体制を強化することなどにより、安全・安心な施設運営に努めてまいりたいと考えております。また、小学校高学年以降の発達障がい児への専門的な療育につきましては、二次障がいを含めた複合的な課題への対応等の困難さなどから、今後、民間事業所も含めた関係機関の実施状況などを注視してまいりたいと考えております。なお、センターの運営にあたりましては、保護者や関係機関との連携を推進することにより、今後の支援体制の充実につなげてまいりたいと考えております。
次に、障がいのある方の雇用促進についてであります。障がいのある方の雇用促進につきましては、国や府等からの障がい者向けの職業訓練や企業合同説明会、またセミナー等の案内チラシやパンフレットを設置し、就労・雇用促進にかかる情報を、事業者を含め周知に努めております。
次に、障がい者の就労支援についてであります。障がい者の就労支援に関しましては、これまでから門真市障がい者地域協議会の就労支援部会において、各種参画機関が就労支援ネットワークを構成し、障がい者の就労への理解や啓発の推進に取り組んでおります。本市では、就労支援部会での議論を踏まえ、22年度から障がい者の庁舎実習を実施しており、実習生の中から、累計11人の方がパートタイムを含む一般就労につながっております。今後につきましても、関係機関との協力体制の強化を図り、一人でも多くの方が就労できるよう、取組んでまいりたいと考えております。
次に、障害者優先調達推進法の取組についてであります。障がい者就労施設で就労する障がい者や在宅就業障がい者の経済面の自立及び社会参加を促進することを目的として、「障害者優先調達推進法」が25年4月1日に施行されました。本市におきましても「平成25年度門真市障がい者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針」を策定し、ホームページ等で公表し、物品の調達の推進に努めているところであります。具体の実績といたしましては、25年度は、庁内4課から啓発用テイッシュ等の物品を発注しており、また、現在、26年度に向けた発注物品の選定を実施しているところであり、今後も、市全体で障がい者就労施設への物品等の発注拡大に努めてまいりたいと考えております。
次に、障がい者基幹相談支援センターにおける就労支援についてであります。26年度中に設置予定である障がい者基幹相談支援センターにつきましては、障がい者(児)やその家族等からの、様々な悩みや問題等の各種相談に総合的に対応する機関であります。そのため、障がい者やその家族等から就労に関する相談があった場合には、その相談内容に応じて、適宜、助言を行うとともに就労支援部会や就労関係機関へ引継ぎを行ってまいりたいと考えております。
(5)生活保護施策について
生活保護は生存権を守る最後の砦となっています。昨年、保護基準が引き下げられ、今また生活保護法の改正や生活困窮者自立支援法などの成立に伴って、さらに就労強化や扶養義務などが強化されようとしています。市として、保護基準の引き下げや今回の改悪をどう受け止めていますか、答弁を求めます。
本市では不正受給や保護を要する人の情報につながると言うことで「生活保護情報専用ダイヤル」が今年度から設置されました。施政方針では「『生活保護情報専用ダイヤル』の活用で窮迫状況にある方の把握や不正・不適正受給対策の強化を図っていく」と述べています。ところが、市民からの情報結果では、窮迫状態にある方の情報は1件もないと聞き及んでいます。「生活保護情報専用ダイヤル」が設置されてからは、市民から「監視されているようで落ち着かない」などの声を多く聞いています。まさしく市民同士を監視させる状況になっています。市民同士を監視させるようなこのような状況が、市民生活において正常な街の状況と言えるでしょうか。「窮迫状態にある方」を口実に、市民に監視させているだけの「生活保護情報専用ダイヤル」はただちにやめるべきだと考えますが、答弁を求めます。
まず、生活保護基準の見直しについてであります。今回の生活扶助基準等の見直しにつきましては、生活扶助基準が一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているかを見極めるため、25年1月に厚生労働省社会保障審議会生活保護基準部会にて、検証結果がとりまとめられ、この検証結果に基づき年齢・世帯人員・地域差による影響を調整するとともに、近年デフレ傾向が続いているにもかかわらず、20年以降、生活扶助基準額が据え置かれてきたことを踏まえ、それ以降の物価動向を勘案し、適正に行われたものと考えております。また、生活保護法改正法につきましては、保護が必要な人には確実に保護を実施する生活保護制度の基本的な考え方を維持しつつ、今後も市民の生活保護制度に対する信頼に応えられるよう、保護受給者の就労自立の促進、不正・不適正受給対策の強化、医療扶助の適正化を図ることを内容とするものであり、生活保護制度のより一層の適正化が図られるものと考えております。
次に、生活保護情報専用ダイヤルについてであります。本市では、生活に困窮している方の情報や生活保護費の不正受給が疑われる情報など、生活保護に関する市民の皆さまからの情報提供の窓口として、25年5月より保護課内に「生活保護情報専用ダイヤル」を設置いたしております。情報専用ダイヤルの設置後、生活保護費の不正受給に関する情報以外にも、ギャンブル等日常生活態度に関する情報、偽装離婚に関する情報、生活保護制度等への意見等、市民の皆さまから様々な情報が寄せられております。また、情報専用ダイヤルへの生活に困窮している方に関する情報は、ございません。その理由といたしましては、現在のところ直接窓口に来られていることと認識いたしておりますが、一刻をあらそうような場合では情報専用ダイヤルの活用が功を奏するものと考えております。このようなことから、情報専用ダイヤルの市民周知を図ってまいります。いずれにいたしましても、情報の内容により、緊急に支援が必要な場合は、早急に適切な対応を行い、不正受給が疑われる場合は、ケースワーカーと適正化推進支援員が連携して迅速に調査を行うことで、今後も市民から信頼される生活保護行政の運営と適正な保護の実施を図ってまいります。
(6)門真市環境基本条例について
門真市環境基本条例は、地球温暖化対策や循環型社会構築など、本市の環境行政の理念を定め、施策を総合的に推進するため、制定する必要があるとのことで、昨年の9月議会で提案され可決・制定されました。2014年度に門真市環境基本計画が策定されるということですが、計画策定にあたって、市としてどういう問題が課題となっていると考えているのか答弁を求めます。策定にあたって調査やアンケートも必要になってきますが、具体的にどのように考えているのか。今後、環境対策推進に向け市民の声をしっかりと反映させ、実効性のある門真市環境基本計画策定を望むものですが、具体的にどのようにしていこうと考えているのか、スケジュールも合わせてお示しください。
環境行政の理念を定め、施策を総合的に推進すべく環境基本条例を制定したところであり、具体の環境施策を実施するために環境基本計画の策定に着手したところであります。本計画では、地球にやさしい低炭素社会や物を大切にする循環型社会の構築等が課題と考えております。今後における具体のスケジュールといたしましては、市民の皆様方が抱える環境に関するご意見をアンケート調査等の手法ではなく、市民との対話方式である市民ワークショップにより頂戴するとともに、環境審議会による幅広い見地での答申をいただき、パブリックコメントにより広く市民目線でのご意見をいただきながら、26年度中の計画策定に努めてまいりたいと考えております。
(7)地域の活性化、中小商工業の振興について
この間、本市はものづくり企業立地促進制度奨励金事業をはじめさまざまな産業活性化の施策を展開してきました。そのこと自体は一定評価するものですが、既存のこれまで門真の商工業の発展に寄与されてきた商工業従事者のみなさんを下支えする施策の充実をこれまで以上に充実すべきではないでしょうか、今後、どのように充実させていこうと考えているのか答弁を求めます。例えば、中小企業事業資金制度は、H17年までは小企業資金融資、小規模事業緊急特別融資、公害防止資金融資が市の制度としてありましたが、H20年度には全て廃止されました。寝屋川市は、大阪府市町村連携型中小企業融資制度と連携し、市内の同一場所で同一業種を1年以上営んでいる小規模企業者を対象に運転資金または設備資金として限度額500万の制度があります。東大阪市は、1250万円となっています。市は、融資制度についてどのように考えているのか答弁を求めます。様々な産業振興施策と柱となる「門真市中小商工産業振興基本条例」を制定すべきと考えますが答弁を求めます。
既存の商工業従事者を下支えする施策の充実につきましては、現在、中小企業サポートセンターの設置により、ものづくり企業を中心としておりますが、既存の企業を中心に支援に取り組んでいるところでございます。26年度につきましても、中小企業サポートセンターの体制を強化するとともに、商工会議所とも連携を深めることで、ものづくり企業のみならず、より多くの商工業従事者の課題に対応できるよう、支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
中小企業への融資制度についてでありますが、本市としましては、「中小企業サポートセンター」の充実や「もりかど産業支援機関ネットワーク」の運営などに力点を置いた施策を推進しているところであり、限りある予算の中で、新しい融資制度の創設は困難であると考えております。今後とも大阪府の制度融資などを利用していただけるよう周知するとともに、さらなる制度の充実を国・府へ求めていきたいと考えております。
また、中小商工産業振興基本条例の制定についてでありますが、本市では現在、産業振興ビジョンに基づき、ものづくり企業ネットワークの設立や中小企業サポートセンターを設置するなど、順次拡充しながら施策を展開し、中小企業の振興に取り組んでおります。条例を制定することにつきましては、他市の状況も踏まえ引き続き調査研究してまいります。
3.まちづくりについて
(1)自治基本条例の具体化について
昨年12月議会で可決された自治基本条例が本年1月に施行され、条例に基づく動きが本格的にスタートします。本条例が、地方自治の本旨である住民自治を豊かに発展させるものであるとすれば、積極的な意味を持つものですが、公民協働の名のもとに、公的責任を後退させ、市が果たすべき重要な責務を市民に押し付けるものであってはならないと考えます。この点についての認識について答弁を求めます。また、自治基本条例に基づく地域会議設置に向けた校区自治会等との協議状況、地域協働センターの基本的考え、新年度予算に盛り込まれている交付金・コミュニティビジネスについての考えについても答弁を求めます。
まず、自治基本条例が施行され、公民協働の名のもとに、市の果たすべき役割を市民に押し付ける公的責任の後退を危惧することについてでありますが、これまで、何度もご答弁申し上げましたとおり、公的責任を放棄する考えはございません。地域会議の活動予算の確保や地域担当職員制を進めており、市役所、職員が果たすべき役割を強化していくものであり、公的責任を、むしろ、強めるものであります。
次に、地域会議設置に向けた校区自治会との協議状況についてでありますが、地域会議は、市民、地縁による団体、目的別団体及び事業所等、地域に関わる全ての方々により構成され設置されるものであることから、これまでの周知・啓発に加え、広報2月号への折り込みによる「門真市自治基本条例」をコンパクトにまとめたチラシを全世帯へ配布したところであります。また、地域に関わる方々との協議が重要でありますことから、地域コーディネータが主体となり、現在、様々な地域への説明及び設置に向けた働きかけを行っております。
次に、(仮称)地域協働センターの基本的な考え方についてでありますが、地域会議の活動の中心拠点として、また、地域の皆様が気軽に利用できる施設となるよう検討しており、中学校区を原則とする地域会議の活動状況により整備してまいる所存であります。
次に、地域会議への交付金についてでありますが、地域の課題解決のために、8分野の部会を想定しており、必要な事業費に対し、財政的な支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、コミュニティ・ビジネスの基本的な考え方についてでありますが、市民が主体となって様々な地域の課題解決を図ろうとする中で、コミュニティという単位でビジネスに取り組むことにより、地域力・市民力がより一層高まり、安定するものと考えており、市民の皆様の生活や生きがいの向上につながるものと考えております。
(2)地域防災計画の改定について
犠牲になられた方15,883人、今も行方が分からない方2,654人、未曽有の被害をもたらした東日本大震災から間もなく3年が経過しようとしています。震災の復旧・復興に全力をあげるとともに、教訓を今後の災害対策に活かすことが求められています。こうした中で1月24日、「南海トラフ巨大地震を踏まえた『大阪府防災計画』の修正に向けて」との報告が大阪府防災会議南海トラフ巨大地震災害対策等検討部会から出されましたが、その大きな柱として「自助・共助の充実」があります。本市の地域防災計画についても、第6章「事業者・市民の責務」として挙げられていますが、行政の公的責任や防災対策があいまいになることが危惧されます。本市の地域防災計画の改定にあたっては、大阪府の地域防災計画に基づきすすめられますが、行政の公的責任と防災対策を明確にし、市民意向も十分に反映させつつ早期の地域防災計画の改定が求められると考えますが、答弁を求めます。
25年度内に予定されております大阪府地域防災計画の修正内容との整合性を図りつつ見直すこととしており、南海トラフ地震の被害想定を十分に考慮し進めてまいります。また、見直しにあたっては、地域防災の主体となる市民等へのアンケートも実施しながら、市民意見等も取り入れた計画にしてまいります。
次に、公的責務の明確化についてでありますが、市民の安全・安心を確保するうえで、市の役割が重要であることは当然であり、災害情報の収集伝達などの防災対策も含め、市全体として災害に強いまちづくりを進めていくことは、市の責務であると認識しております。一方、災害発生当初においては自助・共助の観点が重要であると考えており、これらも十分に反映した計画の見直しに努めてまいります。
(3)まちづくり基本条例について
市の特性を生かした計画的なまちづくりを基本理念とした仮称門真市まちづくり基本条例の制定に向け新年度具体化が図られようとしていますが、今年度は本市としての課題を明確にしつつ、先進地視察も実施し、その方向性について議論がすすめられてきたと考えます。かつて開発を行政が後追いし、密集市街地対策を余儀なくされた教訓を生かし、まちづくりの基本的な考えを明確にし、市民参加で計画的なまちづくりをすすめていくための条例制定が求められます。条例制定への具体化にあたって、本市におけるまちづくりにあたっての課題、まちづくりの基本的考え、条例に盛り込むべき内容、住民参加の在り方、今後のスケジュールについて答弁を求めます。
本市のまちづくりの課題といたしましては、狭隘な道路や老朽建築物が多数存在する密集市街地の解消をはじめ、安全な住環境の確保が喫緊の課題であると認識いたしております。基本的な考え方といたしましては、実効性のある条例とし、まちづくりに関する規制や制度を盛り込んだ条例を想定しております。
次に、住民参加の在り方及び今後のスケジュールについてであります。策定にあたりましては、都市計画や建築に関する法律を基本とし、専門的見地からの視点での策定作業となるため、市民参加は考えておりませんが、市民意見を聞くための素案に対するパブリックコメントの実施は考えております。27年度制定に向け、26年度に立ち上げる庁内検討委員会や学識経験者による検討委員会のなかで、条例制定後の市民参加の在り方につきましては、公民協働によるまちづくりの基本理念のもとに検討がなされるものと考えております。
(4)門真プラザ再整備について
昭和48年建設の門真プラザについては、耐震補強が困難とされ、再整備に向けた考えが2009年6月に市営住宅居住者に突然示されたことから、この問題は硬直状態となっています。その後事業費総額253億円という門真市駅南側の再開発の青写真もあることが明らかにされています。門真市民プラザの再整備にあたっては、市営住宅居住者をはじめ、分譲住宅所有者や一般店舗所有者など、関係者への丁寧な説明と意向把握を行うとともに、門真市駅南側のまちづくりの考えも示しながら、地域の意向も踏まえ進めることが重要となっています。門真市駅南側の再整備の基本的考えも含め今後の基本的な考え、進め方について答弁を求めます。
門真プラザにつきましては、耐震性が不足していることから、居住者の安全性を確保するため、市営新橋住宅居住者、分譲住宅及び一般店舗の権利者等と継続した協議を行っているところであります。今後におきましても、再整備に向け、関係者の意向を十分に把握しご理解を得ながら、門真市駅周辺にふさわしい賑わいづくりや活性化を図ってまいります。
(5)幸福町、中町地区のまちづくりについて
中町地区のまちづくりについては、開発会社に対する旧ダイエー建物補償29億円問題で昨年住民監査請求が起こされ、今年2月10日には住民訴訟が提起され、さらに2月13日には市民団体を中心とした新たな住民監査請求が起こされています。この問題は新たな展開となるわけですが、改めてこの問題の認識について答弁を求めます。また、今年度幸福町垣内町の事業に15億円余りが計上されていますがその概要と、幸福町・中町地区の全体構想について答弁を求めるとともに、休眠状態となっている幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会の実態と、事務局を務めている開発会社と市の関係について改めて答弁を求めます。
まず、旧ダイエー建物補償につきましては、26年1月14日に棄却された住民監査請求の結果にも示されているように、補償は正当なものと認識しており、住民訴訟と新たな監査請求につきましても、適正に対応してまいります。
次に、幸福町・垣内町地区の26年度事業の概要につきましては、57件の建物補償や道路用地の先行取得、宅地計画業務委託等を予定しております。また、幸福町・中町地区の全体構想につきましては、第5次総合計画で、「市民が憩い・集う施設などが集積し、日常生活や様々な市民の交流や活動の中心となる場として整備するゾーン」として位置づけられ、中町地区には、体育館や防災機能をもった公園、幸福町・垣内町地区には、生涯学習複合施設や広場の整備を計画しております。
次に、「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会」の開催状況と市とまちづくり協議会事務局との関係につきましては、20年4月の協議会設立後、21年10月までに4回開催され、26年2月26日開催の第5回協議会には、オブザーバーとして参加いたしました。市とまちづくり協議会は、お互い協力し合う事業協力者であり、対等の立場でまちづくりを推進していく関係であるため、開発会社が担う協議会事務局と市も同様の関係であると認識しております。
(6)公共下水道整備について
本市において公共下水道100%の整備は、豪雨時の浸水対策と合わせ、生活環境の改善という点からも市民の切実な願いとなっています。このことから本市は任期付職員を採用し加速的に整備を進めるとしています。進めるにあたって重要なことは、100%への道筋を明らかにし、市民の理解を得ながら進めることです。100%整備の時期、残された地域をどのようなスケジュールで整備していくのかを明らかにしたうえで、浄化槽の維持に対する補助など、整備が最後となる地域等に対する支援も含めて具体的に明らかにしたうえで進めることが重要と考えます。この点での考えについて答弁を求めます。
また、浸水対策については、あらゆる方策を検討し、総合的にすすめていくことが重要だと考えます。地下河川や増補幹線、調節池の整備が進められていますが、下水道や河川に流出する雨水をできるだけ抑制することが必要で、雨水貯留浸透施設整備に対しては、独自に助成制度を設けている自治体が少なくありません。雨水貯留タンク、浄化槽転用雨水貯留施設、浸透ますや浸透トレンチなど浸透施設に対する助成です。府下においても助成制度を設けている自治体がありますが、本市において実施に対する考えについて答弁を求めます。合わせてその他の対策についての見解をお聞かせください。
公共下水道整備につきましては、整備に要する年数を半減させるべく、加速的な整備を進めてまいります。整備順序につきましては、公共下水道は下流から上流に向かって整備するものであり、国道163号より南側の未整備地域では、概ね南から北に向かって整備を進めてまいります。しかしながら、地下埋設物や私道(わたくしみち)の施工承諾などの要因により整備時期が左右されるため、調査設計を行わなければ、具体の順序を示すことは困難であります。また未整備地域への浄化槽の助成制度や支援については、少しでも早期に公共下水道を整備することが喫緊の課題と考えており、制度の導入は考えておりません。
次に、雨水貯留浸透施設設置に対する助成制度についてであります。雨水貯留浸透施設に対する助成制度について、他市の事例などに基づき、調査・研究して参りましたが、雨水貯留タンクは本来散水用であり、降雨時に機能を発揮できず、年間の申請件数も少なく、制度の縮小も検討している市もあり、また浄化槽転用雨水貯留施設や浸透桝等は、安全性や維持・メンテナンスの面で設置者の負担が大きい事から、制度を実施している市町村も少ない状況であり、助成制度の導入は考えておりませんが、現在、公共施設に対する表面貯留や地下貯留槽などの設置を進めており、今後も浸水対策として様々な方策を探ってまいります。
(7)北島地区のまちづくり、府営住宅の建替えについて
北島地区のまちづくりについては、まずは東地区からということで昨年10月に北島東土地区画整理準備組合が設立され、府営門真住宅の建替えについては、周辺地域と連携した公共施設整備・定住環境の創出を基本理念とした「大阪府営門真住宅まちづくり基本構想」が昨年6月に示されました。今後まちづくりを進めていくには、地権者をはじめ地域の意向を尊重しながらも、市がまちづくりの考えをしっかり示して進めていくことが重要です。こうした観点化から、現時点での進捗状況と今後のスケジュール、地権者はじめ地域の意向把握の状況、防災機能を有する公園をはじめとした公共施設整備の基本的な考えについて答弁を求めます。
府営住宅の建替えにつきましては、概ね1期あたりの工事期間が3年程度と見込まれる中で、25年4月より、第1期建替え工事に着手され、約1年後の27年1月の完成予定となっており、その後、2期工事が予定されております。また、3期以降の計画策定につきましては、本市にとりましても、北島地区との一体となった将来的なまちづくりを展望する上で、極めて重要な問題でありますことから、引き続き、大阪府と「まちづくり会議」等を通じ、様々な議論・要望を行ってまいりたいと考えております。
次に、北島地区のまちづくりの進捗状況及び今後のスケジュールについてであります。25年10月に北島東土地区画整理準備組合が設立され、現在は土地区画整理事業を円滑に進めるための業務代行予定者の募集を行っており、併せて地権者等への意向把握も鋭意行っているところであります。今後は準備組合の選定委員会において、本市並びに地権者等の意向が尊重された提案であるかを十分に議論されたうえで決定されるものであります。また、防災機能を持つ公園をはじめ公共施設の基本的な考えですが、隣接する府営門真住宅との一体的な整備も想定しながら、今後も大阪府と協議を行ってまいります。
(8)建築物診断改修と住宅リフォーム助成について
安全・安心のまちづくりをすすめるための建築物の耐震化と危険家屋対策は重要な課題となっており、新年度予算において建築物診断・改修補助事業と危険家屋等対策事業で約1500万円が計上されています。当初要求額約5,000万円に対する総合政策部長査定で、3割の1,500万円となったことについては、この事業の重要性についての認識が不十分と言わざるを得ません。老朽住宅の建替え・耐震改修等の促進事業に国は232億円を計上し、進めようとしていますが、その概要と本市の対応について答弁を求めるとともに、長期優良住宅化リフォームへの支援についても計上されているところから、本市独自の住宅リフォーム助成制度を創設し、相乗的に進めていくことを提案しますが、答弁を求めます。
まず、国の26年度予算の「老朽建築物の建て替え・耐震改修等の促進」に関する概要でございます。住宅・建築物の耐震化をより一層向上させることや、大規模災害対策の推進及び建築物の老朽化の進行に対して、既存ストックの建替えや長寿命化といった老朽化対策を推進するものに対する予算であります。建築物診断改修と住宅リフォーム助成についてであります。住宅リフォーム助成については、国におきまして、「地域・経済活性化」支援策のひとつとして、「住宅不動産市場の活性化」のため、長期優良住宅化リフォームに対する支援を促進することとしており、今後、制度等の整備が行われると聞き及んでおります。引き続き、国の動向を注視してまいります。また、市独自の住宅リフォーム助成制度につきましては、市民の住環境を高める制度であるものの、府内で実施している団体は少ないという状況も踏まえ、引き続き調査研究してまいりたいと考えております。
(9)水道管の漏水事故の概要と新たな老朽管更新計画の策定について
本市における老朽管の更新や耐震化については、安全・安心のまちづくりを進めるにあたって大変重要な課題となっており、計画的に進められてきたと考えます。しかし、昨今、水道管の損傷による漏水事故が発生しており、大きな影響を及ぼすものも少なくありません。この問題について改めて現状を把握したうえで、計画的にすすめる必要があると考えますが答弁を求めます。
ご指摘のありました漏水事故につきましては、例えば、昨年9月に国道163号の歩道上で漏水事故が発生しましたが、これは、現地の水路の側壁に直接固定していたという状況の中、配水管へ加えられた圧力の逃げ場所がなくなり管の変形を引き起こしたことが要因と考えられます。このように、漏水事故につきましては、配水管の老朽化も要因の一つではありますが、先に述べたような埋設状況の違い、頻繁な重量車両の通行による地盤の振動、配水管周辺の腐食性土壌による侵食など、様々な要因によって発生しているのが現状であります。安全、安心のまちづくりを推進するため、それら要因の一つひとつを調査・検討し、水道管の更新を図っております。漏水事故を防ぐ必要性につきましては、充分に認識しているところであり、現在、入念な整備計画をすすめているところであります。老朽管更新計画につきましては、基幹管路をはじめ、医療機関や給水拠点となる避難所など、給水優先度が特に高い施設へとつながる配水管を優先的に更新していく計画を策定しているところであります。国道163号の例にあるように、一度漏水が発生すると修理が困難な場所に埋設されている配水管については、代替ルートの検討や、現ルートの廃止の可否などの検証を行いながら、更なる安全・安心な水の供給の向上に努めてまいります。
4.だれもが安心できる子育てと教育について
(1)「子ども子育て支援新制度」と待機児童解消について
2015年4月から「子ども子育て新制度」の実施に向けて門真市の子育て支援に関する施策や事業を総合的に実施するための計画策定を、学識経験者や関係機関の代表等を構成員として「門真市子ども子育て会議」が設置され議論が進められています。全国的な運動によって、児童福祉法24条1項で規定されている「市町村の保育の実施義務」については守られました。しかし、新制度では、保育所のみならず、多様な施設、事業によって保育が供給されることになり、様々な基準が設定されることになります。国の子ども子育て会議では、認可基準を市町村が条例で定める小規模保育など地域型保育について、施設面積や保育士資格の基準緩和の方向で論議されており、保育に格差が持ち込まれることが危惧されます。このような「子ども子育て新制度」の実施によって、門真市においても公的責任の後退、サービスの低下を招くことが危惧されますが、答弁を求めます。
次に保育を必要とする子どもが保育所に入れない待機児童問題について伺います。昨年10月1日現在の府下各市町村別待機児童数が発表されました。その調査によると寝屋川市では55人、守口市では56人、大東市では30人となっている中、本市は126人と、かなり多い待機児童数となっています。このように、他市に比べて待機児童の多い理由はどのように考えているのか答弁を求めます。
そこで、本市は国の「待機児童解消加速化プラン」を活用し、私立幼稚園2園で1~2歳児30人の長時間預かり保育の支援を新年度から実施するなど取り組まれていますが、本年4月1日現在で待機児は出ないのか、また、今後の待機児解消対策をどのように図っていこうとしているのか答弁を求めます。
子ども・子育て支援関連三法に基づく新たな制度におきましては、現状と同様に、児童福祉法に基づく保育の実施責任を、引き続き市町村が担うものとされており、市町村が策定する事業計画におきましても、これまでと同様に必要な保育の確保及び提供を行うこととされておりますことから、保育に関する市町村の公的責任は後退するものではなく、保護者が安心して利用できる仕組みとなるものと考えております。また、今後、国で定める基準を踏まえて市が定める施設等の運営基準等を通じて、保育サービスに係る質の低下を招くことのないよう努めてまいりたいと考えております。
本市における待機児童の状況といたしましては、この数年、4月1日時点では発生していないものの、年度途中には発生している状況にあり、特に25年度中の待機児童は、例年と比較して急増しております。その要因としましては、女性の社会進出や経済的要因による共働き家庭の増加、一定の景気改善に伴う雇用の回復、報道等による保育所等への関心の高まりなど、さまざまな要因が重なり合っているものと推察されるものの、今後、さらに分析を加えていく必要があるものと考えております。25年度途中の待機児童が急増している状況を受け、このまま推移すると、26年度においては、年度当初から待機児童が発生することが予測される状況となったことから、先ほど高橋議員にご答弁申し上げましたとおり、私立幼稚園2園において1・2歳児を対象とする長時間預かり保育を新たに実施するとともに、認可保育所においては例年以上の定員の弾力化の実施、また認可外保育施設の利用料補助の拡充による認可外保育施設の利用促進などの待機児童解消策を講じていくこととしたところであります。これらの施策により、26年4月1日の入所児童につきましても、待機児童は発生しないよう取り組んでまいります。
(2)学童保育運営基準について
厚生労働省の「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会」は、昨年12月に運営基準などをまとめた報告書を発表し、2014年度中に条例基準を定め、2015年度条例化をと考えています。国は、「従うべき基準」として示しているのは指導員の資格と人員のみで、施設・設備や運営に関する項目は国の基準を参考にして決めればよいとなっているなど不十分なものです。門真市の放課後児童クラブの児童数に対しての指導員数の基準は、国の基準に比べてどうなっているのか現状をお聞かせください。また、今後条例化していくうえで、今の基準が低下することのないよう一層の充実が求められます。門真市の実施責任を明確にし、運営の安定化・継続性を保障すべきと考えますが答弁を求めます。
現在、本市における放課後児童クラブの指導員の配置基準につきましては、児童に適切な遊びを指導し、活動中の安全を確保するため、1クラブに2人以上の指導員の配置を基本として、児童20人につき1人の指導員を配置し、半数は教員免許又は保育士資格を有する者としております。国の子ども・子育て支援新制度に向けた「放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告書」におきましても、1クラブに職員は2人以上配置し、うち1人は有資格者とすることが適当とされておりますことから、本市の配置基準と合致しているものと考えております。
次に、放課後児童クラブ運営における実施責任につきましては、放課後児童健全育成事業は、社会福祉法の規定に基づき、市に第二種社会福祉事業の届出を行えば、実施主体を問わず事業を運営することができ、実施責任は事業運営主体に求めていくこととなっております。なお、現在本市におきましては、門真市立放課後児童クラブ条例に基づき、市が実施主体となり、委託事業として、市内全小学校において実施しておりますことから、当該放課後児童クラブにつきましては、今後も、引き続き、市の実施責任のもと、放課後における児童の健全育成に努めてまいります。
(3)門真市教育振興基本計画策定事業
文部科学省の第2期教育振興基本計画は、「社会を生き抜く力の養成」「未来への飛躍を実現する人材の養成」など4つの教育目標を立てています。今後5年間に実施すべき施策として、道徳の教科化の具体的な検討▽高校での到達度テスト導入▽国際的な学力で世界トップレベルを目指す▽土曜日の活用促進▽6・3・3・4制の見直し検討▽「メリハリ」ある教員給与体系の確立など、統制と競争を強める方向を打ち出しています。教育基本法17条2項は、「地方公共団体は、前項の計画を参酌し」とありますが、門真市教育振興基本計画は、国や府の進める計画を参考にしたものになるのでしょうか、どんな内容にしていく考えなのか答弁を求めます。
本市の教育振興基本計画につきましては、教育基本法に「地方公共団体における教育の振興のため、基本的な計画を定めるよう努めなければならない。」と規定されており、大阪府においても25年3月に大阪府教育振興基本計画が策定されたことから、本市といたしましても子どもの実情を踏まえ、教育の向上をめざした実効性のある計画の策定に向け、26年度にその枠組みや方向性を調査研究してまいります。
(4)きめ細かな指導を実現する35人学級事業
本市においては、子どもたちの学力向上等に有効であるとの学力向上対策委員会の提言を受けて、新年度から門真市単独で35人学級に踏み出したことについては大きな前進だと考えます。政府の示した文部科学省の2014年度予算は、5兆3627億円で、前年度より約69億円増となっていますが、「教育再生」の名で戦争する国づくりや大企業の国際競争力強化に向けた人材育成などまさに安倍内閣の本性が表れていると言えます。一方で公立小中学校の教職員定数は、史上初めて自然減を上回る純減となりました。そして、これは本市がすすめるきめ細やかな35人学級など少人数学級の全学年での速やかな実施に背を向け、深刻な教職員の「多忙化」解消にもつながらないものです。門真市として、この厳しい財政の元で子どもたちの学力向上に努力していることをぜひ、これまで以上に国・府へアピールし、国での35人学級の実施を求めて欲しいと考えます。市の見解を求めます。新年度からの35人学級は小学校5,6年生と中学校1年生に拡充されますが、今後、全学年での35人学級実施に向けたスケジュールについて答弁を求めます。
35人学級の実現につきましては、これまでも国・府へ要望してまいりましたが、今後も引き続き強く要望してまいります。また、26年度から小学5・6年生、中学1年生におきまして、本市独自に35人学級事業を実施いたしますが、学年を拡充することにつきましては、学力向上や生徒指導等について、その効果を検証しながら、市の財政状況や国・府の動向等も注視しつつ、今後のあり方について検討してまいります。
(5)学校図書司書配置事業について
市単独で、各学校に学校図書司書を2名から3名に増員配置する取り組みについて歓迎するものであります。2013年度取り組んだことによる効果をどのように評価しているのか、今後、全小中学校への専任図書司書配置が求められますが、今後のスケジュールについて答弁を求めます。
25年度から4校に配置した学校図書館司書は、図書・資料の貸出・返却、配架・配列整備、蔵書点検、製本作業等の業務を担当するとともに、子どもたちへの読み聞かせや推薦図書の紹介等、様々な取組を行い、子どもたちが使いやすい学校図書館づくりに寄与しています。学校によっては貸出冊数が24年度よりも2倍近く増加するなどの効果も出ております。26年度は1名増員し、3名の学校図書館司書を6校に配置し、さらに学校図書館司書配置事業の充実を図ります。26年度以降につきましては、さらに効果検証を進め、そのあり方について検討してまいります。
(再質問)
まず、市長の政治姿勢についてです。園部市政の2期8年余りの姿勢については、1期目の所信表明の問題、ゲリラ豪雨での問題、迂回寄付の問題について、とても「誠実」かつ「愚直」にやってこられた姿勢とは受け取れないことに対しての答弁を求めましが、市長は「ご指摘のあった件は、人それぞれ感じ方があると思う。一つのご意見として拝聴しておきます。」と述べられておりますが、私たちだけが感じているのではありません。事実だということを指摘しておきます。
特に、8月14日のゲリラ豪雨での市長の対応は、「副市長以下職員と十分に連絡を取り合い迅速な対応で云々」と述べておられますが、迅速な対応はいったい誰がしたのですか。電話での連絡を取り合ったと述べていますが、現場を見る必要はない、電話連絡のみでいいと考えていたのですか、答弁を求めます。市長であれば、いち早く現場に赴き状況を確認の上で指示を出したいと思うのは当然のことで、それを電話連絡で足りるというのは、市長としての資質が厳しく問われると言わざるを得ません。市長としてのリーダーシップ、責務を果たしたと本当に考えているのか、再度答弁を求めます。
また、迂回寄付問題では、「法・制度に則った政治活動、法的には問題がない」とのことですが、みずからが支部長や代表を務める政党支部と資金管理団体を使って寄付金を還流させる行為は脱法的行為であり許されないと思います。ましてや、支部長をされていた市長は当事者ではありませんか。市政をチェックすべき議員に対する便宜供与ともいえる「迂回寄付」への協力が、「異常な関係であった」と考えないのか、改めて答弁を求めます。市長、誠実にお答えください。
次に、国の教育委員会「改革」についての本市の姿勢についてです。教育委員会制度「改革」についての答弁で、「国政での教育委員会制度についての議論を注視してまいりたい」また、「本市は子ども施策を教育委員会へ一元化するなど重きを置いている」と述べられていますが、教育委員会制度改革について、市としての考えが述べられていません。再度お聞きします。教育委員会制度の新たな見直し案は、教育委員会に執行機関を残すことになりましたが、名ばかりで、教育代表委員を通じて首長が教育行政を事実上支配・介入することにつながります。また、戦前の軍国主義教育に対する反省から、首長から独立した住民の合議体が教育行政を担っていくという現行制度の根幹を突き崩すものになりかねません。私たち日本共産党は、教育委員会が国いいなり・首長追随ではなく、子どもの権利を最優先に考えて活動ができるように、委員会としての機能強化や教育委員の公選など教育委員会制度を拡充・強化する抜本改革こそ必要だと考えますが、市長の教育委員会制度改革についての認識と本市として、しっかりとした揺るぎのない考えを持つことが重要と考えますが、再度答弁を求めます。
次にまちづくりについてです。「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会」に関する答弁では、「第5回協議会には、オブザーバーとして参加した」とのことですが、本市は当初協議会の構成メンバーだったと認識していますが、いつどのような議論を経て外れたのか。また、2009年10月に第4回が開催されて以降4年半ぶりの開催となりますが、これまで「門真市幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会」が開かれていなかった理由と今回の会議の内容について答弁を求めます。
まず、ゲリラ豪雨での対応についてでありますが、災害時には、素早く状況を把握し、迅速な対応が求められております。登庁していようがなかろうが、職員からの的確な報告を受け、迅速に的確な指示を行うことが、リーダーシップであり、責務であると考えており、責務を果たされたものと認識いたしております。なお、仮に、トップが不在であっても、現場に、いち早く駆けつけた職員の状況把握と認識、判断力、上司への報告・連絡・相談体制の確立が、災害時には最も重要であると考えており、ゲリラ豪雨での対応は、組織をあげて、迅速な対応ができたものであります。
次に、迂回寄付問題でありますが、法・制度に則った仕組みによる政治活動を行われたものであり、議員が寄付金控除を受けるかどうかは、別問題であります。議員とは、行政に対するチェック機能を有する一人の議員としても、従来より、互いに本市を良くするために切磋琢磨されている適正な関係であり、問題ないと考えております。
次に、教育委員会「改革」についてでありますが、本市は、現行制度の下で、教育委員会に子ども未来部を設置し、市長権限の一部を事務委任するなど、教育委員会の機能強化を図ろうとするものであります。今般の教育委員会「改革」には、引き続き、注視してまいりますが、今後におきましても、子育てや教育の向上をめざし、本市の子どもたちの現状を踏まえた制度となるよう、市と教育委員会は、一層の連携を図ってまいります。
次に、市が協議会委員から外れたことについてであります。市は一権利者とはいえ、住宅市街地総合整備事業の施行者、土地区画整理事業の認可権者でもあり、お互い協力し、対等の立場でまちづくりを推進していく関係であるとの認識のもと、協議会事務局と協議を行ってまいり、第5回協議会から委員ではなく、オブザーバーとして、参加依頼されるようになったものであります。次に、第5回協議会の会議内容についてであります。新総合体育館や生涯学習複合施設の基本計画など、公共施設の計画が示されたことにより、協議会において、まちづくりの具体化に向けた検討の必要性が出来たため、第5回協議会が開催される運びとなったとのことであり、協議会の内容につきましては、地区内での事業の進捗状況の報告とまちづくりコンセプト案が示されております。4年半ぶりの開催となった理由は、急務に審議する議案がなかったこと及び第5回で示されたコンセプト案についての検討に時間を要したためと聞き及んでおります。