[2008.3.23] -[門真民報]
13日、本会議が開かれ、日本共産党議員団を代表し、福田英彦議員が市長の施政方針並びに予算案について質問を行いました。
まず、市長の政治姿勢について、市政方針説明で「構造改革」とその考え方の基礎としている「新自由主義」を是認していることから、以前「すべてを肯定するものでない」と答弁していることについて、肯定できない内容と貧困格差を是正する立場に立つのかどうか質しました。
答弁では、「新自由主義につきましては経済的自由競争を絶対視するという点において、効率性やサービスの向上を図ることのみに力点を置きすぎ、市民の皆様の安全・安心が軽視され、経済的格差の拡大につながってはならない」との認識が示されましたが、構造改革については「必要なもの」としました。
貧困格差等の問題については「解消を図ることは当然の責務」とし、「行政が行う仕事は『所得再配分』であり、徴税から保険、福祉、公共事業にいたるまですべてが、所得格差の是正につながる」との認識を示しました。
しかし、市民サービス切り捨ての行革では真の「所得再配分」にはつながりません。
次に、社会保障の相次ぐ改悪、大企業への減税や規制緩和、無駄な公共事業や巨額の軍事費、消費税増税など、自民・公明がすすめる国の悪政についての認識、憲法第9条擁護の立場に立つのかどうかについて質しました。
答弁では、「低所得者対策など、具体の課題はある」としたものの、社会保障の「改革」は一定必要との認識を示し、消費税増税については「検討されるべき」との認識を示しました。
また、憲法第9条に対する立場については「外交・防衛は国の専管事項であることから直接的な表現は控える」としました。
さらに市長が市政方針説明で、「新たなまちづくりの投資」について触れたことから、これが企業誘致での基盤整備や税の優遇措置、新たな開発のことなのか、市民に相談することなく行うとすれば「将来に大きな禍根を残すことになる」と内容について質しました。
答弁では「PFI手法や既存公共用地の土地の有効利用などに民間活力の導入や規制・誘導方策を取り入れる」としました。
「財政の健全化」については、第2次行財政改革推進計画が推進される中で、臨時職員の増加、民間委託の推進、派遣労働の活用が急速にすすめられていることから、ワーキングプアや貧困格差を拡げる要因となっている雇用法制の改悪に乗じて行政が「安上がりの労働力」の活用を図ることが、行政として許されるのか、厳しく質しました。また、現在実施している「派遣」について常用雇用の代替となっているものはないか、本市の請負契約において「偽装請負」の実態が明らかとなった問題について、全庁的な調査結果について答弁を求めました。
答弁では、「公的責任の後退を招くようなことがあってはならないことは当然」としながら「安上がりの労働力」の活用については言及しませんでした。また、常用雇用の代替としての派遣はないとし、業務委託に関しては調査中としました。
施政方針説明ではじめて「市民協働」について具体的な施策等が示されたことから、市民協働を進める過程の問題点について質しました。特に、35回の歴史を持つ「ふるさと門真まつり」から「校区版門真まつり」への移行、全国的にも先進的な活動を行ってきた「リサイクル活動機構かどま」への委託業務の大幅な削減について十分に説明責任が果たされ、合意のもとで進められているのか、見切り発車で行われたのではないのか、具体的な経過について質しました。また、「自助自立の精神」を基本理念としてどのように「市民協働」を拡げていこうとしているのかについて質しました。
答弁では、「ふるさと門真まつりの中止は実行委員会自ら決定したこと」とし、リサイクル活動機構かどまへの業務委託についても「協議を重ねる」としました。
答弁に対する再質問では、貧困格差解消の具体的施策について、市民協働は「市民合意」で進めていくのかどうか、唯一の民営化計画の保育所民営化について市長が直接説明・意見を聞く場を持つことについて質しましたが、市長が答弁に立つことなく、副市長が市民協働について「市民合意は必要不可欠」とし、保育所民営化について市長が説明することについては必要ない旨の答弁が行われました。
代表質問では、このほか福祉、教育、まちづくり、商工業の振興など具体的施策について質しました。
民生常任委員会が17日開かれ、党議員団から福田英彦議員が出席しました。
4月から導入が強行される「後期高齢者医療制度」に伴う条例の制定、国保条例の一部改正、関連予算案について審査されました。
質疑を通じて、後期高齢者医療制度へは75歳以上の方が約7950人、65歳以上75歳未満の一定の障害を持つ方約550人の8500人が移行すること、そのうち約5800人が年金から天引きされること、被用者保険の被扶養者でこれまで保険料を払わないで良かった方への「凍結」措置等も2年限りであることなどが明らかとなりました。
福田議員は、後期高齢者医療制度の導入に伴う諸議案については、保険料の年金天引き、資格証明書の発行、医療抑制の診療報酬などの問題点を指摘し反対しました。
行財政改革の具体化として88歳、99歳の祝金の廃止と、77歳の祝品を5千円相当から3千円相当に引き下げる「長寿祝金等贈与条例の一部改正」については、「国の悪政で高齢者いじめが続いている中で、これ以上の制度の後退は認められない」と反対しました。
また、「市民協働」にかかわって代表質問で取り上げた35回の歴史を持つ「ふるさと門真まつり」の廃止、「校区版門真まつり」への移行について、市が市民協働、補助金のあり方を市民への説明責任、合意を十分果たさなかった問題点について厳しく指摘しました。
また、「リサイクル活動機構かどま」への委託事業が突然約一千万円も削減された問題では、全国的にも先進的な活動をおこなっていることで知られている組織への対応として問題点を指摘し経過についても説明を求めましたが、説明責任が十分果たせなかったことについて担当部長が謝罪しました。
福田議員は市長のすすめようとする「市民協働」が市の仕事を市民に肩代わりをさせることで、市民との認識と一致していないことやその協議も十分されていない問題点を指摘し、市長に認識を質しましたが、代表質問と同様に答弁を行いませんでした。このような状況では「市民協働」をすすめるツールとしての「地域通貨」も厳しいと指摘しました。 予算案の審査ではこのほか、保育所に関っては主食費徴収問題、保育料値上げ問題、民営化に関って法人の選定や臨時職員の処遇問題、施設改修計画等について質しました。
また、放課後児童クラブでの待機児童の状況、複数学級化等について質しました。
採決にあたっては、後期高齢者医療制度導入に伴う予算であること、長寿祝金等贈与制度の後退、粗大ゴミ有料化の実施、保護者の不安が解消されないままの保育所民営化の推進、市民に十分説明責任果たさない「市民協働」の推進等の問題点を指摘し反対しました。