[2013.11.8] -[門真民報]
権利はたたかう者の手にある
「朝日茂生誕100周年講演会」 大阪社保協北河内ブロックが開催
11月2日、大阪社会保障推進協議会北河内ブロックは、ルミエールホールで「朝日茂生誕100周年記念講演」を開催しました。
戦後の社会保障に転換を与えた「朝日訴訟」
1957年から、岡山県のある療養所の結核の重症患者の朝日茂氏は、憲法25条を根拠に生存権の保障を求め、国を相手に裁判を起こしました。このたたかいは、その後の社会保障に計り知れない影響を与えました。
亡くなる1時間前養子縁組し、継承運動の先頭に
講演の講師を務められた朝日健二さんは、国民の権利を守る為、原告亡き後も訴訟を続けようという声が高まり、朝日茂氏が亡くなる1時間前に養子縁組して争訴運動に参加しました。
「樽蛇(たるへび)現象」の中、「下位法による下剋上」が・・・
朝日氏は、小泉構造改革後の労働規制緩和が発生し、結果的に正規・非正規労働者同士が足を引っ張り合う状態について、「樽に蛇を何匹も入れ、小さな穴を開けておくと、蛇は光を求めて我先に外へ出ようとするが、一匹も外へ出ることが出来ない」と説明。
また、お笑い芸人の実家の母親の生活保護返上の報道(2012年5月25日)、その20日後に「下位法による下剋上」といわれる「社会保障制度改革推進法」を自民・公明・民主3党が提案した経過を紹介。
*「社会保障制度改革推進法」とは
「自助」を社会保障の基本にする「自己責任」原則を打ち出し、社会保障への国の責任を後退させる方針。生活保護基準を3年間に最大10%の引き下げを示している。
貧しい者同士力を合わせることがいま、何より大切
朝日氏は、ドイツの法学者であるイエ―リングが「権利はたたかう者の手にある」と呼びかけた事を紹介。
そして、「社会保障は労働者階級の基本的権利」、「社会保障制度は、労働者階級が多年にわたって雇用者の搾取に反対してきた数えきれない統一闘争の成果」と強調。
「貧しい者同士がお互いに力を合わせる運動を広げていくことが、いま、何よりも大切」と訴え。
憲法が保障する国民の権利を活用改善させよう!
生活保護基準は、最低賃金や住民税非課税限度額の算定、就学援助など国民の生活を支えるさまざまな制度の物差しであると強調。 例えば、2004年の生活保護の老齢加算の廃止によって、公的年金控除が20万円カットされたことなどことを紹介。
保護基準の改悪は、国民全体の生活水準引き下げるもであり、国民的な運動の力で押し返していくことが、いま求められていると訴え。
大企業の負担をフランス並みに
企業の社会保険料負担の割合は、フランスの場合、日本の3倍を超えている。仮に我が国の企業がフランス並みの社会保険料負担をすれば、消費税20%以上の新たな財源が生まれる。大企業の「死に金」になっている内部留保267兆円を活用すればよいと訴え。
最後に、憲法25条の理念に基づき、健康で文化的な生活水準を維持する社会を実現すること述べられ、講演は終わりました。
門真市制50周年記念「文化の日の式典」と「地域伝統文化まつり」を開催
11月2・3日、「文化の日の式典」「地域伝統文化まつり」、ダンスフェスティバル、市民創作展、市民芸能祭など多彩な文化行事が開催されたくさんの市民が参加ました。
「文化の式典」で、井上まり子議員が「功労賞」の表彰を受けました。
来年4月からの消費税増税中止をあきらめず頑張りましょう!
南部・団地後援会が総会と学習会
3日、日本共産党南部団地後援会は、南部市民センターで後援会総会、総会後、消費税増税問題の学習会を開催しました。
総会では、この1年間の活動報告、これからの取り組み、新たな役員の選出が行われ、中嶋定幸氏が後援会長に選出されました。
過去の増税で政権は退陣
門真市内在住の戸田伸夫税理士を招き、消費税増税問題についての学習会を行いました。
戸田氏は、憲法には、すべての国民は、法の下に平等、生存権および国民生活の社会的進歩向上に努める国の義務が明記されている。しかし、この原則に反する改悪の連続が行われている。大企業、大資産家にはドンドン減税し、国民には所得税をドンドン増税は許せないと述べ(注1)
輸出製造業(大企業)にとって、消費税は有利な税金であることについて、パナソニックを例にあげて説明しました。
同社が、2010年度633億円の消費税還付金を受けている。本社のある門真税務署は、2009年度納税額317億円、還付額341億円、差引24億円のマイナスになっていることを紹介しました。出席者から驚きの声が上がりました。
戸田氏は、最後に「企業が儲かり、国民が細る国で良いはずがない」「増税をした過去の政権は退陣している」「100倍返しでやり返す力を持ちましょう」と訴えました。
広域化で国保制度の問題点は解決しない-医療費の増大、保険料の高騰が危惧!
大阪社保協が国保広域化問題で学習会
大阪社保協(大阪社会保障推進協議会)主催の「国保広域化問題学習会」が1日、大阪市内で開かれ、福田英彦、豊北ゆう子議員が参加しました。
学習会では、大阪社保協事務局長の寺内順子氏が、①国が国保を広域化する狙い②広域化で解決しない国保制度の問題点③国保広域化の最新情勢④府内国保財政の推移⑤今後の運動について講演しました。
国保制度の加入者は、高齢者・無職者・非正規雇用が大半を占め、医療費水準が高く所得水準が低く、保険料負担が重いという構造的な問題点があり、広域化で解決しないということは国も都道府県も認識していること、国保の赤字をかかえているのは大規模自治体や大都市自治体だけであることを指摘しました。
そしていま、国が目指す国保の広域化(都道府県化)は、統一保険料ではなく、各市町村に分賦金を課し、保険料の設定・徴収は今後も市町村で、集めきれなければ、「一般会計」で補させるしくみとし、まず広域化の手始めとして、2012年3月の国保法改正で、2015年度から「保険財政共同安定化事業」の対象医療費を全医療費(1円から)に拡大し、「給付の広域化」がすすめられようとしているとの報告がありました。
そして、この保険財政共同安定化事業における拠出金の算定は、大阪府が行うとされているにもかかわらず、今年度は一度も市町村との協議が行われておらず、現行の計算方法では、大阪市・坂石・東大阪市が利するだけであると指摘、保険給付費を広域化すれば、保健・健診・検診事業を市町村が積極的に実施しなくなり、医療費の増大、保険料は際限なく高騰することを指摘しました。
こうしたなかで、高い保険料、滞納者の差押え、資格証明書・短期保険証未交付など、市民の実態面で出ている問題で具体的にたたかうこと、国の目的が国庫負担の削減の一点であることから、「国保の国庫負担増を求める意見書」の地方議会での採択運動を行うことが提起されました。
党議員団としても、門真社保協はじめ、市民との共同をひろげ、国民健康保険制度の充実に力をつくします。