[2013.9.28] -[議会活動]
1.府大東門真増補幹線へ流れ込む雨水の取水口の増設について
私は、1991年の当選以来、ずっと浸水対策に取り組んできました。バケツをひっくり返したような目の前が霧のような状態の雨が10分間降り続くと確実に浸水する。床上や床下浸水に合われた皆さんから、「なんで、私らだけいつもかも、こんな目に合わないかんの!」という声を受け止め浸水対策について、何度も議会で質問してきました。
163号線以南の第二京阪道路沿線の下水道整備は、当初、同道路が開通してから下水道を整備する計画でしたが、道路が開通すればすぐに供用開始出来るように道路建設にあわせて下水道工事を要求する中、下水道整備計画の見直しがされ、下水道整備工事が前倒しでされることになりました。
また、大阪府が、「寝屋川流域総合治水対策事業」として、第二京阪道路の下に、2015年度中完成に向けて現在、寝屋川北部地下河川を建設しています。大東門真増補幹線は、当初、この地下河川と接続してから供用開始をする予定でした。私は、2010年4月1日に開かれた東部大阪治水対策促進議会協議会総会で寝屋川市・大東市・門真市にかけて総延長約6キロ、総事業費約110億円をかけた、大東門真増補幹線の供用開始を出来る限り早めてもらうことについて要望しました。昨年8月14日の北河内を中心に発生したゲリラ豪雨の被害を受け、同年11月19日、東部大阪治水対策促進議会協議会が大阪府都市整備局の治水に関係する担当課との懇談会がひらかれ、門真選出議員を代表して吉水議員が「大東門真増補幹線の供用開始時期は、来年のいつ頃になるか」質問し、府下水道室事業課は、「来年の梅雨時期までには供用開始出来るようにしたいと考えている」と答えました。浸水対策は、超党派の課題です。
そして、本年6月14日から、大東門真増補幹線が供用開始され、8月25日の大雨や、先日の台風18号に際して力を発揮しました。私は、市民の切実な思いを受け止めて、これまで浸水対策や発生後の後始末に頑張っていただいてきた大阪府や本市の各担当部、担当課のみなさんに心から感謝するものであります。
以上を踏まえてまず、府大東門真増補幹線へ雨水の流れ込む雨水の取水口、正式には「分水人孔」の現状についてお尋ねします。
私は、6月14日の増補幹線供用開始後、市の担当課に、「分水人孔」がどこに、どれだけ設置されているのか、「分水人孔」は、何か所設けるのか質問していました。担当課より府に問い合わせてもらった結果、「『分水人孔』は、府道八尾枚方線沿線の府営岸和田住宅内に直径450mmの接続管3本、大東市との境目付近に1500mmが既設流域下水道幹線から『分水人孔』に流入している。また、設置計画について、『分水人孔』増設の計画はあるが、工事の実施は、現段階では時期や場所を明言できない」と説明を受けました。そこで質問ですが、「分水人孔」とはどのような構造物なのか教えてください。
そして、今後についてであります。
私は、市内でも浸水の常襲地域であります四宮、下馬伏町、脇田町、江端町をはじめとする周辺地域の浸水対策として、特に大東門真増補幹線が接続する寝屋川北部地下河川の供用開始後、ゲリラ豪雨に襲われた時、雨水が内水として留まることなく速やかに放流する為には「分水人孔」を増やす必要があると考えます。
そこで、質問ですが「分水人孔」増設に向けて、市として、府にどのように働きかけていくのか、また市として府に対して協力出来ることはないのか。答弁を求めます。
【都市建設部長の答弁】
亀井議員ご質問のうち、府大東門真増補幹線へ流れ込む雨水の取水口の増設について、ご答弁申し上げます。
まず、現状についてであります。
分水人孔とは、増補幹線と既設流域下水道を接続する際に必要な構造物であり、流域下水道からの流入調整の機能を有するものであります。現在、大阪府から、当該増補幹線の更なる効果的な運用を図るため分水人孔の増設について検討中であると聞いております。
次に、今後についてであります。
本市といたしましては、分水人孔は浸水被害の軽減に大きな効果が期待できる増補幹線の施設の一部でありますことから、大阪府に対し、早期の増設などを要望していくとともに、協力できることにつきましても努めて参りたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
2.地域通貨「蓮」について
昨年11月3日、市民プラザで開催された「地域伝統文化まつり」に訪れた市民の方が、「模擬店を利用するには地域通貨『蓮』しかダメと言われた」「使い切れず持ち帰った。使える店が少なく使わないで家に置いてある」と言われたことが今回、質問をすることにしたキッカケです。
地域通貨「蓮」は、2005年9月定例会で公明党が、「市民サービスを低下させないため、有償の市民ボランテェアを行政に取り入れるべきであると考えます。ボランテェアの対価として住民相互間、商店街、事業者、公共施設などでやり取りすることにより、商店街の活性化など地域内での経済促進につながるものとして近隣市でもすでに実施されている地域通貨の導入を提案する」というところから始まりました。そして、2010年11月から市内全域で流通するようになりました。そして、平成25年度「市民ご意見番」アンケート調査の項目の対象となり、市民からの声が寄せられました。この平成25年度「市民ご意見番」アンケート調査結果報告書での地域通貨「蓮」に対しての評価をどのように受け止めているか、まず答弁を求めます。
次に、あり方も含めて、見直してはどうかについてお尋ねします。
「使わないで家に置いてある」紹介した方は、一方で「使える店を増やして欲しい」「1万円の『蓮』を購入すると1万1千円使えるようにしてくれたら、もっと利用が増えるのではないか」とも言われました。
私は、頭から「地域通貨『蓮』」を廃止せよと主張しているわけではありません。ただ、これからも続けていくにしても、現状のままでは決してうまくいくとは思っていないだけです。
少し興味深い事が、インターネットに掲載されていたので、紹介させていただきます。「巷哲学者の部屋」2013年2月19日「地域通貨を成功させるための10ヶ条」というもので、①市場原理の法則にかなっている。「個人の利を求める心が、地域通貨の流通を促進するように、制度設計がされている」ことが一番のポイントだと考える、②日本円と交換できない独自通貨であること、③経済活動の匿名性を保証するものであること、④手間がかからず使い勝手がいいこと、⑤偽造や不正使用への対策が十分であること、⑥通貨発行の目的と方針が明確であること、⑦流通量が適切にコントロールされていること、⑧日本円市場からのトリクルダウンを活用すること、⑨国内の法律に抵触しないものであること、⑩他の地域通貨と連携が可能であることとありました。
地域通貨「蓮」は、どうでしょうか?法律に抵触しないとか、偽造や不正使用への対策などはクリアーできていると思いますが、①市場原理の法則にかなっているかという点では、利用する人も取扱い加盟店にとっても利はないと言わざるを得ません。また、⑦流通量が適切にコントロールされているかという点でも、利用できる加盟店が少なすぎて使えないということもあります。例えば、かどま地域通貨蓮のホームページに紹介されている使えるリストで、砂子小学校区は、使えるところが僅か5か所、内訳は飲食関係3、園芸関係1、保育園1です。
あらためて、3年を経過した地域通貨「蓮」について、あり方を含め見直しの時期に来ているのではないでしょうか答弁を求めます。
【市民部長の答弁】
まず、平成25年度「市民ご意見番」アンケート調査結果報告書の評価をどのように受け止めているかについてであります。
調査の結果、重要度は2.53ポイント、満足度は2.25ポイントと、基本目標1の中におきまして、両方の指標とも50項目中50番目と、全体的には厳しいご意見を頂戴していると認識をいたしておりますが、一方で市全体に拡張していないのではないか、対象店の拡充努力も行ってほしいといった声もいただいております。
地域通貨の本来の目的である、地域の市民と市民とのつながりの輪の広がりを重視し、地域通貨が市民の皆様の間で自然と流通がなされて、ボランティア活動とその活動への関心がより一層高まっていくという趣旨から考え、まだまだその目的達成に向けた市の取り組みが不十分であり、さらなる取り組みを進めてほしいという期待の現れであるとも考えております。
地域通貨は平成22年11月の発行からまもなく丸3年となり、今年8月末までの間におきまして、発行団体が仲介をしているボランティア活動だけでも354件に達しております。
市内では多くのボランティア活動の中で、地域通貨の活用がなされておりますが、まだまだ多くの市民の皆様に発行の目的が認識いただけていない部分もあると考えられますことから、広報紙をはじめ、市の事業や市民公益活動事業など様々な場面を活用して、地域通貨の活用のされ方やその方法についてのPRを行い、市民ご意見番の一つの指標であります「重要度」がさらに高まるよう努めてまいります。
次に、あり方を含めて、見直してはどうかについてでありますが、これまでは、市民の皆様に地域通貨を知っていただく取り組みの一つとして、市が関係する事業の中におきましても、地域通貨のみを活用しての事業実施も行ってきたことから、地域通貨の存在の認識については一定、得られたものと考えており、今年11月に開催の地域伝統文化まつりをもちまして、地域通貨のみの活用事業の協力依頼は終了すると発行団体から確認しております。
同じく、市民ご意見番のもう一つの指標であります「満足度」についても「重要度」と同様に高めるためには、ボランティア活動での活用方法を市民の皆様にお伝えすることが非常に重要なことであると認識いたしております。
地域通貨「蓮」は市民から市民へと公民協働のツールとして伝わっていくことが大事なことで、ボランティアをしたい人とボランティアを受けたい人とをつないでいく、ツールとして活用が市民間で広がっていくことによりまして、「満足度」が高まっていくものと考えております。
今後におきましても、地域通貨の本来の目的を認識いただくとともに、ご活用をいただけるよう、発行団体とも連携を密にしながら、広く市民の皆様にお伝えすることで、市民ご意見番アンケートにおける「重要度」と「満足度」におきまして高い評価を得られるよう、一層努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
府大東門真増補幹線へ雨水の流れ込む「分水人孔」増設について、あえて質問はしませんが、担当部まかせにしないで、市長が先頭に立って府に早期に増設されるように働きかけていただきますことを要望しておきます。
地域通貨「蓮」について、再質問をさせていただきます。
まず、平成25年度「市民ご意見番」アンケート調査結果報告書についての質問に対して、「全体的には厳しいご意見」と述べる一方で「期待の表れであるとも考えている」とありましたが、基本目標1~6すべての項目338項目における、重要度と満足度の順位についてお聞かせください。
2点目に、地域通貨を持っているが、使うところがないと言ってる方はどのようにすればいいのか、使うところが少ないのはなぜか。
3点目に、店舗数が少ないのはどうしてか。 「まだまだ多くの市民の皆様に発行の目的が認識いただけていない事」とあったがその認識とはなにか、それはどうして認識されてないと考えるのか。
私は、地域通貨に対しての満足度とは、利用者がいつでもどこでも利用でき、利のあるものが満足度を高めることだと考えますが、「市民ご意見番」の地域通貨に対しての満足度とはなんでしょうか。
「地域通貨のみの活用事業の協力依頼が終了」とありましが終了したらどうなるのでしょうか。
この間、議会から地域通貨「蓮」と地域経済の活性化との関係について取り上げられてきました。しかし、市の答弁の基本は、「多様なボランテェア活動の促進の道具」となっています。例えば、昨年の第一回定例会の自由民主党新生クラブの「地域経済の活性化に進展していくようにするためにどのような方策を考えているのか」という質問に対して、「地域経済の活性化効果というよりも、地域の市民と市民とのつながりの輪の広がりを重視しているもの」との答弁でありました。そこでお尋ねしますが、地域通貨「蓮」と地域経済の活性化との関係についてどのように考えるのか答弁を求めます。
市長は、今議会開会のあいさつで「3期目にあたり、本年度の施政方針でも述べたとおり、これまでの8年間で築き上げてきた基盤を土台に、地域と行政が一体となる『公民協働』を基軸として、本市が目指している、自ら生成・発展を繰り返す」と述べられました。
私は、3期目にあたり、ぜひ市長に「公民協働」の名のもとで取り組まれてきたことがどうだったか、今回、質問をさせていただいた「公民協働」のシンボル的事業の「地域通貨発行運営交付金事業」、「協働コーディネート業務委託事業」、「市民公益活動事業補助事業」、「NPO設立支援事業」など市民から見て「重要度」「満足度」がどの位置にあるか直視していただきたい。
いま示した事業のほとんどが「改善・廃止領域」。どうしてなんでしょうか?
私は、市民と行政が協働して門真市を発展させていくことは、とても大切なことであると思っています。しかし、市民との十分な議論や合意過程も経ないで、上から被せるようなことでは上手くいかないと考えていることを述べ、再質問を終わらせていただきます。
【再質問に対する答弁】
まず、「基本目標1~6全ての項目338項目における、重要度と満足度の順位について」でありますが、重要度につきましては、338番目、満足度につきましては337番目となっております。
次に、「地域通貨は持っているが、使うところがないと言っている方はどのようにすればよいのか、使うところが少ないのはなぜか」についてでありますが、地域通貨が利用できる店舗数につきましては、約450店舗利用できる事となっており、地域通貨のホームページや公共施設に設置しておりますリーフレットで利用可能な店舗をご確認いただくことができるようにいたしております。
また、「店舗数が少ないのはなぜか」についてでありますが、地域にあります店舗数に若干の偏りがあるため、そのように思われる方もいると思いますが、市内業者の約50%は登録をいただいており、今後におきましても登録店舗数が増えるよう、発行団体に働きかけてまいります。
「まだまだ多くの市民の皆様に発行の目的が認識いただけていない事のその認識とはなにか、それはどうして認識いただけていないのか」につきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、「地域通貨の本来の趣旨であります、地域の市民と市民とのつながりの輪の広がりを重視し、地域通貨が市民の皆様の間で自然と流通がなされて、ボランティア活動とその活動への関心がより一層高まっていく」という事への認識でありまして、まだまだPRが足らないのではないかと考えております。
次に、「地域通貨の満足度は何か」についてでありますが、重要度が高まり、市民の皆様に地域通貨の本来の目的が十分理解された後、先ほども答弁いたしましたが、地域通貨が市民の皆様の間で自然と流通がなされて、ボランティア活動とその活動への関心がより一層高まっていく状況となることで、満足度が高まっていくものと考えております。
次に、「地域通貨のみの活用事業の協力依頼が終了したらどうなるのか」についてでありますが、現金との併用で事業が展開されるものと認識をいたしております。
次に、「地域通貨「蓮」と地域経済の活性化との関係についてどのように考えているのか」についてでありますが、これまでの議会でもご答弁をさせていただいておりますとおり、様々なボランティア活動で手にされた地域通貨を、大型店ではなく、門真市内の中小店舗におきまして、商品の購入やサービスの提供を受けていただくことで、地域経済の活性化につなげて行く事につきましても、地域通貨発行の目的に含んでおりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。