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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    第2回臨時会 議案に対する福田英彦議員の質疑・答弁、討論

    [2013.6.28] -[議会活動]

    【質疑】

    ①政府は、1月24日に閣議決定された「公務員の給与改定に関する取り扱いについて」にもとづき、当初地方には影響させないとしていたにもかかわらず、国家公務員の給与削減と同様の削減を地方に迫り、地方交付税を総額8,504億円、門真市では2億7000万円削減することを決定しました。
     この決定については、地方6団体の共同声明では、「極めて遺憾」「そもそも地方公務員の給与は、公平・中立な知見を踏まえつつ、議会や住民の意志に基づき地方が自主的に決定すべきものであり、国が地方公務員の給与削減を強制することは、地方自治の根幹にかかわる問題である。ましてや、地方交付税を国の政策目的を達成するための手段として用いることは、地方の固有財源という性格を否定するものであり、断じて行うべきではない」と政府の姿勢を厳しく批判しています。
     地方交付税を給与削減強制の手段として削減することについて、改めて認識について答弁を求めます。

    ②総額8,504億円の給与費削減を行う一方で、「緊急課題への対応」ということで、総額8,523億円の特別枠を計上し、そのうちの「地域の元気づくり事業費」3,000億円の算定については、「各地方公共団体のこれまでの人件費削減努力を反映」させるとし、職員数削減やラスパイレス指数をその根拠として算定することとしていますが、その額について、このような職員削減等を交付税増額の手段とすることについての認識を問うとともに、いわばセットで出されてきた「地域の元気づくり事業費」の交付税の増額分1億6千万円については、給与削減分の2億7千万円から差し引いた上で、職員給与について検討すべきだったと考えますが答弁を求めます。

    ③議会運営委員会での「なぜ臨時会を開いてまで実施にこだわるのか」との質疑に対する答弁では、地方交付税削減については遺憾だが、地方交付税が削減された以上、何らかの対応を取らなければならないとし、「本市の財政状況、職員給与の状況等を踏まえる中で、7月から職員給与の削減が不可避であると判断」としていますが、どのような財政状況、職員給与の状況なのか、答弁を求めます。

    ④このような政府の不当な給与削減強制に対し、唯々諾々として従い7月からの給与削減を臨時会を開いてまでそれに従う自治体はあるのか、府下の状況について答弁を求めます。

    ⑤本市はこの間、5年7ヶ月に亘って3%の給与削減、つづいて2年5ヶ月にわたって2.5%から8%の給与削減を独自に行ってきましたが、その総額について答弁を求めます。

    ⑥労働組合との交渉を重ねてきたとのことですが、労使合意がない状況での提案となっています。これまで労使合意を基本としてきたのではないか、なぜ労使合意がないままに提案したのか具体的な答弁を求めます。

    ⑦今回の地方交付税削減での給与削減強制は、地方の財政自主権を侵すもので、これに従うことで、また同様に地方交付税を国の政策目標達成の手段としてくることは明らかで、絶対に行うべきではないと考えますが認識を問うとともに、今後同様のことが行われたときどのように対応するのか、答弁を求めます。

    ⑧今回の給与引き下げの提案に至る経過において、当然行財政運営アドバイザーからの助言があったと考えますが、どのような助言があったのか、答弁を求めます。

     

    【総務部長の答弁】

     地方交付税を給与削減要請の手段として削減することについての認識でありますが、このことにつきましては、平成25年1月27日に出された地方六団体の共同声明及び同年2月20日に出された全国市長会の緊急アピールにもありますように地方分権の趣旨に反し、地方の財政自主権を侵すものであり、大変遺憾であると考えております。

     次に、「職員削減等を交付税増額の手段とすること」についてでありますが、「地域の元気づくり事業費」は、市町村のこれまでの行革努力を反映するものであり、努力が結果につながり、市民の皆様への事業展開が広がるという観点では、一定の評価ができるものの、今回においては、給与削減に伴う減額とのセットで行われていることから、大変遺憾であると考えております。

     次に、「地域の元気づくり事業費の交付税の増額分と給与削減分の2億7,000万円との相殺することを検討すべきだったのではないか」についてでありますが、地域の元気づくり事業費の約1億6千万円につきましては、地域経済の活性化事業など各地域の実情に応じた地域の元気づくりを目的として、交付税措置されるという趣旨に沿い、市民・地域のために活用するという観点から、総合的に勘案し、給与削減分との差し引きの財源ではなく、市民に還元されるべきものであるものと、判断いたしたものであります。

     次に、今般の職員給与の削減が不可避であると判断に至った財政状況についてでありますが、現在、日本経済の景気は、一定上向き傾向にあると報道されているものの、本市の税収入は、ここ数年、減少傾向であります。

     平成25年度当初予算におきましては、市税収入が落ち込む中で、「選択」と「集中」を図る中で、「市民の幸福度の向上」に向け、様々な施策を実施するため、全職員の創意工夫により、予算編成を成し得たところでありますが、本市の将来のまちづくりに必要な事業を行うため、財政調整基金より5億5千万円の繰り入れを行っている状況であります。
     また、財政運営上の大きな課題である連結実質赤字比率は、危機的な状況を脱したものの、平成23年度決算で、率にして6.16%、額にして約16億円もの連結赤字を抱えており、計画的に改善している状況ではありますが、全国で赤字が生じている市町村は、本市を含めて9市町村、さらにその中で、ワースト2位という状況にあり、極めて不名誉で不安定な位置にあり、連結赤字の早期解消は、市民サービスの向上と同様に本市にとって最重要課題であると認識しております。

     次に、今般の職員給与の削減が不可避であると判断に至った職員給与の状況についてでありますが、本市の平成24年4月1日時点でのラスパイレス指数は、107.4であり、同指数による比較において府内で8番目に高い状況であります。また、同日以降での独自カットを行っている団体も増加していることから、本市の給与水準は、相対的に高い状態であると認識しております。

     次に、府内の給与削減の状況でありますが 今般の国からの要請につきましては、平成24年4月1日時点での各市の給与水準の状況に応じ、同年4月2日以降の各市における給与抑制措置を踏まえた上で、国の給与水準となるよう求められているものであります。
     そのような中での、府内各市の状況でありますが、独自カットを行っている団体も約半数ある中、国の要請どおりの内容ではないものの国家公務員の給与臨時特例法の趣旨を踏まえつつ給与削減を行っている団体として昨年度に寝屋川市が、今年度には、泉大津市が実施を決定したと聞き及んでおり、各市の状況に応じ、それぞれ対応されておりますが、6月に臨時会での提案をされている団体はございません。

     次に「5年7か月の3%、つづいて2年5か月にわたって2.5%から8%の給与削減の総額」についてであります。
     これまでの給与削減による総額は、約18億3千万円でございます。

     次に、労使合意がないままになぜ提案したのかについてでありますが、5月13日の申し入れ以降、交渉協議を行い、検討に検討を重ねる中で、職員への影響も踏まえ、期末勤勉手当の削減をしないという一定の緩和措置を講じたものの、労使合意には至りませんでした。
     職員の勤務条件につきましては、従前より職員団体との交渉協議の中で、労使合意を図れるよう努めているところであり、今後もこの考え方に変わりはございませんが、今回、地方交付税の削減が決定された以上、何らかの対応を取らなければならないのも現実であることから、本市としましては、交付税の削減を市民へ影響させないという前提のもと、本市の財政状況、職員給与の状況等を踏まえる中で、交付税削減期間である7月から職員給与の削減が不可避であると判断し、臨時議会の開催及び議案提出をお願いしたものであります。

     次に、今後同様の給与削減強制が行われたときにどのように対応するのかについてでありますが、今般の国からの職員給与の削減要請につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、地方六団体及び全国市長会の立場と同様、大変遺憾であります。今後につきましては、同様の事態が生じることはあってはならないものと認識しておりますが、その都度状況に応じて判断してまいりたいと考えております。

     最後に、「行財政運営アドバイザーからの助言があったのか」についてでありますが、今回の件につきましては、市民生活や市の取り巻く状況、課題、職員の生活に係る賃金の在り方等を踏まえ、総合的に勘案し判断したものであり、行財政運営アドバイザーに対し、助言は求めておりませんので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【再質疑】

    ①職員にはこの8年間で総額18億3千万円もの給与削減、課長補佐級以上では今年度から人事評価を相対評価で行い、その結果を一時金や昇任に反映させ差をつける、さらに今回の国言いなりの大幅な給与削減となっています。
     このようなことで職員のモチベーションが保てると考えているのか、保つどころかモチベーションの低下で市民サービスの後退につながるとは考えていないのか、「市民サービスの低下につながらないように」などという答弁ではなく、明確答弁を求めます。

    ②今後同様の給与削減が強制されたときの対応について「その都度状況に応じて判断」との答弁ですが、なぜきっぱりと反対の態度、実施しないとの姿勢を示せないのか、このような国言いなりの姿勢を続けることが、今回と同様に、今後地方交付税を国の政策目標達成の手段としてくることにつながるとは考えないのか、答弁を求めます。

    ③国家公務員の給与削減を地方交付税の削減措置で地方自治体にも強制する政府のやり方に従って給与削減を行っているのは、府下では寝屋川市と泉大津市の僅か2市。
     しかし、「地方交付税の削減がされた以上、何らかの対応を取らなければならない」の一点張りで、説明責任を果たしているとは到底思えません。
     府下で実施自治体がほとんどないことについてどのように考えているのか、答弁を求めます。

    ④今回の職員給与削減が、市長の選挙後の初仕事となります。
     国言いなりで労使合意もない、他市もほとんど実施していない、このようなことを強行することが職員のモチベーションを低下させ、目標としているまちづくりができると考えているのか、これは、市長に対し答弁を求めます。

     

    【再質疑に対する総務部長の答弁】

     今般の給与削減措置が職員のモチベーションに与える影響についてでありますが、今回の給与削減につきましては、職員には少なからず影響があるものと考えておりますが、交付税減額の影響を市民に転嫁させないことを基本に、市の置かれている状況を総合的に判断したものであって、住民生活を守るべき基礎的自治体の職員として、今後も引き続き、職務に邁進されるものと考えております。

     次に、国に対する反対の態度を示すべき件についてでありますが、今回の措置は、本市を取り巻く現状を総合的に勘案し、判断をしたものでありまして、現時点での市としての最善の判断をしたものと考えております。今後、同様の事態が生じることがあってはならないものと認識しており、その都度、適切に判断してまいりたいと考えております。

     次に、「このような国の言いなりの姿勢を続けることが、今回と同様に、今後、地方交付税を国の政策目標達成の手段として、つながるのではないか」についてでありますが、現時点におきましては、今回の給与削減に伴う地方交付税削減につきましては、あくまで、今回限りの臨時的な措置と考えており、今後、国の政策目標達成の手段につながっていくとは考えていないものであります。

     次に、府内各市の実施状況でありますが、独自カットを行っている団体も約半数ある中、それぞれの団体が状況に応じ、独自に判断された結果が現状況であると認識しております。

     最後に、労使合意・他市での実施もない中での今回の措置を実施することで目標としているまちづくりができるのかについてでありますが、今回の給与減額措置は、先ほどご答弁申し上げたとおり、職員には少なからず影響があるものの、地方交付税の削減への影響を市民に転嫁しないという考えのもと、必要な措置と判断したもので、今後の本市の発展、市民の幸福度の向上を目指し、職員には引き続き、職務に邁進されるものと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。

     

    【議案に対する討論】

     議案第32号 一般職の給与の特例に関する条例の制定について、及び条例制定に伴う補正予算である議案第33号、34号、35号、36号について反対の立場から討論を行います。

     一般職の給与の特例に関する条例の制定については、1月24日に閣議決定された「公務員の給与改定に関する取り扱いについて」にもとづき、当初地方には影響させないとしていたにもかかわらず、国家公務員の給与削減と同様の削減を地方に迫り、地方交付税を総額8,504億円削減することを決定し、門真市では2億7000万円の削減がされることから、給与月額を4.77%から9.77%、管理職手当を10%削減するものです。
     このように、地方公務員の給与を地方交付税の削減によって強制しようという政府に対し、地方6団体の共同声明では、「極めて遺憾」「そもそも地方公務員の給与は、公平・中立な知見を踏まえつつ、議会や住民の意志に基づき地方が自主的に決定すべきものであり、国が地方公務員の給与削減を強制することは、地方自治の根幹にかかわる問題である。ましてや、地方交付税を国の政策目的を達成するための手段として用いることは、地方の固有財源という性格を否定するものであり、断じて行うべきではない」と政府の姿勢を厳しく批判していることは質疑でも紹介しましたが、先の答弁でも「大変遺憾である」との考えを示しながら、一時金の削減を行わないこと以外は、ほぼ国どおりの削減内容となっています。
     なぜ臨時会を開いてまで7月からの削減にこだわるのか、まちづくりについては開発会社に30億円もの建物補償費を支払おうとしながら、財政運営上の課題を並べ立て、何が何でも職員給与削減ありきの姿勢は絶対に納得できるものではありません。
     また、府下でもほとんどの自治体はこのような強制に同意せず、国の要請に従う自治体は寝屋川市、泉大津市しか実施していないという状況についての認識も全く不十分と言わざるを得ません。
     さらに国のこのような給与削減の強制に、唯々諾々として従うことで、今後同様のことを行うであろうということについての認識は皆無と言わざるを得ません。
     この間、職員にはこの8年間で総額18億3千万円もの給与削減、課長補佐級以上では今年度から人事評価を相対評価で行い、その結果を一時金や昇任に反映させ差をつける、さらに今回の国言いなりの大幅な給与削減によって職員のモチベーションが低下し、市民サービスの後退につながるとの危惧についても全く示さないことは異常としか言いようがありません。
     そして、労使合意の原則も投げ捨て、職員給与削減を提案するに至っています。
     市長選挙後の市長の初仕事がこの国言いなりの職員給与の削減です。
     昨年のゲリラ豪雨時も、献身的に対応した職員に対するこのような給与削減の強行は、職員のモチベーションの低下につながり、市民サービスの後退、市長が目標としているまちづくりは絶対にできないということを明言しておきます。
     今回の地方交付税を削減しての地方自治体への給与削減の強制は、全国市議会議長会も厳しい姿勢で臨んでいます。
     門真市議会としても、地方自治の根幹にかかわる国の暴挙を許さず、そしてこの暴挙に対し唯々諾々として従い、職員給与削減が提案されることについてきっぱりと反対し、議会としての良識を示そうではありませんか。
     そのことを呼びかけ討論とします。