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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2012年9月議会 豊北ゆう子議員の一般質問・答弁

    [2012.9.26] -[議会活動]

    少人数学級について

    今、大津市でのいじめによる男子中学生の自殺をはじめ、子どもたちのいじめの問題が深刻な社会的問題となっています。改めて教育とは何かが問われていると思います。そこで、私は門真市での教育について伺いたいと思います。教育はすべての子どもが持っている成長・発達する権利を保障するための、社会の営みです。とりわけ、学校教育においては、すべての子どもに基礎的な学力を保障し、子どもたちが社会の主人公として、行動できる能力の基本を身に着けることを助ける責任を負っています。日本共産党は、学校がその責任をきちんと果たすことを重視していることを申し上げ、質問に入らせていただきます。

    今、門真では学力向上対策委員会が開かれ、学識経験者、校長、教頭、教師、PTAのそれぞれの代表、そして市の担当者の計11名で、授業づくり、家庭学習、校内組識、生徒指導、等の現状と課題が熱心に議論されているところです。そこで質問です。この学力向上対策委員会の目的と今後どうしていこうとしているのかをお聞かせください。

    そして、私が、一つ疑問に思っていることですが、この学力向上対策委員会が、「学力向上」と言いながら、そもそも「学力」とは何なのかというところが話し合われず、スタートしているんではないかということです。「学力」とは何かを議論することは大切なことだと考えます。教育委員会が言う「学力」とは何なのでしょうか?お尋ねします。是非、今一度、委員会でも議論していただきたいということを要望しておきます。

     さて、学力向上対策委員会では、議論の中で様々な立場での意見が出されています。「教師が余裕を持つことができれば、押さえつける教育をすることはなくなってくるように思う。」「全国の校長会アンケートによると『新学習指導要領に則った中で、基本的知識・技能習得のために、1番大事だと思われる施策は何ですか。』という質問に対して、1番多かった回答が、『少人数加配教員の配置』で、全国の93.5%の校長が少人数指導加配教員は、基礎・基本の習得については非常に効果的であったので、充実させてほしいと回答しているということ」「門真市での学力向上支援員の配置はさらに充実をさせてほしい」等、発言されています。

     共通していることは、教師を増やしてほしいということです。一人一人に目が行き届き、教師も子どもたちもゆとりのある現場にしていくことが、根幹にあるのではないですか。

    委員会では、教師の多忙化についても議論されていますが、教師の多忙化を無くしていくことは、子どもたちの教育向上のためにも重要だと言われています。6月に実施された「教職員の業務に関するアンケート調査」では、平日3時間以上超過勤務をしている割合は、管理職で70%、教職員では50%にのぼっています。

    また、多忙感を尋ねた質問では、ほぼ全員が「忙しいと感じている」ことが報告されています。その原因として、1番目が会議の多さ、2番目は教材研究、授業の準備やプリント作成の仕事、3番目に運動会や卒業式など学校の仕事を分担した公務分掌の業務というような結果が出ています。

    もちろん、これらのことへの改善が図られることは重要ですが、教師の多忙の一番の背景には、教師が向き合う一人あたりの受け持つ児童生徒の人数ではないでしょうか。

     門真でも、23年度、ある小学校の5年生が80人で、本来なら、2学級の学級編成となるところ、学校長の判断により弾力的な学級編成を行い、3学級の学級編制にしたところ、少人数の落ち着いた学習環境の中、きめ細やかな指導が行われたと聞いています。

    全国でも、少人数学級を進めている所は多くなってきており、秋田県での取り組みはよく知られています。

     少人数学級の成果について、秋田県教育庁義務教育課の調査では「教師が自分のことをよくほめてくれる、自分の意見や考えをたくさん取り上げてもらえると感じている児童生徒が多くなった」、「勉強するのが楽しくなったという児童が多くなった」などの意見が出されています。教員は「授業改善を図ろうという意識が高まった」、「児童生徒の実態に応じて指導方法などを工夫ができる」「一人一人にきめ細かい指導ができるようになった」また、指導方法や教材を相談し合って授業を進めることが出来るようになった」保護者も「丁寧に教えてくれている」など少人数学級を好意的に受け止めているということが言われています。

    9月7日、文科省が2013年度から17年度までの5年間で、小中学校の全学年で35人学級を実現していくため、教職員を増やす「定数改善計画案」を発表しました。そうした背景には、いじめの問題への対応のため、少人数学級の推進や特別な指導を行う学校への支援など、教員が子ども一人一人と正面から向き合える体制を整備するため教職員の定数を改善するというものです。

     こういったように、文科省も少人数学級にしていくことがいじめ問題でも、子どもたちの教育にも大事だと言っています。今回の文科省の発表をどのように受け止めているのかお聞かせください。

    門真でも、少人数学級をすすめていくことが、一人ひとりに細やかな指導ができ、教師にも余裕が出来、子どもたちの小さな変化にも気付きやすくなり、学力向上委員会で、今出されている諸課題の解決にもつながるのではないでしょうか。文科省の実施を待たず、本市独自での少人数学級の実施を考えるべきではないでしょうか。答弁を求めます。

    先ほどの事例でも言いましたように、学年の人数が80人であった場合に、あと一人増えたら、3学級になるのに、定数では2学級となります。1人増えるか増えないかで、方や21人、一方は40人になります。こういういわゆるボーダー学級の解消を図っていくことを、以前から党議員団は要望していますが、改めて、ボーダー学級への配置についても、市独自でやっていくというのは喫緊の課題だと思いますが答弁を求めます。前向きな答弁を期待して質問を終わります。

    【学校教育部長の答弁】 

    豊北議員ご質問の教育について、私よりご答弁申し上げます。 先ず、学力向上対策委員会の目的と今後の流れについてであります。

    本市の児童・生徒の学力状況は、全国及び大阪府学力・学習状況調査結果によりますと、5年間にわたり大阪府の平均正答率を下回るなど、大変厳しい状態にあります。教育委員会といたしましては、このことをはじめとする子ども達の学力課題の解決を図るために、本年度、新たに学力向上対策委員会を設置いたしました。 

    学力向上対策委員会においては、門真市立小・中学校における「授業づくり」「家庭学習」「学校組織」「生徒指導」の4本を柱として、門真市の子ども達の現状と課題、今後の方向性などについての議論を進めてまいりました。 

    今後は、11月中旬に、学力向上対策委員会による提言が示される予定になっております。教育委員会といたしましては、その提言内容を具体化して、学校や家庭への周知を図るとともに、教職員や保護者を対象とした公開討論等の場で、提言内容や今後の方向性についての共有化を行い、各学校における取組の改善を図ってまいります。また、新規事業の立ち上げ等にもつなげてまいる所存でございます。 

    次に、「学力」のとらえについてでありますが、教育委員会といたしましては、学習指導要領にも示されているように、「基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、表現することにより、様々な問題に積極的に対応し解決する力」であるととらえており、学力向上対策委員会においても、このことが議論の前提となっております。 

     次に、文部科学省による35人学級の実現のための「教職員定数改善計画案」についてであります。 

    現在、本市では、国と大阪府の事業により、小学校1、2年生において35人学級が実施されております。教育委員会といたしましては、教員が、子どもたち一人ひとりに目を行き届かせ、よりきめ細かな指導を行うためには、小学校3年生以上においても35人学級を実施することが望ましいと考えており、従来より、国に対して35人学級の充実を要望してまいったところであります。したがいまして、今般、示された文部科学省の「教職員定数改善計画案」につきましても、その実現を強く求めるものであります。また、議員ご指摘のボーダー学級における課題につきましても、学級定数の引き下げにより改善できるものであると考えております。 

    本市独自での少人数学級の実現につきましては、学力向上対策委員会での議論をふまえ、今後示される具体的提言に基づき、検討してまいりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。