[2012.6.29] -[門真民報]
19日、20日と本会議が開かれ、各常任委員会に付託されていた議案が採決され、市政に対する一般質問が行われました。
今回の一般質問は議員団4人全員を含め22人中15人が行い、様々な問題点について市政を質しました。
今回の議会では、「防災・減災ニューディールによる社会基盤再構築を求める意見書」等、他4つの意見書が採択されました。そのうち、井上まり子議員が「尖閣諸島の実効支配を推進するための法整備を求める意見書」について、亀井あつし議員が「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める意見書」について、それぞれ反対討論をおこないました。 また、福田英彦議員が、「再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備を求める意見書」について、問題点も指摘し賛成討論を行いました。
議員団が提案した、政府が『原発再稼動ありき』の安全基準で、大飯原発の再稼動を強行しようとしているが、議会として、問題点を指摘し、大飯原発3、4号機をはじめとした原発の再稼動を強行することのないよう求める「原発の再稼動に関する意見書」については、20日の議会運営委員会で、各会派の調整が出来なかった旨を報告され、議会には上程されませんでした。
「いきいきかどま『高齢者プラン2012』門真市高齢者保健福祉計画」には、高齢者3万241人、高齢化率23・4%、独居・夫婦世帯の割合が府内平均を超えていることなどが示され、今後、高齢者施策の様々な課題が考えられることから以下の点について質問しました。
地域包括支援センターは、高齢者が住みなれた地域でいきいきと生活できるように、様々な支援を展開する重要な位置づけ。地域の高齢者が困った時に役立つように、同支援センターの電話番号等を記載した磁気プレートを配布して周知徹底を図ることを要望し、地域包括支援センターーが担当している日常生活圏域の支援の充実等も求めました。
【答弁】磁気プレートの配布が早期に実施されるようくすのき広域連合に要望する。24年度から財政的支援を行い、その機能強化に努めている。
認知症対策として、門真市社会福祉協議会で、認知症の方への理解を深める「認知症サポーターの養成」が実施されているが、小・中学生等への「認知症サポーター養成講座」の取り組みも含め、認知症対策のより発展的な施策を図ることを求めました。
【答弁】5月末現在、本市ではサポーター数は888人。今後、認知症サポーターの養成は、広く子どもから高齢者までを対象とし、サポーター数は人口比3%の目標値を達成できるように努める。また、子ども達に認知症を正しく理解させる必要性は認識している、校長会において周知するなど、子ども達のサポーター養成にも取り組む。
認知症の方が、日常生活上の世話や機能訓練等のリハビリを営む入所施設グループホームの拡充を求めました。
【答弁】平成27年度末までに1箇所、18床の新規整備を予定。くすのき広域連合にグループホームの整備拡充を要望していく。
要介護以外の高齢者が食事会・習字・俳句・絵手紙・手芸等を通して、生きがいを持って生活できる居場所である街かどデイハウス(現在3箇所)の増設と、安定した事業運営が出来るよう求めました。
【答弁】既存の高齢者福祉施設等の活用など、市域全体でバランスの取れた事業のあり方について検討。安定した運営ができる様、府に要望する。
緊急通報装置は、一人暮らしの方が緊急時にボタンを押すと、電話回線を通じてオペレーターにつながるもので、人命にかかわる重要な事業であることから増設と申し込みに必要な協力員の確保について質問しました。
【答弁】必要とされる方が利用できるよう、民生委員や校区福祉委員、また広報誌や市ホームページ等により広く周知を図る。協力員は民生委員等に働きかけ支援に努める。
次に、「児童・生徒の確かな学力の育成について」欠かせない、学校図書館の充実についてただしました。
国は交付税措置をし、学校図書館司書の配置等の拡充を図る方針を示したが、市長・教育委員会が本気で学校図書館の重要性を認識して取り組むことが強く求められると厳しく指摘し、学校図書館司書の配置の考えと交付金の活用について、市の見解を求めました。12年度の学校図書充足率等についても質問しました。
【答弁】地方財政措置がなされたことから、学校の要望を把握するとともに、専任司書の配置活用についても調査・研究する。標準蔵書数に対する充足率は23年度の平均小学校で68・7%、中学校で87・2%となっている。
空き家の発生で、防災、防犯、景観、衛生など多岐にわたり問題が発生、全国的にも増大し、老朽家屋、廃屋が少なくない本市においても積極的な対応が求められていることから、老朽家屋(廃屋)の適正管理について以下の点を質問しました。
問1 本市の把握している空き家、老朽家屋、廃屋等の現状は?
【答弁】 平成20年度の住宅・土地統計では1万510棟が空き家としてカウントされているが、具体的な数については把握できていない。
問2 門真市美しいまちづくり条例に基づくものなど、苦情や相談への対応状況は?
【答弁】 苦情や相談については過去5年間で51件。美しいまちづくり条例にもとづき即座に現地調査を行い、所有者を調べ、勧告文書を送付し、改善を促している。所有者が判明しない場合の対応等が課題となっている。
問3 今年度スタートした危険廃屋等除却補助の概要は?
【答弁】 市が危険と認めた建物の所有者に対し、除却に係る費用の一部を補助するもので、一戸建て60万円、集合住宅は一戸当たり30万円かつ上限200万円。実績は無いが、相談等の受付や補修で対応されたところもある。
問4 課題解決のための条例制定が所沢市が初で全国で広がっている。本市においても検討を開始すべきでは?
【答弁】 本市においては、門真市美しいまちづくり条例のなかで空き家の適正管理を推進しているが、課題解決のために、先進市の状況も踏まえ、一層の調査、研究を続けてまいりたいと考えている。
本市が進める住宅市街地総合整備事業は、住宅密集地域を解消し、災害に強いまちづくりを進めるにあたって有効な事業手法だが、従前居住者が住み続けられない「住民追い出し」の事業となっている。 現在進められている石原東・大倉西地区も例外でないとの観点から以下の点について質問しました。
問1 事業の概要、事業費、進捗状況は?
【答弁】 約0・76haの区域に従前47棟、176戸のうち、38棟、160戸が除却され、今年度中にすべて除却される予定。建替え計画中は4棟。これまでの事業費は16億2千6百万円、今後3億8千6百万円を予定。平成25年度のまちびらきを目指している。
問2 従前居住者へのの対応、移転状況、家賃補助制度があるが対応は?
【答弁】 移転交渉前の世帯数は73。移転先は公営住宅が6世帯、市内民間住宅が48世帯、市外民間住宅が1世帯、自己転居が10世帯。家賃補助制度は大阪府の要綱に基づき制定したが、対応実績はない。
問3 事業計画作成委託で示されたまちづくりの考えは?
【答弁】 地権者の意向が固まっていない状況で作成したものだが、事業組合と協議を行い、共同住宅7棟、戸建住宅5棟、自治会館1棟を策定している。
問4 地権者や事業者だけで進めるのでなく、周辺居住者や自治会などへの説明、意見聴取が必要だがどうか?
【答弁】 公共施設工事については地元自治会役員や隣接住民に対し個別説明を行ったが、建替え事業については地権者の意向が固まっていない段階でのもので、行っていない。今後は各地権者において必要な時点で説明が行われると考える。
問5 住民追出しの事業とならないよう、制度要綱もある「コミュニティー住宅(都市再生住宅)」の整備が必要と考えるがどうか?
【答弁】 従前居住者の対応は、結果として地区外へ転出する状況を確認しているが、公営住宅や賃貸住宅の斡旋に努めており、現時点では都市再生住宅の建設は考えていない。
福田議員は、「結果として地区外へ移転状況を確認」と答弁しながら、家賃補助制度に基づく実績もない。制度要綱に反し、地区外の住宅を斡旋すれば住民追い出しとなってもいいと考えているのか再度答弁を求めました。
答弁では、「地区内外に関わらず、事業施行による住宅困窮の解消に努めている」とし、改善の方向を全く示しませんでした。