[2012.3.9] -[門真民報]
1回定例会(3月議会)において、園部市長が行った「施政方針説明」で、新年度の市政運営の基本方針について述べました。
冒頭、市長に就任して7度目春を迎え、「時として苦渋の選択をせまられた」としながら、行財政改革で22年度までの6年間で、132項目の見直しを行い、約200億円の効果額を生み出すことができた」と述べました。
このなかには、市立保育所の民営化(約4億円)、学校給食調理業務の委託(約3億円)、市民税・国民健康保険料前納報奨金の廃止、障害者福祉金・特定疾患見舞金の廃止(4億円余)、就学奨励金の廃止(6千4百万円)などが含まれ、市民サービスや公的責任の後退を招いています。
この結果、「今日におきましては、自立発展都市へ向けた戦略的な投資をさまざまな分野で打ち出す基礎体力を保持した行財政体質が確立された」と新たな街づくり(開発)に意欲を示しました。
また、市民の暮らしに目をむけ「生活は、一層厳しさを増しており、…あらゆる分野において、より高度で多様な施策、サービスの充実が求められている」との認識を示した上で、「市役所はもとより、地域の協働組織や地縁団体、NPOなど多種多様な主体が、適切なタイミングで、最適なサービスを提供していける『市民に寄り添う市政』を確立していくことが、私の大きな使命」と述べまし た。
また、これは、市役所だけでは実現できるものではないとして「一灯照隅、万灯照国(いっとうしょうぐう、ばんとうしょうこく」と最澄の言葉を用い、市民が「地域や市政のことに関心を持ち、自主的、自発的に公益のために市民力を発揮」することを求めています。
「市民に寄り添う市政」という言葉は、昨年末の仕事納めで職員への挨拶で触れ、広報かどま一月号でも大きな見出しとなりましたが、どのような市政を目指すのか、市の行わなければならない仕事を市民に押し付け、市民サービスや公的責任を後退させるものならば、大きな問題と言わざるを得ません。
さらに、「24年度は、この決意を胸に、私はもとより、職員が一丸となって、あらゆる分野で市民の皆様とともに地域で語り合い、協働の輪を広げ、『選択と集中』による施策を積極的に展開」するとしていますが、地域の住民に全く意向を聞くことなく、養護老人ホーム跡地や公民館二島分館跡地を売却する方針を一方的に示したことを反省し、タウンミーティングなどを開催し、住民意向を把握するなかで、「主な未利用地の売却見込み」を抜本的に見直すことが求められます。
「本市を取り巻く情勢と展望」では、「厳しい社会状況による閉塞感に加え、迷走する国政とあいまって、地方自治のあり方も、今、大きく変わろうとしている」とし、「現在、府市統合の理念で進められている『大阪都構想』につきましても、本市に多大な影響が生じてくるものと捉えており、その動向を注視、分析するとともに、避けることなく真正面から、是々非々の立場で、今後、対応していかなければならないと考えております」と述べました。
「大阪都構想」が門真市の形を変えるものであるとしたら、どのように対応していくのか、姿勢を明確に示すことが求められます。
施政方針で示した主な新規施策・事業
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1日、ルミエールで「消費税に反対する門真連絡会」主催で「消費税に反対・学習決起集会」が、開かれました。
この集会には会場いっぱいの市民が参加し、党議員団からは、井上まり子議員と豊北ゆう子議員が出席しました。
今、野田内閣は消費税と社会保障の一体改革を推し進めようとしていますが、「何が一体改革なのか」ということをわかりやすく、大阪総合会計事務所の税理士の清家裕氏が講演しました。
清家氏は、まず野田首相は社会保障の財源を消費税に限定すると言っているが、これは他の税金は使いませんよと言うことで、一体改革とは、消費税を際限なく引き上げることだと強調し、今、門真から「何で消費税があかんのか」という世論をつくっていくことが必要だと訴えられました。
消費税というのは、所得の低い人ほど、負担率が高くなる逆進性税制で、年収200万円以下の人は、5.1%にもなり、年収2千万円以上の人は1.4%となっています。さらに、外国に輸出している大企業10社の2010年度分の消費税還付金合計は、8千698億円にもなっています。
清家氏は、消費税とは弱い者に重くのしかかり、大企業の負担を減らしていくことが、本当の姿だと述べました。今4人家族で平均年間17万円の消費税を払っています。 これが10%になれば、34万円。安住大臣は将来的に30%が望ましいと言っていますが、そうなると、年間の消費税は101万円にもなり、これでほとんどの家庭はつぶれてしまいます。 一体改革の行き着く先はスウェーデンではなくギリシャになるとも・・・ 講演の後、連絡会の申し合わせ事項を読みあげ、参加者全員で、消費税反対の決意を固めました。
「介護報酬緊急学習会」が大阪社保協主催で、2月24日、大阪府保険医協会MDホールにて開かれました。
この学習会には、会場定員いっぱいの200人が参加しました 厚生労働省は2012年度の介護報酬を決定し、報酬全体は前回と比べて1.2%引き上げになりましたが、これまで国費だった介護労働者の賃金引き上げ分2%を廃止し、介護報酬に組み込んだため実質マイナス0.8%の改悪になります。 これは、以前の門真民報でも、お知らせしましたが、この改悪により、「介護現場はどう変わるのか」を大阪社保協介護保険対策委員、日下部雅喜氏が講演しました。
2012年度介護報酬の改定の方向は・・・
◎介護サービス提供の効率化・重点化と機能強化を図る観点から在宅介護への移行を図る。◎24時間定期巡回・随時対応サービスなどの在宅サービスやリハビリステーションなど自立支援型サービスの強化を図る。
◎介護予防・重度化予防については、真に利用者の自立を支援するものになっているかという観点から、効率化重点化する方向で見直す。と、なっています。
訪問介護の生活支援では、今まで60分であったものを45分に短縮し、洗濯機のスイッチは利用者が入れ、買い物はヘルパーが訪問前におこなう等が検討されており、時間も報酬も削ります。「重点化・効率化の名のもとに、在宅高齢者の命綱である生活支援を削ることは許されません。
今回の改定では、「効率化・重点化」の観点から、コストの高い施設から在宅へ、医療から介護への流れをいっそう強めていて、介護給付費を削減するために、無理やり「在宅」をすすめ、他方で生活援助を削減するやり方は介護難民をいっそう増やすことになりかねません。公的負担を大幅に引き上げ、利用者の負担が増えないよう配慮しながら、報酬を抜本的に見直すことが必要だと、訴えられました。
そして、今後、厚労省で検討されていることが実施されないよう国に対して、訴えていくことが大事だということが呼びかけられました。
この学習会には、井上まり子議員と豊北ゆう子議員が参加しました。