[2012.2.3] -[門真民報]
「教育基本条例に反対するシンポジウム」が1月28日、守口市のエナジーホールで開かれ、会場あふれる800人を超える参加者で熱気につつまれました。
このシンポジウムは、東京大学の佐藤学教授や教育評論家の尾木直樹さん、女優の竹下景子さんなど、条例案に反対する10人の学者・文化人のアピールよびかけ人の主催で開かれました。
佐藤氏は、条例案の半分以上が処罰規定であること、様々な法令に違反するものであることなどを指摘し、「教育は信頼の中で成立する」と強調しました。
前大阪市教育委員会委員長の池田知隆氏は、教育委員会の問題点を指摘しつつ、「教育は長いスパンで考え熟議するもので、その時々に一気に変えるのは問題」と述べました。
前京都女子大学教授の前田佐和子氏は、「やろうとしていることは、80年代のサッチャー政権で失敗が明らかになったものばかり」とし、生徒の人権を守ることを主眼にしたソウル市の教育基本条例について紹介しました。
関西学院大学教授の野田正彰氏は、「子どもから恐怖を取り除き関心を自然や社会に向けさせるのが教育の役割。条例案は子どもに恐怖を植え付けるもの」と述べました。
シンポジウムでは、フロアからの発言もあり、高校生や子育て真っ最中のお母さん、教員や映画監督などが条例案の問題点を訴えました。
シンポジウム後半は、アピール賛同者で精神科医の香山リカ氏もかけつけ、「教育はすぐに結果の出るものではない、基本条例では企業経営と同じような次元で語られ評価を受けようとしている」と問題点を指摘しました。
シンポジウムには、前大阪市長の平松邦夫氏からメッセージが寄せられました。
党議員団からは、福田英彦、豊北ゆう子議員が参加しました。
厚生労働省が2012年度の介護保険報酬を決定しました。報酬全体は前回改定と比べ1.2%増やしましたが、これまで国費だった介護労働者の賃金引上げ分を介護報酬に組み込んだため実質は0.8%のマイナス改定です。(赤旗1月27日付)
そんな中、1月26日、くすのき広域連合は今回が最終日となる(第4回)第5期介護保険事業計画策定委員会を開きました。
はじめにこの計画に対して出されたパブリックコメントの結果、
「年金の受給額が減額されていくなか、介護保険料の上昇を少しでも抑えてほしい」「保険料・利用料の減免をしてほしい」等の意見があったと報告されましたが、担当者はこれに対して「介護制度のなかで行うべきもので、保険者がするものではない」と答えました。
次に、くすのき広域連合の第5期保険料の基準額が5063円となることが示されましたが、最終的な決定ではない、変更もありえるとの説明でした。
・くすのき広域連合の保険料の収納率は96.7%だが、各市ごとはどうなっているのか
【答弁】把握していない
・くすのきのケアマネージャーの人数は
【答弁】把握していない
・介護報酬の地域区分が、くすのきの構成市は甲地乙地があり、今回は特甲地となっているが、今後、国にどう働きかけていくのか
【答弁】関係市の要望に応じて決めていきたい。
・広域とは何かとよく聞かれる・包括支援センターを知らない人が多い
どのようにして、地域ネットワーク作りをしていくのか、存在の強化がなされていくのかが、大事となってくると司会者がまとめ、閉会となりました。
今回の傍聴には党議委員団からは豊北ゆう子議員が出席しました。
福田英彦議員と豊北ゆう子議員は、23日、24日と建設文教常任委員会から、愛知県一宮市と岡崎市に行政視察に行ってきました。
今回の視察は、門真市が昨年7月に公表した中期財政見通しの中で、体育館と図書館等複合施設建設が公益施設の配置構想に盛り込まれていたことから、委員会として視察となったものです。
一宮市では、一宮市立総合体育館を視察しました。一宮市の人口は37万5千人余で、門真の3倍です。総合体育館の総工費も73億円3つのアリーナを有するなど、門真市の構想しているものとは規模の違いはありますが、取り入れることのできるものは少なくありませんでした。
計画を立ち上げ、竣工するまで、約20年がかかったとの説明もありました。
一宮市総合体育館建設にあたっての基本計画策定委員会は学識経験者や議会・競技団体・一般市民・障がい者スポーツ団体の代表の方で構成され、住民の思いをしっかり取り入れられている点は、門真市も今後参考にすべき点です。
岡崎市では、「図書館交流プラザ」を視察しました。岡崎市の人口は37万6千人余で、同じく門真の3倍で、財政規模は一般会計1千億円で約2倍です。
図書館交流プラザは100万冊の収蔵能力を持つ図書館を中心に約300人収容のホール、6つのスタジオ、歴史資料展示室、内田修氏から寄贈された貴重なジャズコレクション展示室、市民活動総合支援センター、待ち合わせや、歓談等少人数での打ち合わせや飲食休憩もできるスペース等「図書館」「活動支援」「文化創造」「交流」の4つの機能で構成されています。
総工費は100億円、運営経費は年間10億円すが、オープン後3年2ヶ月で来館者500万人を記録し、図書館開館時は一日約5千人、閉館時でも一日約3千人が来館。この施設も基本設計検討会議は市民参加で行われ、オープン後も50人のサポータークラブとして、企画運営を支えています。
門真市では「公民協働」を市政の柱としながら、体育館も図書館複合施設も「中期財政見通し」で突然整備の考え方が示されましたが、今回の視察を参考に施設建設の有無も含めて市民参加で検討することが求められます。
1月26・27日総務水道常任委員会の行政視察が行われ、党議員団から井上まり子議員が参加しました。
1日目は、熊本県玉名市で、「新庁舎建設について」視察しました。 05年1市3町合併が成立し、合併特例債を活用し「新庁舎建設」の方向が出されたとのことです。
基本構想では、総事業費59億8千万円、庁舎老朽化と駐車場等不足のため、庁舎移転をも含む基本設計となっていましたが、09年新市長が誕生し、新庁舎建設は白紙、建設位置も含めて見直し、合併特例債の期限15年度までに、市民の負担を最小限に抑える計画変更(総事業費20億円削減)が出されたとのことです。
10年、新庁舎建設検討委員会設置(専門家3人、議員2人、市民7人)。同委員会の「報告」を受け、議会特別委員会、地域協議会、地区懇談会、各地区の陳情等の意見聴取後、実施設計、庁舎配置計画を決定。15年度に新庁舎が建設されるとのことです。
2日目は、熊本市で、「熊本市自治基本条例」検討経過、条例の概要等について視察しました。
熊本市は条例制定までに7年間かかっています。門真市でも策定中であり、市民、議会、市役所等の役割が示されています。自治推進の原則、基本理念を明らかにし「住民が主人公のまちづくり」が求められ、条例制定には十分な議論が尽くされるべきものです。
03年9月、自治基本条例の素案づくりに取り組むため、市民100人が参加して「協働のまちづくりをすすめる市民会議」を発足。「素案」に基づき、シンポジウム等を行い「条例素案」がまとまり、パブリックコメント、説明会、出前講座、オープンハウス、広報活動等での多くの意見を反映させ、「熊本市自治基本条例案」を策定。05年議会で審議されたが、議会の意見が反映されていないとのことで審議未了廃案。
しかし、特別委員会より「執行部、市民、議会が一体となって議論を重ねるシステムを構築し、よりよい条例案の制定を目指す」との提案があり、07年検討委員会を設置。
09年検討員会の「報告」を受け、庁内で素案をまとめ、パブリックコメント、出前講座等の意見を参考に「条例案」が完成。議会で可決されたとのことです。
同条例には、公益通報制度、公的オンブズマン、住民投票、参画とまちづくり条例の制定、自治推進委員会の設置等が示されています。