[2011.9.27] -[議会活動]
1番目に、門真市地域防災計画の見直しについて質問をします。
今後、首都直下地震では、85万棟が全壊、東海・東南海・南海地震では、62万棟が全壊と予測があり、長期間の東日本の災害復興と、首都圏・西日本の取り組みが重要と考えられます。
今回の東日本大震災で教訓としなければならない1つに「想定外」で片づけてはいけないということがあるのではないでしょうか。「想定外を想定する」という必要性であります。原発について言えば安全神話を絶対的なものとしてきたがために、事故があった場合の対応策などは初めから考えられていない、ということが明らかになりました。
東日本大震災を教訓として、中央防災会議で国の想定が見直されるものと思われます。また、台風12号、15号による甚大な大雨の被害が発生しています。6月議会での日本共産党への答弁では「本市独自の地域防災計画の見直し」を考えていくとのことですが、国・府の防災計画をただ待つのではなく、想定を越えた場合も見越した門真市地域防災計画の見直しが求められると考えます。
まず、6月議会でも、わが党が指摘しました液状化被害の危惧が想定されることについて、さらに門真市洪水ハザードマップによると、「門真市域は地形的に低いため浸水被害の発生する危険性の高い地域」と書かれ、淀川や寝屋川より低い地形となっており、津波による危険性もあるのではないかと考えます。市民から「大地震により津波が古川に押し寄せ大きな被害が起こるのではないか」の不安の声を聞いています。門真市地域防災計画の「災害の想定」には、地震、風水害、その他の災害として大規模市街地火災、危険物等火災、大規模交通災害等となっていまが、「液状化の想定」・「津波想定」を門真市地域防災計画に盛り込むことについて、あわせて、現在の古川の堤防の強度や構造上の問題についてどう考えておられるのか伺います。また計画の前提となっている「災害の想定」の見直しが重要と考えますが、どのような項目について見直そうと考えておられるのか、また今後の地域防災計画の見直しスケジュールについて答弁を求めます。
さらに質問します。東日本大震災の被災地では、家族や地域力、多方面からのボランティアと行政や専門家が一体となった大きな絆の力が復興の力となっています。
門真市は普段から予想される被害を軽減するために、早期に市民の防災意識の向上を図り、減災計画と防災対策を市民協働で考えていくことが、大きな絆づくりに結びつき、それが災害時に強い力を発揮するものと考えます。
東京都では、被害想定に基づき災害復興を想定することにより災害に強いまちづくりを都民協働で進めています。復興基本条例、震災復興検討会議を推進し、都民参加の復興まちづくり模擬訓練や復興図上訓練が実施され、都民の防災意識の向上を図り、都民協働による減災計画が取り組まれています。東日本大震災の教訓を活かし門真市の防災という観点から、総括的に何を受け止め、それを地域防災計画の見直しに活かすことが求められます。
住民参加で地域防災計画の見直しを進める取り組みについて見解を伺います。また、防災・減災啓発や実際の避難誘導などの課題をどのように捉えておられるのか、
あわせて復興基本条例の制定について見解を伺うものです。
最後に、市民への有効な資料提供としての「ハザードマップ」の見直しについてです。今回の台風15号で名古屋市では、洪水で河川がはん濫する恐れがあるとして最大で100万人に避難勧告を出しました。名古屋市北区では災害時の避難場所として53箇所指定されていますが、洪水による浸水の恐れがあるとし14箇所しか使えなかったのが現状です。門真市においても避難場所である学校体育館はこのような場合、浸水の恐れがあると考えますが、避難場所の確保とともに、「ハザードマップ」に示し、様々な「想定の見直し」に伴った「ハザードマップ」の見直しが考えられますが考えを伺います。
【総務部長の答弁】
門真市地域防災計画の見直しについてのうち、まず、計画の「災害の想定」項目についてでございますが、「液状化の想定」・「津波想定」を門真市の地域防災計画に盛り込むことについて、東日本大震災の状況を考えますと、今後発表される国及び府の被害想定を踏まえながら、本市の地域防災計画の見直しに反映させてまいりたいと考えております。
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次に、古川の堤防の強度や構造上の問題についてでありますが、大阪府都市整備局河川室河川整備課に確認したところ、寝屋川市から古川下流については、一部未改修区間があるものの、堤防の崩壊による浸水被害は生じないとのことであります。
次に、「災害の想定」の見直しでございますが、今後発表される国及び府の自然災害の被害想定を見直し、今後の地域防災計画に反映できるよう、努めてまいります。
次に、今後の地域防災計画の見直しスケジュールについてでございますが、地域防災計画については、大阪府の地域防災計画にのっとり、作成をいたしておりました。しかしながら、今回の東日本大震災を受け、府の地域防災計画が見直されることとなり、計画の改訂には2年から3年かかると聞き及んでおります。
このことから、本市におきましては、大阪府の地域防災計画の改訂を待たず、本市の地域防災計画の見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に住民参加の地域防災計画の見直しについてでございますが、公民一体となった迅速な対応を確立するため、地域の自主防災組織の活性化を図る中、住民の皆様のご意見を賜りながら、住民と一体となった地域防災計画となるよう見直しを行なってまいりたいと考えております。
次に、防災・減災啓発や実際の避難誘導などの課題でございますが、自主防災組織の活性化や防災意識の向上が必要と考えており、防災士の育成など、自主防災組織による避難誘導訓練を含めた防災訓練や啓発活動に取組み、一層の防災力、減災力の向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、復興基本条例の制定についてでありますが、この条例は、その被害が甚大であり、かつ、その被災地域が広範にわたる等極めて大規模なものである災害に対し、まちの再生を図ることを目的とし、定めるものであります。本市の地域防災計画にも、災害復旧・復興対策が記載されておりますが、今後本市が甚大な被害を被った場合、必要に応じてこの条例の制定について改めて検討すべきものと考えております。
次に、ハザードマップの見直しについてでありますが、水害時の避難所につきましては、現行のハザードマップの避難所一覧表に、洪水時避難所の利用可能階数を2階、一部3階と掲載しております。しかしながら、東日本大震災の状況を受け、被害想定の見直しが行われるなか、今後より多くの市民の皆様に安心・安全に避難していただくため、ハザードマップの見直しに取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。
次に、児童・生徒の確かな学力の育成について質問します。
速見小学校の学校図書館の取り組みですが、児童文学評論家の赤木かん子氏の指導の下、教職員、保護者、学校支援地域事業コーディネーターを中心とするボランティアの方々の協力により、図書室の清掃、書架、机の配置換え、壁面のレイアウトなどが行われリニューアルがされ、本の分類や置き方、大人が「読ませたい本」より子どもが「読みたい本」を揃えるなど様々な工夫がされています。その結果、22年度延べ3600人の利用、地域ボランテア20人が登録され、読書を通して児童・生徒の確かな学力の育成に取り組まれています。しかし、肝心な専任の図書館司書が配置されていません。赤木かん子氏は各地での講演活動で図書館司書の役割を語っておられます。「調べる力は生きぬく力」と題して、子どもには自分で読みたい本を選ばせることが大切「図書館司書は本を手わたしするのではなく、棚わたししなければならない」、また読む人の目線で、本の分類、配置などを考え、訪れた人が、簡単に読みたい本を探し出せるような棚づくりをするのが司書の役割だと話され、専門家としての「司書の目」が重要であることを指摘されています。市民のみなさんからも司書の設置が必要性との多くの要望と、赤木かん子氏のお話をお聴きする機会が欲しいとの声を聞いています。そこで質問ですが、地域・保護者・学校が学校図書館の充実を共通の認識とするために門真市の見解と、学校図書関連有識者の講演会の開催を提案するものですが答弁を求めます。
市長は、23年度市政方針で「将来を担う子どもが育つ教育力のあるまち」を掲げ、「子どもの教育環境の充実」について、「児童・生徒の確かな学力の育成」が本市の重点項目の一つであるとしています。創造性や社会性を育む学校教育の推進として、近年、児童・生徒の読書離れが進んでいると述べ、本市においても読解力を養うため、読書機会の充実や習慣化を図ることが必要であるとしっかり市政方針で述べられており、読書が学力に繋がることを深く認識されているものと考えます。
しかし、市長は読書の必要性を認識し、「児童・生徒の確かな学力の育成」を重点項目にしておきながら、現状は子どもたちが学校図書館の本が読める機会は限られおり、市内の多くの学校では、放課後の決められた日と昼休みなどの少ない時間となっています。その上本の貸出についても十分でない学校がある状況を聞き及んでいます。市長の市政方針にあるように、読書機会の充実や習慣化を図るため児童・生徒がいつでも自由に本が読める学校図書館の充実が必要と考えますが、小中学校の児童・生徒が学校図書館を利用出来る回数はどのぐらいなか、それで十分と考えているのか答弁を求めます。
門真市の重点項目である「児童・生徒の確かな学力の育成」に必要な、読解力を養うためにも、資格を持った専任の司書を設置することが不可欠と考えます。専任の司書が定期的に「図書館だより」を発行するなどの工夫をし、あらゆる角度からのアプローチをすることにより、図書館を利用する子どもたちが本の面白さを知ることにもなります。子どもの読書力の向上にむけ、専任の司書を配置し、必要な時に本が読める機会と環境をつくることが行政の役割と考えます。先程も指摘しましたが、門真市での先進的な取り組みをしている速見小でもまだ、専任の司書は配置されてはいません。学校と地域の大変な努力のもとで、やりくりをしながら、頑張っているのが実情となっています。市としてこのような実情をどう捉えているのか、さらに専任の司書の配置について見解を伺います。また当面、司書資格のある有償ボランティアの活用も視野にいれた専任司書の配置も考えられます。その方策についてどのように考えているのか答弁を求めます。あわせて、「有効性を認識している」と言いながら、司書の配置を何故考えていないのか、答弁を求めます。
【学校教育部長の答弁】
まず、学校図書館の充実についてであります。
地域・保護者・学校が連携して学校図書館を充実させることは大切であると考えております。
また、赤木かん子氏には、これまでもリニューアルの際にご協力いただいた地域の方々や保護者の方々にそのノウハウを伝えていただいております。今後、他の学校でリニューアルする際につきましても、学校支援地域本部等をとおして、広く様々な方に参加の呼び掛けについて検討してまいりたいと考えております。
児童・生徒が学校図書館を利用できる回数についてですが、小学校におきましては、週1回の図書の時間のほか20分の休憩時間や昼休みを利用して、曜日を決めて図書館の開館や図書の貸出しを行っております。
中学校においても、週に数回程度、放課後の時間を使って図書館の開館や図書の貸出しを行っており、各校の実状に合わせて努力していただいております。
また、リニューアルした速見小学校等におきましては、地域・保護者・学校共に努力していただいております。
専任の学校司書につきましては、その有効性は認識しており、引き続き専任司書教諭を国・府に要望してまいります。
また、地域のボランティア等の一層の活用を図りながら、学校図書館の充実、活性化を図ってまいりたいと考えており、市単費での配置につきましては、様々な課題を勘案する中で、現状では難しいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
学校図書館に専任の司書を設置することについて、再度質問します。
これまでの我党の粘り強い質問に対して「学校司書の有効性は認識している」と繰り返し答弁しながら、司書の配置をしない状態が依然と続けられています。私の質問の「『有効性を認識している』と言いながら、司書の配置を何故考えていないのか」に対し、答弁では「市単費での配置につきましては、様々な課題を勘案するなかで、現状では難しいと考えています」とのことですが、このような答弁では司書設置の優先順位としては、低いものであるとの考えを示されたものであると理解せざるを得ません。
しかし、市長は23年度施政方針で、市政の3つの重点項目の一つに「教育の向上」を上げ、「教育の向上」を優先順位の高い項目としています。また「教育の向上」には、読書習慣が重要であることを強調しています。
専門家の司書を設置し読書習慣の向上をめざすべきと考えます。現状では市長の重点項目である「教育の向上」が十分に図れるのか、甚だ疑問を感じるものです。今後、「教育の向上」に向け、市として一歩進んだ施策が必要と考えます。
先ほどの教育委員会の答弁では、市長が重点項目に「教育の向上」を述べ、「司書の有効性も認識」していることとの乖離があるものと考えます。この点について、市長の「市政の重点項目」に関わる問題でもありますので、園部市長に答弁を求めます。
【再質問に対する答弁】
教育委員会といたしましては、地域の方々の力を借りながら、学校図書館運営を行うことにより、児童・生徒の図書に関する興味関心を高めていくことも教育の向上につながると考えており、市単費での配置につきましては、様々な課題を勘案する中で、現時点において、難しいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。