[2011.6.24] -[議会活動]
幸福町・中町のまちづくりについては、「門真市幸福町・中町まちづくり基本計画」が2009年(平成21年)3月に策定され、具体化に向けた取り組みが始まって丸2年が経過します。
第1中学校と第6中学校との新統合中学校建設が来年4月開校ですすめられ、幸福町・中町のまちづくりが本格的にすすめられようとしています。
こうしたなかで、幸福町・中町のまちづくりで重要なことは、行政が主体性を持って、市民や地域の住民の方々に説明責任を果たし、計画段階から住民合意ですすめることだと考えます。
こうした観点で、以下の点について質問します。
まず、幸福町・中町のまちづくりの現状についてです。
門真市幸福町・中町まちづくり基本計画策定後2年が経過します。昨年、一昨年度の事業の内容、今年度実施予定の事業内容、事業はどのような庁内組織で議論され、どのような決定過程を経て実施されているのかまず答弁を求めます。
次に、幸福町・垣内町・中町まちづくり協議会の状況についてです。まちづくり協議会は2008年4月に地元権利者、自治会、商店会、守口門真商工会議所、古川橋南北地域活性化協議会などで構成され、地元の意見を広く取り入れ、計画に反映することを目的に設立されました。まちづくり基本計画の策定にあたっても、策定会議委員として関わり、事業化に当っても、市と連携し、地元説明会やアンケートを実施していることから、今後のまちづくりに大きな役割を果たす組織だと考えます。
そこで、このまちづくり協議会の①構成②事業化に向けた議論等の内容③国・府・市の補助金等を活用した事業の内容④市の会議等への出席や情報提供、助言等の実施状況⑤まちづくり協議会から市への提言や要望の内容について答弁を求めます。
次に、地域への説明等についてです。
まちづくりには地域の理解が欠かせませんが、そのためには行政が適宜地域に対し説明責任を果たすことが求められます。この2年間で実施した地域に対しての説明や意見聴取等の内容について答弁を求めます。
次に、今後の事業化に向けた検討状況についてです。
基本計画の事業スケジュールでは、今年度までを短期、2012年度(平成24年度)から2017年度(平成29年度)までを中期と位置づけています。
中期では、中町、幸福地区それぞれ区画整理組合や住宅市街地総合整備事業組合を設立し、民間活力活用地の活用や文化会館の建替え、庁舎建替えの検討、公園整備を行うとしています。
中町地区では、全体の公共施設を含めた配置計画等はまだ策定されていないと認識していますが、中町公園は、すでに都市計画の変更にむけての手続きが進行しています。
公共施設の配置を初め具体的な事業化に向けた検討はどのようにすすめられようとしているのか。どのような庁内検討組織で議論されているのか、事業手法も含めどのような議論、検討がなされているのか具体的な答弁を求めます。
また、事業化にあたっては、あくまでも行政が主体性を持ってすすめることが重要です。開発会社等の青写真に沿って基盤整備を行い、民間活力活用地等の事業化の赤字のツケを行政が払うようなことは絶対にあってはならないことです。この点についてどのように考えているのか答弁を求めます。
次に、市保有地の活用の考え方についてです。
幸福町・中町のまちづくりでは、第一中学校、第六中学校の統合後の跡地をはじめ市保有地の活用が重要な位置を占めますが、まちづくり基本計画では、第一中学校と第六中学校の跡地の多くを「民間活力活用地」としています。
しかし、東日本大震災を教訓に、災害に強いまちづくりを進めることが喫緊の課題となり、市保有地をその観点から活用することが求められ、現基本計画の「民間活力活用地」の位置づけを抜本的に見直す必要があると考えます。
見直しに当たっては、地域防災計画の抜本見直しを基礎にすすめることとなると考えますが、現時点においての考え方について答弁を求めます。
次に、住民合意のまちづくりについてです。
まちづくりについては、くどいようですが、市民や地域の住民の方々に説明責任を果たし、計画段階から住民合意で進めることが重要だと考えます。
対象地域で不正確な情報や様々なうわさが先行し、まちづくりに支障をきたすことが危惧されます。計画段階から可能な限り情報を公開し、適宜説明会などを開催し、説明を行うことがまず求められます。
この点で、今後事業化等にあたってどのようにすすめようとしているのか、どのように住民合意のまちづくりをすすめよとしているのか答弁を求めます。
自治基本条例は、2000年に地方分権一括法が施行されて以降、住民参加意識の高まりの中で制定自治体が広がっています。NPO法人公共政策研究所の調べでは、本年1月時点で198自治体で制定され、検討中は100自治体、あわせると298自治体で1749自治体の17%を占めています。また、大阪府下では、9自治体で制定され、検討中は本市も含め5自治体、あわせると14自治体で、43自治体の33%を占めています。
自治基本条例の制定が、地方自治の本旨である住民自治を豊かに発展させるものであるとすれば、積極的な意義をもつものですが、「公民協働」の名のもとに公的責任を後退させ、市が果たすべき重要な責務を市民に押しつけるものであってはならないと考えます。
こうした観点で以下の点について質問します。
まず、条例制定に向けた進捗状況(市民検討委員会、庁内検討)についてです。
本市の自治基本条例制定に向けた取り組みは、昨年度から始まり、市民検討委員会もこれまで10回の検討部会、5回の策定部会が開かれています。
この間、それぞれの部会を傍聴していますが、思考錯誤しながらも熱心な議論が重ねられており、議会や議員に対する思いも直接伝わる中で、議会改革の必要性を実感する場ともなっています。
また、庁内で組織されている条例制定検討委員会、条例検討ワーキンググループにおいても検討が重ねられていることと思いますが、それぞれの進捗状況、議論の特徴や内容、策定部会と条例制定検討委員会、検討部会と条例検討ワーキンググループとの情報交換の状況も合わせて答弁を求めます。
次に、市民検討委員会と市との関係についてです。
この点については、検討委員会の設置要綱や当初示された制定体制のイメージ図で見ることができますが、今後の条例制定に向けた取り組みを進める上でも改めて確認する必要があると考えます。市民検討委員会と市との関係について答弁を求めます。
最後に、条例制定に向けての考え方についてです。
条例制定に向けては、現在市民検討委員会から検討されている条例案を最終的に原案として報告を受け、条例制定検討委員会などで条例案を検討・作成するという流れとなっていますが、市民説明会やパブリックコメントなども行うスケジュール案となっています。
市民検討委員会での議論も踏まえ、このスケジュール案についても変更が加えられることもあると考えますが、条例制定に向けた取り組みが市民にあまり知られていない現状のなかで、本市として条例制定に向けどのような取り組みを進めていこうとしているのか、市民検討委員会の原案はどのような検討を経て条例案となるのか、12月議会での条例案提出のスケジュールとなっており、検討委員会においてもそのことを念頭に作業が進められていますが、条例案提出の時期についても合わせて答弁を求めます。
まず、進捗状況についてでありますが、第1回市民検討委員会から、検討部会及び策定部会の開催は、順調に進展しておるところでございます。
検討の内容につきましては、当初は本市の課題や問題の抽出を行い条例原案に向けての議論が進み、現段階では、条例前文から各条文についての具体案の議論が中心となってきており、原案作成に向けての重要な局面を迎えております。
また、庁内検討につきましては、「条例検討ワーキンググループ」が、テーマごとに勉強会を行い、検討部会に参加し、市民検討委員とともに議論を進め、積極的に情報交換を図っているところでございます。
さらに、市民検討委員会より条例原案が提出された後は、庁内の「条例制定検討委員会」が市民検討委員会と情報交換を図り、検討の結果を条例案として議会に提出することとなってございます。
次に、市民検討委員会と市との関係等についてでありますが、市民検討委員会につきましては、市民の意見を反映するため、公募市民及び学識経験者を委員として構成され、市に対して条例の原案を最終報告することとなっており、その事務局を担当課であります公民協働課が担っております。
また、市民検討委員会では、策定部会と検討部会が設置されており、先程申し上げましたとおり検討部会におきまして、ワーキンググループが、情報交換や行政の立場より助言等を行うことを目的に参加しているところでございます。
次に、条例策定に向けての考え方についてでありますが、十分な市民検討委員会での検討の結果である原案を踏まえまして、広く市民に周知出来ますよう、議員ご指摘のとおり、市民説明会やパブリックコメントの実施等を予定しておるところでございます。
これらの実施時期を含めまして、当初想定の全体的なスケジュールにこだわることなく、進捗状況等によりまして、柔軟に対応してまいりたいと考えておるところでありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
まず、幸福町・中町のまちづくりの現状についてであります。
門真市幸福町・中町まちづくり基本計画策定後の住宅市街地総合整備事業の内容につきましては、平成21年度は幸福町・垣内町で幸福東・垣内西地区共同整備事業組合が設立され、老朽建築物等の除却や土地・建物所有者を対象にまちづくり意向調査を実施し、中町地区では旧中央小学校の建物補償を実施いたしました。
平成22年度においては、幸福町・垣内町地区で老朽建築物等の除却、中町地区で市立体育館の建物補償や事業推進調査を実施いたしました。
今年度の事業内容につきましては、中町地区で公共施設用地の先行買収及びそれに伴う建物補償を実施し、幸福町・垣内町地区で第一中学校の建物調査を予定しており、これらの事業の意思決定については、第5次総合計画に基づく事業計画を作成し、庁内関係部局との調整を経て、意思決定されて実施されるものであります。
次に、まちづくり協議会の状況についてであります。
協議会の構成につきましては、門真市、自治会長、守口門真商工会議所、商店会会長、古川橋南北地域活性化協議会及び地元権利者の代表からなる組織であり、公民協働により幸福町・中町地区を再整備していくことを前提に、土地利用計画案や施設計画等の基本構想及び事業手法の調査・企画・提案を行うことを目的に平成20年度に設立され、これまでに協議会は4回開催されており、本市も出席をしております。
まちづくり協議会において、本市から土地利用計画案や公共施設配置計画案について説明し、委員から幸福町と中町を結ぶ連絡道路の整備や第一中学校跡地の利用について意見が出されたことを踏まえ、平成20年度末にまちづくり基本計画を策定いたしました。
まちづくり基本計画策定後は、市と連携して、権利者個々に事業の説明や意向調査を行い、また、国の制度を活用して、商店街の活性化を図るための「地方の元気再生事業」や低炭素なまちづくりを実現するための「低炭素地域づくり面的対策推進事業」及び都市計画の提案や公共施設計画の企画・調査のための「まちづくり計画策定担い手支援事業」を実施しております。
それらの事業に関する会議については、市の担当部局も参加ており、市からは制度上の助言や財源的な問題点等を提示し、実現可能なまちづくりを進めていくための議論を重ねております。
次に、地域への説明等についてであります。
平成21年度に、幸福町・垣内町地区及び中町地区のそれぞれの地区において、基本計画の内容並びに地区の抱える課題や当面のスケジュール等について地元説明会を開催し、参加者からは、自己資産に関する不安や中学校跡地の利用等の今後のまちづくりに対する意見や質問がなされました。
次に、事業化に向けた検討状況についてであります。
公益施設の整備については、市有地の有効な土地活用や整備手法を、庁内関係部局で、今後数年間でのまちづくりとその実現のための財源などについて、検討を進めており、全体の構想が固まり次第、ご報告をいたしたく考えております。
また、事業化にあたっては、土地区画整理事業の施行者は組合であり、住宅市街地総合整備事業の施行者は本市となり、いずれにおいても公民協働による事業の推進に努めているところであります。
なお、一般的に事業区域内で公共公益施設の配置計画上支障になれば移転補償を行っており、事業に協力をお願いしているところであります。
事業化においては、本市の財政状況を慎重に見極めながら構想が固まり次第ご報告いたしたく考えております。
次に、市保有地の活用の考え方についてであります。
当地区は、「災害に強いすまいとまちづくり」を前提に事業を実施しており、防災機能を有する公園を中心として、公益施設や区画道路と連携した防災拠点を形成することにより災害時には、周辺密集市街地の避難拠点だけでなく、市の広域防災拠点としての役割を持たせるようまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、住民合意のまちづくりについてであります。
これまでもまちづくり協議会と連携しながら、基本計画の内容、並びに地区の抱える課題や当面のスケジュール等について、関係権利者や地域住民等へ地元説明会や個別説明を行ってまいりました。
今後につきましても、事業が具体化した折には、地域住民の方々の理解を得るために十分説明をしてまいりたいと考えております。
1. まちづくり協議会が国の制度を活用して「低炭素地域づくり面的対策推進事業」「まちづくり計画策定担い手支援事業」を実施したとの答弁だが、この制度を活用してどこを対象にどのような事業を実施したのか、補助金額は。
2. まちづくり協議会に対する補助事業「まちづくり計画策定担い手支援事業」は今年度幸福町11番52号地内を対象に国土交通省が採択しているがどのよう内容か。対象区域が重点密集市街地(0.2ha)密集市街地(11.8ha)防災再開発促進地区となっているがどの区域なのか、いつ指定されたのか。
3. 事業化については、土地区画整理事業と住宅市街地総合整備事業を挙げているが、まちづくり基本計画には、まちなか居住再生ファンドが例示されている。どのようなものか、本市のまちづくり手法として導入しようとしているのか否か。
4. 公益施設の整備については、「全体構想が固まり次第報告」としているが、7月末には公園の位置等を変更することが議題となる都市計画審議会が予定されている。当然それまでに明らかになると考えるがどうか。
まず、低炭素地域づくり面的対策推進事業についてであります。
この事業でありますが、地球温暖化対策推進法の趣旨にのっとり、都市構造に影響を与え、環境負荷の小さい都市・地域づくりを実現するための事業及び計画策定を行う事業主体に対して、環境省が100%補助を行うという、原則2カ年の事業であります。
なお、門真市域においては、幸福町・垣内町・中町のまちづくり参画する「門真市幸福町・垣内町・中町低炭素タウン推進協議会」が実施する、当該地区のCO2排出量のアンケート調査等を行うことを初年度として、また、2年目につきましては、1年目に実施したCO2排出量の現状把握と、この取組みに参加している各企業のノウハウを活用したプラン作成に対して、平成21年度からの2カ年事業として採択されたものであります。
次に、まちづくり計画策定担い手支援事業についてであります。
まちづくり協議会が実施しております「まちづくり計画策定担い手支援事業」の対象地区としましては、幸福町・中町まちづくり基本計画の区域の内、幸福町及び垣内町の一部で、
約12ヘクタールとなっております。
この担い手支援事業は、密集市街地の整備改善につながる都市計画の提案の促進を図ることを目的として、地域におけるまちづくりの担い手に対して必要な経費を国土交通省が補助する制度となっており、当地区では、主にまちづくり事業の実施に伴い、街並み誘導型地区計画の導入検討を行っております。
なお、補助金については、まちづくり協議会に直接補助されておりますので、市では把握しておりません。
また、対象区域12ヘクタールの内、垣内町の一部の0.2ヘクタールが重点密集市街地となっており、密集市街地につきましては、幸福町の
11.8ヘクタールとなっております。
密集市街地につきましては、門真市北部地区の約461ヘクタールを昭和59年に国土交通大臣の承認を得ている区域であり、防災再開発促進地区も同じ区域で、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」に基づき、防災上課題のある老朽木造建築物等の建替えを促進するとともに、公共施設等を整備することにより、住環境を向上させ防災街区としての整備を図ることを目的として、平成10年に都市計画決定しております。
また、平成15年に「地震時等において大規模な火災の可能性があり重点的に改善すべき密集市街地」を重点密集市街地として、門真市北部地区内の約134ヘクタールを国が指定しております。
次に、まちなか居住再生ファンドについてであります。
まちなか居住再生ファンドは、平成17年度の国の予算で創設された都市の中心部への居住を推進するための制度であり、中心市街地活性化法に基づき市町村が基本計画を作成し、特定目的会社に対し出資を行うことにより支援されるもので、地域ファンド方式と直接支援方式が有り、どちらも地方公共団体等の資金を信託し、信託会社が対象事業に対し出資を行うものであります。
なお、まちづくり基本計画策定時に、まちなか居住再生ファンドを活用した場合の事業手法の設定がされていますが、現在のところ、導入については考えておりません。
最後に、公益施設の整備についてであります。
公益施設の整備につきましては、中町地区において、現在工事中の統合中学校用地に中町公園の一部が取り込まれることから、先行的に中町公園の位置の変更の都市計画審議会を平成23年7月29日に予定しており、審議会を経て8月に都市計画変更を行い、現公園の一部を廃止する予定であります。
全体構想につきましては、都市計画審議会には間に合いませんので、よろしくご理解たまわりますようお願い申し上げます。