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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2011年3月議会 議案に対する福田英彦議員の討論

    [2011.3.24] -[議会活動]

    議案第10号・平成23年度門真市一般会計予算、議案第11号・平成23年度門真市国民健康保険事業特別会計予算、議案第15号・平成23年度後期高齢者医療事業特別会計予算について反対の立場から討論を行います。

     

    まず、一般会計予算ですが、市長が施政方針で述べた公民協働を進める上で大前提とした「市民の信頼を得る」というものになっているかどうかが問われていました。

    しかし、代表質問でも指摘しましたが、公民協働の基礎となる「市民力」「地域力」を高めることが市役所の仕事だとし、市役所とはいったい何をするところなのかと問わざるを得ないものでした。そして、エコパークでの取り組みなどを挙げ「公民協働のかけ声とは裏腹に、市民・NPO団体などの自主的な粘り強い蓄積が、この間次々と切り捨てられた」ことを指摘し、これまでの姿勢を改めるつもりがあるのかどうかをただしましたが、結局反省の弁はありませんでした。

     また、委員長報告では全くふれられませんでしたが、保育所待機児童の解消は、子どもの貧困をなくし、子育て世代を確実に応援する重要な課題ですが、昨年10月時点で一昨年から倍増の120人の待機児童があるにもかかわらず、実態・実情に即した待機児童のとらえ方をせず、「4月には待機児童はない」と認可園の新たな建設を拒否し、若い保護者の期待に応えようとしない姿勢は問題であると厳しく指摘するものです。

    新年度も「事業仕分け」を実施することについては、昨年実施された事業仕分けが市の実情を十分踏まえない「仕分け人」のみが質疑を行い、十分な議論がされることなく示された判定結果が反映され廃止となった事業が少なくなかったことから、問題と言わざるをえません。

    市の事業についての検討は、事業仕分けではなく、常に市民と行政が同じテーブルについて様々な市政の問題について話し合うタウンミーティングなどを通じて行うべきだと考えます。

    「人事評価制度」については、「少数精鋭の組織構築を進める中、職員の能力向上を図る」と、今年度課長補佐まで拡大している評価対象をさらに拡大しようというものですが、公正な評価がどのように担保されるのか疑問を持たざるを得ませんし、その評価によって賃金に格差をつけようというもので、認めることはできません。

    税の滞納者への差し押さえの問題では、国税徴収法で差押禁止財産とされている、僅か12万円の給料から88,100円もの差し押さえがおこなわれた事例を質疑の中で示し問題点をただしましたが、このような憲法25条の最低生活の保障を踏みにじる行為は絶対に容認できません。

    教育関係でも問題点が浮き彫りとなりました。

    AET派遣事業については、外国人英語指導助手を請負の形をとって派遣するもので、英語担任教諭と共同して授業を行えば「偽装請負」となり、チームティーチングが出来ず、結果として十分な効果が発揮できないものとなっているにもかかわらず、一般財源で年間2,800万円も支出することは問題と言わざるをえません。

    中学生英語スピーチコンテストについては、優秀者を次年度に海外派遣研修を行い、その経費を全額税金で賄うものとなっており、著しく公平性を欠くとの観点から極めて問題であると姿勢をただしましたが、不十分な答弁に終始しました。あわせて、このような多額の「懸賞」がゆがんだ競争をあおり、結果として目的としている英語によるコミュニケーション能力の向上や国際社会で活躍できる人材育成はできないことを厳しく指摘するものです。

    さらに、毎朝の小中学校の校門・校舎の開錠を地域学校育成会に委ねることについては、公民協働を口実に委託費用の軽減を図るもので、子どもの安全確保に関する施策を大きく後退させ、教員に新たな負担を強いるもので、安全警備員の廃止、学校校務員の委託とあわせ、絶対に認めることはできません。

    病児保育の実施など前向きな施策ありますが、「公民協働」といいながら、市民との信頼関係を損なう以上の問題点も持つ一般会計予算は認めることはできません。

     

    次に、国民健康保険事業特別会計予算については、大阪府によって国保の広域化がすすめられ、国の指針に沿って、すでに大阪府広域化支援方針が策定されています。しかし、その大本となる厚生労働省の通知では、国保の広域化に向けて、現在、市町村によって異なる保険料を均一化するために、「保険料の引き上げ、収納率の向上、医療費適正化」などをおこない、一般財源の繰り入れを「できる限り早期に解消する」ことを求めており、保険料大幅値上げの危惧はぬぐえません。

    合わせて、新年度の国保料の見通しについては、40歳以上2人世帯、年間所得200万円の場合で、年間35万円となり、所得の約17.5%を占める高い保険料となることが明らかとなっています。

    こうした高い保険料による滞納者に対し、資格証明書の発行や学資保険も差し押さえる収納対策についても厳しく問題点を指摘するものです。

    一部負担金の減免制度の実施など、前向きな施策も含まれてはいますが、全体として認めることはできません。

     

    最後に後期高齢者医療事業特別会計予算については、発足当初から、高齢者を差別する医療制度であることを指摘してきましたが、2年ごとに自動的に保険料の値上げが行われ、昨年度からは、75歳以上の高齢者にも資格証を発行することができるなど、さらに制度の改悪が行われており、すみやかに廃止すべきであり、賛成できないものであります。

    討論の最後に、これまで園部市長がすすめてきた「官から民」「民間で出来ることは民間」「全国一スリムな組織」について見直すことを強く求めるものです。

    それは、今回の東日本大震災で改めて自治体の役割を痛感したからです。

    「住民の福祉を守る」という自治体の原点と「災害から命を守る」という自治体の責務とは一体のものです。

    災害から命を守る公共施設等の耐震化や安全・安心のまちづくりのハード面とともに、医療・介護・福祉・子育て支援の強い基盤とネットワークがある自治体こそ災害時に住民と協働して力を発揮できるのではないでしょうか。

    この点でも、職員数825人ありき、「公民協働」を口実に民間委託を推進し、少人数行政をすすめることは、市民との信頼関係を損ない、「住みたい」「住み続けたい」まちづくりに逆行することであることを指摘し討論とします。