[2011.2.4] -[門真民報]
破たん「りんくうタウン」見て歩き記
関空対岸の泉佐野市など2市1町にまたがるりんくうタウン。橋下府政は「財政構造改革プラン(案)」で、同事業の最終赤字は数百億円などと説明していました。しかし、11月の決算特別委員会で、これまで府が投入してきた一般財源などを含め、府民の負担は2千八百億円以上に上ることが、明らかになりました。「破たんした大企業呼び込み型の開発で、残ったのは大企業でなく、莫大な借金だった。」日本共産党の黒田昌子議員の質問で明らかになったものです。
関空のインパクトを活用するとして関空対岸部を埋め立て、造成して1996年にオープン。公有水面埋め立て免許を取得した87年当時の事業費は、1700億円でしたが、2本のゲートタワービル構想など開発があおられ、89年には5500億円へと急膨張しました。しかし、バブル崩壊で進出企業の撤退が相次ぎ、95年の開発計画見直しで96年までの開発期間を2012年までに延長、事業費を7400億円に拡大。03年度に定期借地方式を導入、09年の収支計画見直しで現在の事業費は5672億円となっています。
吉松正憲議員が調査に訪れたのは1月18日、まずりんくうゲートタワーに向かいましたが、展望スペースはなく、上からの展望は見れませんでした。ゲートタワービルの大部分を占める全日空ホテルも人はまばらです。
鳴り物入りの開発であったはずなのに、府の窓口はわからず、わずかにパスポートセンターがある程度でした。
すぐ横にある都市型ホテル、ロビーの電気も一部消され、賑わいが感じられない様子です。隣のビルも1階のほとんどが空き室という状態でした。
何よりもゲートタワービルの前の一等地が、ぺんぺん草が生えた空き地のまま放置されていました。
りんくうタウンの造成費は約5700億円、しかし、土地の売却収入見込みは2013億円にしか過ぎません。府の見通しでは、一連の赤字穴埋めや進出企業への優遇策を含めると、府民の負担は総額で2837億円にも上ります。
地下鉄門真南駅に可動式ホーム柵(乗客がホームから転落することを防止する柵)を今年8月頃をメドに設置することについて、都市建設部より議会各会派に対して報告がありました。
報告によると、設置費用の一部2300万円の半分、1150万円を門真市が負担し、新年度予算案に計上することで調整しているとのことでした。
昨年9月議会の総務水道常任委員会で亀井あつし議員は、地下鉄利用者からの「門真南駅は(可動式ホーム柵)設置計画に無いと聞いた、何とかしてほしい」と言う声を紹介し設置する事を求めていました。
党市会議員団は、京阪電車の各駅にも対しても、「可動式ホーム柵」が設置されるように頑張ります。
前号でとりあげた、京阪電車沿い・常称寺町交差点への「信号設置を」との要望を受けた豊北ゆう子教育・福祉対策委員長は、吉松正憲議員とともに、現地調査を行った上で、2月1日、門真市道路課に対して、信号設置の要望を行いました。
これに対して、道路課からは「当該交差点への信号設置の必要性は認識しており、これまでも門真警察署を通じて、大阪府公安委員会に要望している。引き続き、要望を行っていきたい」との説明がありました。
両氏は、「交通バリアフリーとの関係でも特定経路にもなっており、早急に設置すべき」と強く要望を行いました。
「2月・3月議会と統一地方選挙で国保広域化を大争点にするための意思統一集会」が27日、大阪市内で開かれ、福田英彦議員が参加しました。
この集会は、「国保『広域化』・値上げに反対し大阪の国保を守る実行委員会」が主催し開催したものです。
国保の広域化については、既に大阪府が「国民健康保険広域化等支援方針」を策定していますが、①現年度収納率目標②メリット設定③滞納繰越分収納率目標設定④現年度収納率が平成21年度より0.5%以上下がった場合の調整交付金減額という4つものハードルを設けているのは、47都道府県のなかで大阪府のみで最悪のものであることなど、大阪社保協の寺内さんから報告がありました。
また、吹田市では広域化に慎重な対応を求める意見書が12月議会で採択され、各地域での2・3月議会に向けた請願、当局との交渉・懇談などの取り組みについての提起がありました。
門真市は、保険者(門真市)のメリットのために「広域化支援方針」策定に深くかかわってきました。
しかし、昨年の12月議会の福田英彦議員の一般質問で、「被保険者(国保加入者)のメリットは」と聞かれると「ないものと考えられる」と答弁せざるを得ない状況です。
国保の広域化によって、市独自に実施している減免制度が後退し、いっそう「払いたくても払えない」国保料となります。
党議員団はこの意思統一集会を受け、3月議会で国保の広域化問題での市の対応を厳しくただしていきます。