[2010.12.22] -[議会活動]
2010年度補正予算の「円高・デフレ対応の為の緊急総合経済対策」が11月26日、国会を通過しました。
この補正予算の内、地方自治体関係分として、使途が限定されているものも少なくありませんが、合計で2兆2千500億円を超える規模の財源といわれています。
私は、市民のみなさんの切実な暮らしや福祉・医療、教育をはじめとする願いを実現する為に、積極的に今回の国の補正予算を生かしていくことを求めるものであります。門真市の法人市民税の減少、府下の他市に比べても非課税世帯の多い現状を考えると、限られた財源の中で運営しなければならない厳しい状況は認識するところです。
それだけに、国の動向を機敏につかみながら、市民の要求に沿った事業展開をすることがこれまで以上に求められています。
そこでまずお尋ねしたいのは、大阪府は「円高デフレ対応のための緊急総合経済対策」について政府に要望書を提出したと聞いています。大阪府は、国にどのような働きかけをしているのかお聞かせください。同時に大阪府から門真市は、補正予算の詳細について事業なども含めて説明を受けているのか、具体的に金額としてどれくらい配分されるのか。今後の見通しも含め答弁を願います。
次に、地域活性化交付金「きめ細かな交付金」、地域活性化交付金「住民生活に光をそそぐ交付金」、及び「地方交付税の増額分」、「雇用・人材 貧困・困窮支援対策事業費」や「子育て安心子ども基金」など18の事業費を、門真市としては、今後どのように活用しようとしているのか地域経済効果額はどの程度かお尋ねします。
先般、各議員に配布された同補正予算の説明文書に、地域活性化交付金「きめ細かな交付金」、地域活性化交付金「住民生活に光をそそぐ交付金」は、これらの交付金はどのような事業に使えるのか、それぞれにどれだけ交付されるのか、どんな事業化を計画しているのか、どれだけ活用できる額が残っているのかお聞かせください。
また、地域活性化交付金の「きめ細かな交付金」の交付対象の説明記述で「交付限度額;外形基準に基づいて、総額のうち、都道府県分800億円、市町村分1500億円につき第一次交付限度額を設定。残りの200億円については都道府県から提出された実施計画を基に、地域の実情に応じて都道府県に配分」と、また、地域活性化交付金「住民生活に光をそそぐ交付金」では、「総額の内、500億円につき第一次交付限度額を設定。残りの500億円は本対策の趣旨に沿った、効果が高いと認められる事業を実施しようとするものに配分」とあるが、これはどのような意味かお聞かせください。
「地方交付税の増額分」は、どれだけあり、どのように活用する考えか答弁を求めます。
先程も述べましたが、今回、地方交付税だけでなく、「雇用・人材 貧困・困窮者生活支援対策」や「子育て安心子ども基金関係」など18事業の補正予算もあります。これらは、大阪府を通じて事業メニューに基づき提案がされ名乗りを上げた自治体に配分されるのでしょうか、積極的に事業を企画し財源確保を求めるものですが見解を求めます。
3点目に、具体的なことですが、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金を活用し実施することについて答弁を求めます。
「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金」について、国は、どのように説明をしているのかお尋ねします。大阪府は、「今般の基金に係わる財源負担スキームは、市町村に対して財源負担が生じるものであり、財源状況によっては、予防接種事業が実施できない事が懸念される。予防接種事業に格差が生じないよう、国の責任において市町村に必要な財源措置を講じること」など国の動きについて懸念しているようですが、枚方市においては、今12月定例市議会に「子宮頸がん等ワクチン接種」が上程されています。ぜひ実現していただけるよう求めます。
【総合政策部長の答弁】
亀井議員ご質問の国の補正予算を活用して、市民の暮らし、福祉、教育を充実させることについてののうち、大阪府の対応及び「地域活性化交付金」等の活用などにつきまして、私よりご答弁申しあげます。
まず、大阪府は円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策について、政府にどのような働きかけをしているのか、門真市にはどのような説明があったのかについてであります。
大阪府の国への働きかけにつきましては、この経済対策を積極的に活用し効果を生み出し、依然として非常に厳しい大阪の経済・雇用情勢に対応する考えから、交付金、基金の使途や用件に関し、地域や現場の実情に応じた自由度の確保、活用期限経過後の対応等を求め、「地域活性化交付金に関すること」、「経済対策において設置された基金に関すること」、及び「雇用対策に関すること」の3点からなる要望を行っております。
また、大阪府からの補正予算に係る詳細な説明につきましては、「地域活性化交付金」など一部の事業を除き、具体の内容や本市への配分見込み金額の通知等はなく、現在、大阪府に対し、全庁的に遺漏なきよう確認に努めているところであり、今後も把握に努めてまいる考えであります。なお、見通しのついた事業につきましては、3月議会での補正対応を検討いたしています。
次に、きめ細かな交付金、住民生活に光をそそぐ交付金、地方交付税の増額分及び「雇用・人材 貧困・困窮支援対策事業費」や子育て安心子ども基金など18の事業費を、門真市としては今後どのように活用しようとしているのかについてであります。
「地域活性化交付金」につきましては、「きめ細かな交付金」と「住民生活に光をそそぐ交付金」の2つの種類があり、「きめ細かな交付金」につきましては、本市への交付見込み金額4,257万6千円で、地域の活性化ニーズに応じた、幅広い事業を想定しています。
「住民生活に光をそそぐ交付金」につきましては、交付見込み額1,547万4千円で、地方消費者行政、弱者対策・自立支援、知の地域づくり事業と使途が限定されています。今議会で議決いただきました平成22年度一般会計補正予算(第4号)事業を含め、地域経済の活性化の視点から、いずれの交付金の活用につきましても、市内業者で執行が可能な事業を予定いたしております。
「地域活性化交付金」における、今議会補正事業活用後の残額でありますが、「きめ細かな交付金」は、2,305万8千円となる見込みで、「住民生活に光をそそぐ交付金」につきましては、1,547万4千円、全額、活用が可能であり、合わせて3853万2千円となります。
なお、今回の「地域活性化交付金」による経済効果として約1億2千万円を見込んでおります。
また、国の地域活性化交付金の未配分金額についての追加配分方法につきましては、都道府県より提出した実施計画書に基づき、国が地域の実情に応じ、その効果を判断し、都道府県に対して行われるものとなっております。
また、本市への地方交付税の増額分につきましては、額にしまして、約9千万円でありますが、活用方法につきましては、制度上、特定の事業に充当することはできませんが、住民サービスの向上への活用を図ってまいります。
次に「雇用・人材 貧困・困窮支援対策事業費」や子育て安心子ども基金などその他の交付金の活用方法につきましては、全体の詳細が明らかではありませんが、議員ご指摘のとおり、本市にあてはまる事業項目に対しまして、後年度の影響を考慮しながら、積極的な財源確保に努め、活用してまいりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。
【健康福祉部長の答弁】
子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金の活用・実施についてであります。
子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進基金につきましては、国の「円高デフレ・経済危機対策臨時交付金」事業として、子宮頸がん、ヒブ、小児用の肺炎球菌の3ワクチン事業を実施する市町村への補助制度として府に設けられた基金でございます。
補助の内容といたしましては、ヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんの各ワクチン接種事業を行う市町村の事業費の1/2を定率補助することとされており、平成23年度末までの実施分が対象とされております。
子宮頸がん等ワクチン接種事業につきましては、府補助金を活用することで市の歳出も減額となり、また本人負担額の削減がなされ、接種の促進、感染予防が期待できますことから、本市と致しましては、平成23年度からの活用・実施に向けた検討を行ってまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
答弁の中で、大阪府が国に対して、自由度の確保と活用期限経過後の対応について危惧する内容の要望をしている事はわかりました。制約のある財源であるという点は、一定理解するものであります。しかしながら国や府へ働きかける中で継続させていく努力も必要でないでしょうか。市として今回の補正予算は、あくまで単発的な事業に限定していくのか、基金の活用として今後に生かしていくのかお聞かせください。
答弁で、「国の地域活性化交付金の未配分金額についての追加配分方法については、都道府県より提出した実施計画書に基づき、国が地域の実情に応じ、その効果を判断し、都道府県に対しておこなわれるものとなっている」とありました。先程も述べましたが例えば「住民生活に光をそそぐ交付金」では、「総額の内、500億円につき第一次交付限度額を設定。残りの500億円は本対策の趣旨に沿った、効果が高いと認められる事業を実施しようとするものに配分」、この残り500億円と言うのは、私は余り好みませんがいわゆる「自治体間競争」に勝ち残った自治体にお金を配分するということです。
ある意味では、職員のみなさんの力の出しどころ、発揮のしどころであるともいえます。いかに企画力ある、キラリと光る政策形成能力、説得力のある事業を生み出すか、厳しい財政状況の下で、財源の裏づけをもって市民の期待に応えるかが問われています。少人数行政で日々の仕事をこなすだけでも大変な中、新たな挑戦を強いる事になりますが、ぜひお願いしたいと思います。
最後に、今回の補正予算の活用について提案をさせていただきます。
まず、先程、我が党の吉松正憲議員が質問しました、住宅リフォーム助成制度であります。きめ細な交付金を使って、経済対策として活用してはどうでしょうか、門真市内には違法建築が多くて適用出来る住宅の選定が難しいなどの声も聞きます。そんな後ろ向きの発想でなく、この住宅リフォーム助成制度の対象住宅に違法建築を適法建築に改める事に使えるようにする事ができないでしょうか、そうすれば市内の違法建築を少なくする事も出来るし、市内の建築関連の仕事も増えるのではないでしょうか。
住民生活に光をそそぐ交付金の説明文にありました「地の地域づくり」を活用して、門真市の図書の充実を図ってはどうでしょうか、行政情報によると門真市の市民人当たりの蔵書数は、1.68冊、807市中738位となっています。市内の書店から思い切った図書の購入、そして、雇用対策として、単年度で廃棄する本の選定や新しい本のラベルつけなど図書館の書籍の入れ替えを単年度で一気に実施し一大リニューアルをしてはどうでしょうか。また、市民プラザの図書室は、先の決算委員会で福田議員も指摘しましたが、読書スペースが充分確保されていません。活用できないでしょうか。門真市の小中学校をはじめ公共施設の窓ガラスの汚れが目立ちます。「あの窓はいつ頃拭いたのか?」と思うようなところが沢山あります。市内の窓拭きを仕事にしている業者さんに仕事をしてもらったらどうでしょうか、市役所をはじめ門真市の公共施設のトユがさび付いているところも沢山あります。市役所本館の3階階段を上がった所の壁面は、ひびが入り雨水が入り込み塗装が浮き上がっています。学校のフェンスがほころびたりしているところもあります、とても細かな事を示しましたが、現在、門真市に入札登録業者をしていない市内業者のみなさんにも、仕事を回すことができるように算段していただきたい訳であります。
るる申しましたが、単年度なら単年度なりの工夫を是非していただくことを求めるものです。
最後になりますが、先日、我が党は、157項目に上る予算要望を提出いたしました。厳しい財政状況の下でも、様々な制度や財源を活用し予算要望内容を実現していただくことを求めます。
【総合政策部長の答弁】
まず、国や府への働きかけについてでありますが、地方への財源配分については、これまでも恒久的な財源配分が行われるよう、要望しているところであり、今後につきましても引き続き行ってまいります。
次に、今回の補正予算の今後の位置づけ、活用方法についてでありますが、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、事業の選択にあたりましては、後年度に大きく影響を及ぼすことのない事業を予定しており、また、今後におきましても市内業者で執行可能な事業を主眼において施策を展開してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますよう、お願い申し上げます。