[2010.12.22] -[議会活動]
まず、認知症対策について質問します。
私は11月にくすのき広域連合議員として、単独で介護事業を実施している出雲市と松江市の行政視察に参加させていただきました。両市の介護保険担当者は、「高齢化が進み介護認定申込者の8割もの方が、何らかの認知症状が見受けられ、今後認知症への対応が大きな課題となっている」と説明されています。
松江市では地域と一体となる取り組みとして、市職員が、「認知症サポーター養成講座」の開催を銀行・コンビニ・警察学校等に広める活動を強めています。
昨年9月門真市議会で、わが党は、認知症を理解し地域における認知症高齢者の更なる見守り体制の構築を図ることの重要性を指摘させていただきました。さらに昨年12月、介護事業として認知症の啓発事業、認知症講座の予算計上があることから、くすのき広域連合議会でも、「認知症サポーターの養成講座」の講師を養成する「キャラバンメイト養成研修」の開催を要望しました。本年9月第1回「キャラバンメイト養成研修」が、門真市社会福祉協議の事業の一環である小地域ネットワーク事業として実施され一歩前進しました。今後継続的な「キャラバンメイト研修講座」「認知症サポーター講座」の実施が不可欠と考えられますが、実施状況と今後の方向性について、あわせて市民参加の取り組が必要と考えますが見解を伺います。
高齢者施策の今後の課題についてですが。高齢化と独り暮らしの高齢者の増加と相まって、認知症の増加に伴い、ケアープランの作成、総合相談支援体制、高齢者の虐待防止、権利擁護、成年後見制度、認知症に関する正しい理解の普及・啓発活動、医療・福祉体制の強化などと、多岐にわたる介護サービスが求められ、地域包括支援センターを拠点として、自治体あげて市民協働で地域での認知症高齢者の更なる見守り体制の構築と、統一的、総合的施策として、生活支援体制の展開が求められます。市の認識を伺うものです。
次に、くすのき広域連合の検証と見直しについて質問します。
出雲市・松江市では、小規模特養・地域密着型・定員29人2施設だけの施設整備となっています。特別養護老人ホームの待機者が千人にもなっていることについては、くすのき広域連合と同様、深刻な待機者数であることを今更ながら実感しました。
国の方針で施設整備が進まない下、在宅生活を支える事業として、出雲市では、6地域の「高齢者安心支援センター」が設置され、手軽に高齢者が通える地域包括支援センターとなっています。市の独自施策としては、老老介護支援事業や深夜帯ヘルパーの利用者負担助成、外泊体験サービス、介護区分支給限度額の利用料の拡大等、低所得者対策としの保険料独自減免があります。松江市でも、小学校校区ごとに身近な集会所等で高齢者が定期的に集まる「なごやか寄り合い事業」が活発におこなわれ、健康増進に向けたプログラムを地域住民と協働で実施され、地域ボランティアとの連携による介護予防の推進体制が進んでいます。また買い物ができない高齢者「買い物難民」が増加しており、その対策として市職員が市内を隈なく訪問し、買い物した品物を自宅まで届けてくれる商店や業者の開拓に力を入れています。出雲市、松江市とも、地域住民の実態に沿った独自施策が進められ、市単独だからできる事業を展開しています。
高齢化社会に向けての国の方針は「在宅」中心の方向性となっている現状の下、出雲市・松江市のように市の独自施策が推進され、地域で高齢者を支える施策の強化が不可欠と考えられます。
さらに、全国的に、急速に高齢化が進み、認知症高齢者の増加も予測され、これまで以上に、地域で暮らす高齢者の生活の実態を掴むことが最大の課題となってきます。しかし、寄り合い所帯の広域連合が壁になり、住民の声や要求が届かないということになるのが広域連合の実態であり、最大の欠陥であることを指摘せざるお得ません。
くすのき広域連合は、多くの自治体が保険料独自減免を実施しているのに実施がなく、地域の要求に見合ったサービスの独自施策はなく低いサービスとなっていることから、発足以来市の実情に沿った高齢者施策を地域と市役所が一体となった、統一的、総合的施策の展開ができないものとなっています。また、第3期より導入されている、身近なところで介護サービスを提供する地域密着型介護保険サービスの推進という方針から見ても広域連合では矛盾があるのではないでしょうか、これまでの経過にとらわれず、将来を見据えた議論が必要と考えますが、広域連合の検証と見直しについて、市の見解を伺います。
【福祉推進部長の答弁】
統一的、総合的な高齢者施策についてであります。
まず、認知症対策についてであります。
高齢者の増加に伴い、認知症の高齢者が増加する中で、認知症対策の重要性が高まってきていることは、認識しております。
認知症対策であるキャラバンメイト養成研修についてでありますが、本年度より小地域ネットワーク活動をより充実させるための一環としてキャラバンメイト養成研修及び認知症サポーター養成講座を社会福祉協議会において、実施されたところであります。
本年度の実績につきましては、認知症キャラバンメイト養成研修は、9月12日に開催し門真市内の全ての地域包括支援センター職員をはじめ、民生委員児童委員等合計51名の方が受講されました。
その後、地域包括支援センターや沖校区福祉委員会をはじめ5箇所で認知症キャラバンメイトが講師となり、認知症サポーター養成講座を開催し、合計101名のサポーターが養成されております。
認知症キャラバンメイトや認知症サポーターは、認知症の人や家族が安心して暮らし続けることのできる地域づくりを推進することを目的といたしておりますので、引き続き事業の継続実施に努められると聞き及んでおります。その継続実施に向けて、市といたしましても、支援ならびに連携して参りたいと考えております。
次に、地域包括支援センターを拠点とした見守り体制の構築と生活支援体制の展開についてでありますが、地域包括支援センターにおきましては、認知症高齢者見守り事業の一環として、「認知症予防教室」などを開催し、地域住民の方々に認知症の症状を理解していただくとともに、認知症の方の見守りの意識の向上を図るための、啓発に取り組んでおります。
今後とも、行政として、地域包括支援センターを核として地域での見守りができる体制の構築を図るため、さらなる連携の強化を図るとともに、「介護保険制度」等の情報提供の支援に努めて参りたいと考えております。
また、地域における高齢者相談などの対応につきましても、現在、本市と地域包括支援センターが取り扱っておりますが、よりきめ細やかな相談体制の構築を図るため、くすのき広域連合とより一層の連携の強化に努めて参りたいと考えております。
次に、くすのき広域連合の検証と見直しについてであります。
まず、介護保険事業を広域連合で運営することにつきましては、同一保険料で同一水準の介護サービスが受けられることや、市域にかかわらず近くの窓口で申請や相談等ができ、また、地域密着型介護施設に関しましては、構成市内の利用者が広域内での入所が可能であるなど利用者などにも様々な利点があり、保険者にとりましても、事務処理の効率化とコスト削減が図られているものと考えております。
また、本市が取り組んでいる介護保険事業外である「街かどデイハウス事業」などにつきましては、先に述べた広域連合の様々な利点を享受できないことから、くすのき広域連合に対して、統一的な施策となるよう、引き続き、協議、要望を進めて参りたいと考えております。
なお、議員のご指摘のくすのき広域連合の検証につきましては、今後、構成市の効率的なあり方などについて、取り組んで参るとともに、明らかとなった問題点や課題につきましては、積極的にくすのき広域連合に対し要望してまいりたいと考えておりますので、何卒、よろしく、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
まず、緑化保全と推進について質問します。
「門真市みどりの基本計画」によりますと、門真市は平坦な地形であることもあって、現在は一部の市街化調整区域を除いて、ほぼ全域で市街化が形成されており、都市としての発展の経緯から、現在の門真市は自然の緑の乏しい状況にありますとなっています。門真市の緑地の現況を見ると住民一人当たりの緑地面積では、都市公園0.81㎡、航空写真からの判読によって市内の緑を計測した調査による本市の緑被率は8.8%、農地や水面を除いた樹木・樹林による緑被率は、1.3%で、これら緑被率は他市などと比較して少ない状況にあるとなっています。
東部大阪都市計画区域マスタープランでは、緑被率20%を目指しています。東部大阪マスタープランによると門真で唯一緑の多い北島調整区域が市街化地域に移行される計画となっていますが、そうなれば今より農地が減少することにもなり、今でも少ない緑がさらに減ることになります。質問ですが、門真市の緑被率は、近隣市と比べてどのぐらいの位置にあるのか、また緑化の保全と推進について、市の考え方を伺います。
事業仕分けの結果通り、23年度中に市民農園を「廃止し民間が実施」との方針を決定しました。事業仕分け人は、門真市の緑地の現況には一切触れず、「贅沢な趣味のために補助金を出して、土地を借りてあげることはない、政策評価からしたらマイナス」などと、コスト論に終始しました。
市民農園が開始された1989年には676区画1万4000㎡あったものが、163区画3594㎡と農地が削減されてきました。それに伴い緑も減少して来た事にもなります。他市の設置状況は、枚方1194区画、寝屋川606区画、大東514区画、守口400区画と広い農地となっています。大阪府高石市などでは、「みどりのまちづくり施策」の中に市民農園を位置付け、市民農園は 緑化施策の1つとなっています。市民の要望が高いこのような施策を推進することにより ヒートアイランド対策にも寄与することで、対策を制度的に位置づけて実施しています。質問ですが、市民農園事業は緑化施策に結びつくものと考えますが市の見解を伺います。
市民農園の民間実施についてですが、事業仕分けの議論では「地主は市が運営しているから、安心して土地が貸せる」「ほっておけば農園がなくなってしまう」との声がありました。民間が実施することは、コストに見合わない場合、農園の廃止に繋がる危惧があります。緑化施策の保全・推進の観点から、市が責任を持って実施すべきですが、見解を伺います。
最後の質問ですが、民間実施となり、民間が実施を止めた場合ですが、163区画に対し1000人もの申し込みがある市民ニーズの高い事業であり、緑化の推進が図れる事業でもあります。引き続き存続される考えがあるのか、加えて民間実施に伴って利用料が負担増にならないよう求めますが見解を伺います。また庁内でどんなことが話し合われて「廃止し民間が実施」の方針となったのか、説明を求めます。
【都市建設部長の答弁】
緑化保全と推進についてであります。
近隣市の緑被率の状況については、枚方市においては農地等を含んだ緑被率が14.4%、寝屋川市においては22.92%となっており、本市の8.8%と比較いたしますと、高い緑被率となっています。
緑化の保全と推進についての市の考え方でございますが、市街地率が高く、緑と評価できる山林、河川敷、公園等の少ない本市にとって、市街地の中でできる限り緑を創出していく必要がございます。
今後、住宅地、商業地、工業地、鉄道駅周辺の都市拠点など、市街地の全ての場所を対象として、公民協働の考えのもと、緑化の推進を市民のみなさんとともに図ってまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【市民生活部長の答弁】
緑化施策についてのうち市民農園の必要性についてであります。
現在、市民農園は柳田町、野口町、岸和田と3農園あり、運営は、農協、地権者、市で厚生される市民農園運営委員会が行っており、開設運営要綱を基に実施しております。
その目的として「市の実施する緑化推進事業の一助とする」とあることから、市といたしましては、小さい面積ながらも、緑の少ない門真市の中では市民農園は貴重な農地であり、緑であると認識しております。
本年度実施の事業仕分けにおきまして、本事業は平成24年度以降廃止し、民間が実施とされたことを受け、市民農園事業につきましては、市以外の実施主体による自主的・自立的な実施方法への転換を図ることといたしたものでございます。
市以外の実施主体として民間が実施した場合には、利用料の負担増となることは考えられます。
しかしながら、門真市域の地価の高さを鑑みますと、受益者負担として一定の利用料負担は必要であると認識いたしております。
今後、地権者の意向把握に努めながら、24年度からの実施につきまして検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。