[2010.9.28] -[議会活動]
8月4日、府が向こう3年間の財政構造改革プランを発表しました。従前の財政再建プログラムに続くものであります。前計画でも本市と市民に多大な負担増とサービス低下を招いたことは記憶に新しいところであり、無関心ではいられない重大な問題であります。この意味から、以下の点についての門真市の認識と対応を問うものであります。
財政構造改革プランの内容についてでありますが、新聞発表及び府ホームページでも内容が明らかにされています。特徴的なことをあげれば、中小業者の経営を支えてきた「事業者向け融資制度」の主旨を「中小業者を下支えするもの」から「元気な中小企業だけ応援」する制度に変更し、2011年4月から実施するとしています。府営住宅は低所得者や所得の不安定な府民の住宅需要に応える重要な役割を果たしてきているわけですが、府下の府営住宅を半減させることが掲げられ、モデルケースとして東三国住宅団地の入居者に明け渡しを求め廃止する、跡地は民間デベロッパーに売却するとしています。さらに、福祉、医療費助成の廃止、見直しが堂々と掲げられ、障害者福祉施設機能強化事業や小規模通所授産施設機能強化事業は廃止。老人福祉施設運営助成金、労働福祉施設等整備助成事業、特定健診・特定保健指導公費負担事業、障害者福祉作業所運営助成費を見直すとしているのであります。この他、教育費・私学助成の半減、府立施設の縮小・廃止、使用料値上げが目白押しであります。救急医療の最後の砦である千里救急救命センター事業支援費の廃止など、府民の命を危険にさらす内容も含まれています。
門真市として、これらをどのように把握しているのでしょうか。見解を伺うものであります。
次に、門真市への影響、とりわけ市民生活への影響について重大な懸念を持たざるをえません。そこで、以下の点について、現在の状況はどうなっているのか、市民の利用状況はどうなのか、どんな影響が考えられるのか、伺うものであります。
第1点目は、市内の府営住宅の所在、戸数、入居世帯数、入居者数。本市における府営住宅の位置と役割について、合わせて、門真団地建て替えの進捗状況と今回の府営住宅を
半減させるという方針による影響はないのか。第2点目は、中小企業融資についての現在
の大阪府の制度、市民の利用状況はどうなのか。第3点目に、府による現行の福祉、医療費助成の内容、障害者福祉・老人福祉施設運営助成及び公費負担制度の内容はどうなっているのか。合わせて、本市と市民への影響はどうなのか。第4点目に、教育費・私学助成制度の現状及び利用状況。第5点目に、府立施設であるなみはやドームの利用状況について、それぞれ伺うものであります。
次に、これらを踏まえて、門真市として大阪府にどのような対応を行うのか、どのような働きかけを行うのか伺います。例えば、府営住宅半減の考え方に対して、当該団地自治会や居住者から、不安の声が次々と寄せられています。「もう住めなくなるのか」「住宅に困って府営住宅に当選して、安心していたのに、一般府民の払っている家賃と比べると不公平だから出て行けとはあまりにもひどい」などなどです。「府は、市町村への移管も狙っているとのことですが、門真市で責任を持つことができるのか」という声もあります。
こうした、本市と市民生活に重大な影響が予測される今回の財政構造改革プランについて、大阪府に対してどのように対応するのか、どのような意見を言っていくのか伺うものであります。
まず、今回の改革プランの把握状況、見解についてでございますが、今回の改革プランは、前回の「財政再建プログラム」の後継という位置づけではあるものの、前回と違い、市町村への補助金削減などによる市の財政や市民サービスに直接的に、直ちに影響を与えるものは、少ないものとなっております。
しかし、いわゆる「持続可能な都市経営」の観点から、福祉や医療、教育など様々な制度の見直しが打ち出されているものであり、今後、府民生活、市民の暮らしに影響を与える内容が含まれているもの、と認識いたしております。
一方、今回の改革プランは、大阪府の財政構造等の調査結果にもとづき、府の歳入確保と、歳出予算の財源構成の改革を行うもの、また、国に対する制度改正への取り組みの推進、地域主権の実現を通じて、地方公共団体の自主財源確保を目指すものでもあり、実現すれば、本市にとっても、良い影響が出る内容も含んでおります。
現段階では、今回の改革プランは、素案であり、詳細な内容は、不明でありますが、本市といたしましては、市や市民への影響を分析し、対応していくことが必要であると考えております。
次に、議員ご指摘の内容と本市及び市民への影響についてであります。
まず、府営住宅についてでありますが、市内には、門真団地をはじめ、下馬伏、北岸和田、三ツ島、北島、古川橋、四宮、御堂、上島の9つの団地があり、平成22年3月31日現在、戸数で4,155戸、入居戸数で3,739戸、入居者数で8,181人であります。なお、入居世帯数につきましては、複数世帯で1戸に入居されていることもあり、現在数値の把握はできておりません。
本市における住宅の位置と役割についてでありますが、かつての人口急増期における住宅需要に対応し、公営住宅法第1条の規定にあるように、住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸又は転貸することで、生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的としたものであり、重要な役割を担ってきたものでありますが、今日の人口減少、少子高齢社会の進展、民間資本の参入など社会情勢の変化の中においては、府営住宅の位置と役割は、変化していると考えております。
とりわけ、今後のまちづくりを展望したとき、本市の府営住宅の占める世帯数比率は、7.45%でありますが、大阪府平均3.69%と比べると倍ほど高くなっており、老朽施設の建替えと合わせて、比率を下げていくことは、課題であると認識いたしております。
次に、門真団地の建替えの進捗状況と大阪府の半減方針の影響についてであります。
直近の進捗状況でございますが、府として財源の見通しがつけば、という前提がございますが、
開発協議を本年度中に行い、協議が整えば、来年度で実施設計をおこない、平成24年度より、7期に分けて工事の実施を行う方向であると、大阪府より報告を受けております。
半減方針との関係でありますが、門真団地の建替えでは、現在、新たな入居募集は原則停止しております。21年に及ぶ長期の建替えとなりますので、自然減に伴う戸数の減少はございますが、半減方針との関係はないものと考えております。
次に、中小業者向けの融資施策についての現在の府の制度、利用状況でありますが、現制度は、現在18の制度があり、主なものとしましては、緊急経営対策資金、経営安定資金、開業資金、小規模資金及び一般事業資金の5つの制度があります。
本市の事業者が受けた融資につきましては、平成21年度決算におきまして、合計で914件、約193億700万円となっております。そのうち、もっとも多いのは、緊急経営対策資金制度で、平成21年度決算では、800件、約184億9,200万円であります。
なお、今回のプランでは、府信用協会の活用などによる変更はあるものの、利用される中小業者として大きく影響がでるものではないと、認識いたしております。
次に、福祉、医療費助成等の内容についてでありますが、医療費助成制度については、老人医療、障がい者医療、ひとり親家庭医療、乳幼児医療の4つの助成制度があり、市が独自で実施しているものを除く部分の2分の1の助成を受けております。
今回のプランでは、国の制度化への働きかけを行うとされており、具体的な内容が明記されていないため、影響について把握することは困難であります。
また、障がい者福祉、老人福祉施設、労働福祉施設等に関する助成制度についてでありますが、すでに障がい者福祉関連については、他の制度に移行されており、それ以外については、本市に歳入がないため、市及び事業者への直接的な影響はほとんどないもの考えております。
次に、教育費・私学助成制度についてでありますが、制度としましては、経常費補助、各種振興補助、保育料・授業料補助などがあります。
なお、現段階では、事業者及び市民への影響がどのようなものになるか把握できておりません。
次に、府立施設であるなみはやドームの利用状況についてでありますが、平成21年度決算におけるプール利用補助事業の利用状況は18,400人となっております。
また、その他として、本市に直接影響があるものとしては、現在のところ、公立保育園産休等代替職員費補助金のみで、平成21年度決算ベースで約104万円となっております。
次に、今後の大阪府への対応についてでありますが、現段階では、素案でもあり、詳細が判明していないものが多くございます。
今後、詳細を分析し、本市の財政と市民生活において、重大な影響を及ぼすこととなる場合につきましては、前回の財政再建プログラムの時と同様、大阪府に要請を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますよう、お願いいたします。
次に、橋下知事といくつかの市町村長の間で、突然、降ってわいたように持ち出されてきた国保一元化の動きについてであります。高すぎる国保料、保険料の滞納に対する取り立ての過酷さ、増え続ける無保険者、貧困と格差が広がるなか、市町村国保の危機的状況が深刻化しています。しかし、門真市も認めたように、国庫負担金の大幅削減が国保財政逼迫の最大の原因であるわけでありますが、こうした事態への根本的な打開策を打ち出さないまま、民主党政権は、先の通常国会で「国保の広域化」を推進する法案をとおし、後期高齢者医療制度の「見直し」とも連動させて、「医療保険の都道府県単位化」をすすめようとしています。これらの動きを先取りする形で検討されているのが大阪府での国保一元化であります。
2010年通常国会の国民健康保険法改正により、都道府県による「国保広域化等支援方針」策定が盛込まれました。この支援方針には市町村国保の財政改善、収納率向上、医療費適正化などの目標が書き込まれ、都道府県による市町村への指導権限が強まることとなったのであります。そして、2010年7月22日、大阪府橋下知事と16市町村の代表が国保広域化について協議を行いました。この協議の中では、以下の5点の柱が確認されています。①市町村としては一般会計繰り入れをやめたい、減免措置も負担だ。②府知事がリーダーシップを取って広域化すれば、保険料が上がる自治体も文句を言わないはずだ。③それぞれの市町村の累積赤字についてはそれぞれが解消しなければ広域化はすすまない。④府内統一保険料設定は国保法改正を待たなくてもできるので先行してすすめる。⑤一般会計繰り入れ、減免なしで保険料試算を年内に行うというものであります。この協議で、これまで、市町村が独自に行ってきた国保への負担(一般会計からの独自繰り入れ、条例減免)をやめたいという市町村の思惑を背景に、全国どこよりも早く、広域化を、実質的に知事の力を借りて強権的にすすめようとしていることが明らかとなったのであります。
これらの経過及び協議の内容を含め、門真市としての見解を伺うものであります。
さらに、府下一元化の内容と危惧される問題点への認識についてであります。この間の経過で指摘しましたが、先の知事と市町村長の協議によって、奇しくも広域化の狙いがはっきりとしたのでないかといわざるを得ません。政府・厚生労働省は「広域保険」、与党民主党は「地域保険」をめざし、いずれも「広域化するとスケールメリットがある」と口をそろえて主張しています。門真市の見解も、「広域化による大きなメリットがある」と述べています。では、具体的にどのようなメリットがあるのか、答弁を求めるものであります。
そして、広域化されるとどうなるのか、どんな問題が起きるのか、危惧される問題点への認識を以下の点について伺うものであります。
第1は、一般会計からの独自繰り入れができなくなるのではないかという点であります。現在全国で3800億円、大阪府全体では年間300億円が投入されているといわれている。一般会計からの繰り入れは、市町村国保だからできるのであって、他市町村の加入者のための繰り入れはできないのであります。そうであるならば、歳入が減った分をどこが負担するのか。国、都道府県がいま以上に負担することはとうてい考えられません。もしそうできるのであれば、まず、国庫負担割合を元の45%にもどすことがやられていなければなりません。結論的には、保険料に歳入の不足分を上乗せするしかなく、結果的に大幅な保険料アップにならざるを得ないと思わざるをえませんが、見解を伺うものであります。
第2点目として、さらに問題となるのは、広域化になった場合、累積赤字をどうするのかという点であります。特に本市は、国の国庫負担割合の見直しを契機に、今日では56億円を超える累積赤字を抱えているのであります。これを解消するには、国・府が肩代わりをして全額解消するか、市町村が一般会計で全額解消するか、保険料に上乗せして解消していくかしか考えられません。現在のところ、国の考え方は示されていません。単純計算では、門真市は22万円の保険料負担増となってしまうのでありますこの点についての見解を伺います。
第3点目ですが、現在市町村が条例に基づいて、独自に実施している様々な保険料減免制度は、一元化ということになれば、全廃されることになるのではありませんか。後期高齢者医療制度では、条例減免が無いのが現状であり、広域国保での政令軽減以外の減免の設定はきわめて難しいと考えざるを得ません。見解を伺うものであります。
これらの問題点を見るならば、都道府県単位の国保一元化によって、国保の危機が解消できるものではなく、むしろ、国保法の本来の理念を踏まえた再建策をめざすべきであります。国保法第1条は、国保を「社会保障及び国民保健」のための制度と規定しています。
さらに、同4条で、国保の運営責任は国が負っていることを明記している。国保の再生を国の財政支出のもと、基礎自治体である市町村が、保健・福祉とも連携しながら、住民に医療を給付する社会保障の仕組み、これが本来の国民健康保険であるということをしっかりと位置付けるべきであると強く思うものでありますが、見解を伺うものであります。
まず、この間の経過についてであります。
平成22年5月27日、府知事と市町村長の意見交換会におきまして「府内統一料金を目指す」ことが合意され、6月13日の府市長会健康福祉部会・町村長会環境構成部会の合同会議にて、市町村国保の広域化に向けた「国保広域化検討委員会」が組織され、詳細の検討につきましては、「大阪府広域化等支援方針の策定に関する研究会」に委任し、研究会の下に国保の広域化に関する具体などを検討するための「作業チーム」が設置されました。
国の高齢者医療制度改革会議での中間取りまとめを踏まえ、作業チーム及び研究会にて「全年齢を対象とし、都道府県を保険者とする」、「国庫負担割合を引き上げるなどの国の責任を果たす」、「現在の国保の累積赤字の処理を円滑に行えるよう必要な措置を講ずる」などの国への要望を取りまとめたところであります。また、「作業チーム」及び「研究会」では、7月22日の府と市町村の協議の場で確認された、国の法改正を待たずに保険料を統一する意見は採択されず、国の法改正に基づき広域化を行い、保険料を統一する旨の確認をしたところであり、本市も賛同しております。
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また、国保事業を広域で行うことによるメリットは、広域化の具体の内容が決まっていない中、明確な答弁ができませんが、スケールメリットにより、財政基盤が安定すると思われることと、業務の役割を都道府県と市町村に明確に分担する事で、経費削減が図られるなどが考えられます。
次に、一元化の内容と危惧される問題点への認識についてであります。
はじめに、一般会計からの独自繰り入れの問題であります。
議員ご指摘の「一般会計からの独自繰り入れができなくなり、保険料が上がるのではないか」とのことでございますが、通常、保険料の算定につきましては、当初予算の歳入と歳出の差額を保険料としておりますので、保険料に与える影響は無いものと思われます。
次に累積赤字の解消の問題であります。
保険料に上乗せするのではなく、累積赤字の解消を円滑に行えるよう必要な措置を講ずるよう、国へ要望を行ってまいることといたしており、基本的に市町村において解消すべきものと認識しております。
次に減免制度の問題であります。
保険料が府内一元化されれば、減免制度についても統一されるものと認識しております。詳細につきましては、今後、作業チームなどで検討されることとなりますが、作業チームのメンバーであります本市といたしましては、罹災・失業・災害による減免はもとより、低所得者にも配慮した減免制度の創設を強く要望してまいる所存であります。
次に、国保制度のあり方についてであります。
国保制度は国民皆保険を支える社会保障制度であり、国の運営の下、都道府県と市町村との役割を明確にし、保健・福祉とも連携しながら、市民に医療を給付するのが最も理想であり、その前段として、都道府県と市町村との役割を明確にした都道府県単位の運営を推進するものと認識いたしております。
まず、市立養護老人ホームをめぐる動きと今日の到達点についてであります。市立老人ホームは、昭和45年11月18日に開設され、高齢者福祉の拠点施設として重要な役割を果たしてきました。しかし、施設の老朽化等もあり、今回、社会福祉法人を公募し、施設の建設、運営を行うことになったわけであります。社会福祉法人の公募・選定について等、市立養護老人ホームをめぐるこの間の動きと現在の状況について伺います。また、入居者への対応、周辺住民への対応、職員への対応、選定後の主なスケジュール等、現在の入居者の処遇及び今後の対応についても説明を求めるものであります。
次に、跡地活用についてであります。これまでも繰り返し、公共施設の全市的配置について市内東部地域、北部地域には公共施設がないことを指摘し続けてまいりました。岸和田市営住宅跡地の取り扱いにあたっても、貸し館的な施設の確保を求め、検討は行われたのでありますが、実現はしなかったのであります。この点で、公共施設の全市的な配置について、市内東部、北部地域には、公共施設がないことについて、どのような問題意識を持っているのか伺うものであります。
今回、市立養護老人ホームを取り壊し、移設するということになったわけでありますが、跡地の活用について、そのような考え方で臨もうとしているのか、門真市の見解を伺うものであります。さらに、老人ホーム跡地も含め、貸し館的な要素を含む公共施設の確保をできるだけ早期に実現できるよう検討すべきであると思うものでありますが、市の見解を求めるものであります。
老人ホームをめぐる動きと今日の到達点についてであります。
養護老人ホームにつきましては、施設の老朽化や介護保険制度の施行、また老人福祉法関係法令の改正等を総合的に検討した結果、地域密着型特別養護老人ホームを併設する養護老人ホームを社会福祉法人によって、地域に開かれた高齢者福祉拠点として建替え整備することとしました。
今年度に入り、5月下旬から6月下旬にかけて新たな施設の建設運営を行っていただく社会福祉法人を公募した結果、3法人から応募がありましたので、「門真市養護老人ホーム等建設運営社会福祉法人選定委員会」において審査を実施し、7月上旬にその中から本事業の最適候補者を選定いただいたところでございます。
また選定後は、入所者、老人ホーム職員、自治会長及び地元地権者等に概要説明を実施し、理解を求めてきたところでございます。
今後につきましては、圏域調整会議において北河内圏域内での事業承認を得るとともに、施設整備にかかる大阪府等との協議や周辺住民を対象とした地元説明会等を実施し、平成24年4月の開設に向け事業を進めていく予定としております。
次に、現在の入所者の処遇および今後の対応についてでありますが、現在の入所者につきましては、原則として全員新施設へ移行することとしており、移行に際しましては市としても個々の生活状況等の引き継ぎを密に行い、現在受けている処遇が低下することが無いよう法人にしっかりと継承していきたいと存じます。
大阪府財政構造改革プランについて再質問を行います。答弁では「前回と違い、市町村への補助金削減などによる市の財政や市民サービスに直接的に、直ちに影響を与えるものは、少ない」と述べていますが、あまり影響がないような受け止めがあるのではないのかというのが、率直な感想です。
そこで具体的に伺いますが、中小業者向け融資施策について、利用される中小業者として大きく影響が出るものではない」との認識ですが、府の案では、府による預託金が年々増加していることなどを挙げ、融資資金の調達は金融機関に委ねて、預託金は廃止し、融資金利は、制度融資よりも高い金融機関の所定金利とすることを明記しているのではありませんか。公的融資の根幹を崩す改悪が実施されると、金融機関に対して立場の弱い中小企業は、貸し渋りや高金利での貸し付けを強いられることになるのではありませんか。
また、門真団地の建て替えについては、影響がないとの答弁ですが、最新の情報では、「建て替えについて『待った』がかかる可能性もある」との報告ですが、どういうことなのか説明を求めます。また、府営住宅の半減案は、府民の深刻な住宅困窮を無視し、府民の府営住宅に対する強い願いに反すること。市町村への移管についても、当該市町村の財政難と管理能力からしても、事実上不可能であることなど大阪府の住宅対策の公的な責任を放棄するものであることを、重ねて指摘しておくものです。
福祉・医療費助成については、国の制度化への働きかけを行うということですが、国が制度化をするまでは、府の制度を存続させるということなのか伺います。
さらに、教育費・私学助成制度については、「財政再建プログラム案で実施している経常経費助成単価引き下げ等の節減の取り組みは、継続を検討せざるを得ない」「府としての補助目的や効果に変化が見られる補助メニュー(私立幼稚園3歳児保育料軽減補助、専修学校専門課程振興補助)を見直す」「専修学校高等課程への経常費助成については、他府県水準を上回る助成効果の有無等を検証の上、現行助成水準の可否を判断」などと見直しの方向が示されており、具体的な影響額は別にして、大きな影響を被るのではないでしょうか。
さいごに、全体を通じて、「今回のプランにおける全体的な影響は少ないものとの認識が示されていますが、事実認識が違うと言わざるをえません。答弁を求めます。そして、市政や市民生活への重大な影響をしっかりと認識をして、市民にとって不利益となることのないよう、きびしく大阪府に対処することを求めるものであります。
あわせて、国保一元化問題についてであります。一般会計からの独自繰り入れ、独自減免をやめたいという市町村の思惑を背景に、全国どこよりも早く、広域化をおこなう。実質的に知事の力を借りて強権的にすすめようとした橋下知事と一部市長等の動きは頓挫したわけですが、一方で、門真市は「国の法改正に基づき広域化を行い、保険料を統一する旨の確認をしたところであり、本市も賛同している。」と述べています。しかし、広域化の下敷きとなっている後期高齢者医療制度では、条例減免は存在しないのであり、広域化によって、独自減免制度が、事実上廃止される危険性はぬぐえないこと。累積赤字の解消が市町村の自己責任とされ、特別交付金等、国の責任で解消する方策がとられる可能性はほとんどなく、起債でお茶を濁すことになる可能性が大きいこと等、重大な問題点を含んでいることを強く指摘しておくものであります。
まず、中小業者向け融資施策につきましては、議員ご指摘の通り、融資資金の調達は金融機関に委ね、預託金を廃止することで、融資金利は金融機関の所定金利とする、となっています。
しかし、大阪府の融資に関する説明会の中で、大阪府としても極力影響が出ないように努めてまいりたいとの説明を受けております。
また、金融機関の金利に関しましても、府が各金融機関に対し、低金利で融資を実行できるよう要請すると聞き及んでおります。
次に、門真団地の建て替えでの大阪府の「待った」がかかる可能性があることにつきましては、「今後予算計上を行うので、現時点では、確定できない」という説明を受けております。
次に、福祉・医療助成につきましては、国において制度化されるまでの間は地方単独で持続されていくと聞き及んでおります。
次に、教育費・私学助成制度につきましては、各助成の効果を検証しながら、総合的に私学助成のあり方を再検討する中で、見直しが進められていると聞いておりますが、具体的な見直しの内容は把握しておりません。
なお、先ほどもお答えしましたとおり、本市の財政と市民生活において、重大な影響を及ぼすこととなる場合につきましては、大阪府に要請を行ってまいりたいと考えております。