[2010.8.20] -[門真民報]
現在市町村が運営し、府内で36・7%(09年度末)の世帯が加入している国民健康保険(国保)で、大阪府と府内市町村が7月22日、府内統一保険料を設定し、年内をめどに府が新制度を設計することで合意しました。都道府県で統一保険料に向けた具体的な動きに踏み出したのは、全国でも初めてです。
払いたくても払えない高い保険料が大阪でも大問題になっている中、「府内統一料金になれば保険料の引き上げは必至」との強い危惧が噴出しています。橋下知事らの強引なやり方に対して、大阪社会保障推進協議会をはじめ運動団体が抗議の声をあげています。
統一保険料が合意されたのは、橋下知事と府市長会の倉田薫会長(池田市長)はじめ、市町村代表16人との協議の場です。
綛山(かせやま)哲男副知事は、協議の席上で、府による統一保険料の決定は、国保法を改正しなくても可能と説明。「府で強いリーダーシップを発揮して、ぜひ広域化で、大阪府一本でやっていただきたい。」(多田利喜・富田林市長)などと、橋下知事に「期待」する発言も目立ちました。
合意内容は、市町村が実施している一般会計からの繰り入れをやめ、減免制度もなくすという前提で、府が制度設計や保険料試算を行うというものです。
国保会計への繰り入れ(法定外)は、08年度府内7自治体を除いて行っており、総額約297億円(うち大阪市が172億円)に上ります。これをやめたらどうなるのか。橋下知事は、「繰り入れをやっている団体(市町村)は、保険料は上がるが、『府が決めた方針』ということで耐えていただけるかどうかだ。」とあけすけに述べています。
門真市では、この間独自減免を充実させ、「払いたくても払えない」状況の改善を行ってきました。独自減免分の財源約3億円は、一般会計から繰り入れています。
独自減免や一般会計からの繰入をなくし、国保を広域化することは、社会保障としての国保制度を根本から否定するもので、断じて認められません。
現在、大阪府で実施している水道用水供給(市町村に水を供給)事業を府下の市町村(大阪市を除く)で構成する「大阪広域水道企業団」(以下「企業団」)が譲り受け、来年4月からの事業開始をめざし、企業団を11月に設立することで42市町村が合意したことに伴い、門真市において9月議会に企業団の規約が提案されようとしています。
7月16日に開かれた42市町村長の首長会議では、企業団議会の定数や市町村議会へ提案するスケジュールなどで意見が対立し、結論が持ち越されていましたが、7月29日に開かれた首長会議で11月設立で合意したものです。
しかし、提案されようとしている企業団の規約の内容には、構成市町村名が含まれ、9月議会で提案予定の議会で一議会でも否決されれば、他の議会での議決が無効となり、企業団が設立できないこととなります。
このことから、提案されれば、否決しにくい状況となり、結論ありきで「議会軽視」ではないかとの声も上がっています。
少なくとも9月議会での提案ではなく、企業団の全容が明らかとなる中での提案が求められます。
また、設立されようとしている企業団の「設立趣意」には、「最終的には、料金や施設水準の格差などの課題を解消しつつ、府域一水道の実現を目標とする」としています。
門真市は、性急な府域一水道には異議を唱えてきましたが、設立趣意に盛り込まれることで、加速されることが危惧されます。
安全・安心を重点に、水道管等の耐震化や鉛管の解消を進めてきた門真市にとって、府域一水道が安全・安心な水の供給を保証するものなのか、慎重な議論が必要であり、今回の企業団設立に当たっての設立趣意に盛り込むことは問題です。
党議員団は、問題点を質すとともに、議会での慎重な議論を求めます。
大阪社会保障推進協議会は2010年度「自治体キャラバン行動」を実施しています。その一貫として、11日、守口市・門真市・四條畷市の地域社保協は、介護保険について、くすのき広域連合(3市で構成)と懇談会をもちました。党議員団から井上まり子議員が出席しました。
毎回、要望項目にあげている保険料の独自減免制度の創設について、年金者組合や医療関係者から、低所得者対策として実施を求める切実な声がありました。(未実施、くすのき広域連合・2市・5町)
介護保険制度は公平・公正なもの、本来、制度そのものに盛り込むべきもの。低所得者対策は十分とは思っていない。必要であることは一致している。試算では、独自減免制度を実施したら1000万円ぐらいになるが、保険料に影響するので、国の制度として充実するべきものである。国に要望していくとの回答に終始しました。
国保では、市の窓口で納付相談ができるようになっている。しかし介護保険では、低所得者の多い地域でもあるのに保険料の相談がしにくい、独自減免制度は遅れている状況。このような状況は、住民の声が直接反映しにくい、広域連合であるからではないかなど、広域連合のあり方について疑問の声が多く出されました。
ケアーマネジャーの方から、近所に子どもが住んでいると配食サービスが利用できない、ケアーマネジャーの判断で利用できるようにして欲しい。
配食サービスの対象者の条件は、低栄養、独居・見守りが必要な場合となっているため、
との回答にとどまりました。
ケアーマネジャー連絡会で国の制度改正や、事務連絡等が正しく伝えられていない。もっとホームページの充実をして欲しい。「地域密着型」の利用料減免。「療養病床」廃止後の受け皿について。「小規模多機能施設」の増設について等の要望がありました。
3・4日、東部大阪治水地対策促進議会協議会の視察に亀井あつし議員が参加しました。
今回は、国土交通省関東地方整備局が取り組んでいる利根川上流の治水事業の視察をしました。
1日目は、東京都民の「水がめ」にもなっている埼玉県加須市にある「渡良瀬遊水地」、2日目は、栃木県足利市にある「わたらせ川のふれあい館『せせら』」の現地視察をおこないました。
「渡良瀬遊水地」は、3300haという日本最大の面積を有しています。元々、沼地や湿地が広がる地域で洪水の常襲地帯でした。 現在のような形態に改修されはじめたのは1910年からで、その後、洪水調節や都市用水の供給、流水の正常な機能を維持を行なう為の多目的貯水池事業として現在に至っていると説明がありました。
「わたらせ川のふれあい館『せせら』」のあるのは、1947年にキャサリン台風によって未曾有の被害を出した現場です(利根川水系の死者・行方不明者数約1100名の3分の1が足利市)。
同施設は、渡良瀬川の治水・砂防事業の重要性や、河川にまつわる歴史、周辺環境の豊かな生態系などについて広く理解することを目的に開設されました。 遊び感覚で学ぶことのできる体験学習の場として利用されていると説明がありました。