[2025.10.17] -[門真民報]
増える市の借金、毎年悪化する財政指標
チェックなしに支出するタワマン助成金
決算特別委員会1日目 福田英彦議員が問題点明らかに
2024度(令和6年度)1年間の税金や補助金の使い方、施策の効果などを審査する「決算特別委員会」の1日目が7日開かれ、日本共産党議員団を代表し福田英彦議員が出席し、ずさんな財政運営やまちづくりの無駄遣いなど市政の課題についてただしました。
まちづくりの無駄遣いによって財政指標の悪化が明らかに
企画財政部関係では、先ず市債残高(市の借金)の推移についてただし、令和2年度から令和5年度までは521億円で推移したものが、令和6年度には一気に45億円増の566億円になることが明らかになりました。
この他、実質公債費率、将来負担比率など、財政指標が全て悪化していることも明らかになりました。
普通退職は増加、税の収納対策は、差押強化でなく困難解決で
国が物価高騰対策として行った地方創生臨時交付金「給付金・定額減税一体支援分」、「低所得世帯支援枠及び給付金定額減税一体支援枠」を活用した給付事業は、地方自治体にその事務を押付けながら事務費を満額措置しない問題を予算審査時も指摘してきましたが、改めて決算額についてただしました。
答弁では、「給付金・定額減税一体支援分」については、事務費2億1517万3698円に対し、交付金は1億1335万8034
円で僅か52・7%しか措置されず、「低所得世帯支援枠及び給付金定額減税一体支援枠」については、令和6年には措置されず、令和7年度に繰越しているとのことで、国が地方に十分措置せずに事務を押し付けている実態が明らかとなりました。
総務部関係では、令和6年度の普通退職(定年退職前の退職)の人数についてただしましたが、前年度より多い30人で、心身のコンディンション、家庭の事情、人材の流動性の高まりなどが要因と答弁があり、福田議員は「様々な対策も大切だが、働きがいのある職場であることが大切だ」と指摘しました。
税の収納対策として行っている差押の状況についてただし、差押件数は前年度の528件から634件に、預金債権の差押金額は5900万円から8000万円に増加していることが明らかとなりました。福田議員は、「収納対策は差押強化ではなく、抱えている困難を解決する支援を」と求めました。
この他、「現業職場の在り方」、「門真中町ビル賃貸料」、「旧北小学校解体工事事前調査業務」をただしました。
タワマンへの45億円の助成金支出ずさんな要綱の策定過程明らかに
まちづくり部関係では、古川橋駅北側に建設が進められている41階建て民間タワーマンションに対する45億円の助成金支出についてただしました。
質疑では、「助成金要綱の制定過程が分かるもの全て」と開示請求して開示された内容には、助成金要綱案と国の交付金に関する資料しかなく、これまで担当部署が「事業者から助成金の活用意向を受け策定した」と答弁している経過が全く示されておらず、「住宅市街地整備計画書」も添付されていなかったことを明らかにし、この問題がまちづくり部だけではなく、総務部や企画財政部で全くチェックされていなかったことは明らかだとして、21日に開催予定の「総括審査」で徹底して問題点を明らかにしていくと述べました。
門真市駅前の再開発事業については、資金計画では事業規模の総額451億円で保留床処分金は252億円であることが明らかとなりました。また、門真市は再開発組合と業務代行者との契約書の写しを門真市が保有していない問題点も指摘しました。
この他、大和田駅周辺の基本構想、橋りょう定期点検業務、スタジアムが提案されている北島地区の区画整理事業、浜町みらい公園整備、石原北・大倉西地区の区画整理、庁舎エリア整備事業の基本計画の内容などについて質しました。
水桜学園の周辺道路の安全確保
就学援助費は前倒し支給を
教育部関係では、水桜学園整備に係る周辺道路については、児童生徒の安全確保の考えについてただし、現在一般車両が通行できるよう拡幅する整備が進められているが、児童生徒の安全確保の観点から緊急車両以外の車両は通行できないようすべきだったと指摘しました。
この他、第5次学校適正配置審議会の議論と答申内容、就学援助費の支給時期の前倒し、浜町みらい公園整備に係る周辺通路の整備についてただしました。
10年後に借金返済が1・5倍に!
門真市が中期財政収支見通しを公表
門真市は、「門真市の財政状況について(令和6(2024)年度決算状況等及び中期的な財政収支見通しの状況)を8日、市ホームページに公表しました。
これは、「門真市健全な財政に関する条例」に基づき、財政収支の見通しを策定し、公表することとしています。
「財政収支の見通し」では、令和6年度と令和5年度の歳入歳出について比較し、歳入歳出の推移や特徴について紹介したうえで、中期的(令和17年度まで)な財政見通しを示し、このまま推移すれば、「現在予定している事業などの要因により、令和8(2026)年度以降、実質収支の不足(赤字)が生じることから、財政調整基金の取崩しが必要」だとし、「令和11(2029)年度以降は、(財政調整基金を取り崩した場合でも)実質収支の不足(赤字)が生じる見込み」であることから、「8年度の当初予算で一般財源ベース6億円を削減する」 とし、それでも厳しい財政状況であれば、「行財政改革への移行」 を行うとしています。
このように、タワーマンションへの助成金はじめ、まちづくりの無駄遣いで増やした借金返済(グラフ参照)を「行財政改革」と称し市民サービス削減を押付けるものです。
門真市がいま進めるべきことは、ゼネコン任せの税金ムダ遣いを直ちに中止することしかありません。
門真西高をつぶすな
門真西高校を守る会が宣伝
大阪府教育委員会が8月26日の教育委員会議で府立門真西高校と懐風館高校(羽曳野市)の2年後の募集停止の方針を発表したことから、大阪の高校を守る会が「高校つぶしでなく30人学級を」の署名に取り組んでいます。
6日、市民や元教員等16人が参加し、門真西高校に近い通りで「子どもたちの学ぶ権利を保障するため、門真西高校の存続を」「廃校でなく30人学級を」と、地域の人や市民にチラシを配りながら呼びかけました。議員団から豊北議員も参加しました。 守口市在住の女性が「子どもが西高校に行ってました。西高がなくなるんですか。困りますね。頑張ってください」と署名し、学校帰りの高校生も、「弟も西高校に入りたいと言っています。無くなると困ります」「僕らも署名していいんですか」と、自転車を止め署名に応じてくれました。参加者らは、「まだまだ知らない人もたくさんいる。もっと知らせていかなくては」と語っていました。 「門真西高校を守る会」は、多くの市民と一緒に地域の学校を守るため、10月26日(日)14時~16時「門真西高校廃校アカン集会」をルミエールホール研修室で行う予定です。