[2010.3.19] -[門真民報]
10日、本会議で日本共産党の井上まり子議員が代表質問に立ち、市長の政治姿勢、市民の暮らしを守る施策、まちづくり、子育て・教育の各分野について質問を行いました。
同議員は特に、市長の施政方針説明に“市民のくらし”の実態が全く触れられておらず、そのため、深刻な雇用・経済危機のもとでの、市民の暮らしの守り手としての役割が示されていない姿勢を鋭く告発しました。
市長の政治姿勢について、施政方針ではまったく触れなかった市民が置かれた暮らしのきびしさに対する基本認識について質問しました。国政では、格差と貧困を広げた構造改革政治が破綻したのに、市長は、当選以来、「全国一スリムな自治体」「民間でできることは民間で」と小泉構造改革政治の門真版を推進し、その結果、市民犠牲・サービス後退の行革で「104億円の行革効果」を強調した。しかし、構造改革路線への反省はなく、困難な市民の暮らしや中小商工業者の方々の営業について、心を寄せる記述もまったくなく、市としての施策も示されていないと、きびしく姿勢を質しました。
また、市民犠牲の行革と開発について、施政方針で、「基金依存から脱却できた」」今や本市は、まちづくりや新しい施策・事業に一定の予算を投じることができる行財政体質になっている」と述べたことを挙げ、この間の市民犠牲の行革は新たな開発を行うためのものであったのかと、行革と開発計画との関係について質しました。 答弁では保護率の上昇、最悪の失業率と市民の厳しい状況の認識が一定示されましたが、だから、どうするのかという点は不明瞭なままでした。
また、「行革は、開発がなくてもやっている」と述べました。
次に、施政方針で20箇所近くも使われている「公民協働」について、市民協働は当然だが、問題は、協働とは名ばかりで、もっぱら行政の公的責任を回避する方便に使っているのではないか、新自由主義による「自助」「共助」「公助」の使い分けが、利益至上主義、弱肉強食の思想が根底にあると指摘し、市長が念頭に置いている、市民協働の理念ついてただしました。
また、新年度、20事業を対象に事業仕分けを実施しようとしていることについて、その仕切り役が小泉構造改革を推進してきた「構想日本」であり、「今なお構造改革路線に追随するのか」と厳しく批判しました。そして、小学校区単位でタウンミーティングを開催し、市としての考えを示し、市民から市政への要望やムダと考えられていることに耳を傾け、その声を予算編成に反映させることこそが求められると指摘しました。
答弁では、「事業仕分けは、これまでの『内部の視点』に加え、『外部の視点』からの事業見直しを行うもの」と説明、しかし、公民協働の項で、「小泉構造改革とは一線を画す」といいながら、構造改革路線の事業仕分けは実施するという矛盾した姿勢が明らかになりました。
市民の暮らしについて、 緊急雇用経済対策について、市長を責任者とした対策本部の設置を求めたのに対し、「近隣市の動向をみて」という12月議会のわが党に対する答弁と全く同じものだったため再質問。「枚方市をはじめ少なくない自治体が一昨年のリーマンショック以降、対策本部を立ち上げている。本市は保護率、失業率においても最悪。門真市においてこそ、市長先頭に対策本部を設置し、総合的な対策を行うことが求められている」ときびしく質しました。
答弁では、関係機関と連携し雇用を促進する。対策本部設置の意思を示しませんでした。
産業振興についての質問では、本市は、製造業で府内事業所数・第8位、工場集積度・第5位と重要な位置を占めている。また製造業以外の卸売、小売業、飲食店等では3500事業所、従業者数・約2万5000人となっいる。産業振興・中小企業振興は、本市にとって、もっとも太い柱として位置付けなければならないものであることを指摘しました。
施政方針では、「門真市産業振興ビジョン」を策定した初年度であるにもかかわらず、抽象的な表現に終始し、新年度予算でも、ビジョンに基づく具体的な施策が見当たらない。新年度以降の具体的な取り組み等について、「中小商工業振興条例」の制定について答弁を求めました。 答弁では、「がんばる名店・企業」にスポットを当て情報を蓄積。門真ブランドの情報サイトの立ち上げを検討する。「中小商工業振興条例」先進市の状況を調査研究するとのことでした。
国保は加入世帯の所得が低いと、保険料が高くなるという構造的矛盾があり、それが顕著に表れているのが本市であるということから、社会保障推進協議会が中心となって、昨年10月、門真国保実態調査が取り組まれました。そのアンケート調査では、「国保料が高い」64%等の結果が出ており、国保実態調査をどのように受け止め、市民の声をどう認識されたのか質しました。
国の負担削減、収納率が低いと補助金を削るなどのペナルティーを自治体に課することについて、市長自ら、国に対してものを言うべきと質しました。
施政方針で「医療保険制度の一本化」についてを働きかけるとし、広域化の方向を示しました。しかし、広域化された後期高齢者医療保険料や「くすのき広域連合」における介護保険料が確実に上がっていること。市民の意見が反映しにくいことなどの問題点を述べ、広域化では抜本的な改革にはならない、国が責任を持って財政措置を果たすことが重要と指摘しました。
国保料の引き下げ、短期証や資格証明書、差押え等の制裁措置ではなく、保険証をもれなく発行・送付すことについても質しました
新政権が4年間廃止を先伸ばした後期高齢者医療保険制度は、4月から医療費の伸び率の抑制等の対策を講じても約5.07%・一人当たり年間3895円の値上げとなることについて市の対策を求めました。答弁では約15.7%の伸び率の見込みだったものを、国の依頼で約5.07%に抑えることができたと答えました。
10階建の市役所建替えの青写真が示さたことをはじめとして、少なくない問題点をもつ、「幸福町・中町まちづくり基本計画」の進め方については、拙速に進めるのではなく、十分な市民への説明、意見聴取を通じて進めることが重要。この点での基本姿勢、具体的にどのように進めようとしているのかについてただしました。
北島地区まちづくりについては、地元地権者の意向を汲みつくし、市として明確な方向性を持つこと、原風景の保全、ハス田や水田の広がる水と緑のゾーンとして残していくことについて、積極的なイニシアチブを発揮すること指摘しました。
企業誘致の実施については、企業の都合や採算等で撤退し将来「まち壊し」となることを危惧する。今後どのようなまちづくりを進めていこうとしているのか質しました。
第二京阪道路問題については、環境監視施設のPM2.5の測定項目の追加について求めました。また開通後の市域の交通の流れ、通学路の安全対策、道路公害による子どもたちの喘息などの健康調査把握についてただしました。
障がい児施設「くすのき・さつき園」が行革でサービスが後退しないように質しました。
移動支援、グループホーム・ケアーホームの現状と今後の拡充について、新年度の負担軽減措置について答弁を求めました。答弁では「くすのき・さつき園」はサービスの低下をきたさないよう検討。移動支援は1ヶ月単位を3ヶ月にする。グループホーム開設に向け取り組む。地域支援事業で低所得者の利用軽減を図るでした。
①これまで市は奨学金、就学援助費の縮減、就学奨励金の廃止を実施。教育の拡充を図るべきと就学援助制度の拡充を求めました。②子ども医療費助成制度の拡充が、新年度4歳未満から就学前までに決定。しかし、やっと府内の水準に追いついたもので、今後は小学校卒業までの拡充が求められていることを質しました。
③「無保険の子ども」が多いことについて、 市長は「『子どもたちの笑顔』がはじける活力ある門真」と述べており、全ての高校生世代以下の子どもに保険証を送付し、住民の命を守る自治体の責任を果すべきと質しました。
国が保育面積や給食等における「保育の質」を低下させようとする規制緩和の動きをしていることについて、きっぱりと反対の態度示すべきと指摘しました。
市が、一挙に4園民営化した民営化園の保護者等の要望・意見の対応について、待機児童解消について、病後児保育の実施について質しました。
学校適正配置実施方針ついては、北小学校を除く四宮小学校をはじめとした小学校の統廃合については、抜本的な見直しを求める市民の声があり、1中学校区に2小学校という枠組みは変えるつもりはないのか、意見聴取のなかで見直しも含め検討をされるのか、答弁を求めました。答弁では現時点において抜本的見直しは考えていないとのことでした。
少人数学級の見直し、「ボーダー学級」について市独自に教員を配置することを求めました。特別支援教育については、通級指導教室の増設設置、支援員の全校配置を府に求めるよう質しました。
12日、「重税反対全国統一行動門真集会」がサンジョゼ広場で開かれました。議員団全員が参加し、党議員団を代表し、吉松正憲議員が連帯の挨拶をおこないました。