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  • こんにちは。門真市会議員団です。

    2010年3月議会 市長の施政方針説明に対する代表質問

    [2010.3.13] -[議会活動]

    日本共産党門真市議会議員団 井上まり子

     

     

    1.市長の政治姿勢について

    市民の暮らしに対する基本認識について

    小泉構造改革路線は、国民に耐え難い痛みを押し付け、中小企業をつぶし、地域経済を衰退させ、地方自治体運営を圧迫するものだったことは誰もが実感しています。

    本市は生活保護率の増大や困難な国保加入者の状況など、それが顕著に現れた自治体です。

    この政治を進めてきた自民党・公明党による政権から、先の総選挙で国民の審判によって新たな政権が誕生したことは、地方においても構造改革路線の見直し、市民の暮らしや営業をまもる施策への転換が求められていることを明確に示しています。

    しかし、園部市長は就任以来、「全国一スリムな行政」「民間でできることは民間」と小泉構造改革の門真版を推し進め、保育所民営化、学校給食民間委託の推進、リサイクルプラザをはじめとする市内団体への補助金の大幅な削減、職員の大幅削減など、市民犠牲、サービス後退の行革を推し進め、こうした市民犠牲の行革の「成果」が104億円にも上ることを強調し、この「成果」を糧に「まちの再生から発展へ」と次のステップにつながる「わがまち門真を成長・発展させる躍進のステージの始まり」と位置付けて「品格の備わった落ち着いたまち」の実現に取組みを進めるとしています。

    この施政方針には、構造改革路線への反省はなく、厳しい市民の暮らしや中小商工業者のみなさんの営業について、心を寄せる記述も全くなく、当然ですがそれに対する市としての方針が示されていません。

    市長はいったい、今の市民の暮らしがどのようになっていると認識しているのか、そして市としてどのような施策を行うことが求められていると考えているのか、明確な答弁を求めます。

    あわせて、「品格の備わった落ち着いたまち」とはどのようなまちなのか、いったい誰がそのようなまちを望んでいるのか答弁を求めます。

     

    市民犠牲の行革と開発について

    施政方針では、これまでの行財政革によって、「基金依存から脱却するという目標を実現し、景気に大きく左右されることなく、安定的に市民サービスを提供できる行財政体質へと大幅に改善してきて」いる、「今や本市は、まちづくりや新しい施策・事業に一定の予算を投じることが可能な行財政体質になってきている」と「門真市第5次総合計画」を一年前倒ししてスタートするとしています。

     「門真市第5次総合計画」の策定過程では、わずか4年間で350億円もの普通建設事業(開発)を行う収支見通しが示され、党議員団がこれに対し問題点を指摘する中で、最終は160億円へと激減させるといういい加減なものであることが明らかとなったことは、記憶に新しいところです。

    市長は、施政方針で「一利を興すは一害を除くにしかず、一事をふやすは一事を減らすにしかず」とヤリツ・ソザイの言葉を引用し、省くことの重要性を強調されました。この言葉は、「一つの事業を増やすよりも一つの事業を減らすことのほうがまさっている」というような意味で使われ、行革推進論者や会社経営者などがよく使う言葉のようですが、新年度は総合計画に基づく開発推進の予算が計上されています。

     この間の経過を見ると市民犠牲の行革は、この開発を行うためのものではなかったのか、といわれても仕方がないと思うものですが、これまでの行財政改革と今後予定されている開発計画との関係について明確な答弁を求めます。

     

    橋下府政について

     橋下知事は就任以来、財界との二人三脚で道州制の提言や関西広域機構の推進、大型開発優先の政治を進めてきました。財界と一体に進めようとする府庁舎のWTCへの移転劇にはいっさい府民が登場していません。一方、知事は、くらしの応援はほとんど国の経済対策そのままで、障害者施策や医療の削減、府営住宅家賃値上げ、私学助成大幅削減、学校警備員補助金は10年度末廃止、中小企業振興費・商業振興関連予算の大幅削減、また競争を煽り立てる数値主義の教育に対する考え方、さらにこれまで府が行なってきた権限を市町村に移譲する方針などと、小泉構造改革、新自由主義的な政策を推し進めようとするもの-と考えます。府民と自治体に「自己責任」と「互助」を押しつけるもので、今後も交付金化による削減や施策の後退が危惧されます。以上の観点から、これまでの橋下府政についての見解を伺うものです。

     

    自治基本条例について

    施政方針説明で園部市長が2年間かけて策定すると述べられた「自治基本条例」について伺います。

     我が党は、「自治基本条例」を制定するとするならば、まず憲法が要請する地方自治の本旨たる住民自治と団体自治の精神に照らして、真に市民が主役となるような条例であるべきと考えます。住民自治は、まちづくりのみならず、住民福祉の増進などをめざし、住民自らが自治を進めていくものです。住民が主権者である事を明確にし、市民の権利を具体的に規定することが必要と考えます。

     施政方針説明で「自治の基本理念を明らかにし、今後のまちづくりを進めていく上での市民や事業者、行政などの役割や責任を明確に位置付ける」としていますが、「自治の基本理念」とは何か、「役割や責務を明確に位置付ける」とはどのようなことなのか伺います

     

    公民協働について

    市長は、常々、市政運営の大きな柱に「公民協働」を位置づける発言を続けてきました。また、次期10カ年計画である、門真市第5次総合計画では、6つのまちづくりの基本目標を達成するための鍵になるのが協働であると位置づけています。

     市民協働は当然のことです、しかし問題は、市民協働は名ばかりで、もっぱら行政の公的責任を回避する方便に使われようとしている、のではないかという点にあります。その最も端的な例が、今日では国民の常識となっている、「格差と貧困」を日本社会に持ち込んだ構造改革政治です。新自由主義を理念とする小泉構造改革政治の思想を体現している、政府の社会保障のあり方に関する懇談会、065月の「今後の社会保障のあり方について」は、「すべての国民が社会的、経済的、精神的な自立を図る観点から、①自ら働いて自らの生活を支え、自らの健康は自ら維持するという『自助』を基本として、②これを生活のリスクを相互に分散する『共助』が補完し、③その上で、自助や共助では対応できない困窮などの状況に対し、所得や生活水準家庭状況などの受給条件を定めたうえで、必要な社会保障を行う公的扶助や社会福祉などを『公助』として位置付けることが適切である」と述べています。第5次総計の市民委員による議論の場でも、コーディネータはもっぱら、これらの仕分けで、議論収斂させていました。利益を上げられるものだけが、豊かな生活を享受できる利益至上主義、弱肉強食の思想が根底にあります。

     党市会議員団が、本年2月に視察を行った、千葉県我孫子市では、「特に、市役所の公的責任を明確にすることが、市民協働の大前提です。」と言われています。また、東京都狛江市では、「『市民参加と市民協働』を車の両輪とし、行政の透明化を理念としたもの」として、市民協働が積極的に取り組まれていました。

    市長が念頭に置いている、市民協働の理念はいかなるものなのでしょうか。自助、共助,公助とは何なのでしょうか、小泉構造改革政治とはきっぱりと決別すべきですが、これらの点について、市長の明解な答弁を求めます。

     

    事業仕分けについて

    我が党は、そもそも「事業仕分け」なるものは自治体にそぐわないと考えます。施政方針説明で、事務事業の必要性・妥当性、市政の透明性の向上、市民の市政への参加などと述べられましたが、それならなか小学校区単位等でタウンミーティングを開催し、市としての考えを明らかにし、市民の立場からの市政への要望やムダと考えられている事に耳を傾け、声を予算編成に反映させればいいのではないでしょうか。「外部の視点からの事業の見直し」として「事業仕分け」を行うと施政方針説明で述べられましたが、今回「事業仕分け」を導入する目的は何なのか答弁を求めます。

     昨年11月に鳩山政権が行いました「事業仕分け」は、官僚を相手に仕分け人が畳み掛けるような質問をし、仕分けを行い無駄をバサッと削ったかに見えましたが、無駄な公共事業は温存され、削ってはいけない医療や保育、基礎研究に関わるものが乱暴に切り捨てるものでした。

     この「事業仕分け」を考案し、小泉構造改革を推進してきた「構想日本」にコーディネータと仕分け人を「丸投げ」し、今回、市民に判定させようとしていますが、「市民協働」の名で市民犠牲の行革を推進しようとする狙いが見え隠れします。事業説明では、20事業を仕分対象としていますが、20事業を選ぶ基準について、だれが対象事業を選ぶのか答弁を求めます。

     

    水道事業について

    施政方針説明で、「府域水道事業の今後の方向性として、『企業団方式』で検討・協議を進める」「府内入水市町村と歩調を合わせ、取り組んでまいります」とありました。枚方市をはじめ府下内市町村の中には、各自治体の考えを示しているところがありますが、門真市は、今回の問題をどのように受け止め、どうしていく考えか見解を求めます。

     あわせて、4月から大阪府が1立方メートルあたり1010銭引下げるとされています。

    本市においてそれに合わせて引下げるべきと考えますが、今後の対応について答弁を求めます。

     

    2.市民の暮らしについて

    国民健康保険制度について

    国民健康保険制度は他の公的医療保険に加入する人以外のすべての人が加入する保険であり、国民皆保険を下支えするセーフティーネットです。しかも、国保加入者は、生活基盤の脆弱な高齢者、母子、単身者、零細自営業者が多数加入しているのです。本来は、実態に合った払える保険料でなければなりません。しかし、逆に払えないほど高い保険料になっています。市長は、国保が国民皆保険のセーフティーネットであり、重要な役割を果たしていると認識しているのか伺います。

    こうした中で、昨年1024日、25日に、門真で、国保実態調査が行われました。本市の国保加入世帯の7割が所得100万円以下です。国保は加入世帯の所得が低いのに、保険料が高くなるという構造的矛盾があり、本市が最も象徴的に表れている自治体ということから、門真市と大阪府の社会保障推進協議会をはじめ、504人のボランティアによる調査員によって取り組まれたものです。

    そこで示された、市民の声は切実です。「国保料が高い」「医療費が高くて保険はあるが医者に行けない」「介護保険料も高いし、利用料も払えなくなって、我慢している」「食事も11回にしている」という声も出されています。アンケート調査では、「国保料が高いと思う」64%。国保に対する要望では、「保険料を下げてほしい」36.5%、「自己負担額を下げてほしい」24%、国保のことで役所に相談したことは、「ある」32.7%、「ない」58.4%でした。今回の、国保実態調査をどのように受け止め、市民の声をどう認識されたのか、見解を伺います。

       国民皆保険のセーフティーネットであるという認識に立てば、高い国保料の引き下げ、短期証や資格証明書、差押えなどの制裁措置ではなく、本来の保険証をもれなく発行・送付すべきです。とりわけ、高校生世代以下の無保険の子の放置は許されません、留め置きでなく無条件に、保険証を送付すべきです。

       国保制度の抜本的改善のためには、何よりも国の責任をはっきりさせなければなりません。今日の国保問題の根源は85年の国庫負担の45%から38.5%への削減です、これを元に戻すべきです。さらに、所得の脆弱な人々が加入する国保であるのに、「収納率が低い」と国がペナルティーをかけて、補助金を削るなどはもってのほかではありませんか。これらのことを、市長自らが、直接厚生労働省に乗り込んで、大臣にじか談判をすべきです。その決意を示してください、答弁を求めます。

     さらに、施政方針で市長は、「国民健康保険制度の長期に安定した制度の確立を図るため、医療保険制度の一本化と保険者の再編・統合等の抜本的な制度の改革を」働きかけると言明しています。しかし、広域化ですべてうまくいくことは決してないことを認識すべきです。すでに広域化された後期高齢者医療制度で、大阪府が最も困難で、早晩破たんすること、くすのき広域連合を見ても独自減免や一般会計からの繰り入れがないので保険料が確実に上がること。議会のチェックがなく、選挙での争点にもならず、住民運動が全く反映されないなど重大な問題があります。特に、国が責任を持って財政措置の責任を果たすのかどうかをはっきりさせなければ、抜本的な改革にはならないのではないですか、市長の認識を伺います。

     

    後期高齢者医療保険制度及び高齢者施策について

    高齢者が安心して暮らせる社会をつくることは、政治の重要な責任です。高齢者世帯は所得200万円以下が42.8%、100万円未満も15.7%などと貧困で厳しい生活をしている人が数多くいます。高齢者に、「自助努力」「自己責任」を強要し、負担増と福祉の切り捨てをすすめる政治では、生活破壊と貧困化がますます深刻化し、老後不安はつのるばかりだと、政権が代わったはずでした。 ところが、与党3党は、総選挙前の公約から後退し、同制度の廃止を4年後に先送りしました。

    加えて、4月から大幅な保険料上昇が見込まれるなか、医療費の伸び率の抑制、財政安定化基金の取り崩しなど対策を講じても5,07%・一人当たり年間3895円の値上げとなります。市としても何らかの対策が必要と考えますが答弁を求めます。

     「老老介護に疲れ果てた」高齢者夫婦の痛ましい無理心中事件が後を絶ちません。著しく不足している介護施設・在宅サービス、高い保険料・利用料負担など、「保険あって介護なし」の深刻-な事態を改善することが急務です。だからこそ、広域連合による介護保険と門真市の一般高齢者施策との整合性が求められます。どのように考え対処しているのか見解を伺います。

    それとともに、広域連合を解消して、門真市として統一的な高齢者施策を実施すべきだと考えるものですが、答弁を求めます。市長の今年度施政方針には、老後不安を支える具体施策が見受けられませんが市長はこれで十分と考えているのか答弁を求めます。

     

    産業振興について

    大阪府における門真市の製造業の位置は、「平成18年事業所・企業統計調査」によれば、門真市の製造業事業所数は937、従業者数22255人であり、大阪の製造業に占める割合は、事業所数で第8位、従業者数で第5位、工場集積度でも第5位と重要な位置を占めています。

    また、商業・卸売業・サービス業・建設業の分野でも、平坦で、狭い市域に、交通の利便性の中で、大阪府内第3位の人口密度という特性のもとで、製造業以外の卸売・小売業、飲食店・宿泊業、サービス業で約3,500事業所、従業者数では約25,000人となっています。これを見ても、産業振興・中小企業振興は、本市にとって、もっとも大きな、太い柱として位置付けなければならないものではないでしょうか。また、産業振興ビジョンでは、本市の特産物であるレンコンやくわいなど、農業振興についても新たな視点から触れられています。

    門真市は20103月に産業振興ビジョンを策定しましたが、施政方針では、「門真市産業振興ビジョン」を策定した初年度であるにもかかわらず、新年度予算では、抽象的な表現に終始し、ビジョンに基づく具体的な施策が何一つ見当たりません。   一方で産業振興ビジョンでは、「産業振興ビジョンを基に、おおむね5年を目処として今後の産業振興に向けて公民が協働して取り組んでいく」としています。

    新年度以降、具体的にどのような内容を取り組んでいこうとしているのか。また、5年間の執行体制はどうなるのか、どのような機関が実効性のある対策を提起していくのか、伺います。

    我が党議員団がおこなった墨田区での産業振興策の調査の中で、産業振興の基本精神として、中小企業振興基本条例を制定し、これを太い柱に、バックボーンとして、1979年から今日まで、継続的な取り組みをすすめてきたとのことでした。産業振興ビジョンを実効あるものとするためにも、あらためて中小商工業振興条例の制定を求めます。明快な答弁を求めます。

     

    緊急雇用経済対策について

    雇用情勢は極めて深刻です。失業率も、有効求人倍率も最悪の水準で推移し、完全失業者数は344万人にも達し、この1年間に「派遣切り」などで職を失った非正規労働者は247千人、リストラや中小企業の倒産などにより、「過去1年間に離職した正社員」は、79月期で96万人となっています。

    ところが、施政方針では、これらの問題に何ら答えてはおらず、極めて不十分です。これまでも繰り返し求めていますが、あらためて、景気の悪化から雇用・営業・市民の暮らしを守るために、市長を責任者とした対策本部を設置すべきと考えますが答弁を求めます。 

    次に、雇用対策として、何よりも、市内大企業に対して、雇用の確保を最優先に取り組むこと、また、大企業の下請け企業に対する際限のない単価切り下げを、防止する「下請け代金法」を順守すること、「下請け代金法」では親事業者が著しく低い下請け代金を一方的に定める行為を「買いたたき」として禁止していますが、これを厳格に守ることを申し入れるよう求めるものですが、答弁を求めます。

    さらに、国による、雇用・住宅・生活支援対策が真に実効ある対策となるよう、国に求める点では、たとえば、失業した労働者や廃業した自営業者への住宅手当及び生活支援の制度が、この間、実際には、予定されていた件数の何%が受給できたのか伺います。わずか数%にしか適用されていないとも聞いていますが、これでは、全然対策にならない、困難な実態を救済することになっていない、ではないですか。どのように実効性あるものにするのか、見解を伺います。

    加えて、市民生活を守るさいごの砦である生活保護をはじめ、国保、就学援助、市および社会福祉協議会等による生活資金の貸し付けなど、市をあげて万全の対応をとることを、改めて求めるものですが、認識を伺います。

     

    障がい者(児)施策ついて

    障害者自立支援法の違憲訴訟をめぐり、原告・弁護団らと国は、訴訟の終結に合意しました。国は合意文書に「障がい者の尊厳を深く傷つけたことを心から反省する」と明記しまし、応益負担制度の廃止と20138月までに障害者自立支援法を廃止し、新たな総合的福祉法制を実施することを約束しています。

    しかし鳩山政権は10年度予算案で、最大の問題点である応益負担制度について、廃止までの暫定的な負担軽減策として約300億円の予算を約束しておきながら決定したのは107億円にとどまっています。門真市は国に対して、新年度予算案に措置されなかった医療支援や食費・光熱水費などの実費負担廃止、事業所報酬を「月払い制」に戻すことなどについて、早急に実施するよう求めるべきですが見解を伺います。

    障がい児が通園する「くすのき園・さつき園」は、施設の運営方法の見直しを2010年度までに検討実施とする行革の対象となっています。サービスの後退がないようにと考えます。見解を伺います。

    保健福祉センター内、障がい者福祉センターの利用状況と今後の拡充について答弁を求めます。

    本市ではショーステイなどの事業者が十分でないこと、障害者自立支援法の下、利用制限があった移動支援、グループホーム・ケアーホームの現状と今後の拡充について、あわせて新年度予算における負担軽減措置の方針と具体的内容について、答弁を求めます。

     

     

    3.まちづくりについて

    幸福町・中町まちづくりについて

    昨年3月に策定された「幸福町・中町まちづくり基本計画」にもとづいて、幸福町・中町・垣内町のまちづくりが進められています。

    この基本計画は、「まちづくり協議会」など、地域の声も反映し策定が進められたという積極面を持ちつつも、庁内でもほとんど議論がされないまま、2万㎡、10階建の市役所建替えの青写真が示さたことをはじめとして、少なくない問題点をもつものです。

    市役所の建て替え計画については、昨年の市長選挙などを通じて多くの市民からの批判があり、第5次総合計画にも盛り込めなかったものです。

    このような問題点をもつ基本計画の推進に当たっては、拙速に進めるのではなく、地域の声の反映はもちろん、市の保有地の活用については十分な市民への説明、意見聴取を通じて進めることが重要です。この点での基本姿勢、具体的にどのように進めようとしているのか答弁を求めます。

     

    第二京阪道路の環境・安全対策について

    開通後、沿道住民にとっては新たな健康問題、日常生活での支障等が生じてくることが危惧されています。今の環境を少しでも悪化させない、この立場で環境対策を事業者に求めていくことが必要だと考えます。その上にたって 開通に併せての環境監視施設のPM2.5の測定項目の追加を訴えてきましが、今後の市の姿勢を伺います。

    開通すると市域の交通の流れが変わることが想定されます。このことによる市内道路の渋滞などに対しての考え方について答弁を求めます。

    次に、子どもたちの健康と安全を守ることについてです。

    通学路の安全対策について、さらに今後、沿道の保育園、学校などに通う子どもたちが道路公害によって喘息などの被害が危惧されますが健康把握の方法について、以上の2点について具体的な考え方を求めます。

     

    北島地区市街化調整区域のまちづくりについて

    北島地区を袈裟懸けに通る第二京阪道路によって地域の状況は一変しました。

    今後のまちづくりについては、本市のまちづくりにあたっての重要課題の一つとなっています。

    府の第二京阪道路沿道まちづくり基本方針概要では、「農業保全とともに商業、業務、住宅とともに高度立体複合土地利用等」とされており、保留フレームの活用により市街化区域への編入を図り、土地区画整理事業などまちづくりを推進するとしています。

    門真市第5次総合基本計画では、第二京阪道路沿道の中部まちづくり整備ゾーンについて、新たな都市機能の誘致など計画的な開発整備を進めると書かれています。

    すでに西地区については「まちづくり協議会」が設立され、残る北・東地区についても協議会の組織化を支援するための予算が計上されています。

    北島地区まちづくりについては、何よりも地元地権者の意向をくみつくすとともに、市として明確な方向性を持つこと、とりわけ原風景の保全、ハス田や水田の広がる農地を、水と緑のゾーンとして残していくことについて積極的なイニシアチブを発揮することが求められています。

    あわせて、企業誘致については、税金を投入し基盤整備を進め、税の優遇措置をも含め誘致をしたものの、企業の都合や採算等で撤退し将来「まち壊し」となる状況が危惧されます。以上の点について今後どのようなまちづくりを進めていこうとしているのか答弁を求めます。

     

    自転車にかかる総合計画について

    門真市は四キロ四方の平坦地で自転車利用にとっては有利な地形です。多くの市民が自転車を利用しており、特に南部地域、交通不便地域の市民は自転車利用が不可欠です。

    しかし、駅に行くにも公共施設に行くにも道が狭い上、段差があり、車歩道の区別がなく大変危険な道路が多く、人・自転車が安全で便利に通行できる道路整備が求められています。

    これまでに、わが党が提案し、今年度の施政方針や門真市第5次総合基本計画に位置づけられている、「自転車・歩行者ネットワーク」について具体的にどう進めようとしているのか、自転車整備総合計画策定については検討課題となっていますが、どのように検討されているのか答弁を求めます。

    次に、放置自転車対策についてです。

    わが党も土・日・祝祭日に指導員の配置を要望してきました。市が土・日・祝祭日の街頭指導員の増員を図ったため駅前の放置自転車が減少してきたことを評価いたします。しかし、各駅前の商店前、さらに古川橋駅周辺についてはかなりの放置自転車が歩行者・自転車の妨げになっています。これまでも提案してきましたが、駅周辺の駐輪場について、鉄道事業者や大型商業施設に駐輪場拡大を求めることと、あわせて、現在1時間は無料となっている大和田駅近くの無人ラック駐車場は好評でいつも満杯となっています。千葉県市川市では無料駐輪場を設置しています。無料駐輪場についての考え方について伺います。

    放置自転車の総量をいかに少なくするかの取り組みが求められますが見解を伺います。

     

    4.子育て教育について

    子どもの貧困問題について

    200910月、厚生労働省が発表した「相対的貧困率」では、OECD加盟国の相対的貧困度でワースト4位と諸外国と比較して高率となっています。背景には、非正社員の増加などによる格差拡大があるとみられ、特に貧困と格差が顕著に現れている門真では子どもたちを取り巻く環境は相当悪化しており「貧困から子どもたちを守る」施策が求められています。その観点から「子どもの貧困問題について」以下3点について質問します。

     1点目は、就学援助制度についてです。

     就学援助とは「就学の困難な児童及び生徒かかる就学奨励についての国の援助に関する法律」で定められた、「義務教育は無償」「教育の機会均等」として憲法26条や教育基本法などに基づく制度とかかれています。

    門真市の就学援助費受給率は08年度小学生25,8%、中学生26,58%4人に1人以上が受給という状況にあります。しかし、門真市は行革のなかで、これまで奨学金、就学援助費の縮減、就学奨励金の廃止を実施してきました。門真市第5次総合計画では「『将来を担う子どもが育つ教育力のあるまち」を目指すとしており、親の「経済力の格差」が「教育の格差」に繋がっている現時点において、教育については拡充を図るべきべきと考えます。市長の見解を伺います。門真市での新年度認定基準とこれまでの推移、あわせて、新年度、給付対象品目等の拡充について考えているのか答弁を求めます。

    小泉構造改革の下、就学援助制度は一般財源化や縮減をされてきました。国に対して制度の拡充を要望するべきですが見解を伺います。

    2点目は、子ども医療費助成制度の拡充についてです。

    門真市はようやく重い腰を上げて、新年度からこれまでの助成対象年齢4歳未満だったものを就学前までに引き上げる拡充の方向を示したことは評価いたしますが、門真市の助成対象年齢については、これまで府内43市町村中30位と低く新年度でやっと府内の水準に追いついたことになります。

    昨年6月議会でも述べましたが、「住みよい門真をつくる会」が本市全域に配布したアンケート調査の回答では「何とか高い国保料を払っても、病院代が払えない、せめて小学校の間ぐらい医療負担を少なくして欲しい」との声があり、格差と貧困の広がりがある状況において小学校卒業までの医療費助成が求められています。全国的にも小学校3年生、小学校卒業、中学校卒業までと対象年齢の拡充がすすんでいます。わが党は小学校卒業までの拡充を目指すべきと考えますが、今後の拡充の考え方について答弁を求めます。

    3点目は、子どもの無保険問題について

    大阪社会保障推進協議会が府内自治体に対して、高校生世代以下を対象に、「無保険の子供について」国保調査を昨年12月実施したところ、6065人もの子どもたちが無保険状態にあることが明らかになりました。6065人の内資格証明書発行の世帯の子どもは959人、市町村に短期保険証留め置き世帯の子どもたちが5106人でした。「無保険の子ども」が100人以上の自治体は大阪市に続き門真市299人、泉佐野市262人、松原市152人、泉大津市141人、岸和田市106人となっています。

    門真市は府内2番目に「無保険の子ども」が多いという残念な結果となっています。保険証のコピーを修学旅行にもっていけない子どものつらい気持ちを考えると、園部市長が目指す子どもたちの笑顔』がはじける活力ある門真」とは程遠いものです。市は無保険の高校生世代以下の子どもに一刻も早く保険証を手元に渡し、住民の命を守る自治体の責任を果すべきですが見解を求めます。

     

    保育行政について

    昨年は、公立保育所4園を一挙に民営化するという、保育行政の公的責任を後退させる、大きな政策転換が強行されました。そこでは、民営化にともなって、昨年4月以降多くの問題が起こっています。市として、民営化をどのように総括しているのか、保護者等の要望や意見をどのように受け止め、対応してきたのか伺います。

     保育行政をめぐっては、国レベルでの安易な規制緩和、すなわち、新政権のもとで、待機児童の解消という大義名分のもとに、大都市部において、面積や給食等における規制緩和の動きが実施されようとしています。しかし、こうしたやり方は、保育の質を低下させて、つじつまを合わせようとするものであり、公的責任をないがしろにするものと言わなければなりません。門真市は、こうした政府の規制緩和の動きに対し、きっぱりと反対の態度を示し、国に、中止を求めるべきです。また、門真市の次世代育成支援行動計画『改定版』(素案)では、17人の定員増しか計画されていません。こうした姿勢を根本的に改めて、本市においても保育所増設による待機児童解消の大道を進むべきですが、この点もあわせて、見解を伺います。

     そして、一時保育とともに、保護者等からの要望の強い、病後児保育の実施に踏み切ることを求めるものですが、答弁を求めます。

     

    門真市学校適正配置実施方針の抜本的見直しについて

    「門真市学校適正配置実施方針」は、保護者や学校、地域の意見を十分に反映することなく昨年一月に決定されました。このことから、決定以降、保護者や地域の方から不安や「反対」の声が数多く寄せられています。

     とりわけ四宮小学校校区については、校区自治会の要望で説明会が開催され、その後「反対の会」が結成されています。校区再編によって、小学校低学年の児童を一時間近くも歩かせるのか、子どもの安全確保をはじめとして重大な問題を抱えています。

     四宮校区の説明会などを通じて、どのような意見が寄せられているのか、意見に対する市の考え方について答弁を求めます。

     この「学校適正配置実施方針」の考え方の中心に、小中一貫教育の推進を「1中学校区に2小学校」の校区再編で行うというものがあります。しかし、無理やり校区再編するに相当する明確な効果や先進事例について全く説明がされてきませんでした。この点で明確な説明を求めます。

     北小学校を除く四宮小学校をはじめとした小学校の統廃合については、20124月以降に考え方を示すとのことですが、抜本的な見直しが求められます。

    あくまでも1中学校区に2小学校という枠組みは変えるつもりはないのか、意見聴取のなかで、見直しも含め検討をされるのか、答弁を求めます。

     

    少人数学級の見直しについて

    114日に鈴木文科副大臣が会見し、2011年度以降の学級編制及び教員定数の改善について、本格的な検討に着手することが明らかにされました。1980年の第5次定数改善計画で40人に引下げて以来30年ぶりに改善しようというものです。

     8月末にも行われようとしています2011年度予算の概算要求までに一定の考え方が示されるとのことですが、この動きについては歓迎すると同時に、今後市としての具体的な対応が求められています。

     とりわけ、20124月に予定されている北小学校の浜町中央小学校への統合、1中・6中の統合については具体的対応が迫られます。さらに第4中学校についても、生徒数の増加によって教室が現状でも不足することが危惧されています。

     現時点でこの動きについてどのように認識しているのか、定数改善が2012年度までに行われた場合にこのような問題についてどのように対応しようとしているのか、答弁を求めます。

     本市は今年度、独自施策として「学力向上支援員」を小学校3校に配置することとしています。わが党はこれまで、せめて「ボーダー学級」について、市独自に教員を配置することを求めてきました。

     国のこのような見直しが段階的なものであるならば、その間の「ボーダー学級」について市独自に教員を配置することが求められると考えますが、答弁を求めます。

     

    特別支援教育について

    特別支援教育については、学校教育法の改正により、20074月から本格実施されていますが、通級指導教室の設置、支援員の配置など不十分な状況となっています。

     通級指導教室の設置、特別支援教育支援員の配置ついて、本市としてそれぞれどれくらいの設置、配置が必要だと認識しているのか、新年度の配置予定について答弁を求めます。

     国の新年度予算案でも特別支援教育支援員の配置については、地方交付税措置で37,800人分まで拡充されています。これは、全公立小中学校数に相当するもので、新年度予算において3人増員が見込まれていますが、全校で配置すべきと考えますが、答弁を求めます。

    合わせて通級指導教室の拡充についても大阪府教委へどのように要望しているのか、1校のみでは極めて不十分であり、拡充が求められますが、答弁を求めます。