[2010.2.12] -[門真民報]
日本共産党門真市議会議員団は、3・4日の日程で行政視察を行いました。
1日目は、「中小企業のまち」と言われている東京都墨田区を訪れ、墨田区における産業振興策と中小企業のものづくりを支えている「中小企業センター」の果たしている役割等について視察を行いました。
墨田区では、中小企業振興を区政の最も重要な柱と位置づけた取り組みが1977年から始められました。
77~78年係長級以上による9000社を対象とした中小製造業基本実態調査、78~79年商業関係実態調査。
79年には、市区町村としては初めて、施策をすすめていく上での基本精神として中小企業振興基本条例を制定し、80年、産業振興策の執行機関として、工業・商業者、学識経験者、区職員による産業振興会議を設置します。
産業振興会議による具体策の大きなものが、83年に建設されたすみだ産業会館で、区内で生み出されている優れた製品を外に売り込んでいく取り組みの拠点としての役割を担いました。
もう一つの柱が中小企業センターで、墨田でつくる技術をレベルアップする場として、86年建設、機械金属系製造業の方々が利用できる工作機械と精密測定機器が設置され、区内の事業者が安い使用料で製品製造やデータ測定に利用できるようになっています。
私たちが視察している間も、ひっきりになしに、事業者が訪れ、真剣に技術相談員のアドバイスを聞いている姿がありました。
館長は、中小企業センターの特徴として、①「人」11名の技術相談員と6名の取引相談員が丁寧に対応するとともに、常時区内各企業を巡回し実態も把握する努力が。
②「設備」(前述した通り)、③「情報」、企業台帳システムにより区内製造業・卸売業の企業情報を整備し、取引斡旋等に活用、希望する製造業には区のホームページ内の「企業ガイド」によりPR、④「交流」、10の異業種交流グループと一つの共同受注グループの活動を支援していることなどを強調しました。
1977年から今日までの粘り強い取り組みがあって初めて、産業振興に結びついていることを痛感した視察でした。
2日目は、市民との「協働」をテーマに我孫子市(千葉県)、狛江市(東京都)を訪れました。
我孫子市では、水質がワーストワンだった手賀沼の水質を良くしようと女性によって石鹸利用の運動が始まったことをきっかけに様々な市民活動が発展していました。
こうしたなかで、市長が表明し、2000年に「市民公益活動・市民事業支援指針」が策定されました。
庁内に「市民活動支援課」が設置され、社会福祉協議会などと協力し、市内団体を実態把握したうえで、活動場所や財政、情報・機会の提供の支援などが行われ、NPOとの協働についても目標を明確にしたうえで進められていました。
推進に当たっても、担当部署任せにするのではなく、職員研修がきめ細かく実施され、行政の公的責任も明確にされていたことが印象的でした。
狛江市は、共産党の市長(矢野ゆたか)で知られていますが、賭博で退任した前市長に代わって、当選してきたことから、「行政の透明化」を第一の課題として、市民参加でこれを確保しようということで、「市民参加・市民協働」という考え方が明確となり、2003年に「狛江市の市民参加と市民協働の推進に関する基本条例」が制定されました。
補助金などの財政支援や活動場所の提供は我孫子市と同様に行われていましたが、それと合わせて「市民協働事業提案制度」で市民が提案し、「地域のねこ対策」などを市の事業として市民団体が行っているという珍しい制度がありました。
園部市長は今年度を「公民協働元年」としていますが、公的責任の放棄や行政の大切な仕事を市民に押し付けることにならないのかが危惧されています。
今回の視察を活かし、議会で提案など行っていきます。
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