[2016.12.16] -[議会活動]
宮本一孝市長に対し注意を促す決議
第4回定例会(12月議会)の総務建設常任委員会において、自治基本条例に基づく地域会議の設置や、地域協働センター建設に向け地域との協議や調整を行ってきた参与及び地域調整官に対し、市長自らが11月18日に要綱廃止に基づく「解職」を一方的に通告し、わずか2週間足らずの11月30日付けで「解職」したことが、労働基準法第20条に抵触するのではないかとの議論が行われた。
これに対し、参与及び地域調整官は「労働者性の低い勤務態様であり、労働基準法を始めとした労働諸法にも該当しないことから、違法性はないものと認識している」との答弁を行ったが、その後市が行った法律相談に対し、弁護士が9月8日付で「本件で、一概に労働者性の有無を回答するのは難しい」と回答していたことが明らかになった。
こうした中で、「解職」された元参与及び元地域調整官から、今回の解職が労働基準法に違反していないかどうか、労働基準監督署に相談、告発する旨を記した「私たち二人の解職(要綱の廃止)に対する法令遵守の究明の徹底と門真市政の発展、住民自治の進展、及び職員が自由にモノが言える環境の整備、並びに職員が働き甲斐をもって仕事ができる執行機関となるための議会審議に引き続きご尽力を賜りますことについて(お願い)」が、12月14日付で議長及び各議員宛に出され、同日労働基準監督署に相談、解職に当っては、労働基準法第20条の違反に該当するので、解雇予告手当を請求ができる旨の指導を受けたことを踏まえ、同日付で宮本一孝市長に対し、解雇予告手当の請求が行われた。
以上の経過を見るならば、宮本市長が法律相談の結果について説明を受け、労働基準法違反の可能性が高いと知ったうえで、二人に「解職」を通告したものと考える。
こうした事態の背景に、地域会議の意向を無視し、審議会の審査対象であると答弁しておきながら、審議会の設置審査がまだ承認されていないのに意思決定を行った地域協働センター建設の凍結、議会の議決を無視した関連の補正予算の提案など、市民と議会を無視する姿勢があり、「最高規範性を有する」とした門真市自治基本条例の軽視があることは疑う余地はない。
このような宮本市長の姿勢と、自らによるコンプライアンス破壊は、議会として到底看過できない。
よって、門真市議会は、宮本一孝市長に対し猛省を促すとともに、その責任を強く問うものである。
以上決議する。
「宮本一孝市長に対し注意を促す決議」に対する討論
同決議案は、市長の言動等に対し、議会として猛省を促し、その責任を強く問うものです。
その言動等の問題点については、この決議案に尽くされていますが、昨日の一般質問の答弁にも関わって、さらに問題点を指摘したいと思います。
それは、参与及び地域調整官の「解職」について、法的解釈を求めた弁護士の回答も労働基準監督署の判断も無視する姿勢に固執していることです。
門真市が9月8日に参与及び地域調整官「解職」に関する法的解釈について弁護士から得た回答は、まず、労働者性の有無について、労働者とは、「使用される者で、賃金を支払われる者」との労働基準法第9条を挙げたうえで、「使用される者」であるかどうかについて、「本件は、職務内容が定まっており、総合政策部の管轄下で、業務報告書が義務付けられているなど、『使用される者』の要素がある。「賃金を支払われる者」であるかどうかについては、「本件は、『特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例』に基づく『報酬』が支払われている。名称は異なるが、労働の対価であることは否定できないので、『賃金』と言える。」としていて、一概に労働者性の有無を回答するというのは難しいとしながら、まさに「労働者である」に等しい法解釈が示されています。
参与及び地域調整官が「労働者性の低い職員であるため、労働諸法が適用されない」との市の法解釈に対し、「市お見込みの通り」との助言を受けたとする法律相談報告書の記載及び昨日の一般質問に対する答弁は、弁護士の助言無視、事実の捻じ曲げとしか言いようがありません。恐らく、元参与及び元地域調整官二人の解雇予告手当の請求を履行することはないでしょう。
こうした市長の姿勢は、大阪維新の会の橋下徹氏が大阪市長時代に全職員に行った思想調査アンケートが、裁判でも憲法違反だと昨年末に断罪されたことを想起させます。
権力を乱用し、職員を委縮させ、市長に物言わない、言えない職員をつくろうというもので、9月、12月議会を見るならば、そのような事態がまさに進行していると言わざるを得ません。
市長は9月議会の所信表明で、市役所改革について「何でも議論できる風通しの良い組織風土を作り上げる」「失敗を恐れず、何事にも意欲を持ってチャレンジする職員を育成する」「市民とともに汗をかく職員を育て、市民の声に耳を傾ける市役所」をつくると述べました。まさに真逆のことが起こっています。
地域会議無視の一方的な地域協働センター整備凍結、議会の議決を無視した補正予算案の提案、職員を委縮させ市長に物言わない職員づくり、地方自治法及び労働基準法違反、まさに門真市政の危機的な状況であると言わざるを得ません。
こうした事態に対し、市議会が監視機能を発揮し、その意思を明確に示すときです。
そのためにも、宮本一孝市長に対する本決議案を圧倒的多数の賛同で可決することを呼びかけ討論とします。