[2026.7.17] -[門真民報]
大東市に巨大データセンター
事業者は影響など詳細な説明を
大量電力消費・廃熱、地域への影響などについて学習会
大東市に巨大データセンターが整備される計画が明らかとなり、環境に与える影響が大きいことから、「三洋電機跡地のデータセンターと地域環境を考える会」は10日、「データセンターができてどうなる?私たちの暮らし緊急学習会」が大東市内で開かれ、会場は多くの参加者で溢れました。
大東市や東大阪市の地方議員はじめ各地から多くの地方議員が参加し、福田英彦、豊北ゆう子議員も参加しました。
市内全工場の電力消費を上回り市全域の排熱量に匹敵する施設

学習会の講師は工学博士の歌川学氏で、1時間余りのお話と、その後質疑に丁寧に回答しました。
歌川氏は、第七次エネルギー基本計画では、半導体工場とデータセンターが主要因で2040年までに電力消費が1~2割増加すると予測しているが、省エネ努力により全体の増加はコントロール可能とする一方で、データセンターが集中する地域では、膨大な電力使用によるCO2を排出し、大東市では、市全体の排出量に匹敵する可能性があること、冷却に伴う廃熱がヒートアイランド現象を増幅させ、周辺の気温が2~3度上昇することが予想され、周辺住民、特に健康弱者(高齢者、こども)に深刻な健康影響を及ぼすことが懸念されることを指摘しました。
さらに、水冷却方式を採用する場合の水資源の大量消費や温排水、非常用ディーゼル発電機による大気汚染など、多岐にわたる課題があると述べました。
具体的には、計画では初期50メガワット、将来的に100メガワット規模を想定しており、これは大東市内の全工場の電力消費を上回る規模であること、排熱量については、大東市全域の排熱量に匹敵する規模です。
「データセンター地域共生ガイドライン」は、数値目標なく不十分
また、データセンターの業界団体が2026年5月に発表した「データセンター地域共生ガイドライン」は、「この範囲にする」というような数値目標が一つもなく、廃熱利用や再エネ100%化に関する具体的な目標や基準に欠け、環境負荷低減の義務的基準としては不十分であることを指摘しました。
流山市の事例を生かし、自治体はチェックの仕組みを!
住民は、事業者に対し情報公開と説明求めることが大切
建設予定地には、大東市開発指導要綱に基づき建築計画の概要を示す看板が設置されていますが、高さ53m、延床面積は3万3千㎡と巨大な施設です。
制度上、環境影響評価の対象に入っておらず、建築確認申請も「データセンター」の区分はなく、実務上は「事務所等」と申請する場合が多くなっています。
歌川氏は、流山市が「街づくり条例」などを活用し、「街づくり委員会」などで住民の意見を聞いた上で、計画を認定する流れをつくるなかで、事業者はは計画を断念した事例を示し、自治体が建築協定や条例等でチェックする仕組みづくりをする必要があり、住民は、事業者に対し説明を求めることが大切だと述べました。

【予定地に隣接して建つ公営住宅】
門真市もよそ事ではない、北島西・北周辺地区への可能性
「スタジアム」白紙後の跡地活用は住民が使える施設を!
都市部へのデータセンター建設の可能性は、門真市も例外ではありません。
とりわけ、現在区画整理事業が進められている北島西・北周辺地区では、特定業務代行者が提案していた「スタジアム」が白紙となり、その後の活用について協議が進められていますが、特定業務代行者は、データセンターを建設する会社を設立しています。
今度の協議にあたっては、「住民が使える施設」を念頭に進めることが求められます。
みんなが先生、みんなが生徒
憲法が危ない、地方自治こそ未来の希望
第68自治体学校が大阪で開かれ、中山徹理事長が基調講演
「第68回自治体学校~憲法が危ない 地方自治こそ未来の希望」が11・12日、大阪市内で開かれ、11日は中之島中央公会堂で全体会が開かれました。
全体会では、自治体学校学校長で関西大学名誉教授の鶴田廣巳氏、現地実行委員長で大阪学院大学准教授の梶 哲氏がそれぞれ開会の挨拶を行いました。
続いて、自治体問題研究所理事長で奈良女子大学名誉教授の中山徹氏が、「地方自治と地域 この一年から考える」をテーマに基調講演。

自民・維新連立政権が進める「戦争できる国づくり」や医療・福祉の削減、新自由主義的政策が国民生活を脅かしていると指摘。日本列島のミサイル基地化や弾薬庫の増強、介護サービスの切り下げ、OTC類似薬の保険外しなど、平和と暮らしの基盤が揺らいでいると警鐘を鳴らしました。
国の政策の影響で、自治体が大型開発や、国の方針に追随した基地建設や原発再稼働を進め、住民生活を支える予算の削減や職員の非正規化が広がっていると指摘。
一方、今春以降、東京都清瀬市長選や同練馬区長選で自民党推薦候補が敗れた背景には、従来型政治への不満と市民参加への期待があるとし、「争点は探すものではなく、運動を通じてつくり出すものだ」と強調しました。
自治体が目指す姿として「立憲型自治体」を提唱。憲法に基づく地方自治を基盤に、平和を守り、医療・福祉を再生し、雇用の安定や地域経済の循環を促す自治体こそ必要だと訴えました。
記念講演ではピースボートの畠山澄子共同代表が、広島・長崎の被爆者や日本軍「慰安婦」の被害者の証言を聞く取り組みなどを紹介。市民が世界とつながって行動することや、顔の見える国際交流の重要性を強調しました。 リレートークでは、忠岡町での巨大産廃誘致計画撤回求める住民運動、生活保護を担う現場からの報告「希望の持てる職場づくりのために」をテーマに京都市の福祉事務所のケースワーカーからの報告、
日米一体で軍事演習が行われている舞鶴市からの報告がありました。
2日目は、二つの現地分科会、10の多彩なテーマで各分科会が開かれました。
【全体会が行われた中之島中央公会堂】
世界とつながり、行動するピースボートの取組み
ピースボート共同代表の畠山澄子氏が記念講演
全体会では、ピースボート共同代表で、サンデーモーニングのコメンテーターとしてもお馴染みの畠山澄子氏が、「世界とつながり、行動する:ピースボートの取り組みから」と題して記念講演が行われました。
畠山氏は、イタリアの奨学金制の学校で多様な背景の同世代と出会い、戦争の当事者性に触れたことが活動の原点となったことを紹介しました。
続いて、ピースボート1982年の教科書問題を契機に、国家視点だけでなく人間の視点で過去を見つめる対話を開始し1983年に設立。
「過去の戦争を見つめ、未来の平和をつくる」を理念とし、社会企業的モデルでクルーズ収入を活動資金に循環させ、間口を広げて乗船者に多様なテーマを届けている。現在は、パシフィックワールド号(総トン数約7万7000トン)で、三ヶ月半の地球一周を年3回、約1700人規模で運航し、中国語・韓国語・日本語・英語の四言語で運営しアジアからの参加が増えているとのことでした。
また、訪問先のニーズ調査に基づき、鍵盤ハーモニカ、足踏みミシンなど支援物資の手渡し、カンボジア地雷廃絶キャンペーン街頭募金を25年以上継続し、小学校建設も行っていることを紹介しました。
被爆者運動では、核兵器禁止条約が国連で122カ国賛成により採択、2024年に日本被団協の受賞は励み、理想「人を殺さない、差別に抗う、人は分かり合える」を重視していると述べました。