[2026.6.27] -[議会活動]
福田 英彦 議員
1.門真市職員労働組合役員2名への懲戒処分を取消す大阪地方裁判所の判決に対し、門真市が「控訴」したことについて
6月15日の総務建設常任委員会において、この件に関する理事者報告がありました。
その内容は、「本件は令和6年3月1日付で、元本市職員2名の原告が本市を被告とし、大阪地方裁判所に懲戒処分の取消等請求事件として2年10月14日付の一ヶ月の間10分の一の減給、及び戒告の懲戒処分また、5年9月28日付で棄却された公平委員会への審査請求の裁決を不服として、それぞれの取消等を求める訴訟を提起したものであります。これに対し、8年3月30日に懲戒処分を取り消すなどの判決がなされました。判決では、本市の主張がほぼ認められながら、処分は取り消すこととされており、市としては判決を受け入れることができず、一部不服があるとして、4月10日に控訴しております。また、公平委員会の裁決に係る判決につきましては、相手方が不服として控訴されており、応訴しております。」というものでした。
以上の報告を踏まえ、まず確認ですが、今回の「控訴」の決定については、地方自治法第96条第1項12号に規定する「訴えの提起」にあたり、「控訴の提起」の議会の議決若しくは専決処分の承認が必要だと考えますが、今回は議決等なしに控訴が決定されています。
今回の控訴にあたり、議会の議決若しくは専決処分の承認を経なかった根拠について、地方自治法や行政実例等に基づき具体的に答弁を求めます。
さて、今回の労組役員2名に行った懲戒処分について私は、懲戒処分が行われた令和2年10月14日直後の第4回定例会の一般質問で、この懲戒処分がいかに不当なものかについて質しました。
改めて、労組役員2名に行った懲戒処分に至る経過について具体的に答弁を求めます。
次に、裁判所が門真市に「懲戒処分を取り消す」との判決で認定した事実と判断の内容についてです。
判決は被告門真市に対し、「本件処分は、いずれも、信義則に反し、社会通念上著しく妥当性を欠くものというべきであり、裁量権を逸脱・濫用したものとして違法である。」とし、2名の懲戒処分を取り消すよう言い渡しました。
また、「訴訟費用は被告の負担とする」と原告の完全勝訴です。
この判決で、認定された事実と判断の内容について具体的に答弁を求めます。
最後に、「控訴」の具体的理由について、特に「本件処分は、いずれも、信義則に反し、社会的通念上著しく妥当性を欠くものというべきであり、裁量権を逸脱・濫用したものとして違法である」と判断されたことに対する認識についてです。
判決は、被告門真市が行った処分が、「いずれも、信義則に反し、社会的通念上著しく妥当性を欠くものというべきであり、裁量権を逸脱・濫用したものとして違法である」とこれ以上ない厳しい表現で門真市の行為を「違法」だと断罪しています。
この点について、①信義則に反する、②社会通念上著しく妥当性を欠く、③裁量権を逸脱・濫用したものとして違法と認定されている点について、どのように認識をしているのか答弁を求めます。
【答弁】
門真市職員労働組合役員2名への懲戒処分を取り消す大阪地方裁判所の判決に対し、門真市が「控訴」したことについてであります。
まず、控訴にあたり、議会の議決もしくは専決処分の承認を経なかった根拠についてですが、地方自治法第96条第1項第12号に「地方公共団体がその当事者である訴えの提起に関すること」が、議決が必要な事件として規定されておりますが、地方公共団体の行政庁の処分に係る地方公共団体を被告とする訴訟に係るものが除かれており、上訴についても「平23(行フ)1号 上告却下決定及び上告受理申立て却下決定に対する許可抗告事件」における最高裁の判例において議決が必要ないものとされておりますことから、議決事件には該当しないものであります。
次に、職員2名に懲戒処分を行った経過についてでありますが、本件は、平成31年4月11日に市ホームページに「労働組合幹部が市役所の営業時間内にも関わらず、長時間にわたり組合活動を行っている実態がある」旨の通報があったことを機に、調査を行った結果、勤務時間内に一定時間離席している職員が2名いることが判明し、その内1名は元年11月13日及び2年1月8日、もう1名は2年1月22日及び2年5月1日にそれぞれ実施した本人ヒアリングにおいて、法令で勤務時間中に行うことが認められていない職員団体に関する活動を行っていたことを認めたことから、地方公務員法第35条の職務専念義務に違反したものとして、2年10月14日付けで「1か月の間、10分の1の減給」及び「戒告」のそれぞれ懲戒処分を行ったものであります。
次に、裁判所が判決で認定した事実と判断の内容についてでありますが、原告の行った職場離脱及びその程度、職務専念義務違反の懲戒事由等については、本市の主張どおり認められておりますが、原告に注意指導を行わないまま、懲戒処分に及んだことが、信義則に反し、裁量権を逸脱・濫用したものとして違法であるとされております。
次に、「控訴」の具体的理由について、「裁量権を逸脱・濫用したものとして違法である」と判断されたことに対する認識についてであります。
判決において処分理由とした職務専念義務違反が認められる中、本市としては、長年にわたり非違行為が継続的になされた事実は重視されるべきと考えており、また、処分庁に裁量が認められた懲戒権の行使において、裁量権の逸脱・濫用として信義則に反し違法とした判決は、信義則の適用を誤ったものであるとの認識から控訴したものでありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
懲戒処分を行った経緯については、①「平成31年4月11日に市ホームページに『労働組合幹部が市役所の営業時間内にも関わらず、長時間にわたり組合活動を行っている実態がある』旨の通報があったこと」がきっかけになったとの答弁ですが、まず、その通報者との間で、その後懲戒処分に至るまでの経過について、どのようなやり取りが行われたのか具体的に答弁を求めます。
②次に、「調査を行った結果、勤務時間内に一定時間離席している職員が2名いることが判明し、その内1名は元年11月13日及び2年1月8日、もう1名は2年1月22日及び2年5月1日にそれぞれ実施した本人ヒアリングにおいて、法令で勤務時間中に行うことが認められていない職員団体に関する活動を行っていたことを認めた」ことから懲戒処分を行ったとのことですが、通報があったのが、平成31年4月11日で、当該職員にヒアリングを行ったのはその内一名は令和元年11月13日と令和2年1月8日、もう一名は令和2年1月22日及び令和2年5月1日と通報から半年以上も経ってからのことです。
まず門真市が行わなければならなかったのは、職員に違法行為の疑いがあるのであれば、直ちにヒアリングで確認し正すことであり、通報者もそれを望んでいたのではないでしょうか。
半年以上も職員にヒアリングを行うことなく放置し、職場の離席状況を所属課長に監察させ、懲戒処分を行うというまさに「騙し討ち」だと言わなければならず、裁判所もこの点を重視し、懲戒処分の取消を言い渡したのではないでしょうか。
なぜ半年間も職員にヒアリングを行うことなく放置したのか、具体的に答弁を求めます。
最後に、裁判所が二人への懲戒処分を取り消すよう言い渡したのは、「原告に注意指導を行わないまま、懲戒処分に及んだことが、信義則に反し、裁量権を逸脱・濫用したものとして違法である」とする当然の判断がされたものですが、門真市が控訴したのは、「処分庁に裁量が認められた懲戒権の行使において、裁量権の逸脱・濫用として信義則に反し、違法とした判決は、信義則の適用を誤ったものであるとの認識」から行ったとの答弁でした。
「信義則」とは、多くの国語辞典で、「社会共同生活において、権利の行使や義務の履行は、互いに相手の信頼や期待を裏切らないように誠実に行わなければならないとする法理」と説明され、「民法だけでなく、行政法や労働法、地方自治体の行政運営などにも広く及ぶ基本原則」だとされています。
裁判所の判断が「信義則の適用を誤った」とは、いったいどういう意味なのか、具体的にどのように誤ったと認識しているのか答弁を求めます。
【答弁】
通報者との具体的なやり取りについてであります。
平成31年4月11日の最初の問い合わせ以降、通報者より、勤務時間中に行うことができる適法な職員団体の活動の法的根拠、市職員へのアンケート調査の実施の可否やその方法について、4月19日及び22日、26日にそれぞれメールによる質問等があり、その都度回答しており5月8日の本市からの返信以降は通報者とやり取りを行っておりません。
次に、市ホームページへの通報後、原告のヒアリングを行うまでに半年間も時間を要した理由についてでありますが、最初の通報以降、人事課からの組合幹部が在席する所属長への勤務状況の確認、5月10日の原告の所属長から原告に対する注意などを経て、5月31日に所属長から門真市職員の懲戒処分等の指針に基づく報告書の提出がございました。
報告書の提出後、事案の性質に鑑み、他団体の実例を踏まえた顧問弁護士による調査など、顧問弁護士へ相談を行いながら調査方法等について慎重に検討を行いました。その結果、顧問弁護士からの「組織的なものではなく、職員の勤怠問題のみが対象となるため、人事課による調査の方が良い」との助言を踏まえ、10月から人事課での関係者へのヒアリングを実施し、11月に当事者へのヒアリングを行うなど丁寧かつ慎重に対応していたものであり、議員ご指摘の半年間放置していた事実はありません。
次に、裁判所が信義則の適用を誤ったと判断した具体的な理由についてでありますが、処分庁に裁量が認められた懲戒権の行使において、裁量権の逸脱・濫用として信義則に反し違法とされるのはあくまでも例外的なものであると考えております。また、判決において原告の非違行為が認められる中、判決どおり当該非違行為を不問に付さなければならないとなると、市政に対する市民の信頼を著しく損なうことにもなりかねないことから、判決内容は信義則を処分者側に不当に厳しく適用し過ぎており、信義則の適用を誤ったと判断せざるを得ない立場にありますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
2.アメリカとイスラエルが始めたイラン戦争で、石油関連製品の原料のナフサが不足し、医療・建設・農業などに影響を与え、仕事・暮らしが深刻な状況となっていることについて
米国・イスラエル両軍が2月28日に行ったイランへの大規模な先制攻撃は、明白な国際法と国連憲章違反であるとともに、両国を一言も批判しない高市首相の姿勢がいまなお厳しく問われています。
そして、その後のホルムズ海峡の緊張による原油・ナフサの価格高騰が市民生活と中小企業の経営に深刻な影響を及ぼしています。
政府においては、米国とイスラエルに対し、今回の先制攻撃が明白な国際法と国連憲章違反であることを厳しく指摘するとともに、国民への影響に対し抜本的な対策を講じるべきだと考えますが、今国会で成立した3兆円規模の補正予算では極めて不十分で、更なる抜本的な対策が強く求められています。
本市においては、市民への様々な影響を的確につかみ、市独自の対策を講じるとともに、国へ支援策の実施・拡充を働きかけることが求められています。
以上の観点から、以下質問を行います。
まず。本市における医療・建設・農業などへの影響と仕事・暮らしの状況についてです。
本市は、中小の製造業が多く、石油化学製品や物流コスト上昇等の影響を受けやすいため、その影響を的確に掴み、市独自の支援施策を講じることが求められています。
大阪商工団体連合会は「ホルムズ海峡封鎖による影響緊急アンケートを実施し、6月1日付の二次集計結果を公表しましたが、ホルムズ海峡封鎖等による影響があると答えた事業者が60%を超え、今後はあるとの回答が25%と、合わせ85%となっています。
また、その具体的な影響は、仕入れ・資材の高騰が33.4%、仕入・資材の調達が困難、が26%、仕事・売上の減少が17.4%を占めています。
そして、どのような支援が必要かの問いに燃料や光熱費への直接支援が24.6%、税金・社会保険料の納付猶予・減免が21.6%、コロナ禍に実施された「持続化給付金」「家賃支援給付金」のような支援策が21.4%、資金繰り支援が15.8%と続いています。
本市においても、具体的な支援施策を講じるためにも、また、国に支援施策を求めるうえでも、市民の暮らしと営業にどのような影響を及ぼしているのかを的確に把握することが求められていると考えます。
本市における医療・建設・農業などへの影響と仕事・暮らしの状況について、どのように把握しているのか具体的に答弁を求めるとともに、今後施策を講じるためにも更なる把握が必要だと感えますが、答弁を求めます。
次に、影響のある事業者や市民への国の支援施策の状況と市独自支援施策の考えについて答弁を求めます。
最後に、本市の影響を踏まえた国への支援施策充実を求めることについてです。
冒頭にも述べましたが、先に成立した政府の3兆円規模の補正予算では、極めて不十分であると考えます。政府が国民の暮らしと営業を守るためにも、市の独自の支援施策を進めるうえでも、国へ更なる支援施策の充実を求める必要があると考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
まず、本市における医療・建設・農業などへの影響と仕事・暮らしの状況についてであります。
ナフサ不足による影響の把握につきましては、中小企業サポートセンターをはじめ、守口門真商工会議所や金融機関、北河内農業協同組合などを通じて情報収集に努めており、市内事業所からは仕入価格の大幅な値上がりを警戒し、プラスチックや有機溶剤の途絶などの懸念から在庫確保に奔走していると聞き及んでおります。
医療及び農業分野においては、各報道からも少なからず医薬品の容器や分包紙、ビニールハウス用フィルムやマルチフィルムなど、ナフサ由来資材の価格上昇と供給不安が高まっているものと考えております。
また、総務省が公表している5月分の消費者物価指数においても総合指数は前年同月比1.5%、前月比0.4%の上昇となるなど、資源価格の高騰の影響も想定されることから、市民生活に直結する物価指標や経済指標について注視しているところであります。
今後につきましてもナフサ不足に伴う影響が懸念されることから、引続き関係機関等と連携し、情報共有に努めてまいります。
次に、影響のある事業者や市民への国の支援策の状況と市独自支援策の考えについてであります。
国の支援策につきましては、事業者を対象に経済産業省のホームページにおいて「中東情勢関連対策ワンストップポータル」サイトが公開されているほか、特別相談窓口の設置や金融支援、原油価格高騰に対する支援などが実施されており、ナフサ由来とする建設資材については、調達変更に係る経費を設計変更により計上できる旨の通知が発出されております。また、医療においては、国で備蓄している医療用手袋を放出される等、供給不安解決に向けた取組みが進められております。
また、市独自の支援施策につきましては、これまでの間、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した「子ども食費支援事業」、「高齢者おでかけ応援事業」を実施したほか、令和8年6月29日からプレミアム付デジタル商品券を販売いたします。
次に、本市の影響を踏まえた国へ支援施策充実を求めることについてであります。
物価高騰対策につきましては、大阪府市長会を通じて国及び大阪府に要望しており、先般、6月10日に開かれました全国市長会議においても「原油価格高騰等を踏まえた地域経済対策の充実強化に関する決議」が決定されております。
今後につきましても、引続き国・府の動向を注視してまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
【再質問】
市独自の支援施策について答弁では、「これまでの間、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した『子ども食費支援事業』、『高齢者おでかけ応援事業』を実施したほか、令和8年6月29日からプレミアム付デジタル商品券を販売いたします。」とのことですが、その財源は全て、国の「物価高騰対応重点支援地方交付金」となっています。
その歳入総額と「プレミアム付デジタル商品券」までの支出予定額の総額、予算に残があればその額について答弁を求めます。
「プレミアム付デジタル商品券」については、利点もある一方で、そもそもスマホを持っていないなど、使えない方も少なくありません。
近隣の他の自治体では、水道料金の減免を実施しているところが少なくありません。
今後において、水道料金の減免を実施するべきだと考えますが、答弁を求めるとともに、国の財源だけだはなく、市の一般財源でさらに独自施策をすすめるべきと考えますが、答弁を求めます。
【答弁】
まず、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金に関連する事業の歳入額、歳出額、残額についてであります。
令和7年度繰越及び8年度当初予算における本市の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の交付限度額は、10億1,748万2千円で、先ほどご答弁申し上げました3事業に対し、計9億971万3千円を、歳入予算として計上しております。
また、これらに係る歳出予算としまして、計9億4,707万8千円を計上しております。
交付限度額と歳入予算額の差額1億776万9千円につきましては、8年度当初予算において、中学校給食費無償化のための財源として歳入予算に計上しております。
次に、水道料金の減免実施に対する考えについてであります。
水道料金の減免は、比較的速やかに広く市民の皆さまに支援が届く施策の一つであると考えております。
昨年度実施した水道料金の減免では、7~8月検針分の基本料金の半額の減免により、その額は一般家庭で約1,000円となり、水量によって水道料金が変動することで市民にとって効果の実感が得られにくく、また世帯人数に関わらず1世帯あたり定額の減免となるといった課題もあるものと認識しております。
次に、一般財源で独自施策を進めることについてであります。
現在実施している3事業においては、歳出予算と歳入予算の差額約3,700万円を、昨年度に実施した水道料金の減免においては、事務費を含めた事業費約7,200万円に対する交付金との差額、約3,000万円を、それぞれ一般財源により措置しているところであります。
令和8年6月5日付で重点支援地方交付金(推奨事業メニュー)1,000億円が計上された国の8年度補正予算が成立し、本市の追加分として交付限度額が約4,300万円と示されたことも踏まえ、現在、各部署に対して事業提案を募集しているところであり、今後具体的な実施事業について検討してまいります。
物価高騰対策につきましては、基本的には、国において審議されるものと考えております。
先ほどもご答弁申し上げたとおり6月10日に開かれました全国市長会議において「原油価格高騰等を踏まえた地域経済対策の充実強化に関する決議」が決定されたところであり、今後の国の動向に注視しつつ、府・関係機関等の動きにあわせて物価高騰対応策について検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。