[2025.2.9] -[門真民報]
市民の命とくらし守る水道事業水道企業団に手放すのか!
議員全員協議会を福田英彦議員が傍聴
大阪広域水道企業団議会議員全員協議会が2月3日開かれ、14日の定例会に提案予定の議案等の説明が行われ、福田英彦議員が傍聴しました。
「大阪広域水道企業団」とは?
「大阪広域水道企業団」は、「府域一水道」を目指し、大阪市を除く府下42市町村で構成され、これまで大阪府が担っていた用水供給事業(水を作り各自治体に供給する事業)と工業用水道事業(工場などに人体と直接接しない目的で用いる雑用水を供給する事業)を平成23年4月から引継ぐ一部事務組合で、議会も設置されていますが、市町村によって実状が違うにもかかわらず、議員定数が33議席しかなく、全ての自治体から議員が選出できないという大問題がいまだに解決されていません。このまま推移すれば門真市は令和8年度議員を選出できないことになり大問題です。
進められる「水道事業」の統合
こうしたなかで平成29年度からは、水道事業(各家庭等に水を供給する事業)を開始し、四條畷市、太子町、千早赤阪村の3市町村を事業統合、その後も事業統合が進められ、令和7年度には19市町村の水道事業が大阪広域水道企業団の事業となります。
門真市統合に向け覚書締結・必要性の徹底検証を
今回の議員全員協議会では、令和7年1月23日に新たに泉大津市、箕面市、羽曳野市、門真市が水道事業の統合に向けて企業団と「覚書」を締結したことが報告されました。
今後のスケジュールについては、1月から統合素案の作成に着手し、令和8年3月に統合議案を審議し、夏には統合に関する基本協定書を締結し、最短で令和9年4月の事業開始を目指すということでしたが、これまで少なくない自治体が統合を検討しながら協議から離脱した経過もあり課題は山積しています。 市民の命とくらしを守る水道事業をコンパクトで効率的に配管されている門真市が手放していいのかどうかが問われ、徹底検証が求められます。
さらに運動すすめ行政を動かし統一国保料を撤回させよう!
大阪社保協・大商連主催で意思統一集会
「大阪府下統一国保NO!撤回求める意思統一集会」が2月3日、大阪社保協(大阪社会保障推進協議会)と大商連(大阪商工団体連合会)共催で開かれ、福田英彦議員が参加しました。
集会では、大阪府が国民健康保険主管課長会議で説明した「令和7年度大阪府統一国保料(市町村標準保険料率)の算定結果について、大阪社保協事務局長の寺内さんと、大商連事務局の西村さんが、大阪府の担当にレクチャーを受けた内容について西村さんが報告。
府民一人当たりの国保料が、令和6年度の
16万5691円から、令和7年度は16万2164円と3527円引き下がるが、2018年度比で3割値上げとなっており、全国的にも最高水準であること、府の国保財政は、2023年度に続き2024年度も黒字となる見込みであることなど報告、府も市町村の声を気にしており、粘り強く取り組むことが大切とのことでした。
この後、8自治体の社保協や民商からの現状や運動について報告がありましたが、いずれも運動を粘り強く取り組むことが大切だということを裏付けるものでした。
最後に大阪社保協事務局長の寺内さんが、「大阪府の納付金計算は正しいのか」 と社保協が指摘し続けてきた結果、大阪府国保運営方針案に対する法定意見聴取での市町村の意見に反映されたことも示し、各自治体での運動を呼びかけました。
2025年地方財政・能登地震・災害対策・地域公共交通を考える
地方議会議員政策セミナー
2025地方議会議員政策セミナーが1月27~28日、東京都内で開かれ豊北ゆう子議員が参加しました。
27日の全体会では、二人の講師からの講義があり、はじめに「2025年度政府予算案と地方財政対策のポイント解説」について 立命館大学教授の平岡和久氏が講義しました。
はじめに2025年度政府予算を見る際にこれまでの年度と異なる点に留意する必要があるとして、①少数与党下の予算案である②インフレへの対応を充分に考慮する③少子化・人口減少社会への対応の優先度が高くなる④能登地震からの復旧・復興の課題への対策強化をあげました。
一方で石破内閣は、これまでの財政政策の継続・拡大する面があると、①軍拡予算の継続・拡大②子ども子育て支援加速化プランの2年目に対して不十分な対策と予算③防衛費拡大や加速化プランの財源を確保するために社会保障関係費の自然増の抑制④性急なデジタル化⑤原発への依存の継続が明確になっていると述べました。
その上で、2025年度の予算案のポイント・地方財政対策と自治体財政の課題や自治体予算に関するチェックポイントについて解説しました。
次に、神戸大学名誉教授の室崎益輝氏は、「能登半島地震から1年~南海トラフ地震などへの備え~」と題して講義しました。
昨年1月1日に発生した能登半島地震と9月21日の能登半島豪雨は、その過酷な被害と引き換えに地域防災と自治体防災の根幹にかかわる重要な課題を突き付けていると指摘し、能登の復興無くして明日はない、能登の問題は日本全体の問題であり、背後には地球温暖化の問題、エネルギーの問題も見る必要があると述べました。そして、地震や豪雨の被害の概要・状況や復興の対応の問題点についても述べました。また今後の災害の時代に応え、自治体防災も進化させなければならないと、危機管理の在り方・減災戦略等について力説しました。市民主体の防災態勢づくりの重要性も強調しました。
翌日28日の分科会では、「地域公共交通と新しい移動手段を考えるー減便、運転手不足から交通DX、ライドシェアーまでー」と題して、金沢大学名誉教授の西村茂氏が講義しました。
西村氏は、現在、大都市を含む多くの地域で公共交通の減便・廃止が問題になっているとし、全国の廃止状況を示すとともに、「乗客の減少」と「減便」は原因と結果で、減便は廃止につながっていると述べました。
コロナ禍による乗客減からも回復しつつあったが、運転手不足と燃料費の高騰が加わっていると指摘し、運転手不足の現状について示しました。
運転手不足の問題
2023年度のバス運転手は11万1千人で必要な数から1万人不足していると言います。運転手不足の原因は、従来からの低賃金・拘束時間の長さと「働き方改革」規制(2024年4月)が加わったことと地方での実態を紹介しました。年齢の若い運転手が辞めて高齢化する、無理な勤務により健康を損なう、現役の運転手の疲弊が蓄積するなどをあげました。タクシー業界も運転手不足と燃料の高騰で2024年の倒産・休廃業・解散は82軒にのぼると言います。
日本バス協会は、バスの衰退原因として自家用車、特に軽自動車の普及をあげていることから、西村氏は公共交通の維持・拡充のためには、自家用車から公共交通へとシフトする行動変化を起こすことが必要。そのためには、自家用車での移動と同じくらい便利な移動サービスを提供できなければ環境問題等に関心の高い人の限定的なものになると述べました。
西村氏は、交通政策白書(2024年6月)には「誰もが、より快適で容易に移動できる、生活に必要不可欠な交通の維持・確保」と書かれているが、現実はこの理想とかけ離れていると批判しました。 また、2023年の地域公共交通に関する法律の、「バス・タクシー等地域公共交通の再構築に関する仕組みの拡充」では、「地域公共交通ネットワークへのリ・デザイン(再構築)において、国は地域の関係者の連携と協働を促進すること、仕組みづくりに介入するだけで主体はあくまで地域の関係者であること、キャッシュレス決済や交通DX・GXといった『高度化事業』の拡充には予算面で支援するということだと説明しました。
デジタル化によって可能になったライドシェアー(相乗り)やMaaS(デジタルツールによって多様な移動手段でシームレスな移動を実現すること)についても紹介し、取り組んでいる自治体からの説明もありました。 フランスでは、MaaSの目的を「自家用車を使用する必要性を減らす」 ことと結び付けて推進しているとのことです。
門真市でも京阪バスの減便やコミュニティバスの廃止によって、交通不便地域が広がっています。コミュニティバスの復活など市民要望やまちづくりを考える上でも公共交通を充実させるべきです。